ドラえもん のび太の太陽王伝説

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ドラえもん のび太の太陽王伝説』(ドラえもん のびたのたいようおうでんせつ)は、2000年3月11日に公開されたドラえもん映画作品の1つ。および、藤子・F・不二雄プロによって漫画化され、『月刊コロコロコミック』1999年10月号から2000年3月号に掲載された大長編ドラえもんシリーズの作品。ドラえもん誕生30周年記念作品として制作された、映画シリーズ第21作。大長編シリーズ第20作(まんが版映画シリーズ3)。

原作[1]藤子・F・不二雄、監督:芝山努、脚本:岸間信明。配給:東宝興行収入30.5億円、観客動員数295万人。第18回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞作。同時上映は『ザ☆ドラえもんズ ドキドキ機関車大爆走!』と『おばあちゃんの思い出』。

なお、作品冒頭のモチーフとなったのはマーク・トウェインの『王子と乞食』である[2]

あらすじ

白雪姫の劇の練習をしていた5人。しかしどうにもうまくいかない。しかもドラえもんのひみつ道具「万能舞台セット」をジャイアンに取られてしまう。

絶対返してくれないと判断したドラえもんは、「タイムホール」を使って取り返そうとする。ところが失敗し、おまけにのび太が無理した結果、タイムホールの時空が乱れ、その影響で、のび太の部屋のタイムホールが古代の太陽の国といわれるマヤナ国に繋がってしまう。そこでのび太は、自分そっくりの姿をしたティオ王子に出会う。

現代文明のことを知ったティオは興味を示し、しばらくのび太と入れ替わってほしいと頼む。ティオの母は魔女レディナの呪いで眠り続けており、ティオはレディナを倒す強い力を求めているという。ティオと入れ替ったのび太は王子様気分を楽しむも慣れない王国での暮らしにタジタジ、のび太となったティオは慣れない現代世界のあちこちで騒動を起こす。

やがて秘密を知ったしずかたちも、のび太と共にマヤナ国へやって来る。そんな折、ティオに仕える少女ククがレディナに捕われてしまう。ティオはレディナの神殿へ向かい、のび太たちも後を追う。

魔女レディナとは何者か。またその目的は何なのか。時空を超えた大冒険が今、始まる。

舞台

マヤナ国
「太陽の国」と呼ばれる古代文明の王国。作中の描写を見る限りアステカ文明マヤ文明などをモチーフにしている可能性があり、漫画版ではドラえもんやスネ夫もそのことについて言及している。しかし具体的に何時、何処に存在する世界なのかは、結局作中で語られることはなかったため、地球ではない星、あるいは並行世界(パラレルワールド)である可能性も否定できない。

ゲストキャラクター

ティオ
- 緒方恵美
マヤナ国の王子。容姿はのび太と瓜二つだが、目は肉眼で眼鏡は使用していない。性格や能力はのび太とは正反対で、尊大で生意気な性格、腕っ節も強い。だがのび太との出会いや行動していくうちに性格は穏やかになり、終盤でマヤナ国の救うめざましい活躍を見せる。そしてマヤナ国の王に即位する。
ジャイアンとも互角な殴り合いをする程の身体能力を持つが、のび太のママには気迫で怯んでしまう。のび太たちの住む世界に興味を持ち、現代のインスタント食品であるカップ麺を気に入る。
クク
声 - 飯塚雅弓
マヤナ国の少女で、ティオに仕えている。イシュマルの娘。なお、他の侍女やカカオやモカなどに「クク様」と呼ばれていることから身分の高いことがうかがえる。ティオを呼び出すためのおとりとして利用するためにレディナの手下ヤフーによって連れ去られてしまうが、のび太達やティオの活躍で救出される。
ポポル
声 - 杉山佳寿子
ティオのペット。「何でも収集する悪い癖がある」と、ティオが愚痴を吐くほどの収集癖を持つ。なお体毛は主にピンク色をしているが、腹側には白色の毛も多い。嗅覚や聴覚が鋭いらしく、これによって単独行動していたティオを見つけることができた。
イシュマル
声 - 中田浩二
ククの父親で、ティオの棒術の先生。ジャイアンにも棒術を教え彼にもとても慕われた。ドラえもんと共に神殿に向かう途中、はなれ離れになるが、ドラえもん達が神殿に到着した時に再会し、ジャイアンを苦戦させた槍使いのコアトルを倒した。
カカオ
声 - 保志総一朗
マヤナ国の少年。サカディ(命を賭けて行う必要のあるサッカーに似た球技。3点先取で勝利。)にカカオとモカのコンビで挑戦し、ティオとのび太のコンビに、スコア2対3で敗れる。ただし、のび太の一言で、罰は許された。
モカ
声 - 江川央生
マヤナ国の少年。サカディにカカオとモカのコンビで挑戦し、ティオとのび太のコンビに、スコア2対3で敗れたが、カカオ同様のび太の一言で罰を許された。我侭な王子のことをあまり快く思っていなかったようで、カカオと共に陰口を言う場面もあったが、試合後に和解した。
女王
声 - 鈴木弘子
マヤナ国の女王で、ティオの母親。レディナに呪われ眠り込んだままになってしまった。しかし終盤で呪いが解け、元気になる。
医者
声 - 稲葉実
レディナに呪われて倒れた女王のそばに控えていた医者[3]
重鎮
声 - 中庸助
マヤナ国の重鎮。男性。
侍女
声 - 麻生美代子
ティオの身の回りの世話をしているマヤナ国の女性。
神官
声 - 千葉一伸
雨乞いのための儀式を取り仕切っていたマヤナ国の神官
少女
声 - 堀江由衣
雨乞いのためにセノーテ(泉)に生贄として捧げられるはずだったマヤナ国の少女。のび太の機転によって生贄にならずに済んだ。
兵長
声 - 加藤治
マヤナ国の兵士の小隊長。
兵士
声 - 中村大樹菅原淳一
マヤナ国の兵士。
子供
声 - 南央美
マヤナ国の市井の子供。
ヤフー
声 - けーすけ
レディナの部下。漫画版での名は「動物使い」。動物を使役する技術を持ち、移動・攻撃用に巨大なワニを使役している。ドラえもんが持っていた「超スーパー風船ガム[4]」をワニに食べさせられ、空に浮かんだままの状態で敗北した。
ケツアル
声 - 島田敏
レディナの部下。漫画版での名は「薬使い」。薬物の専門家で幻覚作用のある薬物を専門に取り扱う。幻覚がばれた後、ドラえもんのひみつ道具により敗北した。
コアトル
声 - 広瀬正志
レディナの部下。漫画版での名は「槍使い」。卓越した槍の技術を持つ。レディナの命令でドラえもん達の前に立ちはだかり、ジャイアンとの対決で彼を苦しめるが、後からやってきたイシュマルに敗れた。
レディナ
声 - 唐沢潤
マヤナ国の征服を企む不気味な魔女。しばしば水晶のドクロを手にしている。元々はマヤナ国の神官長であったが、怪しげな魔術により民衆を惑わせたため追放された。これを恨んでマヤナ国への復讐のため、魂を入れ替える儀式でティオの体を手に入れようとククをおとりとして連れ去り、最終的にはティオに成り代わってマヤナ国の支配を狙う。しかし、ティオとのび太達の活躍でククを取り返された上、自分の企みを阻止されたと同時に本当の素顔である老婆の醜態を晒してしまい、最後は遺跡の仕掛けを作動させマヤナ国に対する呪いの言葉を吐き捨て崩れる遺跡と運命を共にした。(ただし漫画版ではティオの王位継承時に部下たちと共に登場している。)ちなみに歴代のドラえもん映画シリーズでは珍しい女のボスキャラである。なお彼女に続く純粋な女悪役は2012年の『のび太と奇跡の島』にスカイが登場しているが、スカイはボスキャラではない。

登場するひみつ道具

スタッフ

原画
小野陸哉 大武正枝 谷口七菜 神村幸子 大城勝 林桂子
柴田和子 鈴木大司 飯山嘉昌 斉藤文康 北之原孝将 米田光良
高橋博之 池田和美 関根昌之 木村文代 浅野文彰 市来剛
山本雅 高野登 大久保修 小泉謙三 篠原真紀子 
協力
オーディオ・プランニング・ユー フィズサウンドクリエイション アトリエ・ローク
旭プロダクション 岡安プロモーション トミ・プロダクション
京都アニメーション 夢弦館 スタジオ・タージ
亜細亜堂 スタジオ・ロード マキプロダクション
ラジカルパーティー スタジオメイツ 手塚プロダクション
スタジオ4℃ スタジオディーン マッドハウス

主題歌

オープニングテーマ - 「ドラえもんのうた
作詞 - 楠部工 / 作曲 - 菊池俊輔 / 編曲 - 山下康介 / 編曲監修・ピアノ - 羽田健太郎 / 歌 - ウィーン少年合唱団東芝EMI株式会社
エンディングテーマ - 「この星のどこかで」
作詞 - 上村美保子 / 作曲 - 大江千里 / 編曲 - 山下康介 / 編曲監修・ピアノ - 羽田健太郎 / 歌 - 由紀さおり安田祥子東芝EMI株式会社

キャッチコピー

  • 君は誰を守れるか。

脚注

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参考資料

  • 藤子・F・不二雄プロ 『ドラえもん のび太の太陽王伝説』 小学館(2000年)
  • DVD 『映画 ドラえもん のび太の太陽王伝説』 小学館(2002年)

外部リンク

テンプレート:ドラえもん映画作品

テンプレート:芝山努監督作品
  1. 1.0 1.1 1.2 「原作」としてクレジットされている藤子・F・不二雄は「キャラクター原作」程度の意味で用いられており、この映画作品の原作者ではない。ここでの「原作作画」は漫画版の作画を担当した者を指し、この映画作品の原作者ではない。
  2. QuickJapan」64号、太田出版、2006年
  3. DVDに収録されている「ゲストキャラクター図鑑」に説明はないが、DVDの日本語字幕を表示させておくと、ここだけに医者が登場していることを確認できる。
  4. 4.0 4.1 作中でドラえもんは「超スーパー風船ガム」と呼んでいて、DVDに収録されている「ひみつ道具図鑑1」にも「超スーパー風船ガム」と明記されているため、この表記に従った。ただし作中の絵では「超風船ガム」となっていて「スーパー」の文字はない。
  5. 作中でドラえもんは「万能舞台セット」と呼んでいるため、そちらに従った。ただしDVDに収録されている「ひみつ道具図鑑2」には「万能舞台装置セット」と表記されている。
  6. 作中では「キャンピングカプセル」の名前は出てこないが、DVDに収録されている「ひみつ道具図鑑1」に「キャンピングカプセル」と明記されている。