加津佐駅
加津佐駅(かづさえき)は、長崎県南島原市加津佐町水下津にあった島原鉄道島原鉄道線の駅である。同線の終着駅であった。
ファイル:Kadusa-station.JPG 駅舎(2008年撮影) ファイル:Shimatetsu-Kazusa-station-and-bungalow-village.jpg 駅構内と隣接するバンガロー村(2007年撮影) |
駅構造
- 単式ホーム1面1線を有する地上駅。
- 廃止されても駅舎は撤去されていない。
- レールは外され、枕木が積まれている。
- 側線が2本あり、滞泊車両の留置に使用された。駅の奥には車止めがあった。
- 車両留置機能のみで、給油や検修のための設備はなかった。
駅周辺
駅前には小さな広場がある。
諫早方面行きのバス停は道路に面したところにある。以前は県営バスも運行されていたにもかかわらず、島原鉄道バスの時刻しか掲載されていなかった。しかし、2007年(平成19年)3月末限りで県営バスが島原半島から撤退したため、現在は全便のバスが掲載されている。諫早方面のバスは旧県営バスの便を島原鉄道バスが代替する形にはならなかったため、従来より便数が減少しており、注意が必要である。
駅舎の反対側は海岸に通じており、夏季には海水浴場となる。
駅付近にコンビニ(ファミリーマート)がある。
利用状況
1日平均乗降人員は119人であった(2005年度、島原鉄道線内44駅中第25位)。
歴史
- 1928年(昭和3年)2月25日 - 口之津鉄道の駅として開業。
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 会社合併により、島原鉄道の駅となる。
- 1984年(昭和59年)10月1日 - 貨物取扱廃止。
- 1985年(昭和60年)4月23日 - 現駅舎竣工。
- 2005年(平成17年)4月 - 無人化。
- 2008年(平成20年)3月1日 - 3月31日 - 廃止に伴って一時的に有人化。
- 2008年4月1日 - 島原外港・加津佐間の廃線により、廃駅となる。
雲仙普賢岳災害時の対応
当駅は車両留置機能のみで、給油や検修のための設備はなかったが、1993年4月から1997年3月まで雲仙普賢岳の噴火・土石流災害により島原外港 - 深江間が不通・休止となっていた期間は、不通区間の南側で運行する車両の給油・検修が当駅構内で行われた。給油にはタンクローリーが用いられた他、駅構内にもドラム缶を利用した仮設設備を設け、全般検査時期を迎えた車両についてはクレーン車で車体を上げて台車やエンジン等を取り外し、南島原の車両基地へ陸送して整備することで対応した。仕業検査・月検査や、全般検査時の車体関係の整備は当駅構内で行われたが、ピットや点検台もなく困難を伴う中での作業となった。
バンガローになった鉄道車両
駅に隣接した海水浴場に鉄道車両を並べバンガローとして使用していた。ディーゼル化により余剰になった明治時代の古典客車や客車化された元ガソリンカー、旧海軍川棚工廠で使用されたとされる客車など。大部分はレールの上に据え付けられ入口に梯子段がかけられていた
- 1957年6月時点
- ハフ51-53、ホハ28、ホハフ35、ホハ12061、ホハ12188、ナハニ14188、海軍工廠客車
- 1962年7月時点
- ハフ51-53、ホハ28、ホハフ35、ホハニ2722、ホハ12061、ホハ12188、海軍工廠客車7両
- 1970年9月時点
- ホハ38、ホハフ29、35、36、26、ホハ32、ホハフ31、海軍工廠客車
- 参考文献
- 山城正一「客車がバンガローになる」『RAILFAN』No.97
- 久保敏「口之津鉄道のガソリンカーたちの記録」『RAILFAN』No.664
- 湯口徹『南の空,小さな列車』(上)プレスアイゼンバーン、1989年
- 山城正一・田栗優一「島原鉄道」『私鉄車両めぐり特輯』3、鉄道図書刊行会、1982年
隣の駅
- 島原鉄道
- 島原鉄道線
- 白浜海水浴場前駅 - 加津佐駅