クリップス

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テンプレート:Infobox Criminal Organization クリップス(Crips)は、アフリカ系アメリカ人を中心としたストリートギャング1969年アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで誕生し、レイモンド"レイレイ"・ワーシントンやスタンリー"トゥッキー"・ウィリアムズの指揮の下でアメリカ全土に勢力を伸ばし、現在では3万人から3万5千人の構成員を有する。殺人強盗麻薬取引などの凶悪犯罪を行うことで悪名高い。その活動の多くは、個々の地域やコミュニティに点在する「セット」と呼ばれる小さなグループ単位で行われている。

クリップスの構成員は帽子やバンダナ、靴紐などの衣類の一部に青色を用いることが知られている。しかし、彼らの活動が社会問題となったことにより、青色を身に着けていることで警察の厳しい取締りを受けるようになったため、現在ではやや暗色な紺色が用いられるようになった。セットの名称や起源によって基調とする色が異なり、黄色や紫色、黒色、緑色などを容姿に取り入れている場合もある。

クリップスと並びアフリカ系アメリカ人の二大ストリートギャングと呼ばれるブラッズや、メキシコ系アメリカ人らによるギャングとのシマを巡る争いや境界線を巡る小競り合いが続いているが、イリノイ州シカゴに本拠地を置くヴァイス・ローズ(Vice Lords)とテネシー州メンフィスでの麻薬取引が明るみに出たことにより、1990年代前半に見られた大規模な争いは一時的に停滞していると言われている。

歴史

ベイビー・アベニュースの誕生

レイモンド"レイレイ"・ワーシントンが、ブラックパンサー党員として活動するアベニュース(Avenues)に魅了され、暴力等の犯罪行為を以って貧困や差別を解決しようとするギャング達からプロジェクトを救済すべく、15歳の時にベイビー・アベニュース(Baby Avenues)と呼ばれる組織を1969年に創設し、他数名のメンバー達と共に、フリーモント高校近隣の76番街にその本拠を置く。 当時は、ロサンゼルスで活動するブラックパンサー党を始め、政治的・社会的な運動を行う他の組織も減退の一途を辿っていたこともあり、意気に溢れる若いアフリカ系アメリカ人を束ねる上で好都合であったとも見られる。 外見的な特徴として、黒いレザージャケットを羽織り、左耳たぶにピアス、手に杖を携帯して練り歩くブラックパンサー党員を模倣した容姿であり、当初のメンバーの多くが熱心に重量挙げに勤しむ筋肉質体形であったと言われている。

1970年代

1971年。重要人物の一人であるスタンリー・ウィリアムスを組織に加え、ベイビー・アベニュー・クリブス(Baby Avenue Cribs)と改称することになる。しかし、徐々に肥大化しつつある組織の取りまとめに苦慮するようになり、創設当時の志を知らぬ新規メンバーの身勝手な行動によって、クリブスによる犯罪が頻発するようになる。 その結果、当時のクリブスの悪事の数々が紙面を賑わすようになり、1972年2月10日のロサンゼルス・センティネル誌に「杖を突いた障害者達(Cripples)による、初老の日本人女性に対する事件」として紙面掲載されると、クリブス(Cribs)という呼称が、次第にクリップス(Crips)という呼称に転じ、ロサンゼルスの人々に認知されるようになったのではないかと言われている。

1972年以降、クリップスによる犯罪はさらに凶悪さを増し、象徴ともいえる黒いレザージャケットを得るために、若い世代による強盗が頻発するようになった。多くの場合、老人や年齢の離れた少年少女が標的とされ、裕福な家庭に育った者は格好の的であった。 皮肉にも、報道記事の掲載された1972年2月10日から3日後、レザージャケットを欲しがる思いが高じて、クリップスのメンバーによる初めての殺人が行われた。被害者はロサンゼルス高校に通っていた16歳の高校生で、ギャングに所属していないにも拘らずクリップスに襲われ、レザージャケットや財布を奪おうとすることに反抗し、後に路上で殴り殺されているのを発見された。数日後、クリップスに属する9名の若者が殺人を理由に逮捕されることになったが、クリップスという組織に全ての責任があることを理解していながら、組織に対して逮捕・訴追することは出来なかったという。 テンプレート:節stub

名称起源の諸説

「クリップス」という名称がどのようにして誕生したのか、未だに明確な答えは得られていない。 名称の起源としては諸説あり、中でも先述したロサンゼルス・センティネル誌における記事がきっかけとなった説が最も有力だとされている。

  • レーモンド・ワーシントンは、ホラー映画で有名なヴィンセント・プライスの出演作である「Tales From The Crypts」シリーズを好んでいた。そのため、クリプツ(Crypts)の持つ「墓場」という意味がギャングを連想しやすいという理由から、クリプツが転じてクリップスになったという説

この説は2番目に信憑性の高いものとして捉えられている。しかし、深刻な貧困や差別に抗う組織として付加された名称としてはそぐわない意味を内包しており、信憑性に欠ける部分があるとして、それほど重要視されていない。

  • 「From Cradle to grave(ゆりかごから墓場まで)」と言うギャングの一生を象徴したフレーズに「Rest In Peace(安らかに眠れ)」を付加して誕生した名称であるとする説

この説は、特に日本国内において信憑性のあるものとして捉えられているが、当初のベイビー・アベニュースの創設理念を考慮すると後付けのバクロニムである可能性が高く、この名称由来についての信憑性は低いと見て良いだろう。

  • ある地域のセットが「Community Revolution In Progress(進行中のコミュニティ革命)」のアクロニムであると主張した説

この説が囁かれた期間があったとされているが、これは一般市民からのギャング活動に対する同情を得るための偽計であったことが報告されている。

  • 当時のメンバーが「強固で、強靭なもの」という意味を名称に込め、映画『スーパーマン』に登場するクリプトナイト(Kryptonite)という架空の鉱物の名称を転じて生み出したという説

この説は最も裏付けに乏しいため、特に信憑性は低いと見て良いだろう。

Crip Walk

クリップスは、Crip WalkC-Walk)と呼ばれるステップを生み出した組織でもある。クリップス出身のラッパーの一人であるWC(ダブシー)のライブパフォーマンスやビデオクリップでの披露により、世界中の人々に認知されるようになった。 そのステップの真意は、自身が所属するギャングの威信や権威を敵対するセットやギャングに対して示すものであったり、争いの末に手にした勝利を敵対ギャングに知らしめる行為であるとされる。 しかし、今やギャング活動とは全く無関係な人々がC-Walkをダンスとして親しんでいることに対し、懸念を示しているクリップス出身のアーティストや著名人も少なくない。

加えて、「80年代以降に表れたラップアーティスト達がギャングを気取り、過剰な表現をすることによって、事実ではない事でも、あたかも事実であるかの様に楽曲で表現していることも、ギャングに対する誤解を招いている」と、創設メンバーの一人であるマイクコンセプション(Mike Conception)は語っている。

クリップスの現在

ファイル:Crips tag.jpg
ストリートギャング「クリップス」のグラフィティ

レイモンド・ワーシントンらによる1969年のベイビー・アベニュースの誕生から、1990年代のロサンゼルスには約200ものセットが存在していた経緯がある。現在も1990年代当時の勢いは失いつつあるものの、10万人規模とも言われる数々のギャング組織のうち、アフリカ系アメリカ人によるギャング組織の殆どを占めていたのが青色を基調としたクリップスであり、残りの大半はブラッズと言われる赤色を基調としたチームが存在している。 他にもエイティーンス・ストリート・ギャングスレーニョスノルテーニョスなどのチカーノで構成される大所帯のギャング組織や、中国系アメリカ人やベトナム系アメリカ人による組織も少数規模だが存在しており、現在もこれらのギャング組織間での小競り合いは多少ながら続いている。

しかし、本来は抗争を行う為だけに作られたギャング組織ではない事を懸念する声も多く、「ギャングスタと呼ばれているのはギャングという意味ではなく、あくまで"コミュニティ"としての名称だ」とかつての創設メンバーの一人であるスタンリー・ウィリアムズは語っている。なお、ウィリアムズは獄中から子供たちへの「犯罪と命の尊さ」を題材に数々の児童書を発表。その功績により、過去に7度ノーベル平和賞候補に選ばれている。

本来ならば、手を取り合わなければならない同じ人種が抗争の激化を辿り、ギャングによる犯罪が増加した背景には、先に記述したように"ギャングスタ・ラップ"と呼ばれるヒップホップなどの音楽界での過剰な遇想と表現や、マスメディアによる一方的なギャング批判によって感化されてしまったこと等も挙げられる。通常ゲットーと呼ばれる再開発地区(プロジェクト)は、貧困による将来への悲観とコミュニティ外からの脅威と戦わなければならず、コンプトンやワッツ、スローソン等に代表されるサウスセントラル地区に追いやった、白人の有色人種に対する人種差別が事件の根本的な背景になっている事も問題視されている。 テンプレート:節stub

セット

ギャングの小組織にあたる地域集団をセットと呼んでいる。 これらは区画やコミュニティごとに設置されており、それらの集合体によってクリップスというギャング集団が構成されている。 セットは「サブ・セット」と呼ばれるさらに小さな組織間の同盟や合併によって組織されており、結合や消滅を繰り返しながら各セットが維持され続けている。 また、セット毎に身に着ける衣服や「ハンドサイン」と呼ばれる象徴的な手信号、壁面やインフラ設備などに描かれる「ギャング・タグ」が異なり、それらの違いによって外見的にセットの相違を知る事が出来る。

セットに多くみられるチーム名は◯◯◯の様に三文字で構成されており、最後の文字にCripsの"C"が付くことが多い。

セットによって規則やルールが違い、あるチームでは麻薬関係の仕事が禁止されていたり銃などの発砲・密売が禁止されていたりする。

クリップスに属する主なセット(アルファベット順)

  • Gangster Crips
  • Golden Blocc Crips
  • Grape Street Watts Crips
  • Hoover Crips
  • Insane Crips
  • Kelly Park Compton Crips
  • Long Beach Crips
  • Mafia Crips
  • Micro. Yung Cripz
  • Neighborhood Crips
  • Rollin' 20's Crips
  • Rollin' 30's Crips
  • Rollin' 60's Crips
  • Rollin' 100's Crips
  • Shotgun Crips

Cripz lang.

クリップスが使う用語集。

  • BK/Bloods Killa - ブラッズ殺しの事。ブラッズを殺す人の事。
  • Cuzz - クリップスに属する同志を呼び合う時に使う。ブラッズの兄弟を意味する"Bro"に対抗し従兄弟をいみする"Cuzz"が採用されたと思われる。
  • Slobz - 敵対組織ブラッズのことを悪く言う時に使う。

関連項目

参考文献

ウェブサイト

映画

ビデオゲーム