ニッケル・水素充電池
ニッケル・水素充電池(ニッケルすいそじゅうでんち、Ni-MH: Nickel metal hydride)は、二次電池の一種で、正極に水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金、電解液に濃水酸化カリウム水溶液 (KOH (aq)) を用いたもののことである。 日本工業規格 (JIS) 上の名称は、「密閉形ニッケル・水素蓄電池」。一般的には、「ニッケル水素電池」や「Ni-MH」と表記されることが多い。 なお、一般に商用上用いられている名称の「ニッケル・水素充電池」は、「ニッケル・水素電池」あるいは「ニッケル・水素蓄電池」と同じ物を表す。(「充電池」は商用に用いられる語であり、学術用語ではない。)(→二次電池参照)
目次
概説
ニッケル・水素充電池は正極に水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金、電解液に濃水酸化カリウム水溶液 (KOH (aq)) を用いた二次電池である。
充放電の反応式は以下のように表される。
- 正極 : NiOOH + H2O + e− <math>\rightleftarrows\ </math> Ni(OH)2 + OH−
- 負極 : MH + OH− <math> \rightleftarrows\ </math> M + H2O + e−
- 形状と容量
形状は単一形・単二形・単三形・単四形・角形 (006P) ・ガム型、その他に産業用特殊品がある。容量としては、例えば単三形では1000mAh~2500mAh、単四形で750mAhが、2006年時点の標準的な公称容量である。充放電可能な回数(サイクル寿命)については、メーカーにもよるが、少ないものでも「およそ500回以上の充放電が可能」とされている(eneloopでは1000回→1500回→1800回と改良が進んだ)。なお、容量の大きいものほど、サイクル寿命が短い傾向がある。[注 1]
- 充電
ニッケル・水素充電池の適切な量の充電は、デルタピーク(一旦電圧が上昇したあとわずかに降下する現象)を感知して充電を止めたり抑制する方式が一般的である。 [注 2] →#充電
- 普及状況とシェア
乾電池型充電池、ハイブリッドカーの電源、あるいはデジタルカメラ・携帯音楽プレーヤーや一部のノートパソコンの専用電池などとして広く普及している。
2010年時点で、世界のシェアのトップは三洋電機(FDKトワイセル製)である。SANYOブランドでの販売の他、FDKからのOEM供給も行っており、本体や缶底に“HR”記号が入っているものが同社製である(eneloop以降の製品では缶底の“HR”記号は無くなっている)。FDKは元々三洋電機のニッケル水素電池を供給されていたが、三洋エナジートワイセルのFDKへの売却で関係が逆転した。
歴史
ニッケル水素電池の開発は、1970年代のコムサットから始まり[1]、最初の使用は1977年、アメリカ海軍の航法衛星 (NTS-2) である[2]。つまり元々は、高出力、高容量、長寿命の人工衛星のバッテリーとして開発が進められていたわけである。当初はタンクに圧縮された水素を貯蔵していた[3]。(現在でも、宇宙用等、一部では水素の貯蔵にタンクを用いる種類も残っている。)
小型二次電池として、正極材料にニッケル、負極材料に水素の貯蔵も兼ねて水素吸蔵合金であるミッシュメタルを使用するタイプが作られるようになった。
次のような長所を持つので1990年の実用化以降、ニッカド電池からニッケル水素電池への代替が進んだ。
- それまでの代表的な小型二次電池であったニッケル・カドミウム蓄電池[注 3]の2.5倍程度の電気容量を持つ
- 材料にカドミウムを使用せず環境への影響が少ない
- 電圧がニカド電池と同じ「1.2V」[4]で互換性がある
(→#特徴も参照)
その後の普及状況は、領域ごとに異なっている。例えば、乾電池市場、携帯機器の専用電池市場、自動車用では状況が異なっているのである。
各種携帯機器では、より大きな電気容量のリチウムイオン二次電池が好まれ、急速に置換えが進んだ。このため、ニッケル水素電池の日本における出荷数量は2000年をピークに大幅に減少し、この領域での日本の主要メーカーは次々に撤退した。
トヨタ自動車・本田技研工業のハイブリッドカー用の電池としては、ニッケル・水素蓄電池は安全性の高さが評価され、採用された。ハイブリッドカー向けのニッケル水素電池は携帯機器よりはるかに大型であり、出荷金額は2003年を底に回復した。なおこの用途のニッケル水素電池のメーカーは三洋電機(HEV事業部)のほかプライムアースEVエナジーである。(三洋電機がパナソニックの子会社となることにより世界各国の競争法当局との協議によりそれぞれの事業の一部を第三者に譲渡する必要が生じ、三洋電機は三洋エナジートワイセル・三洋エナジー鳥取をFDKに売却、パナソニックはパナソニックEVエナジーの保有株を減らした(→プライムアースEVエナジー)。)
乾電池型二次電池においては、ニッケル水素電池が従来のニカド電池に代わり主流となっている。その理由は次のようなものである。
- ニッケル水素電池は「大電力・大電流時の放電特性に優れる」「単純な回路で充放電が可能」
- ニッケル水素電池はかなり安全性が確立されている。(対するリチウムイオン電池は、安全性に関しては問題があり、充電時・使用時などに発火事故などが起きる可能性があり、汎用的な乾電池型としては不向きであり、普及させるわけにはいかない)(→リチウムイオン二次電池の項も参照)
全体を見てみると、主な日本のメーカーは現在、FDK(FDKトワイセル、主に三洋電機モバイルエナジーカンパニーが販売)・パナソニック(エナジー社)・プライムアースEVエナジー(車載用途)となっている。
特徴
- 長所
- 繰り返し使えるため、マンガン電池やアルカリ電池などの一次電池より、ランニングコストを下げられる
- アルカリ、マンガン、ニッカド電池より内部抵抗が低く、モーターや懐中電灯などの大電流用途では高電圧を維持でき、アルカリ電池の数倍の容量を誇る。
- ニカド電池より容量密度が高い
- カドミウムを含まないため、ニカド電池より環境負荷が低い
- ニカド電池と比べて自然放電が少なく、充電後、かなりの日数放置しても使うことができるタイプも多い。ニッカド電池は一旦充電しても、その後数週間も放置するとほぼすっかり放電してしまっており、いざとっさに使おうとした時に使いものにならない、という難点があった。特に、SANYOが、自然放電が少ない特長を持つeneloopを開発し、そのメリットを強く訴求[注 4]、市場から非常に高く評価され爆発的に普及し、以降は他社でもeneloopの成功に倣って自然放電が比較的少ないタイプのニッケル水素電池を作るところが増えている。
- 短所
- ニカド電池に比べると過放電に弱い。完全に放電してしまうと電池を傷めてしまう。ただしeneloop以降はダメージは比較的少ないタイプが増えている。
- メモリー効果(現象)がわずかにある。ただし、ニカド電池ほどひどくはなく、わずかで、さらにeneloopはメモリー効果が小さく、同商品登場以降は他社でも同様のタイプが増えている。
- 加熱時や過放電時に引火性の水素ガスを発生するため、完全に密閉された場所(水中ライト・防ガスライトなど)では使用禁止である。ただしこの点については機器側・電池側ともに改善が進んでいる。
充電
日本の大手家電メーカーの、ニッケル水素電池用充電器では、一般的に「デルタピークカット」方式によって充電量が調整されている。これは、満充電時に観測されるわずかな電圧低下(-ΔV)を感知して充電を終了する仕組みである。 ただし、すべての充電器がデルタピークカット方式とは限らず、安全タイマーや過熱防止などの安全機構が採用されているとも限らない。個々の充電器の説明書や(広告等の)スペック表を確認する必要はある。(安価な充電器は、そうした機構が採用されていない場合が多いので、それだと過充電によって電池の寿命を縮めてしまう可能性がある)
- ニッケル水素電池の-ΔVはニカド電池と同一ではない。-ΔVはおよそ10mV/セル程度である。
- -ΔVが観測されると充電を終了する。充電開始時には偽の-ΔVが発生する事がある。
- -ΔVが観測されなくても一定時間経つと充電を強制終了する(安全タイマー)。サポートしている電池容量より少し多めの時間にタイマーがセットされている。
- 電池の温度が設定温度を越えると充電を強制終了する(過熱防止)。
満充電までに要する時間は、放電量と充電電流の量などが関係し一般論は難しい。例えば単三型では説明書では数時間程度としている場合が多い。[注 7]
主な用途
乾電池・アルカリ電池の代替
2005年11月1日に、三洋電機は自己放電とメモリ効果を抑え、予め充電した状態で販売するという新型のニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」の発売を発表し、同年11月14日から販売を開始した。また、松下電器産業(現・パナソニック)も株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションと共同開発し、同年10月31日、同様の電池の発売をアナウンスした(パナソニック充電式ニッケル水素電池・充電式EVOLTA)。2006年11月にはソニーがこれらと同様の電池(エネループ技術)を「サイクルエナジーブルー」のブランドで発売開始した(エネループOEM)。2006年現在、これらの電池は一般小売店での取り扱いも多くなりつつある。
ホビー・玩具
ラジコンの耐久レース、電動ガンを使った競技などでは、ニカド電池に比べて大容量なため、電池交換の頻度を減らせる。一方、大容量化により重量面ではニカド電池よりも重くなることがある。
特性上ニカド電池より瞬発力に劣る部分があるが、公称値でニカド電池の1.5倍以上の容量[5]を利用した強力なパワーソースの使用や、近年の中国メーカーによる技術競争などにより、模型分野では実用上問題なくなっている。
電動ガンにおいては過放電に強く自己放電が少ないなど扱いが手軽なニカド電池も利用されるが、一般的なラジコンカーのレースにおいてはニッケル水素電池が主流になっている。ただし一部の模型メーカーが主催するラジコンカーレースでは、環境保全の考え方からニカド電池の使用を禁止している場合も見られるテンプレート:要出典。
模型分野に限っては一般にトップシェアである三洋電機(FDKトワイセル製)のシェアは非常に少なく、インテレクト社やゴールドピーク製のセルが多く使用されている。当初三洋電機製を採用していた業界最大手のタミヤでも、は2011年現在採用しているのはゴールドピーク製である[6]。
ミニ四駆やダンガンレーサー/楽しいトレインシリーズ、楽しい工作シリーズをはじめとするいくつかのタミヤ製電動模型キットシリーズでは、発熱の問題を回避するという名目で、公式レースではニッケル水素電池の使用が禁止されていた[7][8]。また、近年製造されたキットのパッケージには新型車・旧型車問わずニッケル水素を絶対に使うなと明記されている[9]。しかし、ミニ四駆については、公認競技会規則の改定(電池が原則タミヤブランドのみに)と2010年12月の新商品「ネオチャンプ」発売[10]により同商品に限ってではあるがニッケル水素の使用が解禁された。ニッケル水素電池が使用可能になった経緯について、現在のところタミヤから明確な説明はない。
デジタルカメラ
単3型電池を用いるデジタルカメラの場合、一次電池も用いることが出来るが、ニッケル・水素蓄電池の方が放電特性に優れ、また繰り返し充電できるため経済的である。ニッケル・水素蓄電池と充電器を付属している機種もある。
ハイブリッドカー
ハイブリッドカー用の二次電池としては主としてニッケル水素電池が使用される。
タンク貯蔵型ニッケル水素電池
ニッケル水素電池 (NiH2 or Ni-H2) はニッケルと水素を基にした充電式の電気化学式の電力源である[11]。ニッケル金属水素化物電池との違いは水素を8.27 MPa (1200psi) の高圧タンクに貯蔵する点である[12]。
正極は乾式焼結によって製造されるニッケル水素化物を含む多孔質ニッケルである[13]。負極の水素電極はテフロン結合の白金黒触媒が用いられ、セパレーターにはZircar tricot knit zirconia布であるlink titleZYK-15title.が用いられる[14]。
NiH2セルは26%の水酸化カリウム (KOH) が電解質として用いられ寿命は80%の放電深度 (DOD) で15年を見込む[15]。エネルギー密度は75Wh/kg・60 Wh/dm3[16]、比出力 220 W/kg[17]、開放電圧は1.55V・放電電圧は1.25Vで[18]負荷時の電圧は1.5 V以下である。セルは20,000回以上の充電サイクルで[19]85%の効率である。
NiH2充電池はエネルギー貯蔵装置として人工衛星や[20]宇宙探査機に使用される。例として国際宇宙ステーション[21]、2001年のマーズオデッセイ[22]やマーズグローバルサーベイヤー[23]に搭載された。ハッブル宇宙望遠鏡は打ち上げ後19年以上経つ2009年5月に元の蓄電池を交換した。低軌道で最も多くの充放電サイクルを経たNiH2電池を交換した[24]。
種類
- 個別圧力容器型
個別圧力容器型 (IPV) は圧力容器がNiH2セルの最小単位として構成される[25]。
- 共通圧力容器型
共通圧力容器型 (CPV) は2個のNiH2セルのスタックを直列に共通圧力容器に入れる。CPVはIPVよりもエネルギー貯蔵効率がやや高い。
- 単一圧力容器型
単一圧力容器型 (SPV) は22セルを単一の圧力容器へ入れている。
- 両極型
両極型はSPV内で薄い電極が正極から負極背中合わせに配置されている[26]。
- 圧力容器依存型
圧力容器依存型 (DPV) セルはより高いエネルギー比とコスト削減をも目的としている[27]。
- 共通/依存型圧力容器
共通/依存型圧力容器 (C/DPV) は共通圧力容器 (CPV) と圧力容器依存型 (DPV) の組み合わせで高い体積効率である[28]。
- Battery workshop 1993 Fig1 Nickel hydrogen battery.jpg
- Battery workshop 1993 Fig2 Nickel hydrogen battery.jpg
- Battery workshop 1993 Fig3 Nickel hydrogen battery.jpg
- Battery workshop 1993 Fig4 Nickel hydrogen battery.jpg
- 5420miller.jpg
乾電池型の安全のための構造
電解液には触媒が加えられており、電気分解により生じた水素ガスを酸素ガスと素早く反応させ、水に戻すための工夫が施されている。しかし過充電時には強く発熱し電気分解によって生じた水素ガスが吸収できずに内圧が高まる。そのため陽極に「防爆弁」があり、圧力が過剰になると水素ガスを放出するしかけになっている。万が一 破裂や電解液の漏出がおきても電解液は不燃の水溶性であるため火災につながるリスクは非常に小さい。ただし、強アルカリ性であるため皮膚など触れると火傷(化学熱傷)を引き起すので、そうしないように、注意が必要である。またその場合、電池周囲の木材や樹脂などを変質させる可能性にも気をつける。
なお、通常の乾電池型のものの陽極に(個人が独自に)直接ハンダ付けしたりすると防爆弁が不良になるので、それをしてはいけない、とされている。ハンダ付けして使う用途には、(はんだづけ用の、はんだづけ時の電池本体の過熱を防止する)ニッケル金属片があらかじめスポット溶接されているタイプが製造・販売されている。
2003年8月21日にトミー・三洋電機は、玩具用に特化し、安全性をさらに高めたニッケル水素電池「Every Denchi(エヴリデンチ)」を発表した。これは誤使用時の発熱を約60テンプレート:℃に抑え、液漏れの問題を回避するというものである。同年11月から発売。また2005年7月には、三洋電機が後継シリーズとしてニッケル水素電池「Toy Cell(トイセル)」を発表・発売。
主な製品
- 三洋電機(製造 : FDKトワイセル):eneloop ※2013年より"Panasonic" ブランドに移行し存続
- パナソニック : パナソニック充電式ニッケル水素電池、充電式EVOLTA、
- 東芝 : IMPULSE
- 日立マクセル : ecoful
脚注
- 注
- ↑ 電極材の酸化や電解液の喪失が原因
- ↑ ニッケル水素専用充電器(あるいは「ニッケル水素 対応充電器」)以外を用いると、正常に充電されなかったり、過充電され電池の性能が落ちたり、ひどい場合は発熱で破裂することがある。蓄電池というのは、種類ごとに充電時の特性が異なるので、鉛蓄電池であれ、リチウム系電池であれ、「専用充電器」や「対応充電器」を用いるべきだ、とされている。
- ↑ 略して「ニカド電池」または「ニッカド電池」
- ↑ 「訴求」とは、広告や販売の場面などにおいて、消費者に向けて、自社の製品やサービスの良いところをはっきり伝え、その購買意欲に働きかけること。
- ↑ 充電式小型電動ドリルでは、大電流の供給という点に限って言えば、ニカド電池の方がいくらか強みを持つ。ただし先述のカドミウム使用の問題から、公害の原因となりうる上にライフサイクルコストが高いという理由でと、ニッケル水素電池の大電力特性が改善したので現在発売している製品の殆どはニッケル水素電池へ転換している。
- ↑ 同様に、ホビー用R/Cカーでも長年、大電流を発生させるニッカド電池がレースで有利ということで主流だったが、近年のR/Cカーレースではレギュレーションで(ルールとして)ニッケル水素電池を指定するケースも多い。
- ↑ 一部の製品では専用の充電器および対応するニッケル水素電池を使用すれば、15分で充電できる。
- 出典
外部リンク
- トワイセルの原理・構造・特徴 - FDKトワイセル
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ NTS-2 Nickel-Hydrogen Battery Performance 31
- ↑ 衛星用バッテリー
- ↑ 最後に電圧が下がってきた状態でも1.2V程度。「供給を保証する電圧が1.2V」といったような意味。基本的に満充電から使用開始~使用途中は、1.5(強)V~1.4V程度の電圧が続く。
- ↑ 模型用で多く使われるsub-C型セルの場合、市販されているニッカドでは2400mAhが最大だが、ニッケル水素型では少ないものでも3000mAh、主に流通しているものでは3600 - 4200mAh、最近の大容量製品では4600mAhを上回る物も在る[1]
- ↑ 製品写真にGPの社名が確認できる[2]
- ↑ ミニ四駆公認競技会規則
- ↑ ダンガンレーサー公認競技会規則
- ↑ 乾電池についてのご注意 ニッケル水素電池は使用できません。
- ↑ ネオチャンプと急速充電器セット
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ Nickel-Hydrogen spacecraft battery handling and storage practice
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ Nickel-Hydrogen Batteries
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ Five-year update: nickel hydrogen industry survey
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ Validation of International Space Station electrical performance model viaon-orbit telemetry
- ↑ A lightweight high reliability single battery power system for interplanetary spacecraft
- ↑ Mars Global Surveyor
- ↑ NiH2 reliability impact upon Hubble Space Telescope battery replacement
- ↑ Nickel Hydrogen Batteries-An Overview
- ↑ Development of a large scale bipolar NiH2 battery.
- ↑ 1995- Dependent Pressure Vessel (DPV)
- ↑ Common/Dependent-Pressure-Vessel Nickel-Hydrogen Batteries