MIHO MUSEUM
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MIHO MUSEUM(みほ みゅーじあむ)は、滋賀県甲賀市信楽町田代にある滋賀県の登録博物館。運営は、公益財団法人秀明文化財団。
概要
神慈秀明会の会主・小山美秀子のコレクションを展示するため、1997年(平成9年)11月に開館。
コレクションは、ギリシア、ローマ、エジプト、中近東、ガンダーラ、中国、日本など、幅広い地域と時代に渡る優品2000点以上が含まれている。コレクション形成に数百億円をかけたともいわれ、日本にある私立美術館のコレクションとしては有数のものである。現在の館長は辻惟雄(東京大学名誉教授、日本美術史専攻)。
建築
信楽町郊外の自然豊かな山中にある美術館は、「桃源郷」をイメージして造られている。レセプション棟から桜並木を通ってトンネルをくぐり、その先の吊り橋の向こうに展示館がある。利用者の移動の便のためと環境にあわせ、電気自動車がレセプション棟と展示館の間を往復している。
建物設計は、ルーヴル美術館の「ガラスのピラミッド」、ワシントンのナショナル・ギャラリー東館で有名な建築家、イオ・ミン・ペイである。建築容積の8割が地下に埋没しているというこの建物は、周囲の自然景観保全に配慮したものである。
設備設計は、東京国際フォーラム、横浜港大さん橋国際客船ターミナル、兵庫県立美術館など、多くの建築設備設計を行っている森村設計が担当している。美術品の価値や存在意義を維持するのに最適な環境を構築している。
文献
- 『Miho Museum』 フィリップ・ジョディディオ・文、MIHO MUSEUM編、2007年
本文は日本語表記、建築自体の公式紹介(144頁) - 『MIHO MUSEUM 日経アーキテクチュアブックス』 日経BP社、1996年-落成時の紹介
主な収蔵品
- 隼頭神(ホルス)像-エジプト、第19王朝、紀元前13世紀
- アルシノエ2世像-エジプト、プトレマイオス朝、紀元前3世紀
- 鶏を銜える山猫形リュトン-イラン/中央アジア、紀元前2-1世紀
- 精霊と従者のレリーフ-アッシリア、紀元前9世紀
- 仏立像-ガンダーラ、2世紀
- 絹本著色閻魔天像(重要文化財)-平安時代(原三渓旧蔵)
- 木造地蔵菩薩立像(重要文化財)-鎌倉時代(1972年重文指定)
- 木造持国天立像(重要文化財)-鎌倉時代(興福寺伝来)
- 曜変天目茶碗(重要文化財)-南宋時代(前田家伝来)
- 紫檀螺鈿宝相華鳳凰文平胡籙(最後の漢字は竹冠に「録」)(重要文化財)
- 紫紙金字金光明最勝王経 巻第二(重要文化財)
所在地
- 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
その他
- 当美術館で録音したポール・ウィンター率いる「Paul Winter Consort」のアルバム「Miho: Journey to the Mountain」が2011年、第53回グラミー賞ニューエイジ部門を受賞した。
- 農業の芸術として、秀明自然農法を喫茶店やマルシェにて紹介している。