SHIP (グループ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

SHIP(シップ)は、日本女性アイドルグループ山形県酒田市・中町商店街の活性化の為に結成された。地方を拠点として活動するローカルアイドルの代表的存在でもあった。

SHIP結成以前のS.H.I.P

2001年夏、中町商店街より「SAKATA発アイドル育成プロジェクト(S.H.I.P)」が始められた。運営主体は酒田市商店街連合会、酒田なかまち商店街振興組合連合会青年部、酒田商工会議所青年部、酒田青年会議所などによる実行委員会で、プロデューサーは酒田出身で東京にて音楽教室「ONE VIBES」を開いているサンミュージックアカデミーのボイストレーナー“CHO-BAY”斉藤長行であった。

2001年10月21日の「酒田どんしゃんまつり」にて行われた公開オーディションにより8人のメンバーが選出される。以後レッスンコンサートと称したライブを行い場数を踏みつつ、CHO-BAYによる厳しいレッスンで鍛えられ、2002年8月25日にデビューコンサートにこぎつけた。また、商店街の空き店舗を利用したブースでレコーディングを行い、自主制作CD「All My Love」をリリースした。

当初の目的である育成期間は、2002年10月20日の酒田どんしゃんまつりでのライブをもって終了した。

SHIP

育成期間終了後は、運営母体が酒田中町中和会商店街および地元企業によるボランティア組織、S-Produceに移り、総合プロデューサーは地元の音響照明会社KETYの代表、関浩一が務めることとなった。

その後、五味美保の楽曲プロデュースにより2枚のシングルCDをリリース。 一部メンバーの卒業を経て、リリ、かおりん、あいぴょん、れっぴぃの4人で活動をすることとなる。

2003年2月8日に新潟にて初の県外ライブを行い、これを観た東京のアイドルファンが注目。以後、東京をはじめ全国より、SHIPのライブを観るためにファンが酒田に集うようになる。

2004年5月4日には東京ライブインマジックでの初公開ライブも成功させ、酒田在住のまま全国区の人気を得た。現在までに、東京をはじめ、青森県弘前市(同地のご当地アイドル、りんご娘との競演)、埼玉県大利根町(現在は加須市)(同地のご当地アイドル、pinkishとの競演)、愛知県(愛知博にてPinkish,ミューズとツァー)、兵庫県(同地のアイドルミューズとの競演、新潟県新潟市(同地のご当地アイドル、Negiccoとの競演)などでもライブを行った。

2006年4月、メンバーのうちリリ、かおりんの2人が進学のため酒田を離れた。「解散していない」ことが公式に発表されたものの、3月12日に行われた「ほわいんたいんライブ」を最後に、メンバー4人が揃っての活動は休止状態に入る。

AiR@S.H.I.P

2006年7月、公式サイトにて、酒田在住のメンバー2人による新ユニットの結成およびユニット名の公募が発表された。

同年8月14日、メールによる投票の結果として名称が「AiR」に決定。このユニットがS.H.I.Pの一環であることを明示すべく、正式ユニット名としては「AiR@S.H.I.P」が用いられることとなった。

AiR@S.H.I.Pは数回のプレデビューステージを行ったのち、10月14日のどんしゃん祭りにて正式デビュー。11月3日はデビューマキシシングル「情熱の彼方」をリリースした。

2007年4月30日、中町モールでの「AiR@S.H.I.P FINAL LIVE」をもって、第一期SHIPとしての活動は終了を迎えた。

S.H.I.P新人オーディション

2006年12月11日、公式サイトにて「新人オーディション」が告知された。このオーディションは「酒田在住の小学校4~6年生」を対象としたもので、審査は4次まであり、その審査員自体を「公募し筆記試験により選抜する」という。「S.H.I.Pの取り組み自体が商店街の活性化である」という原点を押さえつつ、かつてのレッスンにおける蓄積を踏まえての対象絞り込みを行うという「進化」を見せている。

しかしながら、予備審査の段階で合格者なし、それを受けて応募期限の延長などが告知されたものの、延長された応募期限を過ぎた今も、公式には何の動きもみられぬままとなっている。

メディア

TV番組出演

ラジオ

  • 山形放送 - HOP☆STEP☆DANCE
  • 山形放送 - ミュージックブランチ
  • ハーバーラジオ - HOP SHIP JUMP!!(酒田エフエム放送にて毎週土曜日 15:00-15:10にオンエアされていた。現在は別内容であり、メンバーの出演はない。)

ほか

CM

  • 酒田米菓
  • メンズニシムラ
  • 庄内米
  • JA(ちょちくちょきんぎょ)

ほか

雑誌

ほか

CDリリース

SHIP シングル

  1. All My Love ~君の夢にとどくまで~ (自主制作盤)
  2. 少年mind(2003年4月9日発売・Water Moon Record)
  3. 笑顔(2003年6月4日発売・Water Moon Record)
  4. together(2005年12月・発売元:マジックアイランドレコード・販売元:FDI[1]ファーストディストリビューション
    プロデュースは音楽プロデューサー牧田和男。現在も全国CDショップで入手可能。
    2009年ドラマ「スキップ!―商店街が生んだアイドル―」挿入歌としても使用された。

AiR@S.H.I.P シングル

  1. 情熱の彼方(2006年11月・発売元:ROCK STYLE・販売元:エフ・プランニング)

第一期メンバー

  • あいぴょん(2007年4月30日にて活動停止、AiR@S.H.I.Pにおいては Ai 名義)

 2008年ai☆としてソロ活動(東京にて本田美奈子トリビュート等、またモデルとしても2010年から活動中)

  • れっぴぃ(2007年4月30日にて活動停止、AiR@S.H.I.Pにおいては Rena 名義。既婚 )
  • リリ(事実上、2006年3月12日にて活動停止)
  • かおりん(事実上、2006年3月12日にて活動停止。既婚)
  • ゆりねぇ(2002年3月卒業)
  • みおみお(2003年3月卒業)
  • チグ(2003年7月卒業)
  • アッキー(2003年10月卒業)

商店街グッズ

SHIPの名前が冠された、地元商店によるオリジナルグッズには以下のようなものがある。これらにはSHIPメンバーの画像、またはキャラシップイラストが描かれている。なお、現在は品切れになっているものもあることに注意。

  • SHIP時計(時計屋)
  • SHIPミニチャリ(自転車屋)
  • SHIPボトル(自転車屋)
  • SHIPエコバッグ(鞄屋)
  • シップ手ぬぐい(呉服屋)
  • SHIPめがねふき(眼鏡屋)
  • シップティ(お茶屋)
  • しっぷ福神(漬物屋)
  • SHIPお香(仏壇屋)
  • SHIPカクテル(居酒屋)
  • しっぷ焼きそば(米沢屋)
  • SHIPケーキ(ケーキ屋)
  • SHIPジェラート(ジェラート屋)
  • シップサイダー(スーパー)

キャラシップ

メンバーをデフォルメしたキャラクターイラストの総称。公式サイトや各種グッズに登場している。

商店街の活性化とSHIP

SHIPは、酒田市以外のイベント参加やメディア取材によって、酒田市PRの役目も兼ねていた[1]。 酒田でのイベント開催時に、遠方から来訪したファンが商店街のなじみの店に立ち寄る姿も良くみられ、お店によっては休憩場所を設けてファン同士の交流の場として提供するなど、中町商店街の活性化に一役買っていた。

書籍

著者は共に仲川秀樹

  • 『メディア文化の街とアイドル』 ISBN 4-313-81308-X (メディア文化の視点からSHIPと地域商店街の取り組みを社会学的に解明)
  • 『もう一つの地域社会論』ISBN 4-7620-1605-5 (1976年酒田大火によって消滅した「メディア文化の街」を甦らすべく立ち上げられた再構築プロジェクトの1つとしてSHIPを紹介)

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

  • 「アイドルで酒田の町おこし」東日本放送ヒューマンバラエティ 日曜のマゼラン』)