野沢温泉

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テンプレート:日本の温泉地 野沢温泉(のざわおんせん)は、長野県下高井郡野沢温泉村(旧信濃国)にある温泉

泉質

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共同浴場「熊の手洗い湯」
ファイル:Nozawaonsen ohyu.jpg
<center>共同浴場「大湯」

熊の手洗湯の源泉が比較的低温だが他の源泉は温度が高い。

温泉街

約百万年前に噴火した古い火山である毛無山(標高1650m)の裾野に、数多くの旅館や宿泊施設がある。共同浴場大湯の周辺には大小の旅館やみやげ物屋が密集している。温泉街の道は狭く曲がりくねっており、また坂が多いのが特徴である。斜面の上手(東側)には日本有数の規模を誇る野沢温泉スキー場が広がっており、その近辺にはスキー客用のペンションが多い。旅館街より南側はスキー客用の民宿街となっている。

共同浴場

野沢温泉の特徴として、13軒ある共同浴場があげられる。これは地元の湯仲間という組織によって維持管理運営されているが、観光客にも開放されており、無料または寸志で入浴できる。外湯めぐりを特徴とする温泉は城崎温泉が有名だが、城崎の各浴場が豪華に改築されつつあるのに対し、こちらはいかにも質素で地元の人との会話もある。共同浴場大湯の前や麻釜の近くには足湯が存在する。また何軒かの旅館でも旅館の軒先に足湯を設けている。

なお、かつては24時間利用可能であった共同浴場も、利用者のマナーの問題から、近年は深夜は入場禁止になっている。

共同浴場の湯桶は、合成樹脂の黄色いケロリン桶と、正露丸でお馴染みの大幸薬品の社章(ラッパのマーク)の焼印がされた木製の桶が置かれている。

麻釜(おがま)

麻釜(おがま)は、100℃近い温度のお湯が湧出している場所。昔はこの高温湯を利用して麻をゆでて皮をはぎ繊維を取っていたが、現在は野菜や卵を茹でたりするなど食べ物の用途に使われる場合がほとんどである。麻釜周辺は火傷など危険防止のため観光客は立ち入り禁止になっている。

歴史

奈良時代行基によって発見されたとされる。

鎌倉時代には犬養御湯として、名取御湯信濃御湯とともに三御湯と呼ばれた。但し犬養御湯ではなく三函御湯が入ることもある。

江戸時代には飯山藩主の湯治場が設けられた時期もあった。

その他

温泉地のある野沢温泉村は、オーストリアチロル州サンクト・アントンの姉妹都市である。また、裏山には規模の大きい野沢温泉スキー場があり、内陸部の豪雪地帯であるため良質で豊富なパウダースノーを楽しむ事ができる。冬場は、温泉とスキーとを楽しむ事ができるため、数多くの民宿が存在する。

野沢菜

野沢菜は野沢温泉の名物、蕪菜の一種で長く伸びた茎と葉を漬物にして食べる。温泉街の北にある曹洞宗健命寺の住職が京都遊学の際に大阪にある四天王寺から持ち帰った天王寺蕪の種が元祖と言われていたが、種子表皮細胞ほかに対する遺伝的研究から、これは否定されている。

日本のカブは、西日本で主流のアジア系(var. glabra、中国経由)と、東日本の山間地に多く耐寒性に優れるヨーロッパ系(var. rapa、シベリア経由)に大別されるが、野沢菜は天王寺蕪のようなアジア系ではなくヨーロッパ系の特徴が強く、福島県に近縁種が確認されている。

現在は、カブに由来する別の変種(var. hakabura:葉蕪)と考えられ、近隣で栽培されている伝統野菜の漬け菜(稲扱菜、羽広菜、鳴沢菜、長禅寺菜など)や紫かぶ(諏訪紅蕪、細島蕪など)は、いずれも近縁とみられる。


野沢菜の収穫期には、各家庭が交代で麻釜や共同浴場併設の洗濯湯を利用して、野沢菜を洗うことでも知られる。

アクセス

関連項目

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外部リンク

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