交響曲第25番 (モーツァルト)
テンプレート:Portal クラシック音楽 交響曲第25番ト短調K.183は、モーツァルトが作曲した交響曲。1773年10月5日にザルツブルクで完成された。
第40番のト短調交響曲に対して、小ト短調ともよばれる。なお、モーツァルトの交響曲のうち、短調で書かれているのはこの曲と第40番のみである[1]。調性、曲調、楽器法などからヨーゼフ・ハイドンの交響曲第39番の影響が指摘されている。
映画『アマデウス』の冒頭部分で使用されたことで有名である。
楽器編成
特筆すべき点として、この時代にしては珍しくホルンを4本用いている(ハイドンの39番も同様である)。これはホルンの本数を増やして響きを豊かにするだけでなく、当時は自然管の楽器しかなかったため、また特に短調の場合は自然管で出せる音が限られてしまうため、G管とB♭管(アルト)の両方を使うことでそれを補おうとしたものである。これによって第1、3、4楽章では不完全ながらもホルンが主題を奏でることが出来るようになっている。
ちなみに第40番では第1、4楽章でG管とB♭管(アルト)のホルンが1本ずつ用いられている(第2楽章ではE♭が2、第3楽章ではGが2)。
曲の構成
- 第1楽章 Allegro con brio ト短調、ソナタ形式
- 第2楽章 Andante 変ホ長調、ソナタ形式
- 第3楽章 Menuetto ト短調-Trio ト長調、複合三部形式
- 第4楽章 Allegro ト短調、ソナタ形式
演奏例
この曲の演奏で、よく挙げられるのは、ドラマティックで情熱的なブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるライヴ録音(1956年)、極限の速いテンポで疾走するオットー・クレンペラー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のライヴ録音(1951年)などがある。そのほかにも最近では、トン・コープマンやニコラウス・アーノンクールなどによるピリオド奏法の演奏も録音されている。
また、THE ALFEEが本作と自身の楽曲である「Brave Love 〜Galaxy Express 999」を一体化させた楽曲(THE ALFEE CLASSICS IIIに収録)を伴奏したこともある。なお、このアレンジは服部克久による。
その他にCM曲としての使用例もある。
脚注
- ↑ 他に1765年の作とされ、1983年にデンマークのオーデンセで再発見された交響曲イ短調 K.16a『オーデンセ』があるが、こちらは偽作説が有力となっている。また、モーツアルトは宗教劇『救われたベトゥーリア』の序曲を交響曲に編曲しているが、こちらはニ短調である。
外部リンク
- テンプレート:IMSLP2
- 解説 - Mozart con grazia