自己啓発セミナー

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テンプレート:出典の明記 自己啓発セミナー(じこけいはつセミナー、Large Group Awareness TrainingLGAT)とは、「本当の自分を見つけ」「可能性を開く」「自己の殻を打ち破る」「心の癒し」「トラウマの解消」と称する講座である。狭義には、アメリカで設立された"Mind Dynamics"[1]から分岐した"est"や"Lifespring"の流れを汲んだセミナーのことを指す。一部では「自己開発」と称する場合もある。

概略

自己啓発セミナーは、成功哲学を含むニューソートの流れを汲んだ積極的思考の思想、サイケデリックの実験から発展したヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントのセラピー技法、マルチ・レベル・マーケティングマルチ商法)系の人脈によって、1970年前後にアメリカで確立した。

並行してアメリカで開発されたリーダー養成のための企業向け研修方式であるST(センシティビティ・トレーニング)が、受講中の自殺者や受講後の心身疾患を多発させて一挙に下火になったあと、1970年代以降に生まれたニューエイジ思想が結びついて、事前に可否判断の情報を持ち得ず自己責任での受講となる個人向けのセミナーとして通流した面が強いされる。[2]

日本へは、マルチ・レベル・マーケティングを追って1970年代中頃に上陸し[3]、1990年前後に大流行し、バブルの崩壊とともに下火になった。バブル以降は、自己啓発書の出版やコーチング神経言語プログラミングセラピーもしくはセラピスト養成などの他業種へ展開したり[4]、企業間の人脈や企業内の労使関係により顧客が開拓しやすい中小企業などにターゲットをしぼったところもある。[5]最王手の日本創造教育研究所[6]のように両方を兼ねるところも存在する[7]

"Lifespring"のセミナーは、かつてBasic、Advance、Leadership Programの3段階のコースで構成されていた。このようなコースの構成は、現在でも多くの自己啓発セミナーで名前は異なっているが採用されている[8]。上級の講座になると、実習の一環として自己啓発セミナーへの勧誘が含まれていることがあり、このことが議論を呼んできた。また自己啓発セミナーは、精神世界に興味があると自称して高額な金銭を要求する点に特色がある。

成田ミイラ化遺体事件を引き起こしたライフスペースや、生き方研究会が名を変えた衣川晃弘の実質的指導下にあるベストグループや、セミナー参加者が損害賠償請求を提起したMASAYAのホームオブハート(かつてX JAPANTOSHIも関わっていた。TOSHIの元妻の守谷香は現在も関わっている)、後に勝間和代を見出した出版社であるディスカヴァー・トゥエンティワンも、もともとは自己啓発セミナー・自己啓発カルトからスタートしている。

主な内容

テンプレート:独自研究 セミナーによって内容は異なるが、大まかに次のような内容で進む。

受講するまで

  • 自己啓発セミナーの受講までの特徴として、過去に受講した人から勧誘を受けることから始まる。この勧誘は、内容を説明しないで行うようにと指示されている上に、勧誘を行う会場では自由意志による参加と説明しながらマンツーマンで逃げ場をなくした上で巧妙な話術で第一段階の申し込みへクローズさせるように段取りが出来ている。
  • 勧誘は目的を明かさず「突然だけど一緒に食事でもどう?」などと食事に誘うケースが多い。特にファミリーレストラン喫茶店が勧誘の場に利用されることが多く、公衆の面前でありながら客同士が他の客に対し意外と関心が無く、かつ簡単に「軟禁」できる、つまり逃げ場をなくすることが容易だからである。
  • 勧誘後の展開は、セミナーによって違いはあるが基本的に上記"Lifespring"のように3段階に分かれている。

ここでは便宜上「第1段階」~「第3段階」というように表記する。

問題点

最初の勧誘は無料や低廉なイベントではあるが、参加すると勧誘した友人などの立場や顔をつぶす、たてると言った巧妙な誘導によって申し込みへと追い詰められるように仕組まれている。

また、第1段階・第2段階の項目にもあるが、一度セミナーを受講するとセミナーの終了時に次回のセミナーの勧められる。その場の雰囲気やトレーナー、アシスタントからの圧力などで、拒否しづらいこともある。

第3段階の勧誘実習で家族、親戚、友人に勧誘活動を始めると、絶対的な信念(セミナーで正しいと教えられた内容が基準の)のもとで強引な勧誘活動を行い、人間関係や生活に支障をきたすことがある。

セミナーの勧誘者やスタッフの補助が参加者や卒業生であり、無償で労力を提供している。更にセミナー自体の教材など高価なものが使われていないのに比べて、セミナーの参加料が、高額であるという指摘がある。(セミナー主催者は、得られる精神的な価値が金銭では換算できないものだから高額であるという指摘自体が意味がないと主張している)

精神療法に近い行為を、医師免許を有する精神科医や専門の知識を有するカウンセラー以外が行うことは、予期せぬトラブルを起こす可能性がある。

脚注

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関連文献

関連項目

外部リンク

  • 1968年にアレクサンダー・エベレットによって設立され、1970年にマルチ商法のHoliday Magic社に買収された。Holiday Magic社がアメリカで実質的に非合法化されたため解散している。
  • 『自分探しが止まらない』清水健朗
  • これには催眠商法(SF商法)の元祖とされる島津幸一という人物が深く関わった。島津は「L&G」で仮想通貨「円天」を発行して組織的詐欺罪で逮捕された波和二とともに、かつて「APOジャパン」というマルチ商法の企業を立ち上げている。
  • これが、いわゆる「心理士資格商法」の動因のひとつとなっている。
  • 会員企業化を図ったり、経営塾・経営セミナー等を勧誘の契機とする自己啓発セミナー会社も出現、
  • 日本創造教育研究所(日創研、エンライトニングセミナー)
  • 日創研の新業態 (2004年7月7日)
  • 4~5段階としたり、就活セミナーを契機としたりする自己啓発セミナーもある。