「国立高度専門医療研究センター」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
 
(相違点なし)

2014年8月4日 (月) 19:15時点における最新版

国立高度専門医療研究センター(こくりつこうどせんもんいりょうけんきゅうセンター)は、6法人(独立行政法人国立がん研究センター独立行政法人国立循環器病研究センター独立行政法人国立精神・神経医療研究センター独立行政法人国立国際医療研究センター独立行政法人国立成育医療研究センター独立行政法人国立長寿医療研究センター)の総称である。各法人は、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関して、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことを目的とする。

2010年4月施行の「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」により、厚生労働省施設等機関であった国立高度専門医療センター(略称:ナショナルセンターNC)の各組織が独立行政法人に移行したものである。

各国立高度専門医療研究センターと目的

各センターごとに研究所病院があり、研究活動のほかに医療活動も行なわれている。

国立がん研究センター

  • 所在地:中央病院:東京都中央区、東病院:千葉県柏市
  • 目的:がんその他の悪性新生物に関する高度かつ専門的な医療の向上

国立循環器病研究センター

  • 所在地:大阪府吹田市
  • 目的:循環器病に関する高度かつ専門的な医療の向上

国立精神・神経医療研究センター

  • 所在地:東京都小平市
  • 目的:精神・神経疾患等に関する高度かつ専門的な医療及び精神保健の向上

国立国際医療研究センター

  • 所在地:戸山病院:東京都新宿区、国府台病院:千葉県市川市
  • 目的:感染症その他の疾患に関する高度かつ専門的な医療、医療に係る国際協力等の向上
  • 国立看護大学校(東京都清瀬市)を設置

国立成育医療研究センター

  • 所在地:東京都世田谷区
  • 目的:成育に係る疾患(児童が健やかに生まれ、成育するために特に治療を要するもの)に関する高度かつ専門的な医療の向上

国立長寿医療研究センター

  • 所在地:愛知県大府市
  • 目的:加齢に伴う疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上

独立行政法人移行の経緯

旧国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所を除く国立病院・療養所は、2004年独立行政法人国立病院機構へ移行したが、旧国立高度専門医療センターの組織は特定の政策医療に特化する組織として、厚生労働省の施設等機関として残されていた(国立病院機構が運営する「医療センター」、「がんセンター」と称する施設は、国立高度専門医療研究センターではない)。

しかし、2006年6月2日に公布・施行された「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(平成18年法律第47号)第33条において、国立高度専門医療センター特別会計の2010年度における廃止、各センターの独立行政法人への移行の方針が法定された。

これを受けて、2007年3月31日に公布された「特別会計に関する法律」(平成19年法律第23号)では、附則第68条において国立高度専門医療センター特別会計法を廃止するとともに、附則第180条により、2007年度から2009年度まで限定的に国立高度専門医療センター特別会計は特別会計に関する法律によって運営することが規定された。さらに2008年2月29日、独法化を盛り込んだ「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案」が閣議決定され、同日国会に提出、同法案は同年12月12日に可決成立、同月19日に公布された。

これにより、2010年4月1日をもって旧国立高度専門医療センターの6つの組織は独立行政法人に移行し、その総称を「国立高度専門医療研究センター」と呼ぶこととなった。各法人は国立病院機構とは異なり、国立高度専門医療研究センター全体が単一の独立行政法人としてではなく、各センターがそれぞれ独立した法人に移行した。また、職員の身分も非公務員型となった。

業務内容の変容

旧国立高度専門医療センターの業務内容は、従前の「厚生労働省設置法」(平成11年法律第97号)にて、特定の疾患その他の事項に関する、診断及び治療、調査及び研究並びに技術者の研修などと定められていた。新たに施行された「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」(平成20年法律第93号)では、国立高度専門医療研究センターの目的、業務範囲の規定が、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関する、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修、その他これら業務に係る成果の普及及び政策の提言などとなっており、「調査、研究、技術の開発」といった文言が前面に置かれているのが特徴である。

なお、「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律」(平成20年法律第63号)(いわゆる研究開発力強化法)によって、各法人は研究開発法人に指定されている。

各施設の画像

関連項目

外部リンク