チャールズ・トムソン・リーズ・ウィルソン
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チャールズ・トムソン・リーズ・ウィルソン(Charles Thomson Rees Wilson, 1869年2月14日 - 1959年11月15日)は、スコットランドの物理学者である。ウィルソンの霧箱で知られる。1927年のノーベル物理学賞の受賞者である。
スコットランド中部のGlencorseに農民の息子として生まれた。1873年に父親が死ぬと家族はマンチェスターに移った。マンチェスター大学で学んだ後ケンブリッジ大学で学んだ。気象学に興味を持ち1893年に雲とその性質の研究を始めた。しばしばベン・ネビス山の気象観測所にいって、雲の発生の観察を行った。
その後ケンブリッジの実験室で、実験装置を使って雲を発生させる実験を始めた。密封した容器に湿った空気をいれて減圧(断熱膨張)させることによって、霧を発生させた。霧箱にイオンや放射線の飛跡が発生することを示した。 霧箱を発明した時キャヴェンディッシュ研究所の所員であったので、同研究所のJ・J・トムソンら電子や放射線の研究者たちの重要な道具として用いられた。霧箱の発明によって1927年のノーベル物理学賞を受賞した。