ベルガモット

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ベルガモット(英:Bergamot、伊:Bergamotto、学名:Citrus × bergamia)はミカン科の常緑高木樹の柑橘類。主産地はイタリア、モロッコ、チュニジア、ギニア。ベルガモットの名はイタリアのベルガモからとも、あるいはトルコ語で「梨の王」の意となるBeg armudiからとも言われる。クリストファー・コロンブスがカナリア諸島で発見し、スペイン、イタリアに伝えたのもテンプレート:要出典範囲

RAPDやSCARを用いたDNA解析の結果からダイダイ (C. aurantium) とマンダリンオレンジの交雑種であると推定されている。

ベルガモットの果実は生食や果汁飲料には使用されず、専ら精油を採取し香料として使用される。紅茶アールグレイはベルガモットで着香した紅茶である。フレッシュな香りをもつためオーデコロンを中心に香水にもしばしば使用される。

なお、シソ科に同名のベルガモット(和名:タイマツバナ、学名:Monarda didyma)というハーブがある。 これは葉がベルガモットの精油と良く似た香りを持つことから同じ名前を持っている。

特徴

樹高は2 - 5m程度になり、葉は他の柑橘類と同じように表面に光沢があり、他の柑橘類よりもやや細長い形をしており先がとがっている。 夏に芳香のある5枚の花びらを持つ白い花を咲かせる。 果実はヘタの部分が出っ張った洋ナシ形かあるいはほぼ球形をしており少しデコボコしている。 果実の色は最初緑色であるが、熟すにつれて徐々に黄色~橙色へと変化する。

栽培

イタリア原産で主に地中海沿岸地域で栽培されている。 主な産地はイタリアのカラブリア地方である。 ダイダイ(ビターオレンジ)の木に接木して栽培されるのが普通である。 比較的暑さには強いが寒さに弱く、栽培には気温が氷点下にならないことが必要とされる。 南向きの日当たりが良く灌漑された山の斜面が栽培に適している。

精油

果実の果皮から精油が得られ、これを香料として使用する。 果実はまだ果皮が緑色をしている11月から黄色く熟す3月にかけて収穫される。 抽出は圧搾法で、コールドプレス法によって行なわれているものもある。 得られた精油は黄色をしている。

ほかの柑橘類の精油がd-リモネンを主成分としているのと大きく異なり、ベルガモットの精油はl-リナロールl-酢酸リナリルを主成分としている。 収穫時期によってl-リナロールとl-酢酸リナリルの比率は変化し、収穫時期が遅くなるほど酢酸リナリルの比率が増加する。 また、ベルガモットの精油にはベルガプテンやベルガモチンなどのフロクマリン誘導体が含まれており、これが皮膚についた状態で紫外線が当たるとベルロック皮膚炎と呼ばれる炎症を起こして色素の沈着が起こる。 そのため、皮膚に接触する用途に使用される場合には、ベルガプテン除去処理をしたBGF(ベルガプテンフリー)あるいはFCF(フロクマリンフリー)と呼ばれる精油を用いる。

枝や葉を水蒸気蒸留すると、プチグレイン・ベルガモットと呼ばれる精油が得られるが、こちらの使用量は極めて少ない。

  • 心理効果:鎮静と高揚、両方の効果がある。興奮しているときはクールダウンし、怒りの気持ちを和らげる。また、緊張した神経にはリラックス効果がある。陽気な気分になりたいとき、ストレスからくる不安や緊張があるときに用いる。
  • 身体効果:消化器系の不調を和らげる作用に優れている。食欲のバランスを整え、おなかの張り、胃もたれなどの症状を緩和。
  • 肌への作用:殺菌作用があるので、オイリー肌、ニキビのケアに用いる。脂っぽい頭皮の手入れなどにも良い。
  • その他:防虫効果があるので、ルームコロンとして使用すると、香りを楽しみながら虫よけとしても役立つ。
  • 注意点:強い光毒性があるので、日中の使用は注意が必要。皮膚刺激性あり。

果肉

非常に苦味が強いために生食には向かない。 これはほかの柑橘類にくらべて、苦味を持つフラボノイド配糖体の量が多いためである。 果肉100 gに含まれるフラボノイド配糖体の総量は2.70 gと、生食可能なグレープフルーツの1.90 gに対して1.4倍程度ある。 内訳としてはポンシリン1.24 g、ネオヘスペリジン0.59 g、ナリンジン0.44 gなどである。

用途

代表的なフレーバーティーの1つであるアールグレイはベルガモットの精油で紅茶を着香することで作られる。

フレッシュな香りが適しているため、オーデコロンに使用されてきた。 また、シプレの系統に属する香水はベルガモットとオークモスを使用する。

脚注

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