パオロ・スタンツァーニ
テンプレート:存命人物の出典明記 パオロ・スタンツァーニ(Paolo Stanzani )は、ランボルギーニの元チーフエンジニア。 ジャンパオロ・ダラーラの退社を受け、若くしてチーフに昇格。ダラーラのようにレースカー設計の経験がなく、ハラマ、ウラッコ、カウンタックのような、短いホイールベース間に機械と人間を詰め込むような斬新な空間設計と、ロードカーとしての理想を目指し、積載性や量産製作の容易さを追求した。
カウンタックの先代モデルに当たるミウラの欠点であった安定性の問題(パワーユニットがリアタイヤに極端に近く横置きに配置されているため、重量配分がリア寄りになってしまった)、さらにこの横置きのパワートレインのエキゾーストの取り回しの問題も発生しキャビンが騒々しく、しかもギアボックスのリンゲージが複雑な構造になっておりシフトフィールが良くないといった苦情もあった。 そこで、スタンツァーニはパワーユニットをカウンタック開発の際、縦置きにすることを決定した。縦置きにすることで、排気系のレイアウトがシンプルになりキャビン内の騒音も軽減でき整備性も良くなるといったメリットが生まれる。ただし、このレイアウトには欠点がありエンジンの前後長が長くなり、ホイールベースが長大にしまうということだ。 この欠点を改善するために、スタンツァーニはエンジンの前後を逆にし前側にギアボックスを配置するという極めて斬新なレイアウトを考えた。しかし、このレイアウトによってギアボックスをコクピットの2つのシートの間に配置しそれによってホイールベースの長大を防ぐ事が可能になった。しかも、ギアボックスからシフトレバーを直接生やすことができ、ミウラの欠点の一つであったシフトフィールの悪さも解決出来たのだ。その結果、ミウラよりもホイールベースを短くすることを可能にした。(2,450mm) さらにスタンツァーニはカウンタックの全長までもを詰めようと考えた。そこで、通常はフロントオーバーハングに置かれるラジエーターはエンジン両サイドに横置きに設置し、その下にフューエルタンクを配置した。これによってフロントオーバーハングに収められるのはスペアタイヤとバッテリーのみになった。
カウンタックでは、テストドライバーの剛性向上の進言からモノコックを止めて古典的なスペースフレームに戻してはいるが、設計段階から4WDの追加を想定するなど、先進的デザインを採っている。
ランボルギーニを去ってコンサルタントとして独立してからも、理想のロードスポーツカーを独自に研究。 カウンタックのモデルチェンジの機会に、創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニとともにランボルギーニへの復帰を画策するもそれはかなわず、後にブガッティ・EB110として実現させた。しかし、より情緒的で客受けのするフェラーリのような車を望んだ経営者の意見を受け入れなかったため、EB110の開発途中で解雇された。
外部リンク
参考文献
- ワールド・カー・ガイド・デラックス No.11 LAMBORGHINI (株式会社 ネコ・パブリッシング) ISBN 4-7770-5155-2