日生エクスプレス
テンプレート:列車名 日生エクスプレス(にっせいエクスプレス)は、阪急電鉄梅田駅 - 能勢電鉄日生中央駅間において、平日のラッシュ時間帯に運転されている直通の特急列車の愛称。
この「日生エクスプレス」という愛称は、公募によって「イチロ・ニッセイ(イチロ・ニッサンをもじって)」「スターエクスプレス(日生→星)」などの多数の応募の中から選出・決定されたものである[1]。
ここでは、同列車が土曜日に運休し、その代替として運転されている能勢電鉄の日生急行についても記述していく。
運行概況
阪急宝塚本線 - 能勢電鉄妙見線 - 能勢電鉄日生線の2社3路線を直通運転している。阪急の通常の特急列車と同様、特急料金なしで利用することができる。朝のラッシュ時間帯には上り列車(日生中央駅 → 梅田駅)のみ、夕方のラッシュ時間帯には下り列車(梅田駅 → 日生中央駅)のみが運行されている。基本的に8両編成で運転されるが、朝の上り列車(日生中央駅 → 梅田駅)7本のうち中間の5本には川西能勢口駅で梅田方に2両を増結し、区間的に10両編成となる。
宝塚本線と妙見線の連絡は、梅田行、日生中央行ともに川西能勢口駅3号線に入線し、乗務員の交替後スイッチバックして行う。
1997年11月の運行開始当時、阪急宝塚本線には梅田駅 - 宝塚駅間を結ぶ特急列車(以下本線特急)が別途設定されており、同線内での停車駅は特急「日生エクスプレス」と同一であった。しかし、2000年6月4日のダイヤ改正以降、本線特急は停車駅に新たに3駅が加えられる形で当初の2倍の6駅へと変更され、運転時間帯も含めて差別化が図られた。これにより、「日生エクスプレス」の名称は特急列車の愛称よりも種別としての位置づけに近くなった[2]。
また、同列車が運休日となる土曜日朝ラッシュ時間帯には、能勢電鉄内において停車駅が同じである日生急行日生中央発川西能勢口ゆきを3本運行している。日生急行は能勢電鉄の通常4両編成で運転される。川西能勢口到着後は回送や普通で日生中央方面へ折り返す。なお英語で「Nissei Express」と示した場合は種別としての「日生急行」の方を指す。特急「日生エクスプレス」の英語表記は種別としての「特急」を指す「Limited Exp.」である。
使用車両
2014年8月現在
- 阪急8000系電車(平井車庫所属全車)
- 8両編成=8004F・8005F・8006F・8007F(いずれも川西能勢口寄り2両はセミクロスシート)
- 朝の梅田行きの増結車=8030F・8034F・8040F・8041F・8042F [3]
- 阪急7000系電車
- 朝の梅田行きの増結車=7031F・7032F・7033F(検査等で増結車が欠けた場合、7025Fから捻出される事がある)
- 阪急6000系電車 ※2003年8月30日以降
- 能勢電鉄6000系電車 ※2014年8月1日以降
- 8両編成=6002F(2014年8月1日に能勢電鉄へ譲渡)。なお、譲渡後も阪急電鉄平井車庫所属である。このため、能勢電鉄の車両でありながら、阪急の8連車と共通運用となっており、自社線にはほとんど入らず(=日生エクスプレスの運用には充当されず)、宝塚線宝塚方面や箕面線に入線することが多い。
運行開始当初は、8両編成には8000系4編成のみが使用されていた(6011Fが検査等の予備車)。なお、上記の車両のうち、6024Fを除き、8両編成の車両は阪急用の列車無線アンテナのほかに能勢電鉄用の列車無線アンテナを装備しており、アンテナが2本ある。
停車駅
- 2006年10月28日現在
阪急宝塚本線 | 能勢電鉄妙見線 | 能勢電鉄日生線 | ||||||||||||||||
梅田駅 | - | 十三駅 | - | 石橋駅 | - | 池田駅 | - | 川西能勢口駅 | - | 平野駅 | - | 畦野駅 | - | 山下駅 | - | 日生中央駅 |
沿革
- 1996年3月24日 阪急電鉄・能勢電鉄 川西能勢口駅の高架駅舎が完成。
- 1997年11月16日 阪急電鉄・能勢電鉄 ダイヤ改正。川西能勢口駅3号線を使用開始。同日日生中央駅前交通広場で「特急日生エクスプレスまつり」が開催され、浜村淳・匠ひびきを招いたトークショーの他、貸切列車も運行された。
- 1997年11月17日 8000系で特急「日生エクスプレス」の運行を開始。1日6本(上り3本、下り3本)運行(上下とも30分間隔)。
- 2000年6月4日 ダイヤ改正により増便しての運行を開始。1日7本(上り3本、下り4本)運行(上り15分間隔、下り20分間隔となる)。
- 2003年8月30日 ダイヤ改正により増便しての運行を開始。1日14本(上り7本、下り7本)運行(間隔は同じ)。使用車両に6000系が、停車駅に池田駅が追加される。
- 2009年4月18日・19日・25日・26日 沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、臨時特急「日生エクスプレス」を梅田駅 - 日生中央駅間で運転[6]。このうち25日・26日は、1997年の運行開始以来初めて上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違った。
- 2009年10月31日・11月1日・3日・7日・8日・14日・15日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転(日生中央9時台発梅田行き2本のみ)[7]。
- 2010年10月25日・4月26日・29日・5月1日・2日・3日・4日・5日・8日・9日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転。このうち4月25日・26日は、沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、日生中央行きも運行し、2年連続上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違った。(日生中央は9時台発梅田行き2本のみ)
- 2010年10月30日~11月28日の土曜日・日曜日・祝日に臨時特急「日生エクスプレス」を運転を予定していたが、10月30日は台風の影響により、運行を取りやめた。よって、10月31日より運行を開始。これにより、10月31日~11月28日の約1ヶ月間毎日臨時特急「日生エクスプレス」が運行されることになる。(日生中央9時台発梅田行き2本のみ)
- 2011年3月19日~5月15日の土曜日・日曜日・祝日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転。このうち4月25日・26日は、沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、日生中央行きも運行し、3年連続上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違う。この期間は日生中央9時台・10時台に各1本ずつ設定されている。
現在の運用
2011年5月現在
- 平日朝の上り特急車が梅田に到着した後は、第1便は急行宝塚行き、第2・6・7便は回送、第3~5便は通勤急行宝塚行き(雲雀丘花屋敷で増結車を切り離し)となる[10]。
- 平日夕方の下り特急車が日生中央に到着した後は、能勢電鉄線内を回送。川西能勢口到着後、第1~6便は川西能勢口発の梅田行き普通電車となる[10]。
- 平日朝の上り最終便(日生中央8:17発)は、直前に日生中央駅に回送車で来るのではなく、6時台に日生中央駅2号線に到着し、留置線で待機する。また上り第5便(日生中央7:43発)も6時台に日生中央駅1号線に到着し、留置線で待機する[10]。
- 先述の臨時特急「日生エクスプレス」は、基本的に平井車庫から日生中央(梅田)駅に回送され、梅田(日生中央)駅到着後は平井車庫まで回送される[11]。
備考
- 梅田(阪急)-日生中央(能勢電)間の直通運転であるため、車内アナウンスも両社で異なる。
- 夕方時間帯の日生中央行きでは川西能勢口駅だけでなく、池田駅でも宝塚方面行きへの乗り換え案内が放送される。これは川西能勢口駅では宝塚方面行きのホームを使用しないため、宝塚方面へ向かう乗客が乗っていた場合は池田駅で降りるか、コンコースへ降りて隣のホームへ行く必要があるため。
- 2008年12月1日より8007Fに「エコトレイン」ラッピングが施行されたが、従来通り能勢電鉄に乗り入れている。これは「もみじ」や「王子動物園」のような小規模なものを除いたラッピング車としては初である。
脚注
- ↑ 愛称に冠されている「日生」は列車の乗り入れ先である能勢電鉄日生線や終着駅である日生中央駅にちなんだものであるが、この語は阪急日生ニュータウンの開発者である日本生命保険に由来するものである。
- ↑ 本線特急は2003年8月30日のダイヤ改正をもって廃止されており、宝塚本線において特急列車は日生エクスプレスのみとなっている。
- ↑ 過去には8031F・8032F・8033Fも使用されていたが、これらは現在神戸線に移籍されている。
- ↑ 6024Fの乗り入れは2011年4月から。
- ↑ 過去には増結予備として6024F(2連時代)が運用された事もある。また、検査などに伴う車両不足が発生した時、緊急で外付けの無線機を搭載した6013Fが運用に入り、能勢電鉄線内に入線した実績もある。
- ↑ 鉄道ファンrailf.Jp [1]
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄プレスリリース(2009年10月22日)
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄プレスリリース(2009年12月9日)
- ↑ テンプレート:PDFlink - 阪急電鉄プレスリリース(2010年4月23日)
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 10.5 10.6 10.7 10.8 テンプレート:PDFlink
- ↑ 阪急電鉄 2008年8月30日改正 平日列車運行図表