鍵盤ハーモニカ
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鍵盤ハーモニカ(けんばんハーモニカ)は、楽器の一種。ハーモニカと同じく金属のリードを呼気で鳴らすものである。
鍵盤と連動したバルブの開閉によって、特定のリードを確実に演奏することが出来るが、ハーモニカと違い吸気で鳴らすことは出来ない。「ピアニカ」「メロディオン」などはメーカーの商標名であるが、通称として一般的に普及している。「鍵ハ」と略す通称もある。
概要
鍵盤楽器でありながら、実質的に管楽器と同様、息を吹き込む強さを加減することで表情豊かな表現が可能である。鍵盤ハーモニカの演奏には専用の吹き口(唄口、パイプ)を用いる。基本的な奏法としては、幼稚園や小学校での音楽教育など机上あるいは膝上に置いて演奏する場合には卓奏用パイプ(ホース状)を用いる。また、鼓笛隊など立ったまま演奏する場合には立奏用パイプ(I字状あるいはS字状)を用いて演奏する。立奏の場合には本体背面のバンドに片手を通して本体を支えつつ演奏する。
本来は小学生(とくに1・2年生)や幼稚園児が学校での音楽教育や器楽演奏に用いる楽器であるが、前に述べた通り表現力のある楽器であるため、一般的な楽器と同様にソロやアンサンブルで演奏するプロやアマチュアの奏者も現れてきている。
2013年3月3日、静岡県で行われたイベントで、鍵盤ハーモニカを全員で5分以上演奏するギネス世界記録に挑戦し、「鍵盤ハーモニカ同時演奏の最多人数」を更新した[1][2]。
主なメーカーと商標
- TOKAI、ヤマハ:ピアニカ(東海楽器製造の命名した商品名、ピアノとハーモニカの合成語)。30年ぶりに軽量化などを施し改良したモデルを2014年10月から販売する[3][4]。
- SUZUKI:メロディオン(メロディーとアコーディオンの合体語)
- ZENON:ピアニー(ピアニカの捩り)
- HOHNER:メロディカ・ピアノ
鍵盤ハーモニカ奏者
- 北野淳
- オーガスタス・パブロ
- 石井幸枝
- ジャック・ディジョネット
- ピアニカ前田
- 藤田浩司
- 松田昌
- ピアニカ彩
- ジョン・メデスキ(MMW)
- 永見行崇
- トミー・チョウ
- 長崎桜(colo)
- はざまゆか CD「剣の舞」ALM 全国リリース レコ芸にて推薦盤に選ばれる
鍵盤ハーモニカを採り入れた音楽家
- 国府弘子
- 山中千尋
- シンディ・ローパー
- ドナルド・フェイゲン 主にライブで使用。
- ザ・フーターズ
- P-ブロッ
- Keiko(Vanilla Mood)
- ゆず(北川悠仁)
- 滝本晃司(たま) コーラスを配慮して口で吹くかわりに風船を使用する「風船ピアニカ」を演奏。
- 山田将司 (THE BACK HORN) 曲、「ヘッドフォンチルドレン」をライブで演奏する際に使用。ライブ盤『産声チェインソー』にて、その演奏が聴ける。
- 小田和正 コンサートでは「woh woh」等でバンドマスターの園山光博が演奏。
- 椎名林檎 曲、「丸の内サディスティック」と東京事変のライブDynamite!などで演奏。
- CINEMA dub MONKS
- 大島俊一
- 森俊之
- 石坂慶彦
- バーニー・ウォーレル
- 柳原陽一郎(元・たま) たま在籍時に演奏していた。
- 青木タイセイ(熱帯JAZZ楽団)Por que no?(ポル・ケ・ノ?)などで演奏。
- イールズ
- ポケット・ペンギン
- ハービー・ハンコック
- 東京スカパラダイスオーケストラ
- フランツ・フェルディナンド
- 松本あすか
- face to ace キーボーディストの本田海月が演奏。
- ピアニカ前田
- 向谷実
使用した作曲家
- 野村誠
- 鶴見幸代
- ファヴィアン・スヴェンソン
- 吉田桂子