西武バス狭山営業所

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西武バス狭山営業所(せいぶバスさやまえいぎょうしょ)は、埼玉県狭山市柏原391-2に位置する西武バスの営業所である。

埼玉県狭山市入間市周辺路線を所管している。

沿革

1975年、狭山市内のバス路線が発達してきた事を受け、狭山台団地そばに開設される。開設にあたって、当時の川越管轄路線のうち、狭山市内をメインに運行する路線が移管された(狭山台に開設された狭山営業所は、便宜上ここでは「旧・狭山営業所」と記す)。その後数年間、飯能駅西方にあった飯能支所を管轄するが、1989年4月1日に、現行の飯能営業所の体制となり、旧・狭山営業所より独立する。

1994年、狭山台にあった旧・狭山営業所の所管を、ほぼ全系統が川越営業所に統合する形で一時廃止し、旧・狭山営業所敷地は西武観光バス営業所敷地として使用する。2002年9月、現在地に新たに営業所敷地を造成、飯能・川越の一部路線を移管し、狭山営業所が発足。主に西武新宿線狭山市駅西口を発着する路線を受け持つ(2002年に開設された狭山営業所は「新・狭山営業所」と記す)。

現行路線

停留所名や路線解説文にて書かれている「旧・狭山営業所」「新・狭山営業所」とは便宜上の記載である。実際の車内路線図・案内放送や停留所、道路地図などには使われていないので、注意されたい。

狭山市駅西口 - 西武柏原 - サイボクハム方面

埼玉牧場で折り返していた路線だが、2004年に日帰り入浴施設「サイボクまきばの湯」が開業したのを受けて延伸したもの。「サイボク」とはハムの製造を行う埼玉種畜牧場という会社の愛称(玉種畜場=埼牧=サイボク)で、2002年に日高市の自社牧場を山梨県へ移転し、天然温泉を掘り当てて「サイボク天然温泉」として活用することとなった。まきばの湯に隣接してサイボク本店や工場、レストラン、自社製造品の直売コーナー、温泉スタンドがあり、休日などには家族連れや団体客で賑わう。

しかし、2013年に「サイボクまきばの湯」が閉館したため、同年2月1日に「サイボクハム」にバス停名が変更された。

狭山市駅西口 - つつじ野団地 - 日生団地方面

  • 狭山22:狭山市駅西口 - 新富士見橋 -(直通)- 日生団地
  • 狭山22:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - つつじ野団地中央 - 日生団地
  • 狭山22-1:狭山市駅西口 - 新富士見橋 -(直通)- 日生団地 - 狭山工業団地 - 武蔵野学院大学(日曜・祭日運休)
  • 狭山22-1:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - つつじ野団地中央 - 日生団地 - 狭山工業団地 - 武蔵野学院大学(日曜・祭日運休)
  • 狭山29:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - つつじ野団地中央 - 日生団地 - 狭山工業団地 - 智光山公園
  • 狭山29:狭山市駅西口 - 新富士見橋 -(直通)- 日生団地 - 狭山工業団地 - 智光山公園
  • 狭山29-1:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - つつじ野団地中央 - 日生団地 - 狭山工業団地 - 狭山営業所
  • 深夜:狭山市駅西口 → 新富士見橋 → つつじ野団地中央 → 日生団地 (平日のみ運行)
  • 深夜:狭山市駅西口 → 新富士見橋 → つつじ野団地中央 → 日生団地 → 狭山工業団地 → 狭山営業所 → 柏原ショッピングセンター → 西武柏原ニュータウン

狭山市駅からつつじ野団地・日生団地・智光山公園方面へ向かう。系統数が大変多いが、ダイヤの大半が(つつじ野団地経由)日生団地発着便と智光山公園発着便で占めている。武蔵野学院方面は平日・土曜の通学時間帯のみ、営業所系統は始終発のみ、いずれも少数運行である。これらは狭山市西南部地域に所在するつつじ野団地界隈の住宅地や県立高校への輸送も併せて行なうため、狭山市駅から新富士見橋を渡って広瀬通りを経由する。 2013年10月16日から深夜バスの一部が変更となり、平日に限り日生団地行きが設定されるようになった。


「(直通)」は、早朝夜間と通学時間(一部)に埼玉県道50号所沢狭山線と狭山中央通りを通って最短経路で運行される便を指す。この直通便は旧・狭山営業所時代から、現在と同経路の新富士見橋 - 上広瀬郵便局を通らずに営業運行している。この直通便が設定された理由として、以下の点が挙げられる。

  1. つつじ野団地の造成・分譲前は現在の直通と同経路で狭山市駅 - 日生団地を運行していたが、この経路が直通として活用される。
  2. 朝に直通便を運行する理由は、狭山市駅から日生団地へ車両を早く返し、つつじ野団地経由で狭山市駅へのダイヤを確保する必要があるため。
  3. 夜間に運行する理由は朝の逆で、日生団地方面から狭山市駅へ車両を返し、つつじ野団地経由日生団地方面へのダイヤを確保するため。
  4. 上記2.に加え、昭和末期から旧・狭山営業所管内で高校の新設、住宅地・工業団地の開発といった、路線バスにとっての追い風が吹き続けた。現在でも需要度は高く、限られた車両数の中でフル動員するために、利用者が少ない地区と時間は必要最低限だけ運行し、他は直通として効率的な運用と乗務員確保を必要とするため。
  5. 旧・狭山営業所では、かつて旧・狭山営業所 - 日生団地の回送ダイヤの他に狭山台団地 - 狭山市駅線が運行していた。早朝出庫で駅に着いたバスは狭山22(直通・日生団地行き)へ変わり、少しでも早く日生団地へ向かわせる「送り込み」を行なうため。
  6. 狭山22-1に上下線で直通便が設定されている理由は、利用客が大学関係者が大半を占めており、多くが狭山市駅と大学のどちらかで乗降するため、短絡経路による乗車時間短縮・速達輸送と学生輸送特化に準じたスクールバス的運行を行う方が西武バス側にとってもメリットが大きいと判断されたためである(一般客も乗車可能である)。

一番下の深夜バスは、狭山市駅西口発の団地・住宅地路線の大多数を網羅した運行経路で、運転開始当時のPRパンフレットには、運行経路と停車する停留所全てとそれぞれの深夜バス運賃が書かれている。利用できる定期乗車券は、下記路線の定期券が利用出来ると併せて記載されている。

  1. 狭山市駅西口 - 智光山公園
  2. 狭山市駅西口 - 埼玉牧場(深夜バス開設当時。現・サイボクハム)
  3. 狭山市駅西口 - 西武柏原ニュータウン
  4. 狭山市駅西口 - 日生団地

狭山市駅西口 - 西武柏原ニュータウン方面

  • 狭山24:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 西武柏原入口 - 柏原ショッピングセンター - 西武柏原ニュータウン
  • 狭山24-1:狭山市駅西口 - 市民会館 - 西武柏原入口 - 柏原ショッピングセンター - 西武柏原ニュータウン
  • 深夜:狭山市駅西口 → 市民会館 → 西武柏原入口 → 柏原ショッピングセンター → 西武柏原ニュータウン(平日のみ運行)
  1. 2013年10月16日から狭山24-1系統と同じ路線での深夜バスの運行を開始。

狭山市駅西口 - 稲荷山公園駅方面

一時期の運行休止期間を経て、1987年に運行が再開された。運行休止前は稲荷山公園駅ロータリーが整備されていなかったため、西武池袋線踏切手前の道路上で折り返していた。後述の狭山27同様、西武新宿線と西武池袋線の駅間を結んでいるが、運行距離が短いこと・狭山市の市街地から少し離れた地区を運行しているために運賃が低廉で、比較的定時運行を保ちやすい路線である。

狭山市駅西口 - 埼玉石心会病院 - 入間市駅方面(入間川線)

狭山28が運行再開するまで、新宿線と池袋線を結ぶ動脈路線だった。現在も利用客は多く、運行本数も減らされていない。

2011年11月16日のダイヤ改正で狭山営業所が担当する本数は朝1本のみとなり、他は飯能営業所へ移管された。

狭山市西口駅 - グリーンハイツ・飯能駅北口線

  • 狭山20:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 上広瀬 - 根岸新道 - 狭山グリーンハイツ
  • 狭山25:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 上広瀬 - 根岸新道 - 根岸坂上 - 下川崎 - 上平松 - 中居 - 飯能駅北口
  • 狭山26:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 上広瀬 - 根岸新道 - 笹井 - 笹井ダム - 八木 - 岩沢新町 - 東飯能駅東口 - 飯能駅北口

狭山市駅から上広瀬・根岸新道を経由してグリーンハイツ・飯能駅へ向かう。狭山20は、1991年(平成3年)に入間川に架かる豊水橋近くに造成された狭山グリーンハイツへの新規路線として、飯能管轄でスタートした。西武・JR東飯能駅再開発事業により、従来の東飯能駅改札側を西口、新設された市役所方面への改札を東口とし、狭山26は従来の飯能駅 - 中央通り - 東飯能駅入口から、飯能駅 - (国際興業)車庫前への変更と東飯能駅東口経由に変更された。

2011年7月のダイヤ改正に伴い、狭山25は1日1往復の運行へと大きく減便された。 2011年11月16日には、飯能営業所から狭山営業所へ移管され使用車両も変更となり、すべてスロープ付車両となった。

飯能駅北口 - 宮沢湖線

  • 飯51:飯能駅北口 - 中山 - 宮沢湖(平日運休)

宮沢湖にある西武グループの娯楽施設への足として運行していたが、2006年4月1日に並走路線であった飯53(飯能駅 - 宮沢湖 - 武蔵高萩駅)、飯53-1(飯能駅 - 武蔵高萩駅 - ひだか団地)のイーグルバス移管に伴い、残った飯51は土曜・日曜・祝日の午前1往復のみとなった。イーグルバスとの共通乗車券の取扱いは行っていない。 2011年11月16日には、飯能営業所から狭山営業所へ移管され使用車両も変更となった。

新狭山駅北口 - 柏原ニュータウン - かすみ野 - 笠幡駅方面

  • 新狭11:新狭山駅北口 - 至聖病院 - 西武柏原ニュータウン - 柏原北 - かすみ野 - 笠幡駅
  • 新狭11-1:新狭山駅北口 - 至聖病院 - 西武柏原ニュータウン - 柏原北 - かすみ野
  • 新狭11-2:新狭山駅北口 - 至聖病院 - 西武柏原ニュータウン

笠幡線の母体は、2代・狭山24-2である。川越管轄時代に2代・狭山23に延長・新設されたが、いるまがわ大橋の開通により、発着する西武線側の駅・系統番号・経路が変更され、現在に至る。新狭11-2は、ニュータウンの折返・待機場で、運転士の食休に入るためのダイヤが組まれている。

武蔵藤沢駅 - グリーンヒル - 入間市役所 - 入間市駅方面

  • 藤01:武蔵藤沢駅 - 安川新道口 - 西武グリーンヒル - 入間扇町屋団地 - 入間市役所 - 入間市駅(深夜バスあり)
  • 藤02:武蔵藤沢駅 - 安川新道口 - 西武グリーンヒル - 入間扇町屋団地(深夜バスあり)

扇町屋団地までの折返し便をメインに運行している。武蔵藤沢駅 - 西武グリーンヒルで運行されていたが、扇町屋団地の完成に伴い1983年9月1日に延長された。グリーンヒル開通時より、長らく飯能が管轄し、新・狭山営業所開設時に飯能から移管された。

2012年6月30日に深夜バスが設定された。

ぶしニュータウン線

  • ぶし01:仏子駅 - 中橋 - 樋ノ上 - 西武ぶしニユータウン入口 - ぶしニユータウン南[1] - 新光中央公園 - 西武ぶしニュータウン(祝日を除く金曜のみ深夜バスあり)

ぶしニュータウン線は、入間市にある西武池袋線仏子駅と同市北部のぶしニュータウンを結ぶ路線であり、開通は1983年である。住宅地と駅を結ぶ性格に加え、新光工業地域への通勤の足としての使命も併せ持っている。なお、国際興業バス運行の飯13:飯能駅 - 新光線にも「ぶしニュータウン前」バス停があるが、西武バスとの接続は一切ない[2]

1989年4月1日の飯能営業所開設時に、営業所のある美杉台と仏子駅の間の出入庫路線で東京都道・埼玉県道195号富岡入間線を通るぶし02(仏子駅 - 阿須 - 岩渕 - 美杉台小学校 - 美杉台ニュータウン)が開業した。概ね15分~30分間隔での運行。(日中は毎時2本30分間隔)

2010年12月1日の西武自動車と西武バスとの合併に伴い当路線も西武バスの運行に移管された。2011年11月16日にぶし01は飯能営業所から狭山営業所へ移管されたが、ぶし02は飯能営業所所管のまま残されている。

2012年6月30日のダイヤ改正時に深夜バスが設定され、祝日以外の金曜日のみ運行する。

入間市コミュニティバス「てぃーろーど」

入間市内循環バスを参照。

入間市健康福祉センター直行バス

  • 入間市駅 - 入間市役所 - 入間扇町屋団地 - 西武グリーンヒル - 入間市健康福祉センター(左記停留所以外は無停車)

狭山市コミュニティバス「茶の花号」

廃止・移管路線

旧・狭山営業所担当路線

  • 狭山19:狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 根岸新道 - 豊水橋 - 春日神社 - 黒須 - 霞橋 -(←豊岡町)- 入間市駅
飯能支所が管轄していた入市35(初代)の廃止代替として1989年4月1日に新設された。運行開始から数年間は系統番号が無かったが、狭山32と同時期に付与された。1994年の川越統合により廃止された。
  • 狭山23(初代):狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 日高カントリークラブ - 武蔵高萩駅 - 日高団地入口 - 高倉 - 脚折 - 下新田 - 坂戸駅
八高線から距離のある地域を南北に結ぶ、貴重な交通機関。国道の渋滞による定時運行が厳しくなり、1994年の川越統合に伴い廃止された。
  • 狭山27:狭山市駅西口 → 水道庁舎 → 下諏訪 → 狭山警察署 → 入間市駅
  • 狭山28-2:稲荷山公園駅 → 住宅入口 → 新富士見橋 → 西武柏原入口 → 西武柏原ニュータウン(狭山市駅非経由)
1992年に新設された。狭山系統ながら狭山市駅へ寄らずに新富士見橋へ向かっていたため、直通扱いとして運行していた。時刻表にも「狭山市駅通過」などの断り書きを添えたダイヤが掲示されていた。
  • 狭山30:狭山市駅東口 - 富士見 - 井戸窪 - 西武狭山台ハイツ - 狭山台二丁目 - 狭山台団地
  • 狭山31:狭山市駅東口 - 富士見 - 御狩場 - 狭山台南 - 狭山台公民館入口 - 狭山台団地
  • 狭山32:狭山市駅西口 - 市役所入口 - 狭山市役所 - 富士見 - 井戸窪 - 西武狭山台ハイツ - 狭山台二丁目 - 狭山台団地
唯一市役所を経由する路線だったが、1998年の狭山市内循環バス開業を経て、狭山市駅西口 - 狭山市駅東口の出入庫ダイヤの必要性が無くなり、廃止された。
  • 川越61:川越駅西口 - 南大塚駅入口 - 柏原ショッピングセンター - 西武学園文理(急行・狭山環状有料道路経由)
  • 川越61:川越駅西口 - 西武学園文理(急行・八瀬大橋経由)
1992年4月8日に川越駅から柏原地区の私立学園の足として開通。当初は一般客の乗降も行なわれ、狭山有料環状道路料金所で通行料金を支払って運行した。狭山環状有料道路経由が数年間運行された後、八瀬大橋経由へ変更され、廃止された。
  • 入市31:入間市駅 - 人事院研修所 - 保谷硝子 - 二本木 - 農協前 - 箱根ヶ崎駅
青梅市日向和田に存在した青梅営業所管轄の、入市31の早朝ダイヤを1往復担当・応援していた。

新・狭山営業所担当路線

  • 狭山28-1:稲荷山公園駅 - 住宅入口 - 狭山市駅西口 - 新富士見橋 - 西武柏原入口 - 西武柏原ニュータウン
西武文理学園通学者が狭山市駅を利用し、同駅の混雑緩和対策が急務となったため新設したが運行本数が少なく、沿線住民が通勤・通学として利用出来るダイヤでは無かったことが災いし、2007年3月6日に廃止された。
日高市コミュニティバス「せせらぎ号」
  • 東コース(北廻り):日高市役所 - ひだか団地 - 高萩駅 - 高麗川団地 - 高麗川駅 - 日高市役所
  • 東コース(南廻り):日高市役所 - 女影 - 高萩駅 - 大谷沢 - 高麗川団地 - 総合福祉センター - 高麗川駅
  • 東コースおはよう便・ゆうやけ便:日高市役所 - 下鹿山 - 高麗川団地第一折返場
日高市東部の運行を担当していたが、2007年3月31日に廃止された。

車両

一般路線用には、CNGノンステップバス(UA452、シャシー:日産ディーゼル、車体:西日本車体工業)が5台在籍する。いずれも2004年製造車で、この5台のうち2台(A4-22・23)が国土交通省認定標準仕様ノンステップ車である。CNGノンステップバスは、主に狭山22・24・28・29に運用される(5台のうち1台(A4-965)は所沢から転属)。

かつての旧・狭山保有車の中には、大宮と共に、日産ディーゼル富士重工製の大型長尺車が一般尺車と並行して入籍・活躍していた。

かつて運行されていた日高市せせらぎ号には、西武・国際興業共に日野・リエッセ(前扉折戸式、中扉2ツドア引戸式)が使用されていた。外装デザインは両社同一で、運行会社名、イースト・ウエストといったロゴの違いがある程度であった。西武の車輌は、開通当初担当していた飯能営業所からの転入車。

2011年からは他の西武バスの営業所と同様、大型車の限り、三菱ふそう・エアロスターも導入されている。

脚注

  1. 設定当初は「案内所前」というバス停であった。
  2. 公式的な案内はないが、国際興業・「新光」バス停と西武・「樋ノ上」バス停とは、徒歩2 - 3分で乗り継げる距離である

関連項目

テンプレート:西武バス