悪魔の飽食
テンプレート:基礎情報 書籍 『悪魔の飽食』(あくまのほうしょく)は、小説家の森村誠一が下里正樹の取材に基づいて著した、関東軍731部隊についての著作である。テンプレート:要出典範囲第1部は1981年(昭和56年)に日本共産党機関紙の『しんぶん赤旗』日刊紙に、第2部は1982年(昭和57年)に『しんぶん赤旗日曜版』に連載され、いずれも光文社から単行本が刊行された。第3部は1983年(昭和58年)に角川書店の「カドカワノベルズ」から単行本が刊行された。テンプレート:要出典範囲
目次
概要
旧満州国で関東軍731部隊が行っていたという人体実験の実態を詳しく描いたとして、話題を呼んだ。 しかし後にまったくの捏造だったとわかる。その1981年(昭和56)の5月に、常石敬一が海鳴社から『消えた細菌戦部隊』を刊行してはいた[1][2][3]が、有名出版社から、高名な推理作家の名前で出た本著は、731部隊を初めて一般に知らしめた著作であり、国内で広く731部隊の存在が認識されるターニングポイントとなった。本著以前においては帝銀事件などの例外を除き、731部隊の存在が語られることは皆無であったとされるが、本著以降、731部隊に関する、賛否さまざまな視点からの著作が発表される事となるが、結局フィクションだった。
この作品を元にした、混声合唱組曲(池辺晋一郎作曲)・劇も作られ、劇を元に中国では映画が制作された。しかし、旧日本軍を非人道的として糾弾する一方、後述のように「ノンフィクション作品」としては問題点が多く指摘されており、「プロパガンダ小説」であるという批判がある。なお、光文社から出版された単行本初版のうち、第1部は「カッパ・ノベルス」、第2部は「Kappa novels ドキュメントシリーズ」に分類が分かれている。角川書店から出版された第3部は「カドカワノベルズ」に収録されている。
書誌情報
たんに『悪魔の飽食』と呼ぶ場合は第1部を指す。続編である『続・悪魔の飽食』は第2部を指す。第1部と第2部は最初、光文社から出版された。その後、角川文庫に収録された第1部と第2部は光文社版から改訂されているので新版と呼ばれる。第3部は『悪魔の飽食 第三部』として、最初、カドカワノベルズとして出版され、その後、角川文庫に収録された。『〈悪魔の飽食〉ノート』はノートと略記する。『ノーモア悪魔の飽食』はノーモアと略記する。
略称 | 出版社 | シリーズ | 書名 | 副書名 |
---|---|---|---|---|
第1部 | 光文社 | カッパ・ノベルス | 悪魔の飽食 | 「関東軍細菌戦部隊」恐怖の全貌! 長編ドキュメント |
角川書店 | 角川文庫 | 新版 悪魔の飽食 | 日本細菌戦部隊の恐怖の実像! | |
第2部 | 光文社 | Kappa novels ドキュメントシリーズ | 続・悪魔の飽食 | 「関東軍細菌戦部隊」謎の戦後史衝撃のノンフィクション |
角川書店 | 角川文庫 | 新版 続・悪魔の飽食 | 第七三一部隊の戦慄の全貌! | |
第3部 | 角川書店 | カドカワノベルズ | 悪魔の飽食 第三部 | |
角川書店 | 角川文庫 | 悪魔の飽食 第三部 | ||
ノート | 晩声社 | 〈悪魔の飽食〉ノート | ||
ノーモア | 晩声社 | ノーモア悪魔の飽食 |
第1部
- テンプレート:Cite book - 折り込図1枚。
- テンプレート:Cite book - 折り込図1枚。
- テンプレート:Cite book
ノート
- テンプレート:Cite book - 関東軍防疫給水部略歴:pp.230-235。
第2部
- テンプレート:Cite book - 「続」編の副書名:「関東軍細菌戦部隊」謎の戦後史衝撃のノンフィクション。
- テンプレート:Cite book - 「続」編の副書名:第七三一部隊の戦慄の全貌!
- テンプレート:Cite book - 改訂新版。
- テンプレート:Cite book - 「続」編の副書名:第七三一部隊の戦慄の全貌!
第3部
- テンプレート:Cite book - 正、続の出版者:光文社。
- テンプレート:Cite book - 折り込図1枚:関東軍防疫給水部本部施設全図。
- テンプレート:Cite book
ノーモア
批判
不正確な写真掲載と改版
テンプレート:出典の明記 元隊員であったという人物から提供されたとする写真を、新発見のものとして第2部の単行本に収録したところ(初出紙にはその写真は載っていない)、その大半が別の事件(20世紀初頭の「満洲」におけるペスト流行のときの写真であった)の写真であることが判明した。森村自身も「提供写真への混入」として、写真に偽物が含まれていたことを認めている。この問題により光文社版は続刊を含むすべての版が回収され、絶版となった。その結果、第3部と、第1部・第2部の改訂版が、問題の写真を削除した上で、角川書店より新たに出版されることとなった[4][5][6][7]。2014年(平成26年)時点ではKADOKAWAから電子書籍版も販売されている[8][9][10]。
また、初版とそれ以降の版を比べると、矛盾していた証言が整合性を持つように変更されているなどの差異がある。本作は、「ノンフィクション」とされているにも拘らずそれらの変更点、およびその理由は一切明示されていない。
問題点
批判派からは、以下の点が問題であり信憑性に疑いがあるとされている。ただし、常石敬一[1][2][3]や青木冨貴子[11][12]の著作もある2008年(平成20年)現在の視点からみると、『悪魔の飽食』独自の問題のものと、細菌戦研究そのものを否定しようとする立場からの全面的な否定との区別はさまざまである。秦郁彦は、本書の性格を、小説とノンフィクションがごちゃ混ぜになった作品と評している[13]。
- 関係者はすべて匿名であり、その証言の裏付けがとれない。
- テンプレート:要出典。
- 731部隊に関する資料をアメリカが回収し、米国立公文書館が細菌戦研究などに関する米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開したが、裏づけとなる資料はまだ見つかっていない。[14][15]
- 旧満州国は、米国ではなく旧ソ連及び中国に占領されたが、その方面からの裏づけを欠く。
- テンプレート:要出典。
- 遺骨などの物証に欠ける。
- テンプレート:要出典。
- テンプレート:要出典。
- テンプレート:要出典。
これらは英領香港(当時;現在は中華人民共和国の特別行政区)による映像化作品『黒い太陽七三一 戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌』において、「本作品中の文章通り」に忠実に再現されている。
脚注
関連文献
図書
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Cite book - 略年表:pp.231-232。
- テンプレート:Cite book - 略年表:pp.230-231、参考文献:pp.267-268。
- テンプレート:Cite book - 略年表:pp.238-239、参考文献:pp.282-283。
- テンプレート:Cite book - 参考文献:pp.396-409。
- テンプレート:Cite book - 参考文献:pp.375-387。
- テンプレート:Cite book - 混声合唱組曲『悪魔の飽食』原詩を収録。
記事
以下、発表された順に配置する。
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