「正午」の版間の差分
(相違点なし)
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2014年6月25日 (水) 14:13時点における最新版
正午(しょうご)とは、天球上を一定の速さで動くと考えた平均太陽が地平線より上で子午線を通過(正中:南中または北中)する時刻をいう。昼の12時(0時)を指す。真昼(まひる)や正午台(しょうごだい)ともいう。
実際の太陽は、天球上を一定の速さでは動かない(均時差がある)ため、常に正午に子午線を通過するわけではない。また、経度が異なると平均太陽が南中する時点が異なるが、近代以降は通常は標準時が定められている地域(等時帯)ごとに標準子午線を平均太陽が通過する時刻が正午である。日本での標準子午線は兵庫県明石市を通る東経135度線である。
対義語で、太陽が地平線下の子午線を通過する時刻は、正子(しょうし。子(ね)の刻の中間)、子夜(しや)、真夜中、夜の12時(0時)などという。
天文学では、夜間の観測中に日付が変わるのは不便であるので、1日の始まりを正午とする時刻系を用いていた。これを「天文時」といい、これに対して、真夜中(正子)に日付が変わる時刻系を「常用時」と呼んでいた。天文時はクラウディオス・プトレマイオスの創始以来、使われ続けてきたが、1925年1月1日からは、天文学でも常用時を用いることになった[1][2]。詳細は、グリニッジ標準時#天文時の廃止を参照のこと。
概要
24時間表示での0時から12時までの時間帯を、12時間表示では「午前」、24時間表示での12時から24時までの時間帯を、12時間表示では「午後」と呼称する。夜の12時である「正子」はあまり用いられず、「午前0時」の表記が一般的である。「明治五年太政官布告第三百三十七号」改暦により24時間制が導入された時に、「正午」が用いられるようになった[3]。
明治政府が「改暦ノ布告」を出す前には、時刻は十二支で数えており、午(うま)の刻が現在の午前11時ごろから午後1時ごろまでに当たることから、その中間の時刻(昼の12時)を「正午」と呼んだ。
正午は午前か午後か
結論からいうと「午前か午後かは表記に依存する」ということになる。すなわち、「午前12時」と表記した場合は「午前の最後」の意味を持ち、「午後0時」と表記した場合は「午後の最初」の意味を持つ[4]。一方、「正午」と表記した場合は、午前と午後を区別する意味合いは持たない。よって、「午前12時」は時間帯の最後に用い、「午後0時」は時間帯の最初に用いるのが好ましい[5]。午前12時台の表記については午後0時台を用いる方が日本語としては正しい[6]。
「改暦ノ布告」では毎正時(0分)の呼び名を「時刻表」として掲げているが、24時間表示でいう12時は「午前12時」しかなく、「即午後零時」がない。ただ、「午前12時」という表記は正午に限り矛盾はないが、1秒でも過ぎると「午後」になってしまうため、「午前12時台」について「午前」を含む表記は矛盾となる。実際には「午後0時」又は24時間制で単に「12時」という表記が用いられることが多い[7][8][9]。
24時間表示では、午前/午後の概念がないため、単純に"12:00"を正午とすることで足りる。なお、西洋においても、正午は(英語を例に挙げるならば)"noon"か"midday"であり、午前にも午後にも属さず、その前が午前(AM)、後が午後(PM)である。
関連項目
脚注
- ↑ [1] 国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki > 要素 > 1日とは? > 1日の始まり
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 改暦ノ布告
- ↑ 同様に、「午後12時」は「正午から12時間後」を、「午前0時」は「正午より12時間前」を意味する。時刻としては同じ瞬間であるが、その時刻の属する日付は異なる。
- ↑ 例えば、「午前10時から午後0時まで」は誤りではないにせよ、違和感を持たれる場合がある。「午前10時から午前12時まで」の方が好ましい。同様に「昼休みは午前12時から午後1時まで」よりも「午後0時から午後1時まで」の方が好ましい。また、「午前11時から午前12時30分」ではなく「午前11時から午後0時30分」の方が好ましい。
- ↑ 英米では午前12時台は「子夜からその12時間後まで」、午後12時台は「正午からその12時間後まで」を指す。このため、時計メーカーでは、輸出の関係で、デジタル時計の12時間表示を英米式に合わせているものが多い。
- ↑ 情報通信研究機構
- ↑ 国立天文台
- ↑ パナソニック