田中むねよし

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists 田中 むねよし(たなか むねよし、本名:田中 宗義(読み同じ)、1964年12月17日 - )は、日本漫画家(本人著作あとがきに本業「オタク」、副業として「漫画家」と記されている)。佐賀県出身。佐賀大学卒業[1]。本人が副業と自称する漫画では主に自動車に関する作品を手がける。

概要

代表作は、自動車雑誌『Tipo』(ネコ・パブリッシング刊)にて連載していた「BOLTS AND NUTS!」(ボルト&ナット)。主人公である作者自身や仲間達が国内外で生産された旧車の数々を購入・修復・転売して行く中で起こったさまざまな出来事・事件を綴った作品である。連載当初はオタクならではの細かな描写や数々の薀蓄、実名の友人知人との交流などが詰め込まれていたが、近年は作者自身の生活環境の変化や友人関係の変化などと相まって、車とは関係ない内容や、実在の人物か確認不能な登場人物なども増えていた(深夜にファミレスに入り浸る家庭持ちの男や、同勤務医などの非現実的な表現から架空の人物と思われる)。

「全般的に車好きな人間のアットホームな仲間意識を感じさせる作品」が現在の目標のようである。

また、モデラー関連雑誌、車雑誌、車関連サイトなどに不定期にイラストを載せている。

主な著作・作品

BOLTS AND NUTS!
読みは「ボルト アンド ナット」。田中の代表作であり、概要は上述のとおりである。作者をモデルにした人物が主人公であり、副主人公格で作者の相棒となるのは、ローンを支払ってスバル・レックスから乗り換えたロータス・エラン S3。購入当初は不調が目立ったが、作者とともに巻を数え、ボディとフレームを分離して大改修を受け、エアコン等の快適装備を備えた希少な車として再登場していた。シトロエン・BXにも乗っていたが、シトロエン1号機(ノアール)は廃車され、2号機は生島智子の登場により、手放すハメに。後にホンダ・ビートユーノス・ロードスターアルファロメオ・75などを乗り継いだ。ビートは2台あり、今もビートやエランと共にエンスーな生活を送っているが、現在では連載当初以前からの旧知の友人とのファミレスでの蘊蓄談話が日課となっている…
という内容が作中での主人公の主な設定である。実際の田中の人物像との間(特に車歴に関して)には後述の通り、事実と相違がみられた。
その後さらに作品タイトルを「BOLTS AND NUTS!ビギナーズ」と変更して内容を一新。作中キャラクターとしての田中むねよしや周辺の人物はほぼ登場しなくなり、自動車趣味初心者の20代女性を主人公として作品を継続していたが、2014年に19年に及んだ連載を終了した[2]
スウィートホイールズ
一話完結の短編集で、元々は『モーニング』で連載されていた。各エピソードに一台ずつ主役となる車が登場。オールカラー。
V8探偵ディック
あり得ないモディファイを施されたアメリカ車が多数登場するストーリー漫画。
フール・オン・ザ・ホイール
イタリアで1960年代にベストセラーとなった車、フィアット500の熱狂的マニアのストーリー。
キャブレターズ
新旧国産車をメインにした一話完結の短編集だが、別々のエピソードが微妙に絡み合っていたりする。
赤羽がんこモータース
ビッグコミック増刊号』に連載された。自動車修理工場を経営する頑固親父と客たちの人間模様を描いた連作シリーズ。連載後期には蘊蓄漫画の要素が増した。
クルマ馬鹿 スーパースター列伝
『ビッグコミック増刊号』に連載された一話完結のシリーズ。
中古車のソムリエ ココロ自動車
ビッグコミックオリジナル増刊号』連載。

漫画以外の仕事・活動

雑誌等で車のイラスト作品を数多く手がけ、それを実車で再現するという企画も行っている。

サイト活動

むねよし.com(現在閉鎖)
田中むねよしによって開設され、次第にコンテンツを充実して5つのBBS、作者の知人であり『BOLTS AND NUTS!』の登場人物となっている人々を含む10人以上のコラム、田中のブログ、また田中の名前を冠にした公式物販サイト『むねこむ.com』などを擁する巨大サイトとなった。形式だけの公式サイトの多い中、漫画家の公式サイトとしては珍しいくらい大きな規模を誇っていた。サイト上では不定期掲載誌の発表や参加するイベント発表などはTOPで告知され、多くの読者はそれを元に田中と交流を図ることができた。また、食べ物BBSでは、田中や読者の見つけた名店などが写真付きで紹介されているなど、田中むねよしと読者の交流を図る場所として賑わっていた。
むねこむ.com(現在閉鎖)
既刊の通信販売や、田中むねよしグッズの販売、作者知人の作品販売を行っていた。また、作者知人中古車店の中古車販売コーナーまで存在した。田中本人によるイラストや商品紹介などもあり、また公式サイト内に設けられていたことにより、田中むねよしファン向け専用の総合物販サイトであった。
田中むねよしブログ(現在閉鎖)
更新される時は、締め切り間近でも1日数回という、かなりの更新回数を誇ったブログであった。主に日常の他愛無い出来事が記載され、田中の日常を垣間見ることが出来た。
田中むねよしのモーターペンシル
「JU中販連」のサイト内で、2007年11月から上記ブログを開設し、2010年10月現在、更新中。更新頻度は月1回から4回程度。内容は、1回毎に自分の好きな車のイラストと、それにまつわる短文を掲載している。

各種イベント参加

各車種オーナーズクラブ主催イベントに参加し、講演活動、サイン会、公式物販サイト『むねこむ.com』の出店を行う。また、そのレポートを各種サイトや車雑誌等で行う。

その他

  • 専業漫画家に転身する以前の職業は、小学校の補助教員であった。
  • 生まれてから現在に至るまで佐賀県に在住する。佐賀に対しては非常な愛着を持っていることを、自身の著作で述懐している。
  • 他の自動車漫画家とも交流があり、愛車であったロータス・エランは現在は藤島康介の所有となっている。この事実は長い期間「BOLTS AND NUTS!」作中においては明らかにされていなかったが、同作単行本17巻巻末において、「TFCC(三角線維軟骨複合体損傷)により運転が困難になった」のを理由に手放したことが作者本人により明かされた。
  • 「BOLTS AND NUTS!」は必ずしも田中本人の実像を直接反映したものではなく、エランをはじめ作中では現在でも所有していることになっている車種が実際にはかなり早期に手放されていることが作中以外の場所で判明するなどしている。それらについては、単行本巻末あとがき等でたびたび訂正を行っている。

脚注

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  1. 漫画家・田中むねよしさん 画業20周年で原画展
  2. 「Tipo」No.299、ネコ・パブリッシング、2014年4月5日。