Origin
Originは米国 OriginLab Corporation社のWindows用グラフ作成・データ解析用ソフト。日本国内の販売元は株式会社ライトストーン。最新バージョンは2013年10月に発売されたOrigin 9.1 SR0。
グラフ作成では、種々の2D/3Dグラフをサポートする。
データ解析には、統計、信号処理、曲線フィット、ピーク解析、画像処理などを含む。Originの曲線フィットは非線形の最小二乗フィット機能を含み、それはLevenberg–Marquardt(LMA)のアルゴリズムに基づいている。
データインポート機能としてOriginは、ASCII, Excel, NI TDM, DIADem, NetCDF, SPCなどのデータフォーマットをサポートしており、また、ADO(ActiveX Data Objects)を通じたデータベースアクセスのための組み込みクエリー処理機能も含まれている。グラフエクスポート機能としては、JPEG, GIF, EPS, TIFFなどのイメージフォーマットをサポートしている。
OriginにはLabTalkと呼ばれるスクリプト言語や、OriginCとよばれるC言語準拠のプログラミング環境が備わっている。より高機能なバージョンOriginProはさらに高度な解析・統計機能を備える。インターフェイスがやや独特であるが、高機能かつ安定している。日本語の取り扱いにも問題がなく、バージョン9.1よりUnicodeにも対応するようになった。
機能
- データのグラフ化:
- データの探索
- データ解析・統計: FFT/ウェーブレット、スペクトルのピークフィット、各種統計処理、基礎的な画像処理、など
- 非線形曲線フィット
- プレゼンテーションの作成
- Excelの操作
- プログラミング: LabTalk、Origin C、Xファンクション、NAG数値計算ライブラリ
ユーザインターフェース
Originは、スプレッドシートをフロントエンドとする視覚的ユーザインターフェース(GUI)を基本操作環境としたソフトウェアである。しかしExcelのような通常のスプレッドシートとは異なり、各列に列名や単位などの属性が与えられ、それらを一括して参照することができるように、Originの「ワークシート」はデータ列(内部的にはデータセットと呼ばれるベクトルデータ)を操作単位とするものである。従って計算においては、セルについての式の代わりに、列に対する計算式が利用される。
Originの機能にアクセスする別の方法として、LabTalkと呼ばれるスクリプト言語の利用がある。LabTalkはOrigin内蔵のCコンパイラ言語(Origin C)を使うことにより機能を拡張することができる。
その他、 VB.NET, C#, LabVIEWなどで書かれた外部プログラムからCOMサーバーを使ってOriginの機能にアクセスすることもできる。
歴史
Originは当初MicroCal社の微小熱量計の専用ソフトウェアとして開発され、その測定データのグラフ化、非線形の曲線フィットやパラメータ推定などに使われた。
Originはその後、現OriginLab社[1]の前身であるMicrocal Software社より1992年に一般向けソフトウェアパッケージとして発表されることになる。OriginLab社の本社は現在、米国マサチューセッツ州ノースハンプトン市(英語サイト)に所在する。
リリース履歴
- 2013/10 Origin 9.1[2] パイパー・ダイアグラム(英語サイト)、 三角座標 3D曲面図など。
- 2012/10 Origin 9 OpenGLベース 3Dグラフィクス
- 2011/11 Origin 8.6 64ビット版
- 2010/9 Origin 8.5
- 2009/10 Origin 8.1
- 2007/10 Origin 8
- 2003/10 Origin 7.5
- 2002/2 Origin 7.0
- 2000/9 Origin 6.1
- 1999/6 Origin 6.0
- 1997/8 Origin 5.0
- 1995/2 Origin 4.1
- 1993 Origin 2
参考文献
関連項目
外部リンク