ダウニング街10番地
テンプレート:建築物 ダウニング街10番地(ダウニングがいじゅうばんち、テンプレート:Lang-en)はイギリスの首相が住む官邸の所在地である。
ナンバー10(Number 10)と呼ばれることが多く、官邸またはイギリス政府を指す意味でも使われる。
概要
厳密には首相官邸ではなく、首相が兼務している第一大蔵卿官邸。また、「10」は番地(地番)ではなく住居番号である。
国会議事堂や官庁の立ち並ぶウェストミンスター地区にある。現在の建物は3階建てで、「10」とだけ書かれた玄関の扉が有名である(国有資産なので個人の表札は付けられないためらしいが、そもそもイギリスの家は表札を付けないのが普通という)。建物の上層階には首相家族の居住スペースなどがあり、日本の総理大臣公邸よりはアメリカのホワイトハウスに近いスタイルである。
隣接する11番地は財務大臣公邸、その更に隣の12番地は院内幹事長公邸として使われている[1]。邸宅前の通りは、サッチャー政権以前は普通の道路として一般車両も通行できたが、現在は警備上の問題から封鎖され、関係者以外は排除されている。
歴史
1682年、ジョージ・ダウニング(貴族院議員でケンブリッジ大学ダウニング・カレッジ創設者)が周辺の土地を購入し、ダウニング街を開発した。
1732年、初代首相ロバート・ウォルポール卿が時の国王・ジョージ2世に与えられたダウニング街の邸宅に住み始めて以来、一時期を除いて歴代首相の官邸として使用されている。
ネコの職員
テンプレート:Main ダウニング街ではネズミが多く住み着いており、1500年代初期からネコをネズミ捕り兼ペットとして飼っていたが、1924年からは「首相官邸ネズミ捕獲長(Chief Mouser to the Cabinet Office)」として正式に「雇用」している。身分は公務員と見なされる。給与は2005年時点で年100ポンド。
著名な職員はハンフリー (猫)やウィルバーフォース (猫)などがいる。
参考文献
田中嘉彦(2011)「二院制に関する比較制度論的考察(2・完):ウェストミンスターモデルと第二院」『一橋法学 第10巻第1号』一橋大学
脚注
- ↑ 隣接する9番地は、2009年10月1日の最高裁判所設置までは枢密院司法委員会の建物として使用されていた(田中(2011)118頁)。