超人学園ゴウカイザー
『超人学園ゴウカイザー』(ちょうじんがくえんゴウカイザー、アメリカ版タイトルVoltage Fighter Gowcaizer)は1995年発売のテクノスジャパン制作のネオジオ用対戦型格闘ゲーム。
目次
概要
『餓狼伝説』のアニメ版『バトルファイターズ餓狼伝説』を手がけたアニメーターの大張正己がキャラクターデザインを担当[1]した事で大きな話題を呼び、アーケード専門誌『ゲーメスト』やメディアワークスの『電撃ネオジオ』といった雑誌では大きく扱われ、コミックゲーメストでは漫画版も展開される[2]などメディアミックス的な展開も模索された。しかしテクノスジャパンがそういった手法には長けてないというところもあってか[3]、効果的な相互作用を及ぼさないままアーケード版及びネオジオ・ネオジオCDでの展開を終えた。
テクノスジャパンの倒産後、ゲーム版に必ずしも納得がいっていなかったという大張の意[4]を汲む形でアニメ化が決定。テクノスジャパンから版権を引き継いだアーバンプラントがゲームのプレイステーションへの移植を決めた事もあり、「プロジェクトG」なるメディアミックス展開が行われる事となった。
アニメ版のタイトルは『超人学園ゴウカイザー THE VOLTAGE FIGHTERS』。広告代理店にはアニラジ番組に強いビックウエストが決まり、アニメに先行して、ヒロイン役を演じる櫻井智がパーソナリティーを務めるアニラジ番組でラジオドラマも発表された。アニメーション制作はJ.C.STAFFが担当。タキコーポレーションからビデオ/VHSで全3巻がリリースされ、先述のラジオドラマを収録したCDやアニメ版のサウンドトラックはエアーズからの発売となった。また徳間書店の『少年キャプテン』では村正帝によるアニメ版をベースとしたコミック版も連載された。
アニメ版は大張が当時率いていたスタジオG-1を中心に、大張の人脈が最大限に活かされた作画陣が集結。キャラクターデザインもアニメ用に改めて見直され、結果ゲームとは一味異なるイメージとなったキャラクターも多い。脚本は、ゲームのデザインを手がけ大張と共に『ゴウカイザー』の世界観を構築した浅井健吾が担当した。浅井は、この直後に当時大張の妻だった石田敦子と組んでゲーム『マネーアイドルエクスチェンジャー』を発表。こちらも小説(ライトノベル)やドラマCD、コミック化が実現している。また大張と浅井は、後に『銀装騎攻オーディアン』でもタッグを組んだ。
アニメ版を中心としたメディアミックス展開は、大張の人気が非常に高い時期だった事やアニラジ番組でのサウンドドラマ放送からOVAのリリースに繋がる形が取られた事からまずまずの結果を残し、後にアニメは海外でもソフト化された[5]。但しプレイステーション版の発売はアニメの最終巻発売から半年後となるなど、ゲームとの連動はまたも効果を及ぼさずに終わっている。
機種
登場キャラクター
- ゴウカイザー(凱座勇人)
- 声:檜山修之
- 斉天大聖かりん(孫華鈴)
- 声:櫻井智
- ヘルスティンガー(カッシュ・ギュースタン)
- 声:緑川光
- キャプテン・アトランティス(ランディ・リッグス)
- 声:石川英郎
- 不動丸(不動鸞峰)
- 声:置鮎龍太郎
- 菱崎シャイア(シャイア・シュー・シルヴィアーヌ)
- 声:冬馬由美
- ボールボーイ
- 声:幸野善之
- マリオン
- 声:幸野善之
- 紫紅京介
- 声:置鮎龍太郎
- バトルマスター神龍(凱座轟一郎)
- 声:屋良有作
- ブライダー(立花一輝)
- 声:大張正己
- プラトニックツインズ(朝比奈亮、朝比奈鈴)
- 声:石川英郎(亮)、永島由子(鈴)
- 絶対神王牙(王崎冰)
- 声:速水奨
OVA
キャスト
- 凱座勇人:檜山修之
- 孫華鈴(斉天大聖かりん):桜井智
- 王崎泳/絶対神王牙:速水奨
- カッシュ・ギースタン:緑川光
- 不動鸞峰:堀秀行
- 紫紅京介:置鮎龍太郎
- 菱崎シャイア:冬馬由美
- 朝比奈亮:石川英郎 ※石川はゲーム版で大張が声を演じた立花一輝/ブライダーも演じている。
- 朝比奈鈴:永島由子
- オムニイグジスト:折笠愛
- 宮毘羅:大本眞基子
- エルフィ・エルフマン/ネクロカイザー:桑島法子 ※ドラマCD及びDVD『インターナショナルバージョン』のみ登場。
- ランディ・リッグス:石川大介
スタッフ
- 監督・原案・キャラクターデザイン - 大張正己
- 脚本 - 浅井健吾
- 絵コンテ - 大張正己(1巻、3巻)、中山岳洋(2巻、3巻)
- プロダクションデザイン - 反田誠二
- ベルナール学園制服デザイン - 石田敦子
- 作画監督 - 大張正己、岩倉和憲
- 美術監督 - 加藤浩
- 色彩設定 - 中山久美子
- 撮影監督 - 大瀧勝之
- 編集 - 正木直幸
- 音楽 - 伊藤善之
- 音響監督 - 三間雅文
- プロデューサー - 千葉善紀、平井伸一、川崎とも子
- アニメーション制作 - J.C.STAFF
- 企画・制作 - ビックウエスト
- 製作 - ギャガ・コミュニケーションズ
主題歌
- エンディングテーマ
関連商品
CDアルバム
- G.S.M.1500シリーズ 超人学園ゴウカイザー/テクノスジャパン
- 以上はサイトロン・アンド・アート発売、ポニーキャニオン販売。アーケード(MVS)/ネオジオ版のBGMと各キャラクターのボイス等を収録。トラック1にはゴウカイザーステージのボーカルアレンジ曲を収録(後にネオジオCD版でゴウカイザーステージのBGMとして使用された)。なおネオジオCD版のBGMは全てアレンジの上でCDのオーディオトラックに収録している。これを直接出力する形となっているため、ハードウェアの内部音源は使用していない。この為ゴウカイザーやブライダー等、一部のキャラのテーマ曲はボーカル入りとなっている。
- 以上はエアーズより発売。
- この他、アニメ版関連としてはラジオドラマ版をまとめたドラマCDもエアーズから発売されている。
- ゲーム版関連では、メディアワークスから「電撃CD文庫」シリーズでゲーム版設定をベースとしたドラマCD『電撃CD文庫スペシャル 超人学園ゴウカイザー』、ブロッコリーから独自制作のイメージアルバムも発売されている。なおブロッコリーのイメージアルバムでは大張が自らブライダーのイメージソングを歌っている。
ビデオ
- 全てタキコーポレーションからの発売。VHSビデオとレーザーディスクが発売された。2002年には同社から、3本をまとめたDVD『超人学園ゴウカイザー コンプリートエディション』と、海外でリリースした再編集&新規作画追加版を収録したDVD『超人学園ゴウカイザー インターナショナルバージョン』も発売された。
漫画版
脚注
関連項目
- ↑ 実質的にはゲームデザイン担当の浅井健吾と共に原作も手がけている。
- ↑ 作画はゲームのエンディングビジュアルも一部手がけた池上竜也。但し打ち切りとなっている。なお『電撃ネオジオ』にはことぶきつかさによる予告編的な特別版コミックも掲載され、これは後に本作を特集した『電撃ムック』に再掲載された。
- ↑ 同社最大のヒット作『ダブルドラゴン』はアメリカでアニメやコミック、実写映画化などがされており、同じく同社の代表作『熱血硬派くにおくん』シリーズもファミコン市場で低年齢層に向けたアピールを行い児童誌でのコミック連載が行われたが、これらはいずれも映像製作会社や出版社からの要請に対し版権許諾を行っただけで、テクノスジャパンは製作には関わっていなかった。
- ↑ DVD『超人学園ゴウカイザー コンプリートエディション』解説書掲載の大張のコメントから。大張は自分や反田誠二、中澤一登といったアニメーターがキャラのパターンまで描いているのだし、カプコンの『ヴァンパイア』シリーズの様なアニメ的なビジュアルをとテクノスジャパンに提案していたが、同社では従来のドット絵手法でキャラを描く方針を採った事もあり、ビジュアル面で満足いかないところがあったと語っている。
- ↑ 『コンプリートエディション』の解説書での大張の弁によると、北米ビルボードチャートでも上位に食い込んだとの事。