アサバスカ湖

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アサバスカ湖の位置(赤矢印)

アサバスカ湖(Lake Athabasca)とは、北アメリカ大陸の北部に存在するの1つである。

概要

アサバスカ湖は、おおよそ北緯59度、西経110度付近に広がっている、面積は約7850km2、最大水深は124m(平均水深は約20m程度)で、貯水量は約204km3の東西に長い形状の湖である [注釈 1] 。 この場所は、カナダアルバータ州の北東の角と、同じくカナダのサスカチュワン州の北西の角に当たり、このアサバスカ湖は、この両州にまたがっている。そしてこの両州にとってこの湖は最も深くて大きな湖であり、その大きさはカナダ全体で見ても8番目に大きな湖である [1] 。 アサバスカ湖の水面の標高は約213mであり、湖の西端部には南からアサバスカ川が流れ込んでいて、同じく西端部から北西へスレイブ川へとつながる川が流れ出している。そしてスレイブ川は、グレートスレイブ湖へと注いている。この他、アサバスカ湖にはFond du Lac Riverが流れ込んでいるなど、他にも幾つか関係する河川が存在する。

なお、湖名の「アサバスカ(aðapaskāw)」というのはクリー語で「次々と植物が生えている場所」といった意味であり [2] 、要するに、何種類もの植物が見られる場所ということであるという説が存在する。一方で、湖名の「アサバスカ」というのは、クリー語で「アシの生えている場所」という意味で [3] 、つまり、アシの生えるような水辺であるという説も存在する。

この他特筆すべきこととして、アサバスカ湖は、かつてグレートベア湖グレートスレイブ湖などとつながっていたと考えられている。かつては、これらの湖全て覆うマッコーネル湖が存在したとされており、これらの湖はマッコーネル湖の残渣と考えられている。このため、これら3つの湖は「姉妹の湖」などと喩えられることもある [4]


周辺地域

アサバスカ湖の北岸にはウラン鉱山の鉱山が存在していたものの、これらは1980年代までに全て閉鎖された。しかし、この鉱山での採鉱のために、アサバスカ湖の北岸付近は酷く汚染されてしまった。

アサバスカ山との関係

カナダアルバータ州にはアサバスカ山という山が存在しているものの、このアサバスカ山の「アサバスカ」は、アサバスカ湖の名称を単に引用して命名されただけのことである。

注釈

  1. 参考までに、琵琶湖は最大水深こそ104mとあまり変わらないものの、その面積は約671km2程度。したがって、アサバスカ湖の面積は、琵琶湖の11倍以上である。このような大きな湖なので「北緯59度、西経110度付近」とおおざっぱな書き方をしている。なお、貯水量に関しても、琵琶湖は約27.5km3程度に過ぎない。

出典

  1. Atlas of Alberta Lakes. (1990) "Lake Athabasca" Edmonton: University of Alberta Press. ISBN 0-88864-214-8
  2. Bright, William (2004). "Native American Place Names of the United States." p.52 (アメリカ合衆国内の先住民に由来する地名)Norman: University of Oklahoma Press ISBN 0-8061-3576-X OCLC 53019644
  3. 蟻川 明男 『世界地名語源辞典(3訂版)』 p.6 古今書院 2003年3月1日発行 ISBN 4-7722-4041-1
  4. Pielou, E. C. (1992). "After the Ice Age: The Return of Life to Glaciated North America." p.193 University of Chicago Press. ISBN 0226668126

参考文献

  • Atlas of Canada (2004-04-05). "Lakes of Canada" (カナダの湖) Natural Resources Canada.


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