攻撃機
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攻撃機(こうげきき)は、地上や洋上の目標への攻撃を主任務とする軍用機。日本の航空自衛隊では支援戦闘機と呼ばれていた[1]。
概要
攻撃機は、空対空戦闘を主任務とする戦闘機に対して地上や洋上の目標の攻撃を主任務とする軍用機である。主要搭載兵装は空対地、空対艦ミサイル、精密誘導爆弾、通常爆弾、ロケット弾で、多くの攻撃機が任務や目標に応じて搭載兵装を変更できる多用途性を有している[2]。
似た軍用機として爆撃機があり、より多くの爆弾類を搭載し強力な破壊力を持たせた航空機は爆撃機として分類される。進化が進み、トーネード IDSが9トン以上、F/A-18Cは7トン以上の爆弾類を搭載でき、第二次世界大戦の爆撃機並みの搭載量だが、爆撃機も進化が進みB-52Hは27トン、B-1Bは34トン、B-2Aは22トンと増加している[3]。
航空機のジェット化が進み、レーダー、電子技術、ミサイルなどの兵装の発達で従来の機種は整理され、特に戦闘機は空戦を専門とするタイプと大量の兵装を装備できる戦闘攻撃機タイプが主流になり、兵装の交換により対空、対地、対艦といった幅広い任務に対応するマルチロール機へと進化していった。攻撃機はマルチロール化した戦闘機に集約されて機種が減る一方で練習機などと基本設計が兼用の軽攻撃機も広く使われる[4]。
種類・分類
- 戦闘攻撃機
- 戦闘機用の兵装と攻撃機用の兵装の双方を搭載でき、また、状況に応じて戦闘機としても攻撃機としても活動できるのが戦闘攻撃機である。戦闘機にも爆弾などを搭載することはできるが、対地攻撃用システムは積んでないので精度は低いものになるので戦闘攻撃機とは言わない。戦闘機としても攻撃機としても能力を兼ね備えた多用途機である[2]。
- 似たものに戦闘機と爆撃機の能力を兼ね備えた戦闘爆撃機がある。攻撃機の搭載量が高まった面から見れば同じものである[2]。
- 軽攻撃機
- 練習機を転用した軽攻撃機は破壊力も小さく、限定された目標の攻撃や対ゲリラ戦などに利用される。しかし、アルファジェット、ホークのような練習機から発展したものは大型の対艦ミサイルを携行できるので、機体が小型だからといって軽攻撃機とは言えない[2]。
- 近接支援機
- 航空攻撃によって連携を取り、地上部隊の支援する任務を近接航空支援(CAS)と呼び、この用途に使われる攻撃機を近接支援機と呼ぶ。対地攻撃用兵装の攻撃機や軽攻撃機がこの任務に当たり、専用機はほぼない[5]。一方、ソビエト連邦では近接航空支援を主体とする攻撃機に対して、伝統的にシュトゥルモヴィーク(襲撃者)と呼ばれる独自の機種区分を与えており、現在のロシア連邦でも引き続き用いられている。日本陸軍ではシュトゥルモヴィークに相当する任務を行う攻撃機を襲撃機と呼称しており、「軽快な低空運動性・低搭載量・低常用高度・固定機関砲装備・装甲装備」が軽爆撃機との主な違いであった[6]。
- 支援戦闘機
- 航空自衛隊では攻撃機を支援戦闘機と呼び、任務は対艦攻撃、対地攻撃、近接航空支援と幅広く、状況に応じて航空脅威の対処にも使用される[5]。
- 日本海軍の攻撃機
- 日本海軍では、急降下爆撃を行える機体を爆撃機、水平爆撃および雷撃のみを行える機体を攻撃機(艦上攻撃機および陸上攻撃機)と呼んだ。これは日本海軍独特の機種であった[7]。太平洋戦争末期の銀河は、機体強度を増して急降下爆撃が可能だったので、陸上爆撃機に分類されているものの、同様に急降下爆撃機を兼用する流星は攻撃機に分類されている。
主な攻撃機一覧
第二次世界大戦
- イリューシン Il-2(シュトゥルモヴィーク)
- イリューシン Il-10(シュトゥルモヴィーク)
第二次世界大戦後
脚注
関連項目
- 軍用機 - 戦闘機 - 爆撃機 - 戦略爆撃機
- 艦上攻撃機 - 陸上攻撃機
- 軍用機のコックピット
- COIN機
- シュトゥルモヴィーク
- ガンシップ