秘密警察ホームズ

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists秘密警察ホームズ』(ひみつけいさつホームズ)は、原作(シナリオ):立神敦、作画:犬木栄治児童向け警察漫画作品。

概要

  • 小学館の漫画雑誌『月刊コロコロコミック』にて1996年7月号より1999年4月号まで連載。単行本はてんとう虫コミックスで全9巻が刊行された。キャッチコピーは「本格推理まんが」。
  • 当初は読切作品として『秘密探偵ホームズ』として月刊コロコロコミック1996年2月号に掲載。当時既に人気を博していた金田一少年の事件簿名探偵コナンの人気に引っ張られる形で好評となったため連載となった。
  • 読切版および連載初期は、1996年後半連載分以降のものと作画が大きく異なっており、 読切版をコミックスに掲載したもの(コミックス版第一話)は、作画が大幅に修正されている。コゴローなどは殆どそのままの顔で使用されているものの、ホームズ・マープルは頭身が若干低めで顔つきが大きく異なっており、キャラクターによって限りなく刊行時に執筆していた連載版に近い顔へ書き直された。なお、連載当初のホームズの作画も読切版に近く、キャラクターの作画が安定するのは97年(2巻~)に入った頃からである。なお、コミックス内のコラム欄にて連載1回目の表紙が掲載され、現行のホームズ達がそれを見比べるカットが描かれている。
  • コロコロコミック掲載時は、物語が前半(事件編)と後半(解決編)の二部に分かれ、その間に他の連載漫画が差し込まれる(単行本では間のスペースはなく、連続して収録されている)構成だった。毎年夏にはプレゼントクイズを行う2ヶ月続けての物語も掲載されていた。

あらすじ

第一部
「影の警察」と呼ばれる秘密警察=警視庁秘密捜査課。一部の警察、事件関係者を除き、その正体を知る者は少ない。なんとその実態は西鍵健一、北原真古、明石小五郎の3人の小学生で結成されている特殊捜査チームだったのだ。彼ら3人が力を合わせればどんな難事件も解決に導く。
第二部
第一部では基本的に一話完結のオムニバス形式だったが、第二部では秘密警察と世界中の美術品を狙う悪の組織「ダーク」の対決を中心にした連続ストーリーへと変わった。

主な登場人物

秘密捜査課

仲間内ではあだ名で呼び合っている。3人とも同じ小学校に通う。小学生がなぜ幹部級の警察官となっているのか詳しい経緯は描かれなかったが、終盤でそれぞれの両親が優れた能力を持つ警視庁の秘密捜査官であることが明らかとなる。

西鍵 健一(にしかぎ けんいち)
警視庁秘密捜査課警視
小学6年生。仲間内での呼び名はホームズ(西鍵=シャーロック・ホームズから)。普段は勉強、スポーツがまるでダメなのび太的少年だが、事件になれば卓越した推理力を発揮する。普段は白色のカッターシャツに赤いネクタイ・緑色の半ズボンに丈の長いカーキー色のコートを着用。12年後には警視正に出世。
前半の温泉旅館殺人事件の推理で、マープルや大人達の前で自らの浴衣を脱いで全裸を晒したことがある。この時のパンツブリーフであった。
決め台詞は「僕は警視庁秘密捜査課、西鍵健一警視だ!」。
北原 真古(きたはら まこ)
警視庁秘密捜査課警部
小学6年生。呼び名はマープル(ミス・マープルから)。読書好きで勉強熱心。学校の成績も良い。ホームズとは幼馴染み。12年後には警視に出世。
決め台詞は「私は警視庁秘密捜査課、北原真古警部よ!」。
明石 小五郎(あかし こごろう)
警視庁秘密捜査課警部補
小学4年生。呼び名はコゴロー(明智小五郎から)。マープルの従兄弟である。ペロペロキャンディーが好きで常に携帯している(そのせいか若干肥満体系である)。言葉の語尾に「~だーよ」とつけるのが特徴。嗅覚に優れ、匂いを嗅いだだけで鍋の中のシチューのルーのブランドまで当てたこともある。12年後には警部に出世。
決め台詞は「俺は警視庁秘密捜査課、明石小五郎警部補だーよ!」。

警視庁の人間

原田 三郎(はらだ さぶろう)
警視庁捜査一課警部。
最初はホームズ達の事を子供と思ってなめていたが、二番目の兄が起こした事件をきっかけに敬意を向け、尊敬するようになる。
ホームズ・マープルに対しては上司・同輩の立場なので敬語で話し、コゴローに対してはタメ口で話している。途中からホームズ自身の希望により(学校の友人達に正体がバレないように)事件の無い時は普通の小学生に対するように接している。
ホームズ達とは逆で推理力はほぼ皆無だが、運動神経は超人並に優れている(ホームズ曰く「全身が筋肉」)。自分と瓜二つの銅像を美しいという等、少々ナルシスト気味の傾向が見られる。格闘技好きで大山倍達を人生の師としているらしい。ナイフのコレクションをしている。故郷は鹿児島らしい。身長は193cmと長身。12年後には警視に出世しており、結婚もして一子を儲ける。
犬森 元治(いぬもり げんじ)
警視庁の警視監
秘密捜査課直属の上司。原田警部とは同期でデコボココンビ。後にアルの保護者となる。12年後には警視総監(最年少)に出世。名前の元ネタは作者の犬木栄治から。
ハリー
警視庁の警察犬
ぐうたらな性格だが、いざという時は行動的。ホームズとの相性はバッチリ。12年後には引退し、原田警部に飼われるようになる(かなりの長寿だが)。

ダーク(DARK)

悪の組織で、主に美術品の窃盗を職業としている。

アル
ホームズと同世代。バンダナを愛用している。両親は組織の一員だったが、彼が幼い時に事故で死亡。幼少期から組織の犯罪教育を受けていたが、人殺しだけは出来なかった。組織壊滅後は犬森警視監と養子縁組され、「アル・犬森」と名乗るようになる。12年後には秘密捜査課の警視正となる。

その他

伊東 有紀(いとう ゆうき)
原田警部が好意を寄せている相手。
ある会社の社長秘書をしていたが、その社長が殺害されたために伯父の経営する喫茶店で働くようになる。12年後には原田警部と結婚しており、息子もいる(なお、結婚した時期は不明)。
原田 一郎(はらだ いちろう)
原田警部の兄。
原田総合病院の院長。何度かホームズ達と事件に遭遇し、その能力を高く評価している。
身長は原田警部と同じぐらいか、若干高く書かれている。

備考

  • 連載初期は児童誌にもかかわらず死体の描写などがリアルに描かれており批判もあった(物語の大半は殺人事件である)。しかし、徐々に描写は控えめになりタッチも柔らかくなっていき、作者による以降の作品でも受け継がれている。
  • 読み切り掲載の前号の予告では『少年探偵クラブ ホームズ』であった。作者は『秘密警察…』というタイトルは危ないと思っており読者からも指摘があったが、特に抗議などは来なかった。現実世界の秘密警察(かつての日本では特別高等警察)とは語句の意図が異なり、あらすじの通り、単に存在が「秘密」である事を示している。
  • 毎回、前後編で2部掲載する特殊な構成のため、連載初期は他の作品でパロディネタが行われていた。
    • 前後編の間に掲載された『やったね!ラモズくん』や『スーパーボンバーマン』などでは作品の表紙でパロディを行っていた(表紙を2ページの見開きにして刑事に扮した主人公が描かれており、「この漫画は○○(作品のタイトル)です。秘密警察ホームズではありません」と言う写植が貼られていた。両作品共に4コマ作品であったため、当時の4コマ作品の単行本には構成の都合で表紙は掲載されなかった)。
    • また、『星のカービィ デデデでプププなものがたり』ではパロディとして2部構成の推理物の話がある。
  • 1999年頃にNINTENDO64テレビゲームソフト化が予定されていたが、諸事情により中止となった。作者のサイトには当時の開発中のゲーム画面などが掲載されている。

書籍情報

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