ケシ科
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ケシ科(ケシか、Papaveraceae)は双子葉植物に属する科でケシ、ヒナゲシ、ハナビシソウなどを含む。大部分草本で一部は低木。葉は複葉または切れ込みのある単葉。花は放射相称、がくは2または4枚、花弁は4・6・8枚、またさらに多数のもの、あるいは全くないもの(タケニグサ)もある。雄蘂は多数がらせん状に付くものが多い。子房は2ないし多数の心皮からなり、放射状の柱頭が直接子房に乗る。果実は蒴果。多くは乳液(白~赤色)を含む。麻薬原料のケシを初めとして各種アルカロイドを含み、有毒の種も多い。23属200種ほどからなる。日本にはタケニグサ、クサノオウ、ヤマブキソウ、リシリヒナゲシなどが自生し、ナガミヒナゲシ、アツミゲシなどが帰化している。
近縁な群としてケマンソウ科(コマクサ、ムラサキケマンなど)があり、これをケマンソウ(キケマン)亜科として含める場合もある(新エングラー体系など)。クロンキスト体系ではこの広義ケシ科をケシ目としている。
花の形態が、キンポウゲ科に類似する(子房が多数の心皮からなり雄蘂も多数ある)ものと、フウチョウソウ科やアブラナ科に類似する(雄蘂が少数で子房が2心皮からなる)ものがあるため、ケシ科はこれら2つの群を進化的に結ぶものと考えられてきた(そのため新エングラー体系ではアブラナ科などもケシ目に入れている)。しかし近年の分子系統学的研究から、アブラナ目とは直接は関係ないことが明らかになり、APG植物分類体系ではケシ科をキンポウゲ目に入れている。
属
- Arctomecon
- アザミゲシ属 Argemone
- Bocconia
- Canbya
- クサノオウ属Chelidonium - クサノオウ
- Dendromecon
- Dicranostigma
- シラユキゲシ属 Eomecon
- ハナビシソウ属 Eschscholzia
- ツノゲシ属 Glaucium
- Hunnemannia
- ヤマブキソウ属 Hylomecon - ヤマブキソウ
- タケニグサ属 Macleaya - タケニグサ
- Meconella
- メコノプシス属 Meconopsis(ヒマラヤの「青いケシ」Meconopsis betonicifolia が有名)
- ケシ属 Papaver - ケシ、ヒナゲシ、オニゲシ、アツミゲシ、アイスランドポピー
- Platystemon
- Platystigma
- オサバグサ属 Pteridophyllum - オサバグサのみ
- Roemeria
- Romneya
- Sanguinaria
- Stylomecon
- Stylophorum