BROTHER
テンプレート:Infobox Film 『BROTHER』(ブラザー)は、北野武監督作品、2001年1月27日公開、日英共同制作のバイオレンス映画。イギリスのプロデューサーで、「戦場のメリークリスマス」も手がけたジェレミー・トーマスが森昌行と共に製作した。
日本を追われ、米国に逃亡した日本人ヤクザ・山本とその一味が抗争の末敗北して行く様を描く。
第57回ヴェネツィア国際映画祭特別招待作品。
タイトルの「BROTHER」とはヤクザ関係、異母弟との関係、日米のギャングとの擬似的関係などにおける複数の「兄弟」を意味している。日本国外の一部では「ANIKI」という名称で公開された。
あらすじ
武闘派ヤクザの山本は、その血の気の多さ故に組からも煙たがられるようになった。追われるように弟のケンを頼って、舎弟の加藤とアメリカに渡った山本は、デニー達黒色系アメリカ人やメキシカンと手を組み、白人マフィアのボス達を血祭りに上げ、その勢力を拡大していく。しかし、加藤が自らの命と引き替えに白瀬達の日本人マフィアを山本の傘下に収めた頃から、崩壊の序曲が始まった。白瀬達は、山本以上に勢力拡大をエスカレートさせ、それが白人マフィアの怒りを買い、報復を受けて結果的に次々と山本達は仲間達を失ってしまう。ひとり生き残ったデニーは、山本から着替えの入った鞄を渡され、不本意ながらも車に乗って一人逃亡する。そして、山本が道ばたの酒場に入ると、そこへマフィアたちのマシンガンの一斉掃射が放たれる。そして、鞄の中からの思わぬものを見つけたデニーは、その心意気に涙し、「愛してるぜ、アニキ」と叫ぶのであった。
出演
- 山本 : ビートたけし
- デニー : オマー・エップス
- ケン : 真木蔵人
- 白瀬 : 加藤雅也
- 加藤 : 寺島進
- 原田 : 大杉漣
- 石原 : 石橋凌
- 警察官僚:大竹まこと
- クラブのママ:かたせ梨乃
- 仁政会組長 : 渡哲也
- 杉本:ジェームズ・シゲタ
作品解説
撮影の大半はロサンゼルスで行われた。音楽は久石譲、衣装デザインを山本耀司が務めた。
音楽
この映画音楽のメインテーマの旋律を奏でるリード楽器にフリューゲルホルンが選ばれたが、監督の北野はピアノを強く希望し、久石は当初エレキギターを想定するなど選考にかなりの時間が費やされた。
メインテーマには、映画音楽としては異例なスクラッチ音なども織り込まれ、サウンドもクラブテイストのビートの強いものになっている。オリジナルサウンドトラックには、久石が自ら手がけたリミックスバージョンが特別に収録されている。
エンディングロールに流れるメインテーマは、キッズリターン同様にビートの効いたノリのいい曲になっている。これはしっとりした曲のエンディングロールでは、曲とキャスト&スタッフロールが流れた瞬間に席を立つ人が多くみられるが、明るめ曲の場合エンディングロールが流れても最後まで座っている人が多くみられたため「その効果を狙った」とプロデューサーの森は語っている。
受賞歴
- 第11回東京スポーツ映画大賞・作品賞
- 第38回ゴールデン・アロー賞・映画賞(北野武)
そのほか
この映画をたまたま観たクリント・イーストウッドは、あまりの迫力に舌を巻いたと言う逸話が残されている[1]。
映画公開2日前にZEEBRAがリリースした「Neva Enuff feat. AKTION」は、「BROTHER」にインスパイアされて作られた曲として挙げられている。
日曜洋画劇場で地上波放送されたが冒頭「過激な表現がありますので視聴にはご注意下さい」とテロップ表示され、一部過激なシーン[2]がカットされている。