スニッカーズ
スニッカーズ(Snickers)は、米国のマース社 (日本での発売元はマース ジャパン) が販売しているスナックバーである。構成としてはピーナッツ入りのヌガーの上にキャラメルを絡めたピーナッツの層を重ね、ミルクチョコレートで全体を覆った棒状の菓子といえる。コンパクトな形状で携帯性に優れ、糖質・脂質などのエネルギー(1本247kcal)を迅速に摂取できることからサバイバル食や軍用レーションにも用いられる。
来歴
オリジナルレシピのスニッカーズは、1930年にフランク・マーズ(Frank C. Mars)とエセル・マーズの2人によって、ミルキーウェイ(Milky Way)に次ぐマーズ社の2番目の商品として売り出された。商品名はマーズ家が当時所有していた中で最もお気に入りだった馬の名にちなむ。当時の値段は一本5セントであった。1968年には小型の「ファンサイズ」バーが売り出され、今日でもハロウィンの夕方に「いたずらかお菓子か(トリックオアトリート)」と練り歩く子供達に与えるための菓子として人気が高い。1970年代から1980年代にかけて映画館で大々的に売り出されて、ライバルのスナックバーをしのぐ売り上げを記録した。味覚の多様化やダイエットの流行により売上が落ちたものの、現在でも人気の高い菓子の1つである。また世界中のスーパーマーケットやドラッグストアで販売されており、世界中の年間総売上は20億ドルとされる。
スニッカーズは、イギリスで当初マラソン(Marathon)という商品名で売り出されていたが、1990年以後はスニッカーズに統一されることになった。その後1年半にわたって、新しい商品名になじんでもらうため、2つの商品名がパッケージに記されていたが、結果的に消費者を困惑させることになった。イギリスで女性用の下着を意味するニッカーズと語感が似ていたため、一部では嘲笑の的になった。2004年に新商品として発売されたスニッカーズ・マラソン・エナジーバーは偶然にも、スニッカーズの旧商品名と同じであったため、消費者をさらに困惑させることになった。
2000年代初頭には、スニッカーズなどのスナックバーに衣をつけて揚げたデザートがアメリカ合衆国の州立農業博覧会(state fair)やイギリスやオーストラリアのパブで人気を博したが、北部イングランドやスコットランドの一部では、少なくとも1990年代半ばにはすでに揚げたスナックバーがフィッシュ・アンド・チップス店の名物となっていた(詳しくは揚げマーズバーを参照)。
2006年、イギリスの食品局(UK Food Commission)は著名な料理人アントニー・ウォーラル・トンプソン(Antony Worrall Thompson)の「スニッカーズ・パイ」を最も不健康なデザートの一つであると指摘した。「スニッカーズ・パイ」には5本のスニッカーズが使われており、一人分のカロリーは砂糖と脂肪だけで1250キロカロリーとなる。これは平均的な成人が一日に必要とするカロリーの半分以上である。「スニッカーズ・パイ」が2004年に英国放送協会の土曜日のテレビ番組で紹介された際、トンプソンは頻繁に食べるべきデザートではないとコメントしている。[1]
キャッチフレーズ
日本では1980年代後半に「おなかがすいたらスニッカーズ」「ナッツぎっしり確かな満足」というキャッチコピーでTVCMが盛んに放送された。主に学生や残業中のサラリーマンをターゲットにしていたようである。
原産国
日本向けスニッカーズの原産国は、マース社の都合なのか数年おきに原産国が変化する事例がある。2000年代初期まではオーストラリアだったが、包装の外観を変更した際に中国での生産になった。
2008年頃、原産国が中国からオーストラリアに回帰した。賞味期限の表記が変わった以外で包装の見た目に変化は無かったが、包装材がアルミ蒸着からプラ材になり、アルミ特有のつやが消えた。なお、この包装材は同社の日本向けミルキーウェイと同一の物であり、こちらもオーストラリア製である。
2010年にはオーストラリアからロシアに変更され、途中からは原産国を変えずに包装のデザインがこげ茶に変化した。オーストラリア時代に比べて軟らかい食感になると同時に質量や栄養成分も変わり、賞味期限の表記や製品寸法も同時に変更された。一方、スニッカーズ・ミニはこれらの影響を受けずに中国産のままとなっている。
なお、2013年8月後半からはシングルに関しても再度中国産となり、包装の質感も2008年以前の物と同一になった。
スニッカーズの種類
日本国内
ここでいう国内向けとは、包装の表記が最初から日本語の物を指す。
- 日本向けスニッカーズ・シングル - 最も普遍的に売られているスニッカーズ。2013年9月以降は中国産でロシア産は在庫限り。
- スニッカーズ・ミニ - ファンサイズをばら売りにしたような小型版。中国産。
- スニッカーズ・ファンサイズ - スニッカーズ・ミニが12個入ったもの。中国産。
- スニッカーズ・キューブ - ファンサイズより更に小型で5+1(6)個入り。上から見ると正方形で現在は売られていない。アメリカ産だった。
- スニッカーズ・モバイト - スニッカーズ・キューブの個包装を変えずに4つ入りとしたもの。アメリカ産。