蛇紋岩
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蛇紋岩(じゃもんがん、serpentinite)は、主に蛇紋石(serpentine)からなる岩石である。変成岩ないし火成岩中の超塩基性岩のどちらかに分類される。岩石の表面に蛇のような紋様が見られることから、蛇紋岩と命名。
概要
かんらん岩などの超塩基性岩類が水と反応し、蛇紋岩化作用(もしくは蛇紋石化作用)を受けることで生成すると考えられている。蛇紋石化作用は主に超塩基性岩類中のカンラン石で起こり、カンラン石と水から蛇紋石と磁鉄鉱が生成される反応で表される。蛇紋岩化作用の程度は岩体により様々で、作用の弱いものは原岩を構成する鉱物が多く残り、作用の強いものはそのほとんどが蛇紋石化している。
特性
ファイル:Mt.Shibutsu 02.jpg
至仏山頂に露出する蛇紋岩
蛇紋岩は風化作用を受けやすく、もろくて崩れやすい性質がある。そのため、蛇紋岩で形成された山岳(例えば越後山脈の谷川岳や至仏山)などでは、滑落事故が起こりやすい。岩石の表面は、スメクタイトなどの粘土鉱物を含み平滑状となっていることが多く、断層などの滑り面には強い鏡のような光沢(鏡面反射)が形成されることもある。
クロム、石綿、ニッケルなど鉱物資源を内包していることが多く、産出地においては鉱業開発が進められる場合もある。また、蛇紋岩自体も加工されて肥料として用いられる。
蛇紋岩米
兵庫県養父市の八鹿町八木地区など一部に広がる蛇紋岩土壌の上で育った米を蛇紋岩米という。養父市では八木川が蛇紋岩を削るためマグネシウムとカリウムに恵まれた土壌が形成され、氷ノ山・鉢伏山系からの清水や日照、昼夜の温度差などとの相乗効果により非常に高い旨み値を持つ米が育つ。 その味は確かで、無印良品の「Café & Meal MUJI」でも取り扱われている。
関連項目
参考文献
- 都城秋穂・久城育夫 『岩石学II - 岩石の性質と分類』 共立出版〈共立全書〉、1975年、ISBN 4-320-00205-9。
- 黒田吉益・諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、ISBN 4-320-04578-5。
- 豊遙秋・青木正博 『検索入門 鉱物・岩石』 保育社、1996年、ISBN 4-586-31040-5。