ミニ四駆

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レーサーミニ四駆 ダッシュ3号 流星(シューティングスター)。ウイングはじめ各部に改造が施されており、オリジナルの状態とは異なる。

ミニ四駆(ミニよんく)は、タミヤが発売している小型の動力付き自動車模型プラモデル)である。小型電動機(モーター)を搭載した四輪駆動の模型で、単3型乾電池を動力源として走行する。ラジオコントロールではない。商標権はタミヤが保有(登録商標日本第2168392号ほか)。

概説

2度のブームにより日本で一番売れた自動車模型のシリーズである。2012年で発売30周年を迎え、累計約420種以上の車種を発売し、販売台数は1億7000万台[1]

構造および機構

スケールは、一部を除き1/32とされている。これは単3形乾電池2本が入りやすいようにしたサイズである。動力は単3形乾電池2本とFA-130サイズのモーター1個で、ギヤーとシャフトの組み合わせにより動力を前後の車軸に伝達し、4輪を駆動する。従来の製品では、プロペラシャフト両端の二つのピニオン及び二つのクラウンギア、モーターのピニオン及びスパーギアとカウンターギアと呼ばれる2段ギアがそれぞれ一つで、計7個の歯車で減速、駆動している。減速比は種類によるが11.2 - 3.5程度で、ギア比を二つ選べる製品も多い。モーターに近い側の車軸を2段減速とし、そこからシャフトで分岐する形でクラウンギアを2段介してもう一方の車軸を駆動している。

最新型のMS、MAシャーシ(ミニ四駆PRO)では車体中央部に両軸出力モーターを配置しプロペラシャフトを廃している。

駆動方式

レーシングタイプの場合、MS、MA以外のシャーシではプロペラシャフトを取り外すだけで容易に二輪駆動(FM/スーパーFMではFF、その他ではMR)にする事もできる。なお、MSの2WD化も在来機種用モーターを利用する(この場合MRとなる)、あるいは駆動させたくない側のギヤを抜き取る事により容易に可能である。 ストック状態ではディファレンシャルを持たない、いわゆる「直結四駆」状態である為、低速コーナーの多いコースでは敢えて二輪駆動にする者もいた。ただし、公式レギュレーションでは二輪駆動化およびプロペラシャフトのピニオン交換とワンウェイホイールの組み合わせによるフルタイム4WD化は禁止されている。 ホイール側でディファレンシャル機構とするワンウェイホイールも販売されていたが、レースによってはレギュレーションで二輪駆動禁止、ワンウェイホイール禁止とするレースもあった。

主な工具・ケミカル類

いずれの製品も基本的には組み立てに接着剤は一切不要であり、はめ込みまたはビス止めで組み立てることのできるスナップフィットキットになっている。

ただし、タイヤなど一部に接着した方が好ましい部品がある。特にスポンジタイヤの場合、大抵は両面テープが添付されている。改造・補修する際も接着剤が多用されるが、シアノアクリレート系(瞬間接着剤)やFRP接着用のエポキシ樹脂系接着剤などが利用される。

タミヤからも、ミニ四駆向けにあらゆる工具が発売された。製造メーカーはドライバーなら兼古製作所、ナイフ・のこ系ならオルファなどであり、値段がやや高額である。

  • ノーマル車組み立て
  • 一般的改造 - ここで多くの切削工具が登場する。
    • ピンバイス
    • 瞬間接着剤
    • カッターのこ
    • ペンチ(特にラジオペンチ
    • ノギス、物差し等のサイズ測定器具(公式ルールでサイズが厳しく定められているため)
    • 潤滑スプレー(シリコンスプレー、KURE 5-56など) - グリスに比べ抵抗の少なさ、施工のしやすさから使われるケースがある。ただしオイルスプレー系は安価だが走行中にオイルを撒き散らすことが多いためミニ四駆付属のボールデフグリス、別売りのセラミックグリス、シリコンスプレーが望ましい。
  • ハードユーザーがよく使う工具 - 切削加工、とりわけFRP相手の作業が多くなるため電動工具類が多用される。

これら電動工具はホームセンターで安売りされているものを使用している人がいる一方、中にはボール盤、さらには高性能の工作機械を使用するハードユーザーも存在する。

機構

ミニ四駆を構成する各部分について説明する。

ボディ

ミニ四駆の外装となる部分である。次に説明するシャーシの上に被せる。内部機構を覆う蓋(カバー)で、車体の剛性にも大きく寄与する。タミヤRCバギーを小型化したものも多く、製品名には「Jr.;ジュニア」が付される。ミニ四駆用にデザインされたボディは空力性能(エアロダイナミクス)を謳っている商品も多いが、スケールの関係や、空力性能を謳う部分以外の場所に小さな凹凸が存在し、総合的に見ると空力の完成度は低い。モーターや電池の冷却用インテイクの為または軽量化のために穴を開ける改造(いわゆる肉抜き)を行う者も多かった。また、自作ボディを使用するユーザーもいたが現在はコンクールデレガンス目的以外での使用は禁じられている。

シャーシ

ミニ四駆の土台となる部分。ここにモーターやギヤーといった各種パーツを組み込む。前側にはバンパーが取り付けられており、バンパーの左右にはローラーを止める穴がある。ゼロシャーシ(後述)からは後側に別売りのリアバンパーパーツを付けられるように穴が空いており、スーパーFMからはバンパーが付属。MS、MA、ARシャーシは標準装備となる。中央には電池を入れる空間がある。MS、MAシャーシはサイドに配置。モーターを置く位置は、FMシャーシのように前方に置くもの、スーパー1、スーパーTZシャーシなど後方に置くもの、MSシャーシのように中央に置くものがある。技術力のあるヘビーユーザーは井桁・鳥居と呼ばれる、まるで自作シャーシのような様相を呈した改造シャーシを使用する場合が多い。また近年公式レースで採用されることの多い「ヘルクライム」と呼ばれる、アップダウンが強烈でジャンプしてしまうため飛びすぎたり着地時の衝撃で跳ね返ったりという理由でコースアウトが発生する立体セクションへの対策として、トレーリングアーム式サスペンションを搭載するマシンも一部には存在する。なお、井桁・鳥居やサスマシンはタミヤ純正パーツ群のみを使用している限りレギュレーション違反にはならない。だが完全な自作シャーシ、シャーシの換装によるもの以外のホイールベースの変更は、公式レギュレーションで違反となる。

モーター・電池

キット添付のモーターは、マブチのFA-130(フルカウル、スーパー、マイティ、エアロには添付されない[2])である。構造上、寸法が全く同じモーターしか使用できない。MS、MAシャーシ(ミニ四駆PRO)では動力軸が延長されたものを使用しており、両側にピニオンギヤを取り付ける。

純正非純正の、各種の高性能モーターが存在する。タミヤの開催する公式戦では、個人による改造や他社製品のほか、純正のグレードアップパーツのモーターでも禁止された型番もあり、速さの絶対的な差につながる改造を抑制していた。スロットレーサー用のモーターでは炭素電極ブラシ使用など極端なものが存在した。

電池は単三電池2本を使用する。マンガン乾電池は非力なため、レース等ではアルカリマンガン乾電池を使用することがもっぱらである。また、経済性の理由からニッカド電池も使用された。ニッカド電池はタミヤブランドでもミニ四駆向け(黄色、橙・黄緑のラベル)、ラジコン向け(灰のラベル)があり充電器も豊富だった。公式戦ではタミヤブランドで販売されていた「パワーチャンプゴールド」や、スポンサーでもあった富士通FDK)製のアルカリ電池を指定していた時期もあり、充電式電池はタミヤも富士通も原則禁止だった。

公認競技会規則では2011年4月現在使用できる電池はタミヤブランドのみである(ジャパンカップのみ富士製のアルカリ乾電池を使用できる)。このルール改定と同時期に新商品「ネオチャンプ」が発売され、ニッケル水素電池により充電式電池が解禁された。

動力源周辺のその他のパーツとしては、アルミ製でモーターに接着する冷却フィンといったものがある。

ギヤー

ギアレシオはモデルによって異なるが、レーシングタイプではPROで6個(ピニオン×2含む)、従来型でも6個(ピニオン含む、プロペラシャフトは一式で1個とカウント)使用している。加速重視用と最高速重視用の、異なるギアレシオのセットが付属することが多く、組み合わせるモーターとの相性で選択することができた。

オプショナルパーツとして、モーター出力軸に取り付ける金属製のギアや、公式レース会場で限定販売されたギアレシオのセットもあった。

シャフト

カスタム用パーツに軽量化された中空ドライブシャフトが存在し、素材としてはステンレスやチタン合金が使用されたものも存在する。またプロペラシャフトに関しても中空シャフト仕様が存在した。前後のドライブシャフトとフレームを介しホイールと接する部分、いわゆるハブは、ノーマルではプラスチック部品にハトメのような真鍮部品を組み合わせたものだったが、オプショナルパーツとしてベアリングタイプのハブが販売されていた。チューンナップモーターと並ぶ定番パーツで、その定価は600円(後に値上げ)と、キット価格に匹敵した。

タイヤ・ホイール

サイズは大きく分け、大径と小径に分類される。一般的に大径はスピードの伸びに優れるが不安定になりやすく、小径はスピードの伸びこそ大径に劣るが、低重心になるため安定性に優れる。ハードユーザーの中には、さらなる高速化を狙い大径に他のタイヤをかぶせさらに大きくしたもの(俗に大ヽ径、超大径と呼ばれる)を製作するケースも見られる他、大径と小径の中間的特性がある中径タイヤを製作する場合もある。ホイール機構としては、特別な仕掛けが何も施されていないものと、デフギアと同じような役割を果たすワンウェイホイールに分かれる。変り種では中空タイヤやアルミホイール、炭素繊維を使用した強化ホイール、ステアリング機構なども存在する。

ストック状態ではいわゆるスリックタイヤ状態なので、彫刻刀で溝を彫る者も多かった。

ローラー

大きく分けて、

  • 軸受け:プラスチックベアリングタイプとボールベアリングタイプ
  • 素材:プラスチック製とアルミ製と全体がボールベアリングのもの
  • 外周の形態:ゴムリングありとプラリングありとリング無し

に分類される。かつて汎用またはRC用のボールベアリングをローラーに転用するケースも見られたが、現在のルールでは禁じられている。

ミニ四駆のタイプとシリーズ

オンロードタイプ

専用コースにて走行させ、スピードを競い合うタイプ。世間一般では、ミニ四駆といえばこのオンロードタイプという解釈がされている。シャーシは重心が低く、ギア比も高いため高速かつ安定した走行が可能となっている。

レーサーミニ四駆シリーズ
オンロードタイプのミニ四駆の先駆けとなったシリーズ。第一次ミニ四駆ブームの牽引役を担った。車種ラインナップは主にRCバギーのスケールダウンモデルが中心で、これに伴い漫画『ラジコンボーイ』の登場車種であるドラゴン兄弟も登場し、これらがミニ四駆シリーズ初期の牽引役となる。中期より『ダッシュ!四駆郎』によるミニ四駆のみの登場車種ダッシュシリーズなども数多く設定され、中期以降はこれらミニ四駆漫画のオリジナルによる車種が人気を引っ張った。また、初期の車種は地上高が高く、スパイクタイヤを搭載したオフロード仕様の車種が主流だった。
2000年をもってそれまでに発売された全車種が生産停止となったが、2003年より一部車種のシャーシを新型のものへ変更して発売。また、2005年以降はメモリアルボックスなどでの再発売が相次ぎ、一部車種は現在でも入手が容易となっている。また後年にアバンテやサンダーショットなど一部車種はリメイクされてミニ四駆PRO/REVの車種として、またドラゴン兄弟やダッシュシリーズ等の各マシンも後年開発された新型シャーシを採用し、「プレミアム」の名を冠した現行商品としてリバイバルされた。また2014年には、レーシングタイプの定番車としては初[3]の実車として、ダイハツのコンセプトカーである「KOPEN FUTURE INCLUED」のモデルが2種類が、揃ってこのシリーズにて発売された。
スーパーミニ四駆シリーズ
レーサーミニ四駆の後継シリーズ。シャーシは初期状態で既にダウンスラストのついたバンパーや軽量な大径ホイールなどが標準装備された競技仕様の設計となっており、高速化が進むレースシーンで主力シャーシとなった。登場翌年以降に開催されたジャパンカップ優勝者のマシンの多くがスーパーミニ四駆で[4]、94年、95年、96年、98年の優勝マシンがスーパーミニ四駆だった。
車種ラインナップは漫画『風のレーサー侠』や『ダッシュボーイ天』の登場車種。
世間一般での人気そのものはほぼ同じ時期に発売されていたフルカウルミニ四駆には及ばなかったものの、スピードの伸びやすい大径タイヤと軽量で無駄のないボディが完全標準化されているため、競技志向のレーサーは大径タイヤと軽いボディを求めてこちらを購入することが多かった。
ほとんどの車種が生産終了されたが、2007年12月にポセイドンXブラックスペシャルが再発売され、同時に「スーパーミニ四駆メモリアルボックス」として初期の車種も発売された。また、2009年2月にはアストロブーメランが、2010年12月にはリバティーエンペラー、トムゴディ スペシャル、小覇龍 (シャオバイロン)、ビックバンゴースト、リバティエンペラー ブラックスペシャルがそれぞれ再発売された。またリバティーエンペラーについては、プレミアム仕様として改めて発売されることが発表された。[5]
フルカウルミニ四駆シリーズ
スーパーミニ四駆からの派生シリーズ。シャーシはスーパーミニ四駆のものと共通だが、ボディデザインはタイヤを覆う形状となっており、エアロダイナミクスを追求したものとなっている。一部を除き、車高は低くなり、低重心化が可能になる小径タイヤが装備されている。そのためスピードは伸びにくく、また、ボディ形状ゆえにマシンが重くなっているため、スピードという点でスーパーミニ四駆に見劣りする。
車種ラインナップは漫画、アニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の登場車種で、同マンガとともに第二次ブームの牽引役となった。
代表車種には『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の主役機であるマグナム/ソニックシリーズ各種が挙げられることが多い。特に3代目のサイクロンマグナム/ハリケーンソニックは発売当初から生産が追いつかない状況が続くほどの大ヒット車種となった。この2車種が発売されたのはちょうど第二次ブームのピークにあたる時期で、これら以外の脇役にあたる車種もよく品薄になっていた。ブーム収縮期にも根強く大半の車種の生産が続けられ、レーサーミニ四駆に匹敵するほどの長寿シリーズとなっている。現在でも現行商品として販売されているシリーズではあるが、「プレミアム」の名を冠した商品は、ボディに張り付けるシールがメタリック調になったり、シャーシ部分に改造パーツ用の取り付け穴を新たに設けたスーパーⅡシャーシとなるなど、現在の新製品の仕様・改造方法にあわせた改良が行われている。
ミニ四駆歴代マシン売り上げベスト5は、ビクトリーマグナム、ネオトライダガーZMC、サイクロンマグナム、ビークスパイダーと、このシリーズのマシンが2位~5位を占めている。なお1位はレーサーミニ四駆のアバンテJr.[6]
エアロミニ四駆シリーズ
フルカウルミニ四駆の後継シリーズ。ボディは従来のフルカウルミニ四駆と同様にエアロダイナミクス重視のデザインとなっている。シャーシは一新され、走行性や剛性、整備性が従来のシャーシと比較して向上した。また、従来グレードアップパーツとして別売されていた超速ギアが一部車種を除き標準装備された。
車種ラインナップは漫画、アニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』の登場車種。
マイティミニ四駆シリーズ
スーパーミニ四駆の後継シリーズ。シャーシはエアロミニ四駆と共通だが、一部を除いて小径タイヤを標準装備するエアロミニ四駆に対してこちらは全車大径タイヤを標準装備し、ボディもシンプルで軽く、スピードを重視した仕様になっている。
車種ラインナップは漫画『新世紀レーサーミニ四キッズ』や『未来レーサーブイツイン』の登場車種。
スーパーミニ四駆とフルカウルミニ四駆の関係と同じように、こちらも世間一般ではエアロミニ四駆ほどの人気はないが、大径タイヤとシンプルなボディで競技車両ベースとして非常に重宝された。
2009年3月現在、全車種とも生産が休止されている。2010年にダイナホークGXとレイザーギルがスーパーXXシャーシに搭載された「スーパーXXスペシャル」として、2013年にはダイナホークGXが「ブラックスペシャル」として限定再発売された。
ミニ四駆PROシリーズ
「ミニ四駆を超えるミニ四駆」をテーマに開発されたシリーズ。従来のミニ四駆がシャフトドライブ方式の4WDシステムを採用しているのに対し、このシリーズではダブルシャフトタイプのモーターをミッドシップレイアウトで配置し、ダイレクトドライブ方式とすることでフリクションロスを軽減するとともに、電池とあわせてシャーシ中央部の低い位置に設置することで低重心化を実現した。
シリーズ開始に合わせ登場した「MSシャーシ」は、シャーシの構造が3分割となっており、カスタマイズ性や整備性は従来のシャーシと比較して大幅に向上している上、接続部分をボックス構造とすることで従来のシャーシを上回る高い剛性を確保している。また、歴代ミニ四駆で初めての試みとして手軽に楽しめる完成車を追加するほか、ラジコンカーにも使用されている軽量で高強度のポリカーボネート製ボディを一部車種に設定。レーサーミニ四駆の時代からポリカーボネート製ボディそのものはグレードアップパーツとして存在したが、キットで標準化されるのはミニ四駆PROが初めてとなる。
設定されるのは完全な新規車種だけではなく、「サンダーショットMk.II」や「トライダガーXX」などのようにレーサーミニ四駆やフルカウルミニ四駆のリバイバルも存在する。2013年には、2つ目のシャーシとなる「MAシャーシ」が登場し、下記のミニ四駆REVシリーズのARシャーシのモノコック構造と、MSシャーシのミッドシップレイアウトの長所を合わせたような、一体成型構造で登場した。
ミニ四駆REVシリーズ
ミニ四駆30周年記念として発表された最新シリーズ。ボディ・シャーシ共に徹底的に空力を追及したデザインとなっているほか、シャーシはメンテナンス性、剛性および拡張性を向上させた「ARシャーシ」を採用している。
トラッキンミニ四駆シリーズ
オンロードタイプのミニ四駆としては珍しく、ピックアップトラックを模したボディデザインが採用されている。
ボディの取り付けは他のオンロード系ミニ四駆とは異なり、ワイルドミニ四駆と同じ方式を採用している。このため、ワイルドミニ四駆のボディと互換性がある。
発売当時は不人気だったためか、2車種のみを発売して生産が早々に打ち切られた。しかし、生産期間の短さや生産台数の少なさによる希少性ゆえにプレミアがついており、2010年7月に再発売[7]され、2013年にはREVシリーズで採用されたARシャーシに搭載して限定発売された。
干支ミニ四駆シリーズ
1999年以降、その年の干支をテーマにした限定仕様のミニ四駆を毎年リリース。ドライバー人形の装備されている車種は、人形のデザインが干支をモチーフにしたものに変更されている。ベース車種はレーサーミニ四駆がメインだが、2001年は例外的にエアロミニ四駆のバニシングゲイザーがベース車種に起用された。

オフロードタイプ

不整地路を走行させることができるタイプ。不整地路での走破性を優先するため、シャーシは地上高が高い構造となり、ギア比もトルクが重視されている。

ミニ四駆シリーズ
1982年に発売された、ミニ四駆の原点のシリーズ。現在は次のコミカルミニ四駆シリーズとともに「1/32 ミニ四駆シリーズ」となっている。第1号の「フォード・レインジャー 4×4」をはじめピックアップトラックが多く、スケールモデル風のリアルなデザインである。シャーシはモーターが縦置きで、プロペラシャフトから車軸への伝達はウォームギアである。
コミカルミニ四駆シリーズ
前のシリーズに続き発売されたシリーズ。前述のように現在は「1/32 ミニ四駆シリーズ」となっている。タミヤとはミリタリ模型等で縁のあった大塚康生のアドバイス(一部モデルではデザイン)による、第1号の「ホンダ シティ ターボ」をはじめ、ディフォルメされたコミカルなデザインが特徴である。前シリーズと基本的なドライブトレインは同じだが、コミカルなデザインのために配置を変更してホイールベースが寸詰まりになっている。ウォームギアの前後にスプリングを内蔵してモーターロック対策を施すなどの改良が加えられた。フック付きのバーを前または後ろのバンパーに装着することができる。このシリーズの「ワイルドウイリスJr.」が人気を博したことにより、レーサーミニ四駆シリーズへと繋がった。
ワイルドミニ四駆シリーズ
レーサーミニ四駆に引き続き、当時新しく人気となっていたビッグフットタイプのRCカーのJr.として、シンプルで丈夫な設計のシャーシのシリーズ。スピードは室内やオフロードで走らせるには非常に丁度良いものとなっている。ラインナップはRCカーをスケールダウンしたものが中心だが、ミニ四駆オリジナルの、漫画『ダッシュ!四駆郎』の登場車種もある。四駆の方式は、モーターが車体の中央にあり、対称的な配置のギヤで前後に分配するギアトレーン式である。大きなタイヤは、他のシリーズと違い中空タイヤ。電源スイッチ部が組立て済み完成品となっている。これより前のモデルでは、金具がちょっとでも変形すると、すぐスイッチがダメになったが、その動作不良を根絶した。とんがり帽子状のホイルキャップを付け、専用のひっかかりのある360度ループするコースを走らせることができる、など、当時のタミヤが「ミニ四駆の遊び方」の提案に試行錯誤していたことが伺える。かつてはハイスピードギアやレーシングローラーハブセット等のグレードアップパーツも発売されていたが、現在はすべて生産中止である。

ディスプレイタイプ

スケールモデル同様、飾って楽しむタイプ。他のミニ四駆と異なり、シャーシには走行するための機構が装備されていない。

リアルミニ四駆シリーズ
メッキパーツでリアリティを高め、スケールモデルとして楽しむシリーズ。ボディは無加工あるいは若干の加工で、トラッキンミニ四駆以外のオンロードタイプのミニ四駆のシャーシへ換装することが可能。車種ラインナップは漫画、アニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』および『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』の登場車種。ほとんどの車種は生産・販売は終了しているが、2009年2月21日にバックブレーダーが限定発売された。なお、スピンバイパーとディオマース・ネロは2002年12月フルカウルミニ四駆として再発売された。

車種ラインナップ

車種ラインナップはミニ四駆一覧を参照のこと。

シャーシ

タイプ1シャーシ/タイプ3シャーシ/トラッキンシャーシ
オフロード走行向けに開発されていたため比較的重心が高く、ホイールベースは短い。タイプ1シャーシはモーターの発熱対策が施されておらず、初期のものではフロントバンパーにガイドローラーの取り付け穴がないものもあった[8]
減速比はグレードアップパーツを含めるとパワー(減速比11.2:1)、ミディアム(減速比8.75:1)、スピード(減速比6.4:1)、ハイスピード(減速比5:1)の4種類があり、モーターのピニオンギアは2種類、車軸のスパーギアは2種類ある。
これらの弱点を改善すると同時にタイプ2シャーシの新要素の一部を盛り込んだものがタイプ3シャーシで、ライジングバードから採用され、スイッチ金具の大型化、モーターカバーの穴開け、サイドバンパーのガイドローラー取り付け対応が施された。タイプ3のみポリカーボネート混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比はタイプ1の4種類にグレードアップパーツのコンペティション(減速比4:1)を加えた5種類があり、モーターのピニオンギアは2種類、車軸のスパーギアは3種類ある。
トラッキンシャーシはタイプ3シャーシをベースにボディ固定方式の関係でサイドバンパーを廃し、代わりに大きなリアバンパーを装着。
減速比はタイプ3と同じ5種類。
タイプ2シャーシ/タイプ4シャーシ
アバンテJr.から採用。フロントのスイッチと金具が大型化、電池ケース部分が低くなり底に穴が開けられた。モーターを横倒しに装着するように改められ、タイプ3とトラッキンを除く以後のシャーシでも踏襲される。
タイプ4シャーシはイグレスJr.から採用されるが、剛性不足による歪みが指摘され、同ブラックスペシャルやセイントドラゴンJr.(リッキー仕様)の3車種のみの採用となっており、主力がゼロシャーシにとって代わられたためか人気は今ひとつだった。
減速比は高速指向に振られ、グレードアップパーツを含めると4:1、4.2:1、5:1の3種類だが、モーターのピニオンギアは1種類になった。
タイプ5シャーシ
ベアホークJr.から採用。タイプ4の後継にあたるシャーシで、タイプ4の問題点だった歪みやすさを改善、非常に剛性が高い構造のためオフロードの走行にも耐えられるといわれている。ホイールベースは比較的長めで直進安定性に優れている。なお、一般販売されていたキットのものは成型色が深緑色で、限定仕様のキットなどには成型色が黒のものが採用されている。
減速比はタイプ2/タイプ4の3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギア(減速比3.5:1)が使用可能なため4種類。超速ギア装着時には専用のギアカバーが必要になる。
ゼロシャーシ
ホライゾンから採用。低重心化と軽量化によってより実戦志向の色合いが強まったシャーシ。サイドガードを別パーツとしたほか、リアステーを装着出来るようにしたことでセッティングの幅が大きく広がった。また、モーターケースをギアケースと一体化させたことで、整備性も向上した。ただし、フロントバンパーの強度が致命的に弱く、バンパー全体を覆う専用のFRP板がグレードアップパーツとして後日発売された。ポリカーボネート混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比はタイプ2/タイプ4の3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギア(減速比3.5:1)が使用可能なため4種類。超速ギア装着時には専用のギアカバーが必要になる。
スーパー1シャーシ/スーパーIIシャーシ
スーパー・フルカウルの一部に採用。ゼロシャーシをベースに実戦志向を推し進め、さらなる低重心化やフロントバンパーの形状変更、サイドガード装着方法の変更するなど、大小様々な改修が行われている。その完成度は高く、現在でも主力として使用するユーザーも多い。しかし、フロントバンパーの強度不足は改善されておらず、この部分の強化改造は必須といえる。
フルカウルミニ四駆「マグナムセイバー」に採用されたのを皮切りに、第2次ブームを牽引するシャーシとなった。ガラス繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比はタイプ2/タイプ4の3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギア(減速比3.5:1)が使用可能なため4種類。超速ギア装着時には専用のギアカバーが必要になる。
当時大ヒットしたフルカウルミニ四駆の多くに採用されたためか、模型店などではシャーシを単品販売するケースも多く見られた。
スーパーIIシャーシはマグナムセイバー プレミアムから初採用。スーパー1シャーシをベースに、フロントバンパーの形状が変えられ厚みを増して脆弱性を解消、そしてビス穴が増えて拡張性を向上したほか、スイッチがターン式スイッチに変更、ギヤケースの構造やパーツ・ターミナルの構成がVSシャーシベースのものに変更、2点固定式リアステーが採用された。シャーシはポリカーボネート混合ABS樹脂製を採用していて、キットで標準化されるのはこのシャーシで初めてとなる。ギアカバー類はABS樹脂製を採用している。
減速比はスーパー1の4種類にハイスピードEXギア(減速比3.7:1)を加えた5種類。専用のギアカバー等を装着することなく超速ギアを装着できる。
FMシャーシ/スーパーFMシャーシ
タイプ4シャーシをベースにモーターを前置きに変更し、リアスキッドローラーが装着可能となっている。クリムゾングローリー、ネオ・バーニングサン、エアロソリチュードが採用。
後に低重心化、スラスト角のついたフロントバンパー、減速比4対1のギアなどスーパー1シャーシと同様の実戦志向の改良が加えられたスーパーFMシャーシが登場。フルカウルミニ四駆のブロッケンギガント/同ブラックスペシャル、ガンブラスターXTO/同クスコスペシャル、スーパーミニ四駆のストラトベクターで採用。
減速比はFMがタイプ2/タイプ4と同じ3種類、スーパーFMはその3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギア(減速比3.5:1)が使用可能なため4種類。
スーパーTZシャーシ/スーパーTZ-Xシャーシ
主にフルカウル・スーパー・エアロの一部に採用。スーパー1シャーシよりホイールベースを伸ばすことで直進安定性を高めると共に、フロントバンパーの強化やリアステーの標準装備化、低重心化など、より実戦を重視した設計になっている。スーパー1では着脱可能だったサイドガードは固定式に変更された。また、シャーシ底面がフラットなため、芝生等の特殊セクションでの走破性向上や整流効果が期待されたが、後者に関しては科学的な実証がなされていない。第2次ブームの絶頂期を担った、もっとも人気のあるシャーシの一つ。スーパーTZのみガラス繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
のちに2点固定式リアステーへの対応をはじめ、若干のマイナーチェンジを施されたスーパーTZ-Xシャーシが登場。こちらはエアロミニ四駆「バニシングゲイザー」と一部のレーサーミニ四駆などに採用されるに留まり、人気の点では今ひとつ。
対応減速比はスーパーTZは3.5:1、4:1、4.2:1、5:1の4種類。なお、グレードアップパーツの軽量超速ギア(減速比3.5:1)が用意されている。スーパーTZ-Xではこの4種類にハイスピードEXギア(減速比3.7:1)を加えた5種類。
スーパーXシャーシ/スーパーXXシャーシ
エアロ・マイティの一部に採用。ロングホイールベース・ワイドトレッドで高い安定性を誇るだけでなく、ボックス構造や2点固定式リアステーの採用、シャーシ裏から直接モーターを交換できるなど、それまでのシャーシとは一線を画す斬新なアイディアが随所に盛り込まれた。最新のグレードアップパーツにも数多く対応し、現在でも根強い人気のあるシャーシ。炭素繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比は3.5:1、3.7:1、4:1、4.2:1、5:1の5種類。スーパー1などと異なり、専用のギアカバー等を装着することなく超速ギアを装着できる。
スーパーXXシャーシはマックスブレイカー ブラックスペシャルから初採用。スーパーXシャーシをベースにフロントバンパー上の面両端にリブが加わり、サイドガードの肉抜き穴が埋められて剛性をアップしたほか、バッテリーホルダーの形状が変更・強化された。さらに付属パーツとしてノーズガードが追加、フロントバンパーとサイドガードにねじ穴が増えて拡張性を向上した。
ポリカーボネート混合ABS樹脂製と炭素繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比はスーパーX同様、3.5:1、3.7:1、4:1、4.2:1、5:1の5種類。専用のギアカバー等を装着することなく超速ギアを装着できる。
VSシャーシ
レーサー・エアロ・マイティの一部に採用。軽量・コンパクトなスーパー1シャーシの特徴を受け継ぎつつ、スーパーXシャーシで採用された数々のアイディアを取り入れて設計された、シャフトドライブ型シャーシの集大成とでも言うべきシャーシ。ホイールベース・トレッドは共にスーパー1シャーシと同様だが、2点固定式リアステーやバッテリーホルダー・フロントギアカバーのヒンジ開閉など、スーパーXシャーシ同様の最新装備に対応。スーパー1シャーシの弱点であるフロントバンパーの脆弱性もある程度解消された。ただしそれでも、カラー=素材によっては他機種と比べると見劣りしており、初期の頃はバンパーの脆弱性が問題となった。
製品状態での駆動効率が他のシャーシに比べてずば抜けて高く、最新のMSシャーシがリリースされた後も、主力シャーシとして愛用するユーザーは数知れない。10色を超えるカラーバリエーションの多さは全シャーシ中トップ。その中でもポリカーボネート混合ABS樹脂製のものやガラス繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比は3.5:1、3.7:1、4:1、4.2:1、5:1の5種類。専用のギアカバー等を装着することなく超速ギアを装着できる。ダウンフォースを高めるため、車高が全シャーシの中で最も低い。
MSシャーシ
ミニ四駆PROに採用。従来のミニ四駆がプロペラシャフトを介し四輪を駆動させるシャフトドライブ方式の4WDシステムを採用しているのに対し、ダブルシャフトモーターと呼ばれる特殊モーターをミッドシップレイアウトで配置し、ダイレクトドライブ方式とすることで駆動効率を高めている。また、モーターなどの重量物をシャーシ中央部の低い位置に設置することで低重心化を実現すると共に、ボックス構造の採用やシャーシを前部・中間部・後部の3ユニットに分割することで、従来のシャーシとは一線を画す整備性と剛性を手に入れた。
形状の違いによるバリエーションとして軽量化が施された中間部ユニットやバンパーが装着されていない前部・後部ユニットが発売された。また、素材の違いによるバリエーションとしてはポリカーボネート混合ABS樹脂製のものやガラス繊維混合ABS樹脂製のものも限定発売された。
減速比は実戦で多用されるハイスピード(4:1)、ハイスピードEX(3.7:1)、超速(3.5:1)の3種類のみに絞り込まれている。
MAシャーシ
ミニ四駆PROに採用。MSシャーシと同様、ダブルシャフトモーターによるダイレクトドライブ方式としたシャーシ。MSシャーシでは3つに分割されていたシャーシを一体成型に変更して駆動効率を高め、ユニットをばらす必要が生じるMSシャーシに比べ整備性が向上された。また、シャーシ底面および前後のバンパーには、ARシャーシと同様のエアインテークやディフューザーを採用し、カウンターギアに入れるプラベアリングや軸受けパーツ、リアスキッドバーには、ARシャーシと同様、POM製低摩擦樹脂のパーツが採用されている。これらMSシャーシの両軸駆動とARシャーシの空力と低摩擦素材による両シャーシの長所を生かし、走行性能の向上が図られている。使用可能なグレードアップパーツはMSシャーシとほぼ同様ではあるものの、ARシャーシで装着可能な補強プレートやブレーキセット等のグレードアップパーツが、このMAシャーシでも使用可能となっている。
2014年7月現在のバリエーションとして、シャーシ本体のバリエーションに関しては、通常品に付属のグレーのABS製シャーシのほか、公認レースの賞品として配布される白色のABS製シャーシ、「ブラストアロー ブラックスペシャル」に付属する黒色のABS製シャーシが存在している。
減速比はMSシャーシと同様、ハイスピード(4:1)、ハイスピードEX(3.7:1)、超速(3.5:1)の3種類のみとなっている。
ARシャーシ
ミニ四駆REV、トラッキンミニ四駆(特別限定モデル)等に採用。シャフトドライブ方式の完全新規設計シャーシとしては、VSシャーシ以来13年ぶりとなる。
シャーシ本体に強度の高いモノコック構造を採用したほか、サイドステーおよびリヤバンパーは一体成型となっている。リヤバンパーには低摩擦樹脂製のスキッドバーを装着可能。
モーター・電池を冷却するためのエアインテイクを設置したほか、シャーシ底面の後部にデフューザーを設けるなど、空力効果を追求したデザインとなっている。
また、アンダーパネルおよびデフューザーを外すことにより、モーター・電池をシャーシ下部から取り出すことができるため、メンテナンス性が大幅に向上している。
軸受けに低摩擦素材を採用したことにより、これまでの全てのミニ四駆に使用されていたハトメが廃止された。
ギヤは従来のシャフトドライブ方式シャーシと共通であるが、ピニオンギヤはカーボン強化樹脂製または真鍮製のもののみ使用可能である。減速比は3.5:1、3.7:1、4:1、4.2:1、5:1の5種類。
各シャーシーの互換性
タイプ1/タイプ3対応ボディでは車種によってタイプ2/タイプ4以降のシャーシへの搭載及びその逆や、FMシャーシ/スーパーFMシャーシへのFMシャーシ以外の対応ボディへの搭載及びその逆はモーター装着方法の違いにより、無改造で搭載できるケース・モーター装着部分を削る必要があるケース・搭載できないケースが存在する。そのため様々な改造案内本にその方法が書かれることもままあった。特にフルカウルミニ四駆に関してはニューマシン、とりわけマグナム・ソニック系のマシンが発売されるとFMまたはスーパーFMに換装されたマシンが鉄板ネタとしてコロコロに登場した。また、「シャイニングスコーピオン」に関しては当初同名ゲームの同梱品としてでのみボディが入手できたという特殊な事情も絡んでか、スーパーTZシャーシに搭載するための方法が「ミニ四ファイターV」に掲載されていたことがある。本来シャイニングスコーピオンのボディはスーパー1用である。
MSシャーシの場合は別売りの専用アダプター「ミニ四駆ボディ用アダプター&ボディキャッチセット」を併用することにより大抵のボディが装着できるようになるが、一部加工を要するものもあれば非対応とするものも存在する。搭載出来る車種についてはタミヤHPの商品ページに記載されている[9]。その逆はキットにより搭載できない場合がある。
ARシャーシの場合は別売りの「ARシャーシ サイドボディキャッチアタッチメント」を使用することでワイルド及びトラッキンミニ四駆のボディを装着することができる(一部ボディは同梱パーツと装着するタイヤ・ホイールとの組み合わせで装着可能なものもあれば装着不可なものもある。装着の可否について現在発売分に関してはタミヤHPの商品ページに記されている[10]。)。

変遷

誕生

1968年、単二電池2本を乗せ後輪二輪駆動で走る300円の半完成品自動車模型『クイックレーサー』が田宮模型から発売される。この『クイックレーサー』という商標は、1996年にミニ四駆のサイクロンマグナムとハリケーンソニックをラジコンカーにした商品の商標として流用された。

それから後、田宮模型社長の田宮俊作は目が衰えた事によって「もっと簡単に作れる模型製品を作りたい」と考えていた。また、同社の模型が精密さを追い求め過ぎ高度化している事も憂慮して「子供でも作りやすいキット」の製品化を思い立った。

そして「何処でもよく走る四駆の動力模型。小学生でも気軽に買える数百円程度のキット。パーツは極力減らし、なおかつ接着剤不要で手軽に作れるスナップフィットキットにする」という方針の下にミニ四駆の開発が始まった。スナップフィットキットにした理由は、シンナー遊びの影響で当時の日本に接着剤に対し悪い印象が定着していたためである。また、パーツも何銭単位で細かく調整され、配線も廃し、配線の代わりの電極部の金具もパーツ化し、直接金具からモーターへ通電する構造にした。

1982年7月13日、車種には当時人気のあったフォード・レンジャー4×4とシボレー・ピックアップ4×4を選び、四駆らしく走破性に長じたギヤ比設定にした初のミニ四駆が発売された。その後田宮模型が田宮との面識もあった大塚康生に相談したところ、子供達の目線に沿ったマシン作りを提案され、大塚監修の下数台のキットが発売されることとなる。大塚監修のキット以降を「コミカルミニ四駆」として改名している。

レーサーミニ四駆の登場と第一次ブーム

ハイパワーギア設定のミニ四駆は子供達にとっては「遅い」というイメージがあった。そこでホイールベースやギヤ比をハイスピード設定に変えたり低重心化等をして「レーサーミニ四駆」が売られるようになる。

第1弾車種にはやはりオフロードタイプで人気が高かった「ホットショット」が選ばれた。当時、RCカーはホビーとしては高嶺の花で、小学校高学年から中学生が遊んでいるのを小学校低学年の子供達が指を咥えて見ているという状況が多かったため、RCカーのホットショットのJr.版として企画された。

当初は「走らせられる場所が無い」という欠点も生じたが、スタッフの一人がバケツの壁を走らせる事を思いつき、そこからレーサーミニ四駆用のコースを設計する。このバケツでの遊び方は後に「サイクロンループ」という縦置きの円形コースを何回走れるかという競技にも発展した。さらに全てスナップフィットで組み立てられるためにモーターギアホイールタイヤシャフトなど全て交換可能なため、カスタマイズ用のオプション部品「グレードアップパーツ」も売られるようになった。

しかし、それのためのコースを設計しても今度は簡単にコースアウトしてしまうという問題があった。これを解決したのは小学生で、その子供はバンパー部に洋服のボタンを釘止めしてローラーにし、コーナリング時のコース側壁との接触をスムーズにしていた。これをヒントに「ガイドローラー」が発売され、現在売られているオンロードタイプのミニ四駆には標準搭載されている。また別の小学生は待ち針を何本か束ねてバンパーに立て、車体全高よりも高い位置でコース側壁に接触させることで車体を転覆しにくくした。これも「スタビライザーポール」としてグレードアップパーツとなった。このようにミニ四駆は子供達がアイディアを出し合って能力を向上させ、またタミヤがその思いに応えブームとなった。このようにユーザーのアイディアがパーツになる流れはマスダンパーのように、第二次・第三次ブームでもいくらか見られる。

このころミニ四駆を題材にした漫画『ダッシュ!四駆郎』(徳田ザウルス)が『月刊コロコロコミック』(小学館)にて連載されますます人気は上昇、1988年夏からはミニ四駆全国選手権大会「ジャパンカップ」が開催されるようになった。小学館と共同のメディアミックス戦略が人気に拍車をかけることになる。タミヤは以前、ラジコンカーでの商業戦略で自社主催レースやタミヤ宣伝部社員扮する独自キャラクターを打ち出して製品アピールを行っており、テレビ番組でもテレビ東京系で『タミヤRCカーグランプリ』が放送された。ミニ四駆でもこの手法を利用し、ラジコンカー商業戦略時のキャラクター「タミヤの前ちゃん」「ラジコンマン」「メカニックマン」だけでなく、改造のアドバイスや関連イベント案内を行うミニ四駆専門商業広報キャラクター「ミニ四ファイター(通称:ファイター)」もデビュー。この「ミニ四ファイター」の活動は『コロコロコミック増刊号』などで漫画家おちよしひこにより『GO!GO!ミニ四ファイター』の題で漫画化された。ファイターはブームに乗って前述の「前ちゃん」と組み、CDデビューまで果たした。こうして盛り上がったブームに乗って大会が各地で多数開かれるようになる。更に『ダッシュ!四駆郎』はアニメにもなって社会的認知も高まった。

ところが、1991年ごろに突然ブームが去った。当時はタミヤ公認のミニ四駆大会には中学生までしか出場することが出来ず、ブームになった当初に対象年齢だった世代(第二次ベビーブーム後半)が高校生以上になって出場できなくなってしまったこと、テレビゲームが一般家庭に浸透して子供たちの興味の対象が移ったこと、バブル崩壊による経済的問題や受験戦争の加熱などが要因としていわれる。その後、更なる高速化を目指して「スーパーミニ四駆シリーズ」が発売されるも、子供の「模型離れ」による人気低下に歯止めはかけられなかった。

類似品・非正規品の流通

第一次ブームと時を同じくして、それに便乗するかのように他社からミニ四駆の類似品や非正規パーツが発売された。主にミニ四駆(車体)の類似品を発売していたのはバンダイ青島文化教材社、グンゼ産業(現・GSIクレオス)、東京マルイなど。バンダイを中心とした3社は、2008年までミニ四駆の類似品であるバクシードを発売していた。

また、公式レースでは一切使用できない非正規品の超高回転型モーターが出回ったのもこの頃からで、一つの例としては、一部の玩具店やホームセンターなどで販売されていた「龍神」と呼ばれるミニ四駆用モーターがあった。価格が約1500円と高額ながら、タミヤ正規品の中では当時最も速いといわれていた「ハイパーダッシュモーター」の数倍の回転数であり、搭載することで尋常ではない速さで走行することができた。この他にも数々の非正規のモーターが出回ったが、車体パーツの設計上想定されていないあまりの高出力や過熱に、樹脂製のパーツが変形・溶解・発火する、相対的に車体の強度が不足しギア部分や車体そのものが破損する、短期間でモーター自体が破損するなどのトラブルも多く発生した。

ハイパーダッシュモーターの最高回転数が約19,000rpmなのに対して、様々な非正規品モーターは数万〜十数万rpmの間で各種ラインアップがあったとも言われている。青島文化教材社製「スーパー無限竜」と、サニー製「スーパーサンダーボルト」いう非正規モーターは120,000rpmもの回転数で、条件さえ揃えば時速100km/hを超える速度を出すことが出来るという。

当時の子供たちの中には、これらの非正規のモーターの部品を利用して正規品のモーターの中身を組み替え、正規品に偽装してレースに使用する者もいた。これは誰の目から見ても不自然なほど圧倒的勝利を収めてしまうため、タミヤの公式レースでは搭載出来るモーターの種類がレギュレーションとして指定されたり、モーターの性能を実測するモーターチェックなどの不正防止策が頻繁に行われたりするようになった。

また、公式レースでも正規品のモーターであっても、ハイパーダッシュモーター(現在は絶版)以上のモーターの使用が禁止または制限されていた。これは、コース内での事故防止による措置と思われる。なお、もともとハイパーダッシュモーターはミニ四駆専用に開発されたものではなく、マブチモーターの既存製品であるFC-130モーターの設計を流用して投入された製品である。当時のタイプ1シャーシはこの高出力を前提としたものではなかったため、あくまでトライアル用の製品として発売されたものである。第一次ブーム当時はFA-130ノーマルモーターまたはハイパーミニモーター(絶版)・第二次ブームではそれに加えてトルクチューン/レブチューンモーター(元々はミニF向けパーツ)・アトミックチューンモーター(ハイパーミニモーター後継モーター)に限定されているケースがあった。

ハイパーダッシュモーターの後継品でスペックが低下したハイパーダッシュ2モーターと、パワーダッシュモーター、スプリントダッシュモーターの3種類の使用が2008年のレギュレーション改定により認められた。また、ミニ四駆PRO用のモーターは、全種類の使用が認められるようになった。

しかし、ハイパーダッシュ・マッハダッシュ・ジェットダッシュ・タッチダッシュのような絶版品や、ZENチューン・ターボダッシュのような限定販売モーターや、プラズマダッシュ・ウルトラダッシュのような非正規品の超高回転型モーターに匹敵する高出力モーターの使用は、原則として認められていない。ハイパーミニモーターは2012年7月に再発売され、同年のジャパンカップより使用可能となった。

第二次ブーム

1994年には、タイヤをカウルが覆う形のボディを採用した「フルカウルミニ四駆シリーズ」が発売された。さらにフルカウルミニ四駆を題材にした漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』が『コロコロコミック』に掲載され、ミニ四駆は再び子供達の注目を集めた。スーパーミニ四駆と同じシャーシを採用しているため基本性能は変わらないものの、その独特のボディデザインは子供達の心をとらえた。停滞期にラインナップを強化したグレードアップパーツも助けとなり、第一次ブーム世代の引退に伴う世代交代で再び人気が再熱した。当初は読み切り漫画だった『爆走兄弟レッツ&ゴー!』も、非常に好評だったため後に連載化、アニメ化、ゲーム化、映画化までされ、第一次ブームと同様に強力なメディアミックス戦略がブームをさらに加速させた。1ヶ月ごとにニューマシンが登場し、グレードアップパーツも次々と高性能なものが発売され、子供達の気持ちに必死になって応えようとするタミヤの気合が存分に感じられた。当時、各地の模型店や玩具店では最新マシンが発売されると即品切れ、次回入荷予定が未定となることもしばしばだった。

その後、走らせるわけではない魅せるためのディスプレイタイプのミニ四駆「リアルミニ四駆シリーズ」や、より高速走行が可能になった「エアロミニ四駆シリーズ」「マイティミニ四駆シリーズ」などの派生シリーズが生まれた。

ちょうどこの頃から各地の模型店や玩具店にてサーキット常設店が増え、店頭主催による「街角レース」と呼ばれるレースの開催が活発化していた。タミヤ公式レースのジャパンカップさながらの巨大なコースを用意して市民体育館などを借りてレースを行う店も多く、公式レースなど開催されない地方ではかなり盛況だった。また、『TVチャンピオン』(テレビ東京系)など、多くのテレビ番組にてミニ四駆の特集が組まれた。このブームに合わせて、小学校理科教材にもミニ四駆に似た形状のものが現れた。

他社からも再びミニ四駆の類似品が発売された。例を挙げると、青島文化教材社からはアニメ『サイバーフォーミュラ』に登場するレーシングカーをモデルにした「テクニ四駆」や、アリイの「超スーパー四駆」という類似品が販売されている。しかし、マシン性能の上昇からか第一次ブーム期よりも参入メーカーは少なく、むしろマシン自体より、主に性能アップを主眼においたパーツ群を発売するメーカーが多かった。モーターは前述のとおり多くのメーカーから発売され、その性能の高さゆえ、レギュレーション無制限の街角レースが多く開催されていた時期もあった。一部の主催者によってはタミヤ公式ルールどおりのレースと無制限のレースを分けて行う場合があり、無制限のレースの参加費がやや高めであり、場所を借りて行う大会では特に高額となる傾向があった。これらの無制限マシンは俗に「フリースタイル」と呼ばれ、タミヤ製品とはまた違った道を歩むことになった。

このようにミニ四駆の高速化は進んだものの、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のTVシリーズは1998年末、漫画も1999年10月に終了。ジャパンカップも1999年で終了し、第二次ブームは終焉を迎えた。そしてミニ四駆のレース大会の模様を紹介していた『タミヤRCカーグランプリ』も1999年3月で終了し14年半の歴史に幕をとじ、2000年にはタミヤ公式レースも殆ど開かれなくなった。この第二次ブーム終了後、レーサー自身の年齢上昇という避けられない問題と、テレビゲーム機の高性能化を筆頭にハイパーヨーヨーベイブレードなどのミニ四駆以外の玩具などが人気を集めている事などにより、ミニ四駆人気は下火となった。第二次ブーム終了後しばらくは派生商品であるダンガンレーサーラジ四駆に主力を譲り、ミニ四駆の扱いは大幅に絞り込まれた。

第三次ブーム

2000年以降は、ダンガンレーサーやラジ四駆への新製品の投入がメインだったため、ミニ四駆の新製品は従来車種のリメイク仕様が中心だった。大きな話題を呼ぶ新商品の登場が皆無だった状態の中、当時小中学生だった子供達が大人になったため、オークションサイトでは昔の生産停止品が高値で取引されていた。当時、非常に人気の高かったアバンテJrアバンテ2001Jrを始めとして、『ダッシュ四駆郎』にて登場した各マシンのほか、ごく少量のみ生産された車種は数万円単位で取引されることもしばしばだった。しかし、2005年から人気のあった旧車種を再発売。その一環として「メモリアルボックス」というマシンのセットも販売され、その中には生産停止されていたグレードアップパーツ(主にボディ系パーツ)も付属されている。

そして、6年ぶりとなる本格的な新製品「ミニ四駆PRO」シリーズを2005年11月に発売。このミニ四駆PROには、新開発のシャーシ「MSシャーシ」が採用された。モーターと電池をシャーシ中央の低い位置に集中配置して前後の重量バランスを最適化するとともに低重心化を図った。今までのプロペラシャフトを使用した駆動方式から一変して、ダブルシャフトタイプのモーターを伝わって前後輪をダイレクトに駆動する、駆動抵抗の少ない構造となっている。また、本来類似品であるバンダイ「バクシード」シリーズの影響を受け、シャーシを3分割としてカスタマイズの自由度がこれまで以上に高まった上に、従来のシャーシを上回る剛性を実現した。

イベントでは、今まで公式レースに参加できなかった高校生以上でも参加できる「エキスパートクラス」を新設。従来の中学生以下のレースは「ジュニアクラス」とし、2007年まではミニ四駆PROのみ使用可能だったが、2008年よりすべてのミニ四駆が使用可能となった。「エキスパートクラス」は2008年からは後述の「オープンクラス」に統合された。

直径26mm以下のタイヤの使用が義務付けられている「小径タイヤ限定クラス」も新設された。また、イベントによっては「オープンクラス」や、一部シャーシを除くレーサーミニ四駆のみの「クラシック部門」のレースも行われる。さらに、2007年より初心者向けに、車検場に設置されているスピードチェッカーで時速を計測し、計測結果が25km/h以下でなければ出走できない「ルーキー部門」も新設。ニュースサイトや雑誌社などメディア関係者を対象としたレース「プレスカップ」も開催され、レースの模様が各メディアにて取り上げられた。いずれも年齢は無制限で、「クラシック部門」以外は全てのミニ四駆が使用可能である。

ミニ四駆PROシリーズが発売してから数年は、このように公式レースもやや試行錯誤の形が続いていたが、2008年以降は「オープンクラス」「ジュニアクラス」「限定クラス」の3クラスにまとめられるようになった。限定クラスのうち、2009年は小径タイヤ限定、2010年は大径タイヤ限定、2011年は主催者指定のシャーシ限定による限定クラスが行われた。実施される公式レースの種類も、第一次・第二次ブームで行われていた「ジャパンカップ」は再開させず、1年を通じて各地で行われるGP大会と、その各GP大会の優勝者同士によって行われる「年間チャンピオン戦」によって日本チャンピオンが争われる方式となった。

プロモーション面では、ミニ四駆情報サイト「ミニ四駆オンライン」の開設のほか、ミニ四駆を題材にしたオンラインゲーム『ミニ四駆オンラインレーサー』を提携企業のケイブと共同開発、2007年4月20日より体験版の配信を開始した。その1年後の2008年「ワクワク無限大∞ミニ四駆ワールド」にタイトルを変更し、12月12日から1週間クローズドベータテストが実施、その後何度かベータテストが実施されて、2010年3月24日より正式サービス開始。また、同サイトでは2006年6月からオンラインコミック『吉祥寺フェニックス』の配信を開始し、同年7月からはソーシャル・ネットワーキング・サービスミニヨンクラブ」もサービス開始、インターネットを通じたプロモーションの強化に乗り出している。

2006年2月1日に、主にミニ四駆を題材にしたビジネスを展開する企業「ミニ四駆ネットワークス株式会社」をケイブとタミヤの共同で設立。メディアミックスなどライツビジネスの展開、ショップの経営やイベントの企画運営に加え、ミニ四駆に関する世界観の創作などを行うと発表。第一弾の企画として、ミニ四駆を題材にしたフリーペーパー少年アクセル』を全国のイベント会場や模型店にて無料配布。

2006年に行われた文化庁メディア芸術祭の10周年記念アンケート「日本のメディア芸術100選」・エンターテインメント部門で20位にランクイン。

2007年はミニ四駆が発売されて25周年となり、その記念イベント「ミニ四駆まつり」を同年3月に開催。25周年記念セレモニー、歴史展示、ヒストリックカーミーティングなどが行われた。また、25周年記念企画としてデザインコンテストの開催し最優秀作品は「サバンナレオ」として商品化、年間チャンピオン戦の開催、静岡県の静岡県コンベンションアーツセンター(グランシップ)にて海外からの招待選手を交えて「ワールドグランプリ」を開催、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の作者・こしたてつひろがデザインを手掛ける25周年記念モデル「バイソンマグナム」と「ロデオソニック」の発売などの様々な企画が立て続けに行われた。

2008年以降、長い間ミニ四駆から離れていた第一次・第二次ブームを担った世代の呼び戻しに成功したことから、第二次ブーム収縮後の長い氷河期を経て、第三次ブームと呼べる活況を見せるようになった。 ミニ四駆PROシリーズの展開と並行して、旧車種の再発売やリメイクを行ったこともそれを後押しし、模型店ではミニ四駆関連商品の売れ行きが大幅に伸び、マシンやパーツの品切れも頻繁に起こるほどになった。 また公式レースの参加者も回を重ねるごとに増え、第一次・第二次ブームを担った世代が親となり、子供と揃って参加する光景が多く見られる。旧車種の再発売や、オープンクラスの常設化により年齢やシャーシによる出場制限が無くなったことで、ミニ四駆PROシリーズをはじめとした新世代のミニ四駆と、第一次・第二次ブーム時の旧世代のミニ四駆とが入り乱れてレースを行う光景も見られるようになった。

2010年には従来の公式大会とは別に、全国のミニ四駆取扱店(ミニ四駆ステーション)の店頭レースを勝ち抜いた、ステーション代表者同士による店舗対抗戦、ステーションチャンピオンシップがツインメッセ静岡で開催された。

2011年の公式大会動員数は約16,000人となり[11]2012年には「ジャパンカップ」が13年ぶりに復活を果たし、各地で盛況を見せている。

2011年のルール改定により、特に但し書きがない限りタミヤブランドの電池しか使用できなくなった。その一方でミニ四駆での使用を意識したニッケル水素電池がタミヤから発売され、市場に出回り始めてから長らく公式には使用禁止になっていたニッケル水素電池が事実上の解禁となった。

第三次ブームは、子供が主役を担った過去2回のブームとは違い、第一次・第二次ブームを担った世代が大人となり、再び主役となって子供を巻き込む形で展開していることが特徴となっている。

2014年8月現在は子供から大人も関係なく誰でもミニ四駆が楽しめるように そして技術研究したりしている人もいる。海外人からも買っていく人も出てきている。

レース大会

タミヤ主催の公式レース大会については、ミニ四駆公認競技会を参照。「ジャパンカップ」についてもこちらを参照。

ミニ四駆を題材としたマンガ

現在連載されているもの

過去に連載されていたもの

ミニ四駆を題材としたゲーム

各方面で展開された作品から派生したゲームは各項目を参照のこと。

家庭用ゲーム
  • レーサーミニ四駆 ジャパンカップ(1989年8月25日、FAMILY COMPUTER 、コナミ)
  • ミニ四駆DS(2009年12月17日、Nintendo DS、ロケットカンパニー)
  • ワクワク無限大∞ミニ四駆ワールド(2010年3月24日、Windows、ケイブ)
モバイル端末向け配信
  • ミニ四駆GPX(2007年9月28日、アプリ、ケイブ)
  • ミニ四駆GPX REVOLUTION(2009年3月24日、アプリ、ケイブ)
  • ミニ四駆チャンピオンシップ(2010年1月27日 モバゲータウン、ケイブ)
  • ミニ四駆ビクトリーロード(2011年1月19日、GREE、ケイブ)

ミニ四駆関連の人物

タミヤ社員および元社員

前田靖幸
通称「前ちゃん」。タミヤ退社後は、The 3DO Company(3DO社)、旧スクウェア(スクウェア・エニックス)を経て、「Jgame.com」を設立。後に楽天に買収され、楽天に勤務していた。退社後、株式会社リンクシンク代表取締役兼AQインタラクティブの執行役員を務め、2012年7月よりユビキタスエンターテインメント取締役CHOに就任している[12]
「ミニ四駆必勝マニュアル」2冊を執筆。かつてジャパンカップで限定販売されたZENチューンモーターや、グレードアップボディセットの「ア前テ」や「ホライ前」の名前の由来は彼である。ミニ四駆だけでなくRCカーにも精通しておりRC番組「タミヤRCカーグランプリ」のMCも務めていた。熊本県熊本市出身。ダッシュ四駆郎のクライマックスの「地獄キャラバン」が阿蘇山が舞台なのがそのためなのかは不明。コミック誌ダッシュ四駆郎14巻に熊本での中学時代のエピソードあり。
ミニ四ファイター
イベントのパーソナリティ兼プロモーション担当。1995年のジャパンカップまで初代、同年のオータムカップより2代目へ交代。2代目は2007年12月2日品川シーサイドフォレストで行われた年間チャンピオン決定戦関東大会終了後に引退を表明するまで12年間ファイターを勤めていた。どちらも現役のタミヤ社員。なお、ミニ四ファイター役だった声優の森久保祥太郎も、おはスタでミニ四ファイターのコスプレをし山寺宏一の司会代理を務めていた。
メカニックマン
ミニ四ファイターたちと一緒に「タミヤRCカーグランプリ」に出演していた人物。主にコースや最新グレードアップパーツの紹介をしたり、ミニ四駆の様々な楽しみ方を伝授する役だった。
ミニ四ドクター
土屋博嗣
通称「土屋博士」。ミニ四駆の開発担当者。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』、『ダッシュボーイ天』の作中にも登場。
2012年7月19日に死去[13]肺がんにより56歳で死去したとされる[14]
MCガッツ
イベントのパーソナリティ兼プロモーション担当。当初は「ダンガンガッツ」としてダンガンレーサーのプロモーションを担当していたが、2006年6月より改名してタミヤ製品全般のプロモーションを担当。2008年3月2日に宇宙一せまい授業!あっ!とおどろく放送局)に出演。

漫画家

徳田ザウルス
『ダッシュ!四駆郎』、『風のレーサー侠』、『ダッシュボーイ天』の作者。2006年3月23日午前3時5分、急性心不全のため横浜市内の病院で死去。享年47。
おちよしひこ
『GO!GO!ミニ四ファイター』の作者。
樫本学ヴ
『爆走!ダッシュクラブ』の作者。
こしたてつひろ
『燃えろ!アバンテ兄弟』、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の作者。師匠は「ゆうきまさみ」。
青木たかお
『ミニ四ファイターV』の作者であり、後に旧タカラ(現・タカラトミー)の『ベイブレード』でブレイク。
たなかてつお
『ミニ四トップ』の作者。現在は航空漫画を執筆。
林健太郎
『二ツ星駆動力学研究所』の作者。第三次ブーム初のオトナ向けミニ四駆漫画を執筆。

タレント、その他

春風亭昇太
タミヤRCカーグランプリの司会者で、時々ミニ四ファイターおよびミニ四ドクターと一緒にコーナーに出演していた。
単三電池
2006年初頭に結成。関川理沙長岡美和桜庭なおの3人からなるミニ四駆のプロモーションユニットだったが、同年中頃からは3人が揃うことはなくなり、2007年1月20日次世代ワールドホビーフェアにて解散を表明。その後は桜庭単独で活動し続けたが、2008年9月24日付けのミニヨンクラブで活動休止を発表した。
桃井はるこ
自身のアルバム「Sunday early morning」に収録されている『Thunder Shot!』はサンダーショットMk.IIをイメージした楽曲として書き下ろされたものであり、タミヤの公式PVやイベント会場にて同楽曲が使用されている。また、コラボレーション商品として以下の特製ミニ四駆が発売されている。
  • 『サンダーショットMk.II momo-iメタリックスペシャル』 - 2007年12月桃井はるこ誕生日イベントにて限定販売、後に一部のタミヤ公式イベントでウイング部分のステッカーデザインを変更し限定販売。前者は数千台ほどしか存在しない。カラーリングはメタリックピンクのボディとホイール・黒のシャーシとタイヤという仕様。コラボレーションの発端は、幼少時の桃井がクリスマスのプレゼント交換会で用意した「サンダーショットJr. ブラックスペシャル」が友達の女の子に受け取ってもらえなかったというエピソード(桃井はるこ著「アキハバLOVE」に収録)を耳にしたタミヤ社員がイベントでパネル展示したところ、好評を博したことから。
  • 『サンダーショットMk.II 桃井はるこスペシャル』 - 2008年8月より限定発売。クリアピンクのボディ・蛍光ピンクのシャーシとタイヤ・白いホイール・オリジナルデザインステッカーという仕様で、取り扱い説明書もピンクの印刷。特典として桃井のポストカードが付属する。パッケージは「プラモのモ子ちゃん」のコスプレをした桃井の写真(撮影場所はタミヤ本社前、撮影はタミヤ社長の実弟でデザイナーの田宮督夫)。
  • 『桃井はるこ Special ver.2 ホットショット Jr.(MSシャーシ)』 - 2008年11月29日より限定販売。前回同様オリジナルパッケージにポストカードを付属し、オレンジ色のボディ・蛍光オレンジのシャーシとタイヤ・ゴールドメッキのホイール・オリジナルデザインステッカーという仕様。蛍光オレンジのカラーリングは、桃井のライブ会場でファンが使用するウルトラオレンジにちなんだもの。なお、ホットショット Jr.(初代)は、幼少時の桃井が生まれて初めて手にしたミニ四駆である。
横山智佐
デビュー曲「DASH!!-レーサーミニ四駆のテーマ-」がテーマソングとして使用され、ジャパンカップなどの大会にて歌われていた。ちなみにCDのc/wは「ミニ四ファイター組立てうた」で前田靖幸とミニ四ファイター(初代)のデュエット曲。
櫻井那琉
TABプロダクション所属の声優。2008年よりミニ四駆公式大会のMC、インターネットラジオ「ラジオ★ミニヨンクラブ」のパーソナリティを務める。
池澤春菜
テレビアニメ「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」シリーズで、星馬 豪と大神 マリナ役を担当。2009年に行われた「ミニ四駆フェア2009」内の「ラジオ★ミニヨンクラブ」でゲスト出演。
逹瑯
HELLO_WORLD_(ラジオ番組)の2011年11月24日の「ミニ四駆」特集にゲスト出演。
鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)
タミヤのTシャツを愛用しており売り上げが伸びた為タミヤ本社からお礼が送られたが、その際に『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の限定ミニ四駆を彼が希望した。

派生・関連商品

  • ダンガンレーサー - 1レーンに対して1台が原則のミニ四駆とは違い、1レーンで複数台を走行させることが可能で、迫力のある追い抜きやボディアタックが楽しめるシリーズ。
  • ラジ四駆 - ミニ四駆にラジオコントロール機能を組み込んで加減速が可能になっているシリーズ。ラジオコントロールユニットを外せば通常のミニ四駆としても走行可能。
  • ミニF - 軽量・低重心の2WDシャーシにフォーミュラカーをモチーフとしたボディを組み合わせたシリーズ。一時期は公式レースがミニ四駆と併催されていた。
  • 楽しいトレインシリーズ - ダンガンレーサーとはシャーシを共有するが、実在の新幹線をモチーフとしたボディを組み合わせたシリーズ。
  • 日産・キックス - 日産自動車が発売(製造は三菱自動車工業)した、「日産ミニ四駆」を名乗った実車(SUV)。CMはタミヤが協力しており、CM用で実際にKIXをモデルにしたミニ四駆も制作された。またCM中では「ミニ四駆はタミヤの登録商標です。」という旨のテロップも表示された。なお、CMのナレーションは『ダッシュ!四駆郎』の主人公、日ノ丸四駆郎を演じた野沢雅子が担当している。なお、実際にミニ四駆化された日産車にはキングキャブ(ダットラ)テラノ(いずれもD21系。以上ワイルド)、Z33フェアレディZ(ラジ四駆)、限定モデルのBe-1(レーサー)、三菱車は初代~3代目のパジェロ(コミカル)、ランエボⅦ(ラジ四駆)があるが当のパジェロミニ/KIXの市販ミニ四駆化は行われていない。

関連項目

脚注

  1. ミニ四駆30周年記念!! 新シリーズでエアロアバンテ、ジャパンカップ復活など新企画続々!マイナビニュース ミラー[1]
  2. ただし近年一部車種でシャーシを変更して発売されるプレミアムやスペシャルモデルに関してはこの限りではない。
  3. 限定車としてはその前に日産・Be-1が登場している。
  4. 月刊コロコロコミック1994年~1999年10月号より。
  5. タミヤ公式HP「ミニ四駆 新製品・イベント情報を発表! 」 http://www.tamiya.com/japan/cms/newstopics/2967-news.html
  6. 小学館発行『ミニ四駆ヒストリカルガイド』36ページに記載。ミニ四駆30周年本 「30th Anniversary ミニ四駆ヒストリカルガイド」発売 アキバBlog
  7. ただしホイールは別部品に変更されている
  8. ガイドローラーの取り付け穴が追加されたのはグレードアップパーツの展開が始まった87年後半から
  9. http://www.tamiya.com/japan/products/15356adapter/
  10. http://www.tamiya.com/japan/products/15470/index.htm
  11. 『ミニ四駆ヒストリカルガイド』31ページ。タミヤ会長 田宮俊作氏インタビュー「タミヤ会長から見たミニ四駆30年史」
  12. UEIの役員人事…「タミヤの前ちゃん」こと前田 靖幸氏、「ドラコレ」の相原 將也氏が取締役に就任,Social Game Info,2012年7月3日
  13. 小学館発行『ミニ四駆ヒストリカルガイド』33ページの本人コメントに併載。
  14. 土屋博嗣氏ご逝去の続報

外部リンク

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