画像処理
画像処理(がぞうしょり、テンプレート:Lang-en-short)とは、電子工学的(主に情報工学的)に画像を処理して、別の画像に変形したり、画像から何らかの情報を取り出すために行われる処理全般を指す。まれにコンピュータグラフィックスによる描画全般を指して使われることがあるが、あまり適切ではない。歴史上CGアプリケーションはCADが先行し、そのころのCGは「図形処理」と呼ばれていて、実際図形処理情報センターという出版メディアも存在した。画像処理は本来CGとは無関係にテレビジョン技術の発達とともに、産業界では早くから注目を浴びていたテクノロジーであり、当初からビデオカメラの映像信号を直接アナログ-デジタル変換回路へ通すという方法が試みられた。その成果の一部(輪郭強調によるシャープネスなど)が現在のCGアプリケーションに生かされている。
概要
処理の対象としてはデジタル画像が用いられることがほとんどで、処理はコンピュータ上で行われる。取り出したい情報の特徴に応じて適切なアルゴリズムを記述することが必要となる。
画像処理の流れの一例として、画像入力-画像変換-分類 というものを挙げる。まず対象とする画像を入力し、この画像に対して変換処理を行う。変換の方法としてはさまざまなものが存在するが、基本的なものでは濃淡画像を白黒2値にする「2値化」、濃度変化から物体の境界を見出す「エッジ検出」などがよく用いられる。これらいくつもの変換処理を重ねて行うことで必要な情報の抽出を行い、最後に得られた情報の分類を行う。
画像処理が生産用に実用化されている事例として、製品の欠陥検査がある。集積回路のマスクパターンなどの工業製品の欠陥検査のほか、形が一様ではない農産物の選別などにも用いられる。また、ロボットが外界を認識するための方法としての画像処理も研究が進んでいる。