UNO (ゲーム)

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UNO(ウノ)は、トランプゲームクレイジーエイトを遊びやすく改良したカードゲームスペイン語またはイタリア語数字の「1」を意味する「ウーノ」(uno) が名前の由来である。アメリカンページワンにもよく似ている。

1971年アメリカオハイオ州で理髪店を営むマール・ロビンス (Merle Robbins) により考案され、1979年に広く発売されて人気となった。本ゲームは専用のカードを用い、配られた手札を早く0枚にした者が勝者となるゲームだが、対戦相手を妨害する役札が存在することと、残り手札が1枚となった時に「Uno」と宣言しなければならないことが特徴。世界80ヶ国でこれまでに1億5000万個が販売されている。現在はバービー人形で知られるマテルが権利を保有しており、日本では、マテル・インターナショナルから発売されている。ほかにも、コンピュータソフト版や、専用カードの特徴を他のゲームと融合させたもの、オリジナルルールやオリジナルカードを採用したバリエーションも存在する。

カード

カードは計108枚。4色(赤・青・黄・緑)のカードと、色指定のない(地色が黒色)特殊カードがあり、さらに以下のような種類に分かれる。

  • 色カード
    • 数字カード(0~9)
      • 0は各色1枚
      • 1-9は各色2枚ずつ
    • 記号カード(役札とも呼ぶ、各色2枚ずつ)
      • Reverse(リバース)カード
      • Skip(スキップ)カード
      • Draw Two(ドロー2)カード
  • 特殊カード(Wild(ワイルド)系カードともいう、各4枚)
    • Wild(ワイルド)カード
    • Wild Draw Four(ワイルドドロー4)カード

ルール

以下は日本ウノ協会公認ルールを参考として記述している。

  1. プレイ可能人数は2~10人程度(4~6人が最適)。
  2. 一枚ずつカードを裏向きのまま引いて、最も多い数字(記号カードは0として扱う)のプレイヤーがディーラーとなる。またディーラー決めはジャンケンでもよい。
  3. 各人に7枚ずつカードを配り手札とする。残りのカードは重ねて中央に置く(これを山札という)。
  4. 山札の一番上のカードをめくり、山札付近のエリア(場と呼ぶ)に置く(これを場札という。このカードはディーラーの出した場札として扱う)。
  5. 引いたカードが Wild Draw Four カードだった場合はカードを山札に戻しシャッフルし、場札を引きなおす。
  6. 場札が決まったら、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに、手札の中から色・数字(記号)のいずれかが場札と一致するカードを場札に重ねて出していく。つぎの手番のプレーヤーは出されたそのカードが新しい場札となるので、今度はその場札の色・数字(記号)のいずれかに一致するカードを場に出すことになる(緑の1のカードが場札の時、赤の1を出したら次プレーヤーは赤のカードか1のカードがあれば出すことができる)。記号カードや特殊カードが出された場合以下に従う。
    • Reverseカードが出された場合、プレイ順が現在の方向とは反対方向となる。2人でプレイしている場合は自分が連続してプレイすることとなりSkipと同じ効果となる。
    • Skipカードが出された場合、次プレーヤーの手番を飛ばすこと(つまり1回休み)となる。2人でプレイしている場合は自分が連続してプレイすることとなる。
    • Draw Twoカードが出された場合、次プレーヤーに無条件で山札から2枚取らせる(2枚取らされたプレーヤーの手番はそれで終了し、場にカードを出すことはできない)。
    • Wildカードは、場札に関わりなく出すことができるカードで、場札の色を指定できる。
    • Wild Draw Fourカードは、手札に場札と同じ色のカードがない場合に出すことができる(場札と同色のカードが手札にあっても出すことは可能だが、ばれるとペナルティ)。場札の色を指定でき、次プレーヤーに山札から4枚取らせることができる。
      • 次プレーヤーは、Wild Draw Fourカードを出した者が本当に場と同じ色のカードが手札にないかチェックすることができ(これを「チャレンジ」という)、その内容に応じてどちらかのプレーヤーに以下の追加ペナルティが課せられる。
        • チャレンジ成功…手札に場札と同色カードがあるにも関わらずWild Draw Fourカードを出していたことを見破った場合、チャレンジ成功となりWild Draw Fourカードを出したプレーヤーは山札からの4枚のカードと、場に出していたWild Draw Fourカードを手札に加え、Wild Draw Fourカード以外で場札に合ったカードを場に出さなければならない。
        • チャレンジ失敗…Wild Draw Fourカードを出したプレーヤーの手札に、場札と同色のカードが本当になかった場合チャレンジ失敗となり、ペナルティ2枚+Wild Draw Fourカードで引かされる分の4枚を含めた合計6枚を山札から取らされ、しかも場にカードを出すことはできずに次プレーヤーに手番が移る。
  7. 手札に場へ出せるカードがない場合、山札からカードを1枚引き手札に加え、そのカードが場へ出せない場合は手番は次のプレーヤーに移る。場へ出せるカードの場合そのまま場に出すか、手札に取っておくかはプレイヤーが選択できる。
  8. 山札がなくなったら、一番上の場札を場に残し、ディーラーがよくシャッフルしたのちディーラーの左隣のプレイヤーがカットし山札とする。
  9. 手札が残り1枚になったら「Uno」と宣言しなければならない。宣言を忘れたプレーヤーは、ペナルティとして山札から2枚取らなければいけない。ただし、次のカードが出されるか、山札のカードが取られるまでに他のプレーヤーに指摘されなかった場合はペナルティは発生しない。
  10. 手札を全てなくしたものが勝利者となり、役札の処理をした上で、各人の残り手札の内容に応じた点数を獲得する。

点数

点数の計算方法は、国際ルールと日本ルールがある。カードには下記のとおり点数が定められているのは共通だが、国際ルールは敗者全員の残ったカードの点数を合計した点数が勝者に加算されるのみである(点数が減ることは無い。また敗者は一律0点)のに対し、日本ルールは各敗者の残ったカードの点数をそれぞれ減算してその分を勝者に加算(移動)するようになっている。なお、国際ルールは500点先取、日本ルールは回数制である。

  • 0 - 9のカード : その数字の点数
  • Skip・Draw Two・Reverse : 20点
  • Wild・Wild Draw Four : 50点

ハウスルール

テンプレート:独自研究 非公式ルールとして、下記のようなものがある。

  • 自分の手番において色と数字が一致する同一の数字カードは1度に捨てることができる。ただし記号カードは必ず1枚ずつしか出せない。もしくは記号カードも1度に捨てることができる。
    • これを認めた場合、上がる際に「Uno あがり」などと上がりを宣言しなければならないルールもある(UNO stopという言い方もある)。宣言を忘れた者は山札から何枚か取るペナルティを受けることになる。
    • それ以外に、あがる際は1枚に限る場合もある。
    • 手札の残り枚数に限らず、最後に2枚の同一カードを出してあがることが可能なときもウノと宣言する。宣言していなかった場合はペナルティはないが、あがることもできず、カードは1枚のみしか捨てることはできない。
    • Skipカードを複数出して何人も飛ばせるルールを設ける(同じ種類のカードを出すことで、さらに次のプレイヤーに効果をなすりつける事が出来る)。
      • この場合は順番をスルーされる回数が増えていく。尚、Skipのみ回避不能の場合が多い(カードを出す権利自体がスキップされる考え)。
      • Draw系、Skipの同時出しの場合は効果が加算されて現れる。Skipの加算は、「x枚で2x先のプレイヤーまでにSkip」というタイプと、「x枚でx先までのプレイヤーにSkip」というタイプと、自分の次のプレイヤーに全効果が現れる「x枚でx回手番を奪われる」といったタイプが考えられる。
      • Draw系の場合で、Wild Draw Fourカードが出された場合指定された色のDraw Twoカードが手札にある場合はDraw Twoカードを出すことが出来る。この場合も枚数は累積される[1]
      • Draw TwoカードもしくはWild Draw Fourカードを出された場合に同色のReverse,又はSkipを出して回避することが出来る。この場合取る枚数が累積されたまま次の人の番になる。
  • Draw Twoカードが出された場合はDraw TwoカードかWild Draw Fourカード、Wild Draw Fourカードが出された場合はWild Draw Fourカードを出せば回避が可能である。この場合取る枚数が累積されていく。またWild Draw Fourカードが出された場合でもチャレンジが出来ない。
  • 各プレイヤーは1ラウンドに3回までカードを裏にしたまま、場札の色と同じ色のカードとして出すことができる。ただしウノ宣言のときには裏にして出すことはできない。および処理の終わっていないドロー系カードの上にも捨てられない。次のプレイヤーは裏のカードの直前のカードの色と同じ色のカードかワイルド系カードのみが出すことができる。カードの数字や記号は無視される。
    • 裏にしてカードを捨てたとき、他のプレイヤーが、そのカードの色が本当は場札の色と異なる(数字や記号は無関係)と判断したとき、次のプレイヤーがカードを出すまでのあいだに”ダウト” を宣言できる。これは最初に宣言したプレイヤーにのみ権利がある。ダウトしたプレイヤーは、まずペナルティとして課したいカードの枚数を提示する。このときダウトされたプレイヤーには3つの選択肢がある。
      1. 相手の枚数に同意してコールする
      2. さらに枚数をつりあげてレイズする
      3. 降参してドロップする
    レイズした場合は相手も再びコール、レイズ、ドロップの選択権を持ち、これを交互に行ってゆく。提示またはレイズできるペナルティのカード枚数は2~5枚となる。
    • 両者が同意してコールとなったら、カードを表にして色をチェックする。場と同じ色ならダウトした側の負けとして、コールした枚数をペナルティとして山札からとる。逆に違う色ならダウトされた側の負けとして、コールした枚数をペナルティとして山札からとることに加えて、裏にして出したカードも手札に戻す。このとき、裏にして出したカードがワイルド系カードだったときは無条件にダウトされた側の負けとなる。
    • ドロップする場合は直前に自分が提示した枚数を山札からひく。なおドロップの最低ペナルティーは2枚とする。ダウト直後、すぐにドロップするときは自動的に2枚となる。ダウトした側がドロップしたときは裏向きのカードはそのままでゲームが再開される。ダウトされた側がドロップしたときはカードは裏のまま手札に戻す。
    • 処理終了後は裏でカードを出した人の次の人の手番になる。ダウトしたカードが正しいカードだったときは、それを新たな場札とする。
  • 始める時のカードは数字のみとする(この場合最初に記号カードが出た場合は Wild Draw Fourカードだった場合の扱いと同様である)[1]
  • ディーラーを決めずに最初のカードを引いた後ジャンケンをして最初のプレイヤーを決める[1]
  • 上がるときに Stop の宣言をしなければならない。宣言を忘れた者は山札から何枚か取るペナルティを受ける。
  • 役札での上がりに制限を設ける。もしくは役札での上がりを認めず、数字1枚のみでしか上がれなくするルールもある[1]
  • 手札の合計数を上がりの別条件とする。
  • 点数制にせず、上がった者から順にゲームから抜けていき、残った者でそのままの手札でゲームを続行し、最後の1名(最下位の敗者)が決定するまで続ける(この場合、手札によってはゲーム終了までに時間がかかってしまう)[1]
  • 前述したWild Draw Fourカードが出たときの「チャレンジ」のルールを採用しない[1]
  • 旧式のUNOカードは特殊カードがピクトグラムではなくアルファベットであったため、「0」をOpenOとみなしそのカードを出したプレイヤーがほかのプレイヤー全体にその時点でのすべての手札を公開する。

コンピュータゲーム

ゲームロフト版

2010年現在、マテルからライセンスを受けたコンピュータゲーム版は、主にゲームロフトダウンロード販売している。対応機種は携帯電話、iPadiPodiPhone / iPod touchPlayStation 3WiiWiiウェア)、ニンテンドーDSiDSiウェア)など。オンライン対戦も可能(携帯アプリ、クリックホイールiPod版を除く)。最大4人(一部機種のみ6人)で対戦が出来る。プレイヤーの識別はあらかじめ与えられた色とマークを組み合わせるが、一部の機種では次のようなこともできる。

  • PS3版、Wii版ではそれぞれのアバター(Wiiの場合はMii)を使用することが出来る。
  • DSi版では写真(DSiカメラに保存されているのではなく、新しくとるもの)を撮ってそれをマークとして使用することが出来る。

共通する特徴は以下のとおり。

  • 累積(ペナルティ)ルールで累積できるのは同じマークのカードのみである。つまり、Draw Twoカードを回避する場合は同じDraw Twoカードが必要であり、Wild Draw Fourカードでは回避できない。
  • Wild Draw Fourカードのチャレンジは、コンピューターがチェックを行なうため、相手のカードを見ることができない。チャレンジが成功した場合でも、Wild Draw Fourカードは出されたままであり、その時指定した色は有効である。
  • ジャンプルールを搭載。これは、数字(マーク)と色が全く同じカードが出された時に、その時の順番に関係なく即座に出せるルールである。
  • UNO 7-0ルールを搭載。7を出した時に、指定した相手と全てのカードの交換を行い、0を出した時に、次の順番のプレイヤーに全てのカードを渡し、前の順番のプレイヤーの全てのカードを受け取るものである。ただし、0または7を出したときは強制交換する(7をだしても交換しないなどの選択肢はない)。

マイクロソフト版

マイクロソフト版はXbox 360専用であり、Xbox Live Arcadeでダウンロード販売している。 現在はWindows8以降アプリとしても無料ダウンロードが可能。

  • 基本無料でプレイが可能。ただしプレイには仮想クレジット「トークン」が必要。
  • トークンは「TOPでゲームをクリアする」、「レベルアップする」、「一定時間で行えるスクラッチ」、「フレンドからのプレゼント」、「課金」などにより回復させることが可能。
  • 基本はランダムに選ばれた全世界のプレイヤーと4人で対戦を行う。またフレンド同士でルームを作成してプレイすることも可能。(どちらの場合も2トークンが必要になる)
  • 使用したプレイヤーが有利になるミラー、ダンプなどといったイカサマITEMが存在し、公式ルールのみで遊べないマッチングになる場合もある。
  • サーバーのラグなどにより、自分のターンがきてもカードが出せずにタイムオーバーで自動でカードが選ばれる場合もある。

関連商品

  • UNO H2O - プラスチック製で、屋外など汚れやすい環境でも利用できる。カードを出した人を除く全員にカードを山札から1または2枚引かせるWild Downpour【英語で土砂降りの意味】カード(日本語版では「ワイルドドボンカード」)が追加された
  • ドラえもんハリー・ポッターディズニーなどのキャラクターをデザインしたバージョンがいくつかある。これらのバージョンでは基本の108枚のカードの他に特殊な効果を持つカードが存在する。
  • ドラゴンクエストカードゲーム キングレオ - 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』のキャラクターやモンスター、呪文が登場するカードゲーム。ルールがUNOと似ている
  • 伊東家UNO - 伊東家の食卓で生まれた独自ルールの解説つき
  • ウノアタック - 1999年。電池仕掛けの装置によって引くカード枚数がランダム決定される新ルール付き
  • 大黒将志スペシャルエディション限定版 - UNO大使であるサッカー日本代表大黒選手考案ルールが用いられる。2006年限定版
  • ウノスタッコ - ジェンガのブロックに色や数字が割り振られており、UNOのルールに従ってプレイしなければならない
  • ウノダイス - サイコロの目にUNOのカードの色、数字、記号が割り当てられており、サイコロを振って出た「目」を「手札」としてウノと同様のルールでサイコロを消費する
  • ウノスピン - カードを引く、捨てるなどの指示が書かれたルーレットが付属
  • テイルズ オブ エターニアにはウィスというUNOをモデルにしたカードゲームが登場し、実際にプレイできる。
  • SUPER TAKI - 類似ゲーム。UNOと比べると少々複雑になっている。

関連項目

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参考資料

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 テンプレート:Cite web

外部リンク