Microsoft Windows Millennium Edition
テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox OS version Windows Millennium Edition(Windows Me、ウィンドウズ ミレニアム エディション(ウィンドウズ ミー))はマイクロソフトが2000年に発売した、パーソナルコンピュータ用に設計されたオペレーティングシステムである。日本語版は2000年9月23日に発売された[1]。
開発当初のコードネームは「Georgia(ジョージア)」であったが、その後、急遽「Millennium」に変更された。Meは、「エムイー」と読むのが一般的だが、マイクロソフトによる公式の読み方と愛称は「ミー」である[2]。WinMeやMeなどと略される。
目次
概要
Windows 9x系はWindows NT系への統合が計画されていたものの、Windows 2000がまだ一般ユーザ向きではないとの判断から、急遽Windows 98 Second Edition(セカンド エディション/SE)の次版としてWindows Meがリリースされた。そのため「Windows 98 Third Edition(サード エディション/TE)」と揶揄を込めて呼ばれることがある[3]。 ちなみに名称の件においては、しばしば98の後継は、2000ではなくMeと、それまでの9x系で用いられてきた数字による名称から、当OSが「Me」という数字ではないものに変わった事と、Windows NT 5.0の名称に「2000」が使われたことによる混乱を避けるべく、強調されていた。
見た目が一新され、マルチメディア機能を全面に押し出された仕様になっており、USBメモリのようなUSB記憶デバイスやチップセットのドライバが充実しているため、Windows 98のように別途ドライバのインストールの必要がない簡便さが特徴である。起動ディスクが1枚に集約された上、98にあったFDISKのバグ[4]も解消されていることから、起動ディスクについては評価が高い。
しかし、多機能性が求められた結果、OS自身はシステムリソースを多く占有するという欠点を抱えることとなり、ブルースクリーンやフリーズが多発したため、9x系Windowsの最終バージョン(OSのバージョンが4.9であることもそれを意味している)でありながら最も不安定という不名誉な評価を受けることが多く、割愛されることも少なくないバージョンであり[5]、例えば『週刊アスキー』2010年5月4日号32-33頁のWindowsの歴史の表でも省略されている。2001年10月にはWindows NT系と統合された次世代の家庭用向けOSであるWindows XP Home Editionが発売されたため、Windows Meの実質的な販売期間はおよそ1年2か月[6]、ならびに実質的なサポート期間はおよそ5年10か月という異例の短さであり、そのほとんどは2000年10月-2001年10月までに出荷された家庭向けのPC製品にプリインストールの形で販売された。OSの性格上、法人向けのPC製品には全くといっていいほどプリインストールされておらず、Windows XPが登場するまでは引き続きWindows 98SEがプリインストールされた。ただ、NECや富士通、東芝、シャープなど一部大手メーカーの法人向けBTOモデルでは発注時にWindows MeとWindows 98SEの両方が選択可能となっていた。
Windows XPへの移行が順調に進んでいると判断したマイクロソフトは、当初 Windows Meのサポートを2004年12月31日限りで打ち切る予定だったが、同年1月にこれを延長し、前身のWindows 98や98SEとともに2006年7月11日をもって修正モジュール提供などのサポートを打ち切り、オンラインセルフヘルプサポートも2007年7月11日以降に終了した[7]。
2014年4月現在、Windows Meを含む9x系に対応する最新のソフトウェア・ハードウェア製品は一切発売されておらず、9x系からNT系(Windows XP/Vista/7/8(8.1含む)に完全に移行した。もっとも、9x系OSをサポートしないのは、製品を発売するメーカーにとって製品の検証に要する負担を軽減できることや、ソフトウェアにNT系OSに依存したコードが記述可能になるなどのメリットがある。
しかしWindows Meは、Windows 95/98/98SE/2000程ではないがWindows XP以降の後継のOSよりも要求されるマシンスペックが低いこと、発売当時以前のソフトウェアを中心に対応ソフトウェアがまだ十分に実用性を保っているものも多く、9x系として唯一標準でUSBの大容量記憶装置をサポートしている(USB1.0/1.1に限りドライバのインストールが不要)ことなどから、実使用においてWindows 95/98/98SEよりは使いやすく、中古パソコンやジャンクパソコンの有効活用、Virtual PCやVMwareなどの仮想マシン上でのゲストOSとしての需要もある等、現在でも一部で利用されているが、独立行政法人情報処理推進機構は、「(仮想マシン上であっても)サポートが終了したOSの利用は非常に危険な行為である」とアナウンスしており、使用する場合はネットに接続しない単独の専用システム(スタンドアローン)にしたうえ、なるべくUSBメモリやFD、MO、外付けHDD等の外部補助記憶装置でデータ交換しないことを呼びかけている[8]。
2014年4月現在、Meを含む9x系WindowsではすでにWindows Updateを利用できなくなっている[9]ため、既出の修正ファイルの自動導入を行えない状況にある。ただし、修正ファイルの提供自体は続いているため、個別にダウンロードして手動で適用することは可能である。
互換性
Windows 9x系のOSであるため、Windows 95やWindows 98、Windows 98SEに対応するアプリケーションやドライバなどはほとんどそのまま動作する。しかし、ネイティブDOSサポートが削除されたため「MS-DOS モードで再起動する」コマンドが削除された。また、「MS-DOS プロンプト」におけるDOSプログラムの互換性もWindows 95やWindows 98、Windows 98SEと比べると低下している。
PC-9800シリーズには利用率の減少を理由に対応していない。
主な機能
- UPnP
- Windows ムービーメーカー
- システムの復元機能
- Windows Image Acquisition
- インターネットゲーム
- システムファイル保護
- ヘルプシステムの改良による初心者への配慮
- 圧縮ファイル(ZIPファイル)操作
- 自動アップデート
出荷・販売本数の推移
- 日本語版、初日に16.3万本を販売(BCN総研調べ)[10]
システム要件
Windows Meのインストールには次のようなハードウェアが必要である[11]。
- CPU:150 MHz以上のx86(Pentium互換)プロセッサ(300MHz以上のPentium IIおよびK6-2を推奨。2.2GHz以上のPentium 4、Celeron、Athlon等のCPUではインストール不可能な場合もある)
- RAM:32MB以上のメインメモリ(64MB以上を推奨。メモリ管理プログラムの関係で約1GB以上のメモリを搭載したPCでは基本的に動作不可能。動作させるには、事前にシステムの側でメモリへのアクセスを制限する必要がある[12])
- HDD:250 - 490MBの空き容量があるハードディスク
- 光学装置:CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ
- ディスプレイ:VGA以上のディスプレイ
- 入力装置:Microsoft Mouse、もしくは互換ポインティングデバイス
対応機種はPC/AT互換機のみである。
以降はWindows NT系に移行。時系列での次の製品はWindows XPとなる。
旧バージョンからのアップグレード / アンインストール
Windows Meには、Windows 95かWindows 98(Second Editionも含む)からのみアップグレードできる。Windows 3.1、Windows NT、Windows 2000からはアップグレードできない(Windows 2000に至っては、バージョンが5.0⇒4.9という風に下がってしまう)。また、Windows 95からはWindows Meのアップグレード版の1つである「Windows 98ユーザー限定期間限定特別パッケージ」(Windows 98からのアップグレードを前提にした低価格の専用アップグレードパッケージ)を使用してアップグレードする事はできない。Windows 95からアップグレードしたい場合は、それに対応した標準アップグレードパッケージを用意する必要があるが、手元にWindows 98のインストールCDがあれば(通常版・アップグレード版問わず。Second Edition アップデートCDからでも可能)、セットアップの途中でこれを挿入する事でアップグレード認証を通過して、「Windows 98ユーザー限定期間限定特別パッケージ」を用いてWindows 95からいきなりWindows Meにアップグレードする事ができる(この方法により、Windows 95からWindows 98を経由してWindows Meにアップグレードするという手間が省ける)。Windows 95とWindows 98のどちらからアップグレードしてもシステムファイルが保存されていれば、旧バージョンに戻す事(アンインストール)は可能。
新しいバージョンへのアップグレード / アンインストール
Windows MeからはWindows 2000 Professional、Windows XP Home Edition、Windows XP Professionalのいずれかにアップグレードする事ができる。ただし、Windows 2000にアップグレードした場合、Windows Meに備わっていた一部の機能が利用できなくなる(システムの復元など)。Windows MeからいきなりWindows Vista以降のWindowsにアップグレードする事はできない。また、Windows XP(バージョンを問わず)にアップグレードした場合のみ、Windows XPをアンインストールして、Windows Meに戻す事ができる。
脚注
関連項目
- Windows 9x系
- OSたん - Meをモデルに萌え擬人化したキャラクターが元祖とされる
外部リンク
テンプレート:Windows- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Windows98で大容量ハードディスクを使いたい(ITmedia エンタープライズ)
- ↑ MS公式のページテンプレート:Cite web)の下方の表でも無視されている。
- ↑ 余談であるが、歴代Windowsで最も販売期間が短命だったのは実はWindows NT 3.51の日本語版(販売期間はおよそ11か月)である。
- ↑ テンプレート:Cite web
テンプレート:Cite web - ↑ コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[4月分]について(情報処理推進機構)
- ↑ Internet Explorer 6でアクセスした場合、Internet Explorer 6はWindows Updateの内容を表示できないままWindows Update内の特定ページ間を転送され続けるといった、無限ループ状態に陥る。
- ↑ "日経産業新聞" 2000年10月2日付
- ↑ テンプレート:Cite web
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