機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (あ行-さ行)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年8月10日 (日) 14:02時点におけるSpace123 (トーク)による版 (ククルス・ドアン)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍(きどうせんしガンダムのとうじょうじんぶつ ジオンこうこくぐん)は、テレビアニメおよびアニメーション映画機動戦士ガンダム』に登場する架空の人物のうち、ジオン公国軍軍人および軍属、またはジオン公国の政治家など、主にジオンに関わる非民間人の内、あ行からさ行の人物を列挙する。

民間人に関しては機動戦士ガンダムの登場人物 民間人を、地球連邦軍に所属している人物は機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍を参照。また、特に説明が必要な人物は各人の項目を、ザビ家に属する人物に関してはザビ家を、黒い三連星に関しては黒い三連星を参照。


個別記事のある人物

クラウレ・ハモン
シャア・アズナブル
シャリア・ブル
上記の人物は各人の項目を参照。
ガルマ・ザビ
キシリア・ザビ
ギレン・ザビ
サスロ・ザビ
ゼナ・ザビ
上記の人物はザビ家を参照。
オルテガ
ガイア
上記の人物は黒い三連星を参照。
カラハ
キャリオカ
コーカ・ラサ
ゴダール
コノリー
上記の人物はマッドアングラー隊を参照。

目次へ移動する


ア行

赤鼻

Akahana

- 永井一郎(テレビ版)、池田勝(劇場版II)、加藤治機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ)、宝亀克寿(特別版)

ジオン公国突撃機動軍戦略海洋諜報部隊に所属する爆発物エキスパートの特殊工作員。階級は少尉で、工作員のリーダー格。名前の通り真っ赤な(茶色にも見える)が特徴で、作中では黒にも見える茶色の潜水服を着込んでいる。

シャア・アズナブルズゴックと共に4機のアッガイジャブローに潜入。ジムの量産化を確認した後、二手に別れシャア、クラフトと共にホワイトベース破壊工作に向かうが、連邦軍に発見され銃撃に追われる。直ちに脱出を図るが、ガンダムに撃墜される。劇場版では61式戦車にアッガイの背中を撃たれて戦死した。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではジャブローへの潜入作戦には参加せず、内部へ潜入した隊員の撤収を待っている間にジムと遭遇。交戦するも、ジムによって撃破された。

目次へ移動する


アコース

声 - 森功至(12話)、鈴置洋孝(16話)、藤本譲(劇場版II)、植村喜八郎(特別版)、緒方賢一(ギレンの野望シリーズなどゲーム作品)

ランバ・ラルの部下で階級は少尉。第12話で初登場し、ザクIIを駆ってラルのグフを援護した。第16話にて再びザクで出撃するも、ラルがザクを分散させ過ぎたため孤立してしまう。そして、アムロ搭乗のガンキャノンと交戦中にマシンガンの残弾確認を怠って弾切れを起こす。狼狽したところ、キャノン砲の直撃を受けて撃破される。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、敵が数だけの旧式機しかいないと判断し(ガンダムはラルが相手していた)、一人で格闘戦を仕掛けるが集中攻撃を受け撃破される。初版以後「アコーズ」と誤記されていた時期があった。 目次へ移動する


アサクラ

声 - 広瀬正志(テレビ版)、島田彰(劇場版III)、北川勝博(特別版)、亀井三郎(CDドラマ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 宇宙の蜉蝣』)

ジオン公国軍の技術将校で階級は大佐一年戦争末期には、ギレン直轄下で密閉型コロニーの一つ「マハル」を再利用したソーラ・レイ建設・管制の責任者を務め、ギレンの指示に従って作戦時間21:05にゲル・ドルバ照準でソーラ・レイを発射した。当時のジオン公国軍の暗部に多く関わっており、戦後は責任の隠蔽・転嫁に奔走したのちに、自身はアクシズへ渡った。


テレビ版制作時点ではデザイン画が存在しなかったため、劇場版III制作の際、安彦良和によりTV版のビジュアルに準じたデザイン画が描かれた。安彦の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、眼鏡に小太りの平凡な技術士官らしい中年男のデザインに変更されている。

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のCDドラマでは、キシリアの突撃機動軍に属する海兵上陸部隊(シーマ艦隊)の艦隊司令官として登場するが、彼自身は軍内部の派閥上ではギレン派に属しており、この人事に不服だったらしい。編成された艦隊要員がマハル出身の無頼の徒で占められていた事も役職への忌避感を深め、艦隊運用に当たっては自身を遙任とし、代理司令官としてシーマ・ガラハウを置いた。

目次へ移動する


イリューシン

声 - 古川登志夫

ハモンによるラルの弔い合戦に参加した兵士で、出撃時にハモンから3番目に声をかけられていた。

目次へ移動する


イワノフ

声 - 古川登志夫

マッドアングラー隊の一員で巨漢。シャア達とジャブローに潜入した特殊工作部隊の一人。シャアとは別行動のグループでアッガイ内で待機していた。その後、銃撃に追われたシャアの要請で、61式戦車を撃破して陽動し脱出を援護する。その後、直ちにジャブローからアッガイで脱出を図るもガンダムのビームライフルで撃ち抜かれて戦死。劇場版では赤鼻のみが戦死しており[1]、彼を含め他の潜入工作員は無事に脱出に成功した模様。

目次へ移動する


ウラガン

声 - 戸谷公次(一部は二又一成佐藤正治)、佐藤正治(劇場版II)、幹本雄之(特別版)。

ジオン公国突撃機動軍所属の大柄な軍人。階級は少尉(第16話)、または中尉マ・クベの副官として常に付き従い、雑務をこなしていた。マ・クベとは長年にわたるつきあいだったが[2]、マ・クベの「骨董品(壺)蒐集」という趣味には特に興味を示さなかった。20話でマ・クベの指示でラルにドムが届かないと虚偽の報告をした際に、愚直に任務を遂行する覚悟を示すラルを「戦馬鹿(いくさばか)」と心の中で冷笑していた。

テキサスコロニーでの戦闘でマ・クベが戦死し、彼が「良い物」として寵愛していた白磁の壺をキシリアの元に届けるよう託されるが、マ・クベ戦死直後に周辺宙域でデラミンの指揮下に入る。ホワイトベースへの先制攻撃を進言するも、バロムの到着を待ち満を持してホワイトベースを攻撃するというデラミンによって退けられる。その後、バロムのチベワッケイン艦隊と交戦していると知り、救出に動いたところを逆にホワイトベースに先制されて均衡は一気に崩れ、デラミン艦隊は全滅、彼も戦死した。結局、マ・クベから託された壺は、キシリアの元に届くことはなかった模様。

劇場版ではマ・クベが戦死しない関係で彼も戦死していない。劇場版基準の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、一年戦争終結後のマ・クベに随伴した様子もなく、消息は不明。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、グフ中隊を率いてギャンを駆るマ・クベから壷を託され、宇宙へ逃れた。以後は登場していない。その後、後発作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN アムロ0082』においてジオン残党組織「ウラガン中隊(カンパニー)」の指揮官として登場、マ・クベの弔い合戦と称してアムロ暗殺を命じるが、連邦の工作員らの防御網を前に完敗を喫し、幻影のマ・クベより冷笑を浴びせられ卒倒して果てた。

目次へ移動する


カ行

ガデム

声 - 水鳥鐵夫鈴木泰明(特別版)

ジオン公国軍の士官で階級は大尉(『THE ORIGIN』では少佐)。百戦錬磨の猛者だが、高齢のため最前線からは退き、補給部隊にて後方を支えていた。ファルメル(シャア専用ムサイ)への物資及びモビルスーツの補給任務中にホワイトベースからの襲撃を受けるが、旧ザクで出撃してザクおよび補給物資を放出し、補給任務を遂行する。ガデムの搭乗した旧ザクは武器を持っていなかったが、自艦パプアを沈められた怒りでガンダムに挑む。戦闘では射撃の回避および格闘戦でのショルダータックルを見舞うが、ガンダムの性能の高さのためダメージをほとんど与えることが出来ず、逆にビームサーベルで機体を切断される。脱出しようとしたが間に合わず、機体が爆発して戦死した。なお、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では展開はほぼ同じだが、ガンダムではなくガンキャノンに戦いを挑んでいる。「MS格闘の草分け」と自称し勇猛に戦いカイを圧倒するが、直後ガンタンクの至近弾を受け戦死。

劇場版では、ドズルの命令でシャアのムサイへ補給に来ただけで戦死しない。

漫画『GUNDAM LEGACY』では、一年戦争の開戦前、サイド3のコロニーの1つである「キンツェム」において、ザクIに搭乗し反ザビ家派のテロリストと戦った過去が明かされるが、その時に戦友の整備士であるゴードンを失っている。ただしこの作品は公式な設定という訳ではない。

漫画『鋼鉄の処女2』(海明寺裕サイバーコミックス No.31掲載)では、ザンジバル級の艦長として登場する。ただしこの作品は公式な設定という訳ではない。

目次へ移動する


ガバラ

声 - 玄田哲章

ガルマ配下のMSパイロット。ザクに搭乗する。ザク・マシンガン、マゼラトップ砲、ドップの機銃による一斉集中砲火をガンダムに浴びせる作戦を取るが、反撃に転じたアムロの前にザクの頭部の動力パイプを掴まれ、引きちぎられた[3]。衝撃で背後のマゼラアタックに倒れ込み、もろともに爆死。劇場版には登場しない。本編中のカットインのみで安彦良和による設定画は存在しない。

目次へ移動する


カヤハワ

声 - 古川登志夫

ジオン公国宇宙攻撃軍コンスコン機動艦隊に所属するMSパイロット。そばかすが特徴的。リック・ドムに搭乗し、サイド6パルダ・ベイに潜入しての先行偵察任務に就いていた。ペルガミノの浮きドックへ入る木馬を発見し、コンスコンへ信号弾を発して知らせた。劇場版ではコンスコンの発言中で名前を呼ばれている。「非・安彦デザイン」キャラの一人。

雑誌「ガンダムエース」に掲載された介錯の漫画『ジオン少女物語』では、同じコンスコン隊に所属し、第一波の戦闘で失われたリック・ドム部隊の隊長ツェーンと終戦後に結婚する予定であったとされる。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。

目次へ移動する


カンプ

声 - 戸谷公次(テレビ版)、沢木郁也(劇場版I)

偵察機ルッグン(コールサイン=ホットドッグ)に搭乗する兵士。パトロール中にリュウのコア・ファイターと戦闘し被弾、何とか前進基地へ逃げ込もうとするも基地の目前で墜落し死亡。劇場版にて名前が付与された。

目次へ移動する


ギーン

ランバ・ラル隊のザクのパイロット。ラル隊がコズンとアコースを失った後に、ステッチと共に登場した。キュイから発進してホワイトベースへ白兵戦を仕掛けるラルをザクで援護していたが、セイラの搭乗したガンダムからビームライフルの直撃を受け戦死。劇場版では同僚のステッチのようなビジュアル設定[4]やカットインの追加は全くなかった。

目次へ移動する


ギャル

声 - 二又一成

TVシリーズ14話に登場。劇場版には登場しない。クラワンソルらと共に地方の小基地に所属するMSパイロットで軍曹。冒頭の慰問シーンでマジシャンが出したハトに補給線が延びきってしまい十分な物資が届かないことを八つ当たりしていた。クワランが有志を募って実行された肉弾作戦において唯一のMS乗りとして囮役を務め、ザクで補給を終えて帰還するマチルダのミデアに銃撃を加え、アムロをおびき出した。アムロの操縦するガンダムと交戦して生還した数少ないモビルスーツ乗り。

漫画『機動戦士ガンダムU.C.HARD GRAPH 鉄の駻馬』では、早くからクワランと共にあり、南極条約締結のニュースを聞きながら、早期終結の失敗とレビルの演説に関して会話していた。

目次へ移動する


ククルス・ドアン

声 - 徳丸完、戸谷公次(『独立戦争記』を除くギレンの野望シリーズ)、乃村健次(機動戦士ガンダム エクストリームバーサスフルブースト)

東南アジアの島(一説には日本の長崎県五島列島とも言われる)に住む元ジオン兵。ジオン公国軍の地球侵攻の折、自分の操縦するザクIIのマシンガンによる攻撃で意図せず子供達の親を殺してしまう。その後に子供達をも殺せと命じられたが、従わずに軍を脱走。孤島にその子供達ロランタチクムチヨと一緒に住み、農作業に勤しみつつ面倒を見ていた。その間も子供達の親を殺してしまったことで夜ごと悪夢にうなされ苦しんでいた。

脱走時にザクを持ち出しており、作中ではそれを用いて島に近づく者は連邦・ジオンを問わず強制武装解除させていた。巧みな操縦によりアムロのコア・ファイターが撃ったミサイルを投石で撃墜したり(このミサイルの爆発でコア・ファイターも不時着している)、火器を持たずに追っ手のザクに格闘戦を仕掛け、ザク・マシンガンに耐えつつ正拳突きでコクピットを直撃・撃破するという戦いぶりを見せた。その後、アムロはガンダムでザクを海に沈めて処分。ドアンは怒る子供達をなだめつつ、戦いから解放してくれたアムロに感謝している。

ドアンが登場するテレビアニメ第15話は、本編の中でも特に本筋から外れた番外編としての要素が強い内容となっており[5]、劇場版では削られ、北米向けテレビシリーズビデオソフトでも未収録である。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも採り上げられず、サイン会にて安彦良和は捨て回に過ぎないと語っているが「いい話」だとは認めている[6]永野護は第15話を14話とともに、敵のザクが1機だけしか登場しない事を理由に、自分が最も好きな回だとしている。

目次へ移動する


クラウン

声 - 飯塚昭三、戸谷公次(劇場版I)、佐々木誠二(特別版)

シャアの下、同僚のコムジェイキューらと共に大気圏突入直前のホワイトベースに戦いを挑む。ホワイトベースの激しい銃撃で接近できずにいたところをシャアから「接近して叩け」と厳しく叱咤されている。その後、ガンダムと戦闘状態となり、シャアの撤退勧告を聞き入れずに[7]戦闘を続けた結果、コムサイに戻れないまま大気圏へ突入してしまう。クラウンはシャアに助けを求めながら搭乗するザクIIと共に燃え尽きた。シャアは「無駄死にではない」とガンダムを道連れにしたことを称えたが、ガンダムは無事に大気圏を突破してしまう。しかし南米ジャブローに直接向かうはずだったホワイトベースはジオンの勢力圏内である北米に降下し、満足な補給も受けられず苦戦することになる。

なお、これ以降のガンダム作品において「大気圏突入直前での戦闘」は定番のイベントとなる。彼のザクは左肩のスパイクが4本になっているが、現在に至るまで公式な設定として取り沙汰されていないため、単なる作画ミスの可能性が高い。

目次へ移動する


クラフト

声 - 二又一成

マッドアングラー隊の一員で、ジャブローに潜入した特殊工作部隊の一人。ジャブローからアッガイで脱出しようとしたが、ガンダムのビームサーベルでアッガイを背後から真っ二つに両断され戦死。なお、劇場版では赤鼻のみが戦死しており、彼を含め他の潜入工作員は無事に脱出に成功した模様。

目次へ移動する


クランシー

声 - なし

キャメルパトロール艦隊のリック・ドムのパイロット。ホワイトベースとの交戦中に、ガンダムの姿が見当たらないことを旗艦に報告した直後、ホワイトベースの砲撃が直撃し戦死する。フラシィ、フランシーとも呼ばれる。 目次へ移動する


クランプ

声 - 戸谷公次、飯塚昭三塩沢兼人龍田直樹(劇場版I)、二又一成(劇場版II)、松本大(特別版)

ランバ・ラル隊の副隊長で階級は中尉。ラル同様ゲリラ戦の専門家でラルやハモンの信頼も篤い。ガルマの仇討ち部隊として組織されたランバ・ラル隊のNO.2として、ザンジバルやギャロップでハモンと共に指揮を執っていた。本来は彼が隊の副官であるが、彼はハモンを立て補佐役に徹している。降下してきたザンジバルが継続使用を許されず取り上げられたことに対しては不快の念を隠そうともしなかった。

ソドンの町では、ラル隊の他の面々と共に、アムロに対して好意的に接した。その後、ラル隊を快く思わないマ・クベの作為によって補給が滞り、ラルはホワイトベースに乗り込んで白兵戦を挑むことを決断。クランプも「兵達も喜びます」と賛成する。

この戦いでは、初めての白兵戦で混乱するホワイトベースクルーの隙に乗じてキュイからパーソナルジェットで取り付き、ブリッジの風防へ時限爆弾を仕掛ける。その時、窓の向かい側で彼に食ってかかるキッカを見て、軍艦に子供がいることに驚き、ガラス越しにミライへキッカを連れて避難するよう促し、いかにも人間味のあるラル隊の一員らしい行動をとった。爆破で風防を破った後、ホワイトベース内部へ侵入しようとしたが、内側からの銃撃を浴びて戦死[8]

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、開戦前の予備役時代はハモンの店「エデン」でバーテンダーを務めており、ラルとも長い付き合いであることが描かれている。

目次へ移動する


クリンク

声 - 池田勝

マ・クベの配下で、階級は中尉。グフとドダイYSの連携運用部隊の隊長でドダイYSの機長。ヘイブのグフを乗せたドダイから部隊の指揮を執り、マチルダ・アジャンのミデア編隊を襲撃した。ガンダムに空中換装する前にアムロのコア・ファイターを撃墜しようとした瞬間、逆にカイのガンキャノンから対空砲撃を受けて撃墜された。劇場版には登場しない。

目次へ移動する


クワラン

声 - 市東昭秀

TVシリーズ第14話に登場。劇場版には登場しない。

ジオン軍の前線基地のひとつに所属する青年で、階級は曹長。地球の環境(昼夜の温度差や害虫)に慣れず、戦功を立ててジオン本国に帰りたいと思っていた。連邦軍のモビルスーツの噂を耳にし、有志を募った上で大胆な強襲作戦を企てる。なお上官はガンダムに興味を示さず、作戦はクワラン達に丸投げで、参加もしていない。

クワランはギャルのザクの陽動でガンダムをおびき出し、ワッパで奇襲を行った。高性能の時限爆弾(一発でシールドを破壊する威力)を5個セットすることに成功したが、リモコンの起爆装置がなく時限装置であった。ガンダムへの取り付けの困難さを想定しタイマーを30分に設定していたが、予想外に簡易に取り付けられたため排除する時間的余裕を与えてしまうことになり、オムルの指示を受けて作業したアムロによって、時間ぎりぎりですべて排除されてしまった。クワランらはアムロが爆弾を処理する様子を遠くから監視していたが、いつ爆発するとも知れぬ爆弾を命懸けで外した「馬鹿」の顔を見るため、処理を終えて一息つくホワイトベース隊に、仲間と共に民間の青年団を装って現れ激励するなど、最後まで大胆不敵であった。

なお、14話の冒頭でクワランらジオン兵が見ていたレクリエーション部隊のマジシャンは『無敵鋼人ダイターン3』に登場したコマンダー・エドウィンと同じ容姿である。

漫画『機動戦士ガンダムU.C.HARD GRAPH 鉄の駻馬』(夏元雅人)は、クワランを主人公とした作品。1年戦争前半を舞台とし、908機動偵察中隊第二小隊所属。基地の長距離無線を無断使用して物資を都合する不良下士官だが、仲間を護り生きて宇宙に帰るために戦う様子が描かれている。

目次へ移動する


ケージ

声 - 龍田直樹

カンプと共に偵察機ルッグン(コールサイン=ホットドッグ)に搭乗する。パトロール中にリュウのコア・ファイターと戦闘し被弾、何とか前進基地へ逃げ込もうとするも基地の目前で墜落し死亡。劇場版にて名前が付与された。

目次へ移動する


ゲビル

声 - 飯塚昭三、佐藤正治(劇場版I)、麻生智久(特別版)

6話で声と名前のみ登場。ジオン公国地球方面軍の戦闘機パイロット。ガルマの下でドップ小隊を預かる。スタッフのミスなのか、途中でハンブルと声が入れ替わってしまっていた。後に40話でデザインがバタシャムに流用された。

目次へ移動する


コズン・グラハム

声 - 田中崇(12話)、戸谷公次(16・17話)、兼本新吾(劇場版II)、青山穣(特別版)、宝亀克寿(ギレンの野望シリーズ)

ランバ・ラル隊の一員で階級は少尉、彼の率いるザクIIのパイロット。12話で初登場後、16話で再びラルと共にホワイトベースを攻撃、その際にセイラの乗るガンダムを追い詰める。しかし、アコースを撃破して駆けつけたアムロのガンキャノン(『THE ORIGIN』ではカイのガンキャノン)によって乗機は転倒。コズンはコクピット内で昏倒した。そのまま機体ごと捕獲され捕虜となったことにより、ジオン兵で初めてホワイトベースへ搭乗した人物となる[9]

セイラにはシャアの消息を訊ねられ「失脚し故郷に帰った」と伝える。17話ではスキを見て奥歯に仕込んだ爆薬で独房の鍵を破壊し[10]、ホワイトベースからの脱走を試みる。だがセイラの通報で脱走が発覚。第2通信室から無電で木馬の戦力に関する情報を送信した[11]。最終的にはパーソナルジェットで逃げようとしたところ、オムルが放ったロケット弾の爆風でドアごと吹き飛ばされ、死亡した。 ホワイトベース内逃走中、ハロに当たって転ける際、目玉が飛び出るという、ガンダムには珍しいギャグマンガのような描写がある。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ルウム戦役にもザクパイロットとして参戦しており、バズーカで次々と戦艦を墜としたシャアに自分の予備弾を譲ろうとするも「余計な心配をせずにラルの分[12]も働け」と戒められるシーンがある。しかし、後に捕虜になってセイラと会話するシーンでは「ルウムでのシャアの活躍を知らない」と述べている。

目次へ移動する


コム

本作においてこの人名は2名登場している。

コム(5話に登場)
声 - 玄田哲章
厳つい顔で巨漢のジオン兵。5話にて、シャア率いる部隊の一員として大気圏に突入するホワイトベースを狙って攻撃をかける。ガンダムのハイパーバズーカの直撃でザクマシンガンを失う。続いて左手にヒートホークを持ちシャアのザクとガンダムを挟み撃ちにしようとする。しかし、アムロのガンダムが振り回したガンダムハンマーが乗機の左わき腹に直撃。戦死した。
劇場版にも登場するが、新たなガンダムハンマーのシーンの原画が描かれたにもかかわらず、シーンそのものがカットされ戦死の描写はない。しかし、シャアが大気圏突入中に行なったガルマへの通信でザクを6機失ったと報告していたのでどうやらいつの間にか戦死したらしい。
コム(8話に登場)
声 - 古川登志夫
痩せていて小柄なジオン兵。8話にて、偵察機ルッグン(コードネームはビッグ・ジョン)の副操縦士として登場。パーソナルジェットでガンペリーから脱出するフラウが接近してウインクしたのを見て、頬を赤らめてた若い兵士。その後ガンダムにルッグンを撃墜されて軽傷を負う。ホワイトベースから降りたペルシア夫人に傷の手当をしてもらったあと、バムロと共に原隊に復帰している。
劇場版には登場しなかったが、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』には登場している。

目次へ移動する


ゴロ

声 - もりしげき

ファルメルの乗員でドレンと共にコムサイに搭乗し大気圏に突入した。劇場版Iにて名前を付与されたキャラの一人。

目次へ移動する


コワル

声 - 古川登志夫

ジオンの技術将校で階級は少尉。ブラウ・ブロの試運転中に故障したところへ運悪くパトロール中のGアーマーと遭遇。部下が先走って攻撃したためやむなく戦闘になる。オールレンジ攻撃を展開するも本調子には程遠く、ボルトアウトしたガンダムのビームライフルに搭乗していたブラウ・ブロの左半分を撃ち抜かれ、戦死。

目次へ移動する


コンスコン

Conscon 声 - 永井一郎(テレビ版)、加藤治(劇場版III)、渡部猛(特別版)

ジオン公国宇宙攻撃軍コンスコン機動部隊司令官で階級は少将。ドズル・ザビの腹心の一人。キシリアがシャアを重用していることに反感を抱いたドズルの命令で地球連邦軍第13独立部隊(ホワイトベース)を攻撃するため、チベ級重巡洋艦1隻、ムサイ級軽巡洋艦2隻およびリック・ドム12機からなる機動部隊を率いて出撃した。

テレビ版では、サイド6付近において地球連邦軍第13独立部隊との間で2度にわたって戦闘を行っている。1回目はホワイトベースがサイド6の戦闘禁止区域外に所在するペルガミノの浮きドックに入渠しようとして戦闘禁止区域外に出てきたところを襲撃。ペルガミノの浮きドックを戦闘に巻き込んで破壊し、ホワイトベースの修理という目的は妨害した。だが驚異的なニュータイプ能力を発揮し始めたアムロが駆るガンダムをはじめとする第13独立部隊の応戦によりムサイ級巡洋艦「クワメル」を失い、さらにリック・ドム12機も3分経たずに全滅。この時はシャアの指揮するザンジバルが飛来したため、ホワイトベース側が追撃を行わなかったことにより、窮地を脱することができた。

2回目はテレビ版第34話で、ムサイ級1隻、リック・ドム6機の増援を受けていた[13]。サイド6での修理をあきらめ、覚悟を決めて出てきたホワイトベース側がサイド6の領空を示すブイを通過直後にコンスコン機動部隊の先手を取る形で攻撃を開始したことで早々にムサイ1隻を喪失。サイド6のテレビ局が生中継する中、ムサイとリック・ドム隊はまたも全滅。自身が座乗するチベ1隻となったコンスコンは、チベにホワイトベースへの特攻を命じるも、チベはガンダムのビームサーベル攻撃で轟沈し、彼も戦死した。テレビ版では、重巡洋艦1隻、軽巡洋艦3隻、モビルスーツ18機を失った計算になる。劇場版ではこれらの戦いは一つにまとめられている。

放映後、コンスコンはあまりに呆気ない負け方から、ガンダム関連の書籍などでは典型的な“無能な将”という形で紹介されることが多かったが、近年では「無能ではなくむしろ優秀であったが、それ以上に第13独立部隊の面々(特にアムロ)の成長が著しかったため敗れた」という設定に変わりつつある。彼の実力は実力主義者のドズルの元で少将として戦力を預かっている点からも推察でき、単艦の敵に対し戦力を出し惜しみせず、最初から持てる全戦力を投入する判断は戦術的に極めて妥当なもの[14]で、彼が「戦術の常道」を踏まえる人物である証明である。また、戦闘禁止区域外であることを盾にその存在価値からこれまで両軍が攻撃を控えてきたペルガミノの浮きドックを戦闘に巻き込んで破壊してホワイトベースの修理を妨害し、サイド6での修理をあきらめて出港したホワイトベースにサイド6領空内の先導を買って出たカムランの宇宙艇を傷つければ国際問題になりかねないことを考慮してサイド6領空内の早いうちからリック・ドムの威嚇飛行で引き剥がそうとするなど、少々乱暴な方法ではあるものの、シャア以上に戦争法規違反すれすれのところを見極めて駆け引きができる指揮官であることも表現されている(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、コロニーへの被害を考慮し攻撃を控えるなど良識ある一面も描かれている)。

ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでの南極条約締結の映像では、ジオン側代表の1人として出席している。

雑誌「ガンダムエース」に掲載された介錯の漫画『ジオン少女物語』では、第一波の戦闘で失ったリック・ドム部隊のパイロットの多くは女性であったとしている。その一人には彼が運営資金を寄付していた孤児院の卒院者らしき人物も含まれており、彼女に「(足長)おじ様」と呼ばれ抱きつかれ、赤面するシーンもあった。ただしこの作品自体は公式設定という訳ではない。

なお、シャアがマスクを着用しているのを見て、「なぜ人前でも外さないのか?」とストレートに言及した唯一の人物である。

目次へ移動する


サ行

サグレド

声 - 古川登志夫、徳丸完(劇場版II)、西前忠久(特別版)

ランバ・ラル隊の一員で、ソドンの町で食事を取る時に歩哨に立っていた。アムロを探していたフラウをラルの元へ連行するが、ラルから彼女を放免するように言われたため、止む無く従う。

名前の呼称にサグレ、ザグレドなど揺れが見られるが、アフレコ台本を収録した機動戦士ガンダム台本全記録(日本サンライズ、1980)では該当人物は「サグレド」と記述されている。 目次へ移動する


ジーン

声 - 曽我部和行(テレビ版)、若本紀昭(劇場版I)、森田順平(特別版)

デニム率いる偵察部隊の一員。1話ではザクサイド7へ侵入。地球連邦軍のV作戦によって製作されたモビルスーツ(MS)の部品を目の前に戦功を焦り、偵察任務を放棄し攻撃を仕掛ける。そしてアムロが偶然乗り込んだガンダムと対峙。史上初の「MS同士の戦い」[15]を繰り広げるも、頭部の動力パイプを掴まれ引きちぎられる。その後デニムの指示でスレンダーのいるスペースコロニー出入口まで逃げようとしたが、ガンダムのビームサーベルで背後から機体を真っ二つに切断され戦死。史上初のMS同士の戦闘を行ったという名誉と、命令無視のあげくに撃墜されたという不名誉とを同時に得る結果となった。そして彼のザクはコロニーの壁に穴をあけるほどの大爆発を起こしたが、後にモノアイカメラのみ回収された[16]

ゲーム『ギレンの野望』では、能力値はジオン軍の中でも最低クラスである。彼の独断専行は、ジオン軍全体の「実力・実績主義」「個々の戦闘力(モビルスーツの性能も含めて)は優秀だが、統率が悪くチームプレイが弱い」象徴として引き合いに出されることもある。

小説版では階級が上がり少尉となっている。アニメ版と違い功を焦ってコロニー内での戦闘を始めたのが上司のデニムとなっており、彼もやむなく攻撃参加せざるをえなくなる。その後ガンダムとの戦闘で正面からザクを袈裟斬りにされて戦死。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の公式設定本の書き下ろしエピソードでは、威勢はいいもののシャアのような強者の前では借りてきた猫になるといった性格の弱さを露呈している。

目次へ移動する


ジェイキュー

J.Q.

声 - 古川登志夫(テレビ版)、二又一成(劇場版I)、服巻浩司(特別版)

ジオン公国軍の兵士でザクのパイロット。ジェイスキュー、ジェインスキューとも。5話にて、シャア率いる部隊の一員として、地球への大気圏突入をする間際のホワイトベースに攻撃を仕掛ける。ガンダムがバズーカの弾丸切れを起こした隙に接近。ザクマシンガンの台尻で打撃を加えようと襲い掛かった際に、至近距離からガンダムのバルカン砲で撃たれた。ジェイキューはシャアへ助けを乞うも、ザクが爆発して戦死した。

目次へ移動する


ジオング整備士

声 - 二又一成(テレビ版)、島田敏(劇場版III)、岸尾大輔(特別版)

ジオン公国軍人。階級は軍曹で、宇宙要塞ア・バオア・クーの技術整備士。ジオングを見たシャアに足が付いていないことを指摘されたが、現状で100%性能を発揮できるジオングにとって足は飾りに過ぎず、お偉方にはそれが理解できないのだと断じていた。さらにサイコミュを使いこなせるか尋ねるシャアへ、ニュータイプ能力が未知数ゆえに保証できるわけがないと歯に衣着せずに答え、彼を苦笑させる。シャアの出撃の際には気休めの言葉をかけて見送った。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、「サキオカ」という名称で登場。階級は少尉で、丸顔で等身の低い体型になり、安彦曰く「オタクっぽいイメージ[17]」の人物(モデルはTHE ORIGINの設定全般を担当した岡崎昭行[18])に変更されている。ア・バオア・クーからの脱出の際には貴重な試作機ということでビグロを運び出そうと試みて上官にとがめられている。

このキャラクターを描いた作品がいくつか存在している。小説作品集『ガンダムNOVELS―閃光となった戦士たち』収載の「月光の夢 宇宙の魂」では「リオ・マリーニ」という名前で登場。ジオニック社の社員でジオングの開発に携わった。前述のア・バオア・クーでは、シャアを見送った後に自らも旧式のザクで出撃している。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、アムブロシア基地に保管されたジオング3号機の整備士として登場。この3号機は足が設置された完成体であり、一年戦争後にシャアと再会した際に「ジオングの足もまんざら飾りではなかった」と前言を撤回している。ただしこれらの作品自体は公式設定というわけではない。

目次へ移動する


ジオン・ズム・ダイクン

Zeon Zum Deikun

ジオニズムの提唱者。テレビ版では38話の回想シーンのみに登場する。劇場版では、テレビ版より詳しく描き直されている。

スペースコロニーへの宇宙移民が始まって半世紀以上が経ち、地球にとどまる特権を持つ人々とスペースノイドと呼ばれる宇宙移民の間で対立が深まる中、「スペースノイドからこそ新人類『ニュータイプ』が生れる」と説き、地球からの自治権獲得を訴えて多くのスペースノイドから大きな支持を得た。なお、この「ニュータイプ論」こそが「ラプラスの箱」を地球連邦政府にとっての爆弾へと変化させ、宇宙世紀に影響を与える事となった。やがて、サイド3ジオン共和国として独立を宣言し、首相となる。彼の功績を記念し、ジオン共和国の首都は彼の名をとってズム・シティと命名された。

しかし、宇宙世紀0068年にダイクンが急死すると、ジオン共和国はデギンを筆頭としたザビ家の独裁国家となっていく。

2人の子供がいたが、ザビ家の台頭により居場所を失ったためマス家の養子となりエドワゥ・マスセイラ・マスと名を改め、数奇な運命を辿ることになる。

死については各メディアにより差異があるものの、ザビ家による謀殺説が主流であり、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、実子キャスバルが演説の中で「父ジオンはザビ家に暗殺された」と述べている。

一方、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、側近のジンバが「トリカブトと東洋の毒キノコを調合したモノを飲まされた」と死因について主張していた反面、インタビューで著者の安彦良和は「ダイクンはただ死んだのであってそれに対し陰謀説が一人歩きした」と語っている[19]

同じく『THE ORIGIN』では、死去前夜のダイクンが極度に心身を疲弊していたことが妻アストライアの回想により明かされている。また、軍拡路線を肯定するタカ派であり(逆にデギンらは連邦軍との徹底抗戦を回避しようとする非戦派とされた)、自身をゴルゴダの丘で磔にされるイエス・キリストに例えるなど、アニメ版での聖者のような扱いとは異なり、狂的な自己愛を露わにしたカリスマという解釈で描かれた。また、首相以前はムンゾ大学の教授であったとし、学部長デギンらの配慮で大学内の時計塔内で愛人アストライアに第一子キャスバルを産ませるが、このときすでに息子の誕生を聖誕として演出しようとする自己陶酔者ぶりが窺える。

目次へ移動する


ジッタル

声 - 二又一成

29話に声と名前のみ登場したジオン公国軍人。ズゴックに搭乗し、シャアと共に地球連邦軍の本部ジャブロー総攻撃に参加する。対空砲火を何とか潜り抜け着水したところへ、シャアの避けた魚雷が直撃。戦死した。

目次へ移動する


シムス・アル・バハロフ

声 - 松沢和子、摩利按世(ギレンの野望シリーズ)

ニュータイプ用兵器開発部隊に所属するジオン公国軍の女性技術士官でブラウ・ブロの開発者。階級は中尉。航行テスト中に故障していたところを警戒飛行していたGアーマーに発見されたため、やむなく戦闘に入る。ボルトアウトしたガンダムのビームライフルでブラウ・ブロの左部分を撃破され、分離機構を持つ中央・右部分のみで辛くも離脱に成功する。その後、木星帰りのニュータイプ、シャリア・ブルをメイン・パイロットに迎え、自らは戦闘データ記録のオブザーバーとしてガンダムに雪辱戦を挑む。だがブラウ・ブロを撃墜され、今度は脱出する間もなく戦死した。

結い上げた髪に眼鏡が特徴的。出撃前にシャアとララァに会見し、フラナガン機関の秘蔵っ子と名高いララァに驚きつつも、彼女の普段着姿に難色を示して軍服の用意は無いのかとシャアに問いただしている[20]

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、技術士官ではなく自らブラウ・ブロを駆るニュータイプ部隊長として登場。ア・バオア・クー防衛戦に参加し、ララァと張り合おうとするなとシャアにたしなめられる。セイラ・マスのジム重装甲型と交戦し、大破させるも相撃ちとなり戦死した。なお、初出時は髪型がおかっぱ頭になるなど容姿はやや若く描かれたが、のちに元のデザインに戻っている。 目次へ移動する


ジョイス

34話に名前のみ登場。コンスコン隊に所属するリック・ドムのパイロット。サイド6を出港するホワイトベースへ攻撃を仕掛けるが、厚い弾幕の前に機体を直撃されて戦死。

目次へ移動する


ジンバ・ラル

声 - 滝雅也

ランバ・ラルの父であり、シャアとセイラの回想シーンにのみ登場する。ジオン共和国の創始者ジオン・ズム・ダイクンの側近。ダイクンの死後、政権を簒奪したデギンによってジオン公国が成立すると、その迫害を避けるためダイクンの遺児であるキャスバル(シャア)、アルテイシア(セイラ)とともに地球に逃れ、その保護者となった。彼は、ダイクンの死をデギンの陰謀による暗殺であると主張し続けてきた。また、キャスバルとアルテイシアに、ジオン・ダイクンの説いたニュータイプの思想について説明をしているセリフもある。劇中の回想シーンでは、好々爺然としたスマートで白髭を蓄えた老人として夫人とともに二人の遊び相手をしており、アルテイシアは親しみをこめて「爺や」と呼んでいる。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では権力を簒奪したザビ家への憎悪に凝り固まった偏執狂的な老人として描かれており、息子のランバからも呆れられていた。ランバの依頼によるクラウレ・ハモンタチの手引きでキャスバルやアルテイシアと共に船荷に隠れてジオンを脱出。地球に降りてマス家で暮らしつつキャスバルに対し、人類のニュータイプへの覚醒やザビ家への憎しみを植えつける養育を施すが、アルテイシアは辛気臭い彼を嫌い、話を聞こうともしなかった。また、キャスバルとアルテイシアを引き取り養子としていたマス家の当主テアボロ・マスも幼い2人を無理矢理ジオンへの反攻に加担させようとする彼を強く非難した。しかし、その一方で彼らの亡命先はキシリアの諜報機関によって監視され続けており、アナハイムと手を結びジオンへ反攻を計画しているジンバを危険視したキシリアの命でマス家を暗殺者の一団が襲撃した際に、甲冑を着た暗殺者に刺殺された。

目次へ移動する


ステッチ

声 - 塩沢兼人、稲葉実(劇場版II・特別版)

17話・19話に登場。ランバ・ラル隊の隊員で階級は伍長。コズンとアコースがいなくなった後にザクのパイロットとして登場した。劇中ではランバ・ラルと共に、ホワイトベースを攻撃。脚部に装着したミサイルポッドでガンタンクのキャタピラを破壊した。その後、ホワイトベースを真後ろから攻撃しようとして接近。それを察知したミライの機転によるエンジンの全力噴射を受け、その噴射熱でザクもろとも爆死した。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ホワイトベースの天井に張り付いて攻撃するなどアニメ版のグフの役割りだった。アニメ版とは異なり生き残って、後にラルが白兵戦を挑んだ時にホワイトベースを攻撃するも、ガンダムによって撃破される。

目次へ移動する


スレンダー

声 - 鈴木誠一(テレビ版・劇場版I)、柳沢栄治(特別版)、田中秀幸(機動戦士ガンダム PERFECT ONE YEAR WAR)、中嶋聡彦(ギレンの野望シリーズ)

階級は軍曹。1話にて、デニムジーンと共にザクIIでサイド7へ偵察に赴き、スペースコロニーの出入口付近でデニムから待機を命じられた。V作戦によるモビルスーツ開発施設を確認した後に、サイド内で戦闘を始めた二人のザクIIがガンダムに撃破されるのを目撃し、母艦のファルメルへ帰還した。この時点では、V作戦に最初に接触した3人のうち、唯一生き残ったパイロットであった。コロニー内での戦闘には参加していなかったはずだが、報告時になぜか腕を負傷して包帯で吊っていた。シャア自らサイド7への再偵察を行った際には、案内人として突撃隊員に指名されている。2話ではシャアを援護するために再度ザクIIで出撃し、ガンダムの未確認武装(ビームライフル)を視認してうろたえ、シャアから「当たらなければどうという事はない」と宥められるも、結局ビームライフルの直撃で乗機を撃破され戦死する。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、階級は伍長で同僚のジーン(ジーンは兵長)よりも階級が上になっている。ガンダムの武器にうろたえることなくシャアの援護につき、ザクマシンガンでガンダムの足止めをするなど、アニメ版と比べると若干活躍している。また、デニムと同じくルウム戦役に参戦している。

目次へ移動する


ゼイガン

声 - 永井一郎(19話)、鈴置洋孝(21話)、麻生智久(特別版、カードビルダー)

ランバ・ラル隊の一員。19話にて、脱走したアムロを探しにやってきたフラウがバギーでホワイトベースへ戻るのをソドンの町からバイクで追跡し、ホワイトベースの位置を探り出し暗号を送る。偵察用バイク乗りで荒地や砂漠を物ともしないライディング技術は部隊随一である。21話でもホワイトベース襲撃前の偵察任務を敢行し、ホワイトベースがラルの白兵戦のダメージから兵力が落ちていることをハモンとタチに報告していた。 目次へ移動する


セシリア・アイリーン

声 - 井上喜久子(ゲーム作品)

名前の初出は小説版。19歳。ギレンの第1秘書を務める才色兼備の美女。ギレンとの肉体関係を示唆した描写が存在しており、愛人の1人でもあった模様。卑賤な生まれ育ちながらもその傑出した才能がギレンの目に止まり、抜擢を受ける。モスグリーンの制服に身を包み、髪色はブラウン。終盤ではキシリアによるズム・シティ急襲を感知するなど、ニュータイプらしき片鱗をも覗かせた。

劇場版『めぐりあい宇宙編』で登場したが、こちらでは金髪を結い上げた赤い軍服[21]姿の美女として安彦良和によってデザインされており、以降のシリーズ作品群ではこの姿に準じている。なお、台詞は無くビジュアルのみの登場だった[22]

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、サイド3で発生したアンリ・シュレッサー率いる首都防衛大隊の決起を口実に、反ギレン派勢力の排斥とキシリア・ザビの逮捕を画策するが、ア・バオア・クー戦終結直後に真相が露見し逮捕されている。ただしこの作品自体は公式設定という訳ではない。

書籍『M.S.ERA』では、敗戦後にギレンの事務室で連邦軍女性兵士によって武装を解除され、身体検査を受けるセシリアのイラストが掲載されている。

ゲーム『ギレンの野望』では、プレイヤーがジオン公国を選択した場合、セシリアがギレン(プレイヤー)のナビゲート役として登場。

目次へ移動する


ソル

声 - 塩沢兼人

クワランギャルと同じ前線基地に所属する若いジオン兵で、階級は軍曹。司令官直属の通信兵を務めている。

他のメンバーとは違って軍服の襟を常に正している。ガンダム破壊作戦の時にはクワランらとともにワッパに乗ってガンダムに時限爆弾をセットした。作戦失敗の後、地元の青年団になりすましタンクトップ姿でクワランたちと共にアムロを激励に現れていた。劇場版には登場しない。

漫画『機動戦士ガンダムU.C.HARD GRAPH 鉄の駻馬』では、情報部志望で兵学校においてクワランの一年後輩とされている。

目次へ移動する


脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀
  1. 実はイワノフの戦死シーンが流用されているが、シャアのセリフは「赤鼻が!」だった。
  2. テレビ版第38話。ウラガンとデラミン艦長の会話より。
  3. テレビ版第1話、ガンダムとジーンの戦闘を流用。
  4. ラポート出版の当時のアニメ雑誌「アニメック」では、誤って22話のジオン兵設定画を彼として紹介していた。
  5. テンプレート:Cite web
  6. 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』23巻収録・安彦良和ロングインタビュー
  7. ガンダムに妨害され帰投したくてもできなかったという見方もある。
  8. このシーンは劇場版で描き直されており、撃たれて絶命するクランプの表情がクローズアップされている。
  9. コズンとブライトの会話により、初めて南極条約の存在が視聴者に明らかとなった。
  10. ホワイトベースの士官達が見習いや民間人だったため、身体検査のチェックの甘さが原因であった。
  11. この際に彼が「ガンダム」他2機の連邦MSの名称を伝えた事から、以降ジオン側もその名称を用いている
  12. この時ラルはブリティッシュ作戦の非人道さに抗して軍を離れていた。
  13. コンスコン隊に補給するパゾク級補給艦の姿が確認できる。
  14. 戦力の逐次投入は、戦術的には愚行中の愚行とされる
  15. 後年制作されたOVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第2話(劇中時間0079年5月8日)では、連邦軍特殊部隊セモベンテ隊が鹵獲した陸戦型ザクIIでジオン軍のザクIを撃破している。現在のところ、この戦闘が最初のMS同士の戦いである。また漫画『機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム』でも、ブリティッシュ作戦時にて連邦軍のイライザ・オロマ中佐が鹵獲したザクIIに乗り、ストレット小隊のザクIIと戦闘行為を行っているが、この作品自体は公式設定という訳ではない。
  16. OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話では、アルベルト・シャハト技術少将にこの回収映像が提出された。ザクのモノアイを通じて撮影されたらしく、ガンダムに動力パイプを引きちぎられた段階で映像は途切れており、ジーンの悲鳴も録画されている。
  17. 「ガンダムエース」2010年10月号ロングインタビューより。
  18. 『THE ORIGIN』単行本23巻末のインタビュー
  19. 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』 角川書店 13頁。
  20. ララァの軍服については、40話ではキシリアも命令しているが、改められることはなかった。劇場版『めぐりあい宇宙編』にてようやく軍服姿のララァが登場する。
  21. この軍服と同じ仕様のものを、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』に登場する総帥府勤務だったモニク・キャディラック特務大尉も着用している。
  22. 第41話で、アサクラからの連絡をギレンに取り次いだ女性(声:鵜飼るみ子)が彼女だとする説もある。なお漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でもアサクラからの連絡をギレンに取り次いだ役はセシリアとなっている。