金融機能の強化のための特別措置に関する法律

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テンプレート:Infobox 金融機能の強化のための特別措置に関する法律(きんゆうきのうのきょうかのためのとくべつそちにかんするほうりつ)とは2004年8月に成立した日本の法律。

2008年3月末までの日本における時限立法であったが、その後、平成20年6月13日法律第65号により延長され、同年12月12日施行。また、平成20年12月16日法律第90号で改正され、翌12月17日に施行された[1]

概要

2005年4月のペイオフ完全解禁を前に、金融不安を起こさないよう、合併や経営統合といった経営体質の改善を目指す特に地域の金融機関地方銀行第二地方銀行信用金庫信用組合など)に対して、健全行にも予防的に公的資金による資本増強ができる制度を組み込んだ。公的資金の投入を通じて地域金融機関の経営を立て直すことを狙いとして、2004年8月に施行された。

本法の背景には、大手銀行は早々に不良債権処理を進めたが、地域金融機関は依然不良債権処理が進まず健全化が課題となっていたことがある。ただ、自己資本に乏しく経営基盤の弱い地域金融機関が、大手行と同じスタイルで不良債権処理を進めると、自己資本比率が急速に低下したり、融資先の中小零細企業が経営困難になったり、ひいては預金者にも悪影響が及ぶ可能性がある。このため公的資金を予備的に入れることで、不良債権処理が遅れがちな地域金融機関の経営強化を通じて金融システムの安定化をねらいとした。

ただ、2005年までは適用例がなかった。これは、過去に金融早期健全化法に基づき公的資金を受け入れた熊本ファミリー銀行などが計画の未達成を理由に経営陣が退陣を余儀なくされたことから、地域金融機関の経営者には経営を束縛するものと受け止められていたからであった。むしろ近隣の健全行に支援を要請するケースが見られた。

2006年になって紀陽ホールディングス和歌山市)が、2006年10月に傘下の紀陽銀行和歌山銀行を吸収合併する前に申請し、初適用事案となった。その他に、豊和銀行大分市)が申請の方向である。また、東和銀行前橋市)や高知銀行高知市)にも2009年12月末にも公的資金が注入される予定である。

2008年に改正が行われ、不良債権処理から、中小企業融資の円滑化に主眼が置かれるようになり、計画の未達に対する経営責任追及が緩和され、それ以降の適用事例は増えている。また、東日本大震災を受けて震災特例も設けられた。

脚注

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