クレイジータクシー
『クレイジータクシー』(CRAZY TAXI) は、1999年にセガ第三AM研究開発部が開発・発売したドライビングゲームである。通称は「クレタク」。アーケードゲームとしてリリースされ、後にコンシューマーゲームに移植・シリーズ化した。
主なラインナップは以下の通り。
- クレイジータクシー
- クレイジータクシー2
- クレイジータクシー3 ハイローラー
目次
ゲーム内容
プレイヤーはタクシードライバーとなり、フィールド上でタクシーを呼んでいる客を乗せ、時間内に目的地へ到着させることが目的のゲーム。
目的地に1秒でも早く到着するために、一方通行を逆走したり、公園や広場、更には鉄道の線路上や地下鉄の駅構内・トンネル内を突っ走っても構わない。さらには海の中など、道なき道を進むような、一般道ではありえない無謀な暴走や無関係な一般車両(アザーカー)をはじき飛ばすような暴走も許される。また、客も道端だけではなく、海の中や建物の2階にあるテラスなどでも待っている。基本的には目的地に早く着けば着くほど高ポイント。しかし、規定の時間を過ぎてしまうと乗客は怒り、走行中のタクシーから飛び降りてしまう。タイトル通り、"クレイジー"なゲーム性が強く押し出されている。
タクシーは全てオープンカーで、黄色にチェッカー(いわゆるイエローキャブ)の塗装をした、1950年~70年代のアメリカ車を愛車としている。舞台は、主にアメリカ合衆国内の架空の町。だが、ゲーム中には実在の企業店舗も描かれている。
BGMとしてオフスプリングやバッド・レリジョンなどパンクロックの曲が採用されている。
コンシューマー版ではタクシーを利用したミニゲームが用意されており、より遠くにジャンプするクレイジージャンプなどが存在した。
操作方法
- クレイジーダッシュ
- タクシーを急加速させる。最重要テクニックと言える。
- クレイジードリフト
- タクシーをドリフトさせる。
- クレイジーバックドリフト
- タクシーをドリフトさせた後、180度回転したところからバック走行させる。
- クレイジーバックダッシュ
- タクシーを急加速でバックさせる。
ルール
- ノーマルルールでは、客を目的地に早く到着できると残り時間が2秒、非常に早く到着できれば5秒、それぞれ持ち時間が回復する。持ち時間が無くなろうとしても、直前に乗客を乗せることができれば目的地距離に応じて時間がある程度回復する。
- 坂などを利用して大ジャンプを行ったり、クレイジードリフトを行ったり、他車との間すれすれを走るとチップ(得点)を追加でもらうことができる。これらを繰り返せばもらえるチップの倍率が上がっていく。一方、障害物や車にぶつけるとチップの倍率は戻ってしまう。
クレイジータクシー
『クレイジータクシー』(CRAZY TAXI) は、「セガ職業ゲームシリーズ」の一作として1999年2月にアーケードゲームでリリースした。AM三研でNAOMI基板を初採用したタイトルである。
アーケードのレースゲームは一般的に自動車の運転席を模したコックピット筐体でシートに着席してプレイするものが多いが、本作は汎用のアップライト型に準じた筐体で座席はなく、汎用筐体のボタン部にハンドルとレバー、足下にペダルが取り付けられ、スタンディング(立ち見)でプレイするスタイルとなっている。さらに通常のレースゲームでは不可欠なドライバーの視点(運転席の視点)はなく、自車を後方から見た視点のみで固定され視点の切り替えはできなくなっている。
2000年1月にドリームキャスト移植版が発売され、さらにドリームキャスト版を基にPlayStation 2(セガのPS2参入タイトル第1弾)・ニンテンドーゲームキューブ・Microsoft Windowsに移植された。
その後2010年11月にセガ・ドリームキャスト復刻プロジェクトの1タイトルとしてPlayStation 3のPlayStation NetworkとXbox 360のXbox Live Arcadeで配信開始した。新たにHDの高解像度(720P)と16:9のワイドサイズへの対応、カスタムサウンドトラック機能、トロフィー、実績、ホームリワード、アバターアイテムなどの要素が追加されている。
2012年11月30日に、日本においてもiOS版がリリースされた(日本国外の一部地域では以前から配信されていた。)
モード
- ARCADE
- アーケード版のコースで遊ぶモード。アーケード版はこのコースのみ収録されている。客を届けた早さによってタイムボーナスが貰えるアーケードルールの他、コンシューマー版では、3分・5分・10分の制限時間内で遊ぶルールも追加されている。サンフランシスコのような、ケーブルカーの走る坂道などが特徴。
- ORIGINAL
- コンシューマー版オリジナルのコースで遊ぶモード。こちらもアーケードルールと、3分・5分・10分の制限時間ルールがある。ARCADEコースよりもやや複雑な作りの町となっている。
- CRAZY BOX
- コンシューマー版オリジナルのミニゲーム集。
キャラクター
- Axel
- 21歳男性。タクシーのナンバープレートは「1NOM155」(I'm no miss「俺に失敗はありえない」)。
- Gena
- 23歳女性。タクシーのナンバープレートは「5EXY515」(sexy sister「私のかわいい車」)。
- B.D.Joe
- 25歳男性。タクシーのナンバープレートは「2HOP260」(to hop to go「ノリノリでいこうぜ」)。
- Gus
- 42歳男性。タクシーのナンバープレートは「ONLY777」(only three-7「777(大穴)しか狙わないぜ」)。
BGM
- オフスプリング
- All I Want
- Way Down The Line
- Change The World
- バッド・レリジョン
- Hear It
- Them And Us
- Ten In 2010
- Inner Logic
なお、Windows版はBGMが一新されている。PS3版とXbox 360版もBGMは一新されているが、カスタムサウンドトラック機能でオリジナル版のBGMを再現可能。
実在の企業店舗
なおPS3版とXbox 360版、iOS版は、ライセンスの関係でこれらの名称が別のものに差し替えられている。
クレイジータクシー2
『クレイジータクシー2』(CRAZY TAXI 2) は、クレイジータクシーシリーズの2作目である。アーケード出身の前作とは異なり、ドリームキャストオリジナルのタイトル。
クレイジーホップというジャンプ機能が搭載されたため、障害物や段差のある場所を飛び越したりといった戦略をとることができる。また団体客が追加され、多くの客を1人ずつ目的地に降ろしていく。
ネットワーク機能
ソフトにはネットワーク機能が付いており、『ドリームパスポート』の一部機能が制限されたバージョン(ブロードバンド対応)が同梱されている。
以前は公式ウェブサイトでダウンロードコンテンツが無料配布されており、AROUND APPLEとSMALL APPLEの「Another Day」をメモリーカードに保存することで、客の配置が異なるマップで遊ぶことができた。また、リプレイのアップロードやダウンロードも可能だった。これらのサービスは2003年9月30日をもって終了されている。
モード
- AROUND APPLE
- 『2』オリジナルコースその1。客を届けた早さによってタイムボーナスが貰えるノーマルルールと、3分・5分・10分の制限時間内で遊ぶルールが用意されている。ニューヨークがモチーフで、遠くに自由の女神像を見ることもできる。
- カスタマーデータ「Another Day」があれば、客の配置が異なる夕焼けのAROUND APPLEで遊ぶことができる。
- SMALL APPLE
- 『2』オリジナルコースその2。こちらもノーマルルールと、3分・5分・10分の制限時間ルールがある。ニューヨークがモチーフで、セントラル・パークのような都市公園もある。
- カスタマーデータ「Another Day」があれば、客の配置が異なる朝焼けのSMALL APPLEで遊ぶことができる。
- CRAZY PYRAMID
- 前作の「CRAZY BOX」と同様のミニゲーム集。タイトル通り、メニュー画面がピラミッド状に表示される。
- REPLAY
- 新モード。リプレイの録画と再生ができる。なお、リプレイの録画はこのモードで録画を選んだときのみ可能であり、通常モードのリプレイは録画できない。また、録画は約80秒しかできない。
キャラクター
BGM
- オフスプリング
- Americana
- No Brakes
- Walla Walla
- Come out Swinging
- One Fine Day
- メソッズ・オブ・メイヘム
- Who the hell cares
- Crash
実在の企業店舗
クレイジータクシー3 ハイローラー
『クレイジータクシー3 ハイローラー』(CRAZY TAXI 3 High Roller) は、クレイジータクシーシリーズの3作目である。Xbox用として発売され、後にMicrosoft Windowsに移植された。
前2作に比べ、各種エフェクトが大幅に強化された。システムとしてはクレイジーホップ中に(空中)ダッシュが可能になり、更に戦略のある走りが可能になった。またコマンドが簡略化され、コマンド入力の受付も緩くなり、客の乗降りも素早くなって前作までの不満点はほぼ解消された。
Windows版はBGMがXbox版と異なっている。
コース
- GLITTER OASIS
- 『3』オリジナルコース。ラスベガスをモチーフとしている。
- WEST COAST
- 1作目の「ARCADE」コース。クレイジーホップが可能のため、1作目では走れなかった場所に行けたり、町に建物が増えていたりする。
- SMALL APPLE
- 『2』の「SMALL APPLE」コース。舞台が夜となり、客の目的地も『2』とは大きく異なる。
キャラクター
今作は、コースによって選択可能なキャラクターが異なる。WEST COASTとSMALL APPLEは、それぞれ1作目と『2』のキャラクターが選択可能。『3』オリジナルコースのGLITTER OASISは次の4人。
その他のシリーズ
- クレイジータクシー ハイローラー
- アーケードで発売。
- 『クレイジータクシー3 ハイローラー』をベースにした『クレイジータクシー』のリメイク作。シングル客しか登場しないシングルモードが追加されている。
- Crazy Taxi Catch a Ride
- ゲームボーイアドバンスで発売。日本未発売作品。
- クレイジータクシー ダブルパンチ
- PlayStation Portableで発売。日本国外での名称は『CRAZY TAXI: Fare Wars』。
- 『クレイジータクシー』と『2』が1つのソフトに移植された作品だが、収録BGM一新、2人プレイ可能など、新しい要素が追加されている。
備考
- 1作目のアーケード版は1999年2月に発売されたが、前年の1998年にはリュック・ベッソン製作・脚本のフランス映画『TAXi』が公開された。タクシーを使ったカーアクション映画だが、『クレイジータクシー』開発スタッフは「まんまやんけ」と大騒ぎになったという[1]。
- 2001年7月に一部のメディアにより映画化が検討されていることが報じられた[2]。リチャード・ドナー監督による映画化という構想であったが、2010年現在映像化には至っていない。