茅
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茅(かや)は、古くから屋根材や飼肥料などに利用されてきた草本の総称である。
「萱」とも書くが、この字の本来の意味は「ワスレグサ」であり、「かや」と訓ずるのは国訓である[1]。
概要
「茅」と呼ばれるのは、細長い葉と茎を地上から立てる一部の有用草本植物で、チガヤ、スゲ、ススキが主要なものである[2]。
特徴・利用
イネやムギなどの茎(藁)は水を吸ってしまうのに対し、茅の茎は油分があるので水をはじき、耐水性が高い。
この特徴から茅の茎は屋根を葺くのに好適な材料となり、以前の日本では最も重要な屋根材として用いられた。
屋根を葺くために刈り取った茅をとくに刈茅(かるかや)と呼び[3]、これを用いて葺いた屋根を茅葺(かやぶき)屋根と呼んだ。
その他かつての農村では牛など家畜の飼料、田畑の肥料、燃料などさまざまな利用があった。 現在でも、菅笠をはじめとする各種民芸品や、茅の輪(ちのわ)などが茅を編んで作られている。
このように重要であった茅を確保するために、往時の農村では、集落周辺の一定地域を茅場とし、毎年火を入れて森林化の進行を防ぎ、そこから茅を収穫することが普通であった。
言葉
「茅」の名をもつ植物
カヤが和名に付く種は多く、ほとんどがイネ科である。 以下は、カヤが和名に付く種のほんの一部である。
イネ科
- イタチガヤ Pogonatherum crinitum
- オカルガヤ Cymbopogon tartilis var. goeringii
- カモガヤ Dactylis glomerata - 帰化植物
- キツネガヤ Bromus pauciflorus
- チガヤ Imperata cylindrica
- ネズミガヤ Muhlenbergia japonica
- メカルガヤ Themeda japonica
- メリケンカルガヤ Andropogon virginicus - 帰化植物
カヤツリグサ科
無関係なもの
裸子植物のカヤ(榧、イチイ科の木本)およびイヌカヤ、カヤツリグサ(蚊帳吊草)の「カヤ」は「茅」とは無関係である。