掾
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掾(じょう)とは、日本の律令制四等官のうち三等官を指す。「掾」の文字は国司の三等官(中央政府における「判官」に相当する)を指す。
概要
特に大国と呼ばれる最上級の令制国には特に大掾・少掾が設置された。三等官は文字にかかわらず「じょう」と訓ぜられるが、これは唐の一部官庁で三等官の呼称とされていた「丞」の借音とされる。ちなみに、「掾」の日本語での音読みは「エン」である。
浄瑠璃における掾号
律令国司における掾が転じて、後世、朝廷(江戸時代は嵯峨御所、明治以後は宮家)から、出入の商人や刀匠、浄瑠璃の芸人などに対して、その技芸を顕彰する意味で下賜された官名。もっとも後代まで残存していたのは浄瑠璃における掾号であった。戦後では、1947年(昭和22年)に2代目豊竹古靱太夫が秩父宮家から山城少掾を、1956年(昭和31年)には4代目吉田文五郎が東久邇家から難波掾を受領している。