顔射

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顔射(がんしゃ)とは、他人の顔への射精

概要

この行為により相手の象徴の一つである「顔」に射精することによって相手に被征服感を持たせるとともに、愛する相手の顔を自らの精液で彩る征服感や破壊感や独占感等が、男女または男性同士の性的興奮を誘う行為である。

近年、若年層世代にはアダルトビデオを性行為の手本にしている男性が少なからず存在し[1][2]、顔面射精を本当に全ての相手が喜ぶ行為と思い込んで行ったり、男女または男性同士の性行為で当然に行なうものと誤解していたりするケースがある。

実際には、顔面射精の行為によって相手が得られる快感は無く、メリットなども殆ど無いのに対し、当然屈辱感を味わされる上に、精液の悪臭に苦しむ、衛生的な懸念、化粧が崩れる、後処理が面倒等のデメリットが多いため、受ける側の人の中には嫌う人は少なくない。また顔面射精をスムーズに行なうためにはコンドームを着用しない方が良いため、避妊しない性行為の誘発となる可能性もある。 一方、好奇心や愛する男性の精液を受け止めたい人、またはマゾヒスティックな性向を持つ人、或いは男性と同じく思い込みに依り顔面射精を受け入れる人も存在する。

現実に顔面射精に臨む際には、事前に相手の意向を聞いておくべきであり、相手が嫌がる場合は無理強いをしないのもマナーである。 男性の精液は粘膜を冒す性質が有るため、目に入ると非常に沁みるだけでなく、結膜炎を患う場合が有り、淋菌などの雑菌が精液に混在していた場合には失明する危険性もある。受ける側の人は絶対に目を開けず、男性は速やかに精液を拭き取ること。実際にそうした行為による問い合わせが近年激増している。 また性行為感染症の感染率が高まるために、不特定多数との性行為が認められるパートナーとはこうした行為は慎む事が望ましい。

アダルトビデオ

顔射は、雑誌やアダルトビデオ等で多々観られる射精行為の一つ。サディズム的嗜好を満足させる行為の一つとして認識されている。 同様の理由でアダルトゲーム成人向け漫画等フィクションの世界でも多用される傾向にある。

性器部分がモザイク等による修正のため「性行為を行なっていないのでは?演技なのでは?」と言う批判や疑念を払拭するために、かつてはAV男優がAV女優の体に向けて射精し射精の様子と精液を撮影することで性行為を証明していた。更に、視聴者を興奮させるために、AV男優がAV女優の顔に射精する演出により人気を博した。

アダルトビデオ(ゲイビデオを含む)における顔射は次の通りである。

  • 性交またはアナルセックス時の射精寸前に挿入した陰茎を引き抜き、相手の顔に向けて射精するもの。
  • 手淫オーラルセックス等に依る射精として相手の顔に向けて射精するもの。
    跪いた相手の前に男性を立たせて男性の性器と相手の顔の高さを合わせ、男性の性器を相手が手や口に依る刺激でエレクトさせ、顔で精液を受け止める場面がこれにあたる。
  • 特に目を狙って射精するもの
    上述のように、精液が目に入らないようにするのが普通であるが、特に目(眼球)を狙って射精するものを眼射という。両目を大量の精液で塞がれ、やがて精液が流れ落ちた後に、AV女優の目が真っ赤に充血したことを楽しむ特殊な嗜好を満足させるものである。

また、複数の男性が自慰に依って一人の相手の顔に次々と射精して行くアダルトビデオ作品が存在し、その行為を特に「ぶっかけ」と呼ぶ。 またその射精専門の男性俳優達を汁男優と呼ぶ。

欧米のポルノ・ビデオ業界では1980年代から"Cumshot"として作品の中に顔面射精を取り入れていた。

ぶっかけ

ぶっかけとはアダルト用語の一つで、相手の顔面をはじめとして相手の身体の一部や衣類、その他の性的対象物に射精精液をかけること。文字通り精液をあちこちにかけることから「ぶっかけ」と言う。

80年代、いわゆる顔面射精行為を「ぶっかける」と言うことはあったが、一般的用法の範囲に収まっていた。90年代中盤に、シャトルワン(のちのシャトルジャパン)より、「スペルマぶっかけ○シャワーズ」が発売され、このシリーズのエスカレートとともに、多人数の射精専門のAV男優汁男優)が1人のAV女優の顔に立て続けに射精するスタイル、それを称して「ぶっかけ」物がジャンルとして確立した。

多人数による射精行為が発展した経緯は、成年コミックとの関係が深い。1985年に出版された森山塔著『よいこの性教育』では、すでに多人数による射精行為が描かれている。90年代初頭には、成年コミック、また成年向け同人誌において、顔面射精行為はポピュラーな表現となっていた。成年コミックによる射精行為は、人間による物理的制約がないため、大量となる描写が多く、それを実写で再現するために、汁男優が登場したものと思われる。シャトルジャパンのシリーズがアニメなどのキャラクターを多く採用していことからも、その関係がわかる。

ゲイビデオの中にも、一人の男性に対して立て続けに射精する作品があり、男女物のアダルトビデオと同様に「ぶっかけ」という表現を用いている。 ぶっかけの起源としては外国のポルノビデオでのプレイであるgangbang(輪姦、多数の男性が一人の女性に対して性行為する事)を挙げる向きもあるが、80年代末の日本ではこれに類する行為がすでにみられており、ぶっかけがgangbangの起源となったのか、gangbangがぶっかけの起源になったのか、定かではない。

欧米のポルノ雑誌の分野では"Private"や"Colorclimax"などのポルノマガジンで既に1970年代からそれに類する内容の写真が掲載されている。

ビニ本裏本などを除く書店売りの出版物では、大洋図書の『マスカットノート』(絶版)1986年12月号において、ヌードモデルの松岡愛子が顔面に射精され口から精液を流しているカットが登場したのが最初と見られる。その後も引き続き『ミルキー通信』(絶版)、『GAL'Sシャワー』(絶版)等で高い人気となっていった。当時のカメラマンは、単に女性の顔に付着した精液を撮影するだけでなく、ハイスピード連射機能など高度な撮影技術を駆使し、勃起した陰茎から糸を引くように射出されていく精液を描写したり、精液が女性モデルの顔に当たり跳ね返る様子を捉えるなど、躍動的な射精を静的な写真に収めるための工夫をいろいろと凝らしていた。

ぶっかけ関連の女優としては倉沢七海霧島アキなどが、関連する集団にはSPCなどが、監督にはラッシャーみよしなどがいる。

ぶっかけは、アメリカのアダルトビデオ業界で起こったジャポルノブームにより、日本が生み出したジャンル、「Bukkake」(テンプレート:IPA-en ブーキャキ)として世界に知られることになったが、ヨーロッパ各国では顔射を取り入れた、またそれを主体としたハード・ポルノメーカーがそれ以前にも多く存在している。

ぶっかけ専門の風俗店も2007年頃から現れている。


顔射をメインにした作品

AVのシリーズ

80年代末の先駆的メーカーではシャトルジャパンハウスギルドが挙げられる。

写真集

さーくる社から顔射をメインが出版されていた。モデルのヌード露出は少なく消しも強めであるが、精液と戯れる魅力的な女性が生き生きと描写されている。

雑誌

  • 『マスカットノート』(大洋書房)絶版
  • 『ミルキー通信』(大洋書房)絶版
  • 『GAL'Sシャワー』(大洋書房)絶版

文学作品

丸谷才一の短編小説「鈍感な青年」では、恋人同士の初めての性行為で男性が早漏してしまい、思いがけず女性に顔射してしまうシーンが有り、芸術性高い顔射描写を読む事が出来る。

脚注

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関連項目

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  1. 社団法人 家族計画協会 機関紙『家族と健康』第588号 平成15年3月1日発行アダルトビデオがSTIの様相を複雑化
  2. 第1回 バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会 議事要旨 P.22