犬島
犬島(いぬじま)は、岡山県岡山市東区西大寺(区本庁管内)の岡山水道南東部にある島、および当地を含む犬島諸島全域からなる地域(大字)。犬島諸島中で最大の面積を有し、また諸島では唯一の有人島であり人口は約100人である。郵便番号は704-8153。犬島諸島全体との差別化のため、犬島本島とも呼ばれる。
島名は犬に似た巨岩に由来するといわれる他、枕草子で一条天皇が犬を追放した島の比定地であることに由来するともされる[1]。なお、その名と異なり、島内には猫が非常に多い(2009年以降は激減)。
歴史・産業
花崗岩(犬島みかげ)の産出で知られ、大坂城築城のほか、明治以降の大阪港築港の際には礎石の切り出し場となるなど、大阪の建設と縁が深い。
1909年(明治42年)から1919年(大正8年)まで島の東南部で銅の精錬を行っていた。精錬所の遺構として、朽ち果てたレンガ積みの煙突が数本残り、島のシンボルとなっている。
人口の減少に伴い小中学校は廃校になったが、郵便局は簡易郵便局として残っている。なお、犬島自然の家は、かつての小中学校舎を公営の宿泊施設として整備・増築したものである。
文化
1984年に放送されたテレビドラマ『西部警察最終回スペシャル大門死す男たちよ永遠に』のロケ地としても使われた(私有地内のため立ち入りは出来ない)。いまでも爆破ロケの残骸や足場が放置されるなど、当時のロケの荒っぽさを感じさせ、地元に映画ロケーションへの拒否感を起こしてきた。近年は映画「鉄人28号」のロケ地になるなどふたたびロケが活発化している。
近年、精錬所を使った演劇祭が開かれたほか、香川県直島町でベネッセアートサイト直島を展開するベネッセコーポレーション(岡山市)現会長が直島福武美術館財団を設立し、精錬所付近を使った恒久的なアートワークの設置を柳幸典と共に10年前から計画。2008年(平成20年)4月「犬島アートプロジェクト“精錬所”」が開館している。以前は予約者のみ見学可能だったが、2010年度以降は事前予約が不要になり、自由鑑賞制を導入している。
また、2004年より「犬島時間」というアートプロジェクトが行われており、毎年夏頃(2011年より5月ゴールデンウィークに変更)に「犬時時間」というアートイベントを開催している。犬島の夏の恒例行事として賑わいをみせている。こちらのプロジェクトは、ベネッセの助成事業として犬島間実行委員会が運営している。年間を通じて犬島とかかわり、地域×芸術×人・・・その魅力を発振している。犬島アートの先駆け的な存在である。
犬島は2010年に開催されるアートの祭典瀬戸内国際芸術祭の開催地にもなっており、維新派の演劇が行われるなど、今後ますます地域の文化的な活性化が期待されている。
観光
島の南部に犬島海水浴場と犬島キャンプ場が、西部に犬島自然の家がある。
イベント
学区
小学校は、本土側にある岡山市立朝日小学校の学区となり、中学校は同じく本土側の岡山市立山南中学校の学区となる。
交通
岡山駅東口または天満屋バスステーションから両備バスで西大寺バスセンターへ。西大寺バスセンターで東備バス東宝伝行きに乗り換え、西宝伝で下車。徒歩5分の宝伝港(朝日漁港)から犬島港まで定期船で2.5km(約10分)。
- 2010年4月現在、西大寺-西宝伝間のバスは平日4往復(土日祝は東宝伝行3便・西大寺行5便)、定期船平日7往復(日曜は減便、「犬島アートプロジェクト」開館日は増便)。
- 直島宮浦港から四国汽船の直島 - 犬島間高速艇(約50分、豊島経由。月曜・火曜は運休、水曜・木曜は12月から2月の間、直島 - 豊島間のみのため寄港せず)。
- 自家用車は犬島へ渡ることが出来ない。
脚注
外部リンク
- 岡山市(犬島)
- 柳スタジオ
- アートプロジェクト犬島時間
- 犬島時間ブログ
- ベネッセアートサイト 犬島 HP
- 犬岛幻想ふたたび-Inujima 犬島アートプロジェクトより(丹波新報社版)-最新の犬島が見られる。
- 宝伝 ←→ 犬島 フェリー運航ダイヤ
- 岡山市犬島自然の家
- 瀬戸内国際芸術祭2010