東京バス案内

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テンプレート:Infobox 東京バス案内(とうきょうバスガイド)は、東京都都営バスを運転するドライビングシミュレーションゲームである。

発売元、開発元はフォーティーファイブ(45 XLV)。東京都交通局の全面協力のもとで開発された。ドリームキャストで発売された後、アーケードに逆移植され、更にPlayStation 2へ移植・続編がサクセスから発売された。

シナリオライターとしてコラムニスト泉麻人が参加。コンシューマー版のストーリーモードでは泉をモデルにした乗客がゲーム中に登場し、沿線や都バスにまつわる蘊蓄を述べる。

特徴

身近でよく見かけるものの、一般には運転する機会がまずない路線バスの運転を楽しめるというコンセプトで作られたゲームである。運転だけでなく、停留所や時間帯によって乗客の客層が変わったり、東京の色々な地域の風景を楽しむことができる。交通ルールはほぼ日本の道路交通法に準じるもので、変速操作についてもマニュアルトランスミッションクラッチペダルによるシフトチェンジが無い、前進と後退のみのオートマ車未満の状態となっており、自動車運転免許未取得者でもプレイし易い作りとなっている。

プレイヤーはバスの運転手として、交通ルールを守り、安全且つ快適に乗客を輸送する必要があり、急発進をする、急ブレーキを使用する、速度制限を違反する、ダイヤから遅れる、ウインカーを出し忘れる、接触事故人身事故を起こすなどの行為があると、最初に100点あった持ち点数が徐々に減少し、それが0になるとリタイアになってしまう。人身事故のペナルティがもっとも大きく、殆どの場合一発でリタイアになる。

単に交通ルールを遵守するだけではなく、時々交通ルールを無視して突っ込んでくる他車や、突然急ブレーキをかける他車、突如目の前に飛び出して来る歩行者などといったハプニングが多数存在し、これらの事前回避も重要となってくる。しかし、ゲーム中では1秒でも到着が遅れるとペナルティとなり、完全に交通ルールを遵守しているだけではかなりの率でダイヤから遅れてしまうルートなども存在し、「公共車両の安全運転」をある程度無視しないと「ゲームとしての難易度」を達成できないという矛盾も生じている。

パート1ではコンティニューが設けられず、持ち点数が無くなった時点で即ゲームオーバーとなるため、リトライは始発からやり直しとなる。持ち点数を減らさずに終点まで辿り着いた順にスコアへ換算される。

ドリームキャスト版

1999年12月23日発売。帯の煽りは「急募! 都バス運転手。素人歓迎。」であった。周辺機器はぶるぶるパック・レーシングコントローラー・VGAボックス(出力)が対応している。本編との連携は無いが、ビジュアルメモリに「交通標識クイズ」をダウンロードして遊ぶことが出来る。

日中・夕方・夜の3モードで

が運転できる。使用車種はいすゞ・キュービックで、「低公害バス」の行灯と側面表記があることから、田70では都営バス新宿支所(当時新宿営業所)のハイブリッド車(LV280L/CHASSE) 、虹01では都営バス深川営業所CNG車(LV288L)を想定したと推測される。

美人バスガイド添乗パック

「アーケード版大ヒット謝恩記念 限定版 『東京バス案内(ガイド)〜美人バスガイド添乗パック〜』」として2000年12月21日発売。ゲームディスク(上記と同一)に加え、バスガイドの解説による模範プレイ(運転)の動画が収録された「おまけディスク」との2枚組となっている。

アーケード版

2000年にDC版から逆移植の形でリリースされた。路線バスを模したリアルな二人乗り大型筐体セガ18WHEELERと同一)が採用されている。大型のステアリングホイールには、方向指示器(ウインカー)の操作レバーやクラクションも装備されている。ハンドルのギミックやウーファーの重低音により車両の振動も再現している。

ゲーム画面やコースは基本的にDC版を踏襲しているが、ストーリーモードと【梅76】系統および夜間コースの削除、初心者向けの【虹01】昼コースでは始発から次の停留所間までは「仮免許区間」として時間以外の減点が免除、画面中のいすゞキュービックの後部窓付近に『ドリームキャスト』のロゴマークが掲げられているといった細かな差違がある。筐体の後部には「みんくる」のイラストが掲げられているほか、プレイできる路線図や操作方法などのステッカーが座席側に貼られている。

アーケードのゲームバランスに合わせるため、持ち点数などがコンシューマー版に比べ厳しくなっている。反面、速度制限オーバーに対するペナルティが緩かったり、信号無視等の明らかな違反行為に対するポイント減点が低く設定されている。

東京バス案内(ガイド) 今日からキミも運転手

テンプレート:Infobox 2001年5月10日発売。ドリームキャスト版の移植であるが、追加要素がある。「チャレンジモード」は教習所コースをバスで制限時間内に周回するというものであり、このコースでのみ都営バスの他に、小型ボンネットバス、二階建バスも使用出来る。

また、ドリームキャスト版のビジュアルメモリに代わってPocketStationに「交通標識クイズ」をダウンロードして遊ぶことが出来る。PS2に移植される際、なぜか『梅76』夕方コースのBGMと同夜コースのBGMが入れ替わっている。

2003年8月7日に、SuperLite2000として廉価版が販売された。SuperLite2000発売当時のCEROレーディングはA(全年齢)相当となっている。

東京バス案内(ガイド)2

テンプレート:Infobox 2005年9月8日にPlayStation 2用にサクセスから発売。早期購入特典としてオージが制作協力した降車ボタンのアクセサリー(ボタンと押下すると「次止まります」のアナウンスが流れる)が同梱された。

以下の路線(区間は発売時点のもの)を運転することが出来る。

2006年9月14日にはSuperLite2000として廉価版が発売された。CEROレーディングはB(12歳以上・コンテンツアイコンは犯罪)相当となっている。

前作からの主な変更点は以下のとおり。

  • グラフィックの向上。
  • ロジクール発売のステアリングコントローラ、GT ForceGT Force Proに完全対応しており、前作に比べ、より一層リアルな運転感覚を楽しむことが出来る。GT Force Proでは900度モードで動作する。
  • 往路のみではなく、復路の運転も出来る。
  • リタイアになっても、コンティニューをして一つ前のバス停からやり直すことが出来る。
  • 車両がいすゞ・キュービックから日野・ブルーリボン(A457・U-HT2MLA改)または日野・ブルーリボン ノンステップ(E40X・KC-HU2PMCE) に変更される。
  • 大型車特有のエアブレーキシミュレーションが向上している。
  • 操作アクションの増加。前作のドアを閉める操作だけではなく、開ける操作もプレイヤーがする必要がある。ミラー確認・目視が適時可能になっている。
  • 乗客リアクションの追加。運転中には乗客の雑談が聞けるほか、運転ミス・事故を起こしたりすると、悲鳴を上げる。
  • 道路の勾配が、自車の挙動に影響するようになった。上り勾配では加速力が低下し、下り勾配ではスピードが上がりやすくなる。坂道で停車する場合、ブレーキを踏んでいないと転動する。
  • いっしょモード(二人プレイ)ができる。二人で運転操作を分担したり、一人が客として応援したり、文句を言ったり、ブザーを鳴らしたりすることが可能。

キャスト

備考

  • 1,2共にコース数は3つのみ。2は復路もあり。
  • 扱っている車種が限定されており、実際の運行車両を完全網羅しているわけではない。また、実際にはその営業所ないし支所に存在しないバスを運転する場合がある。1では青梅支所にいすゞキュービックがない、2では日野ブルーリボンの配置は品川営業所・渋谷営業所・江戸川営業所・深川営業所・杉並支所・青梅支所・港南支所のみ。
  • 現実的に起こり難い状況で、わざわざ事故を誘発する様な危険な動きをする他車、歩行者などが存在する。特に2では、一時停止違反や、右折違反をする一般車もあり、それによって起きた事故も減点対象となり、接触事故のためほとんどの場合でゲームオーバーとなってしまう等の困難な状況が発生する。
  • 1の「梅76」の東青梅駅前~青梅市役所前の区間で前方に山が見えるが、東の方角で東京都心方向になるため、実際には山は無い。また、坂下~成木市民センター前の区間の下り坂も存在せず、実際は平坦な道である。
  • 1の発売後、ゲームに登場する路線に変化があった。
  • 1,2共に、サイドミラーに映る風景が、大幅にずれて表示される問題があり、バスより遥かに前の空中にサイドミラーを設置している様な映像になってしまう。
  • 2では「上23 上野松坂屋前行き」の路線にコース情報の表示バグが存在する。東墨田会館前から2つ目の信号を渡る時に、左折すべき箇所で「次は直進」と表示される。この点については取扱説明書の末尾に訂正文が記載されている。
  • 2の反96は現在、五反田駅~六本木ヒルズの運行に変更されているほか、早81系統は所管が小滝橋営業所から新宿支所に変更となっている。また、上23系統は押上周辺・墨田区役所周辺で経路変更が行われたため現在とは経路が異なる。

参考文献

  • 東京バス案内(ガイド)及び2のPlayStation 2版取扱い説明書

関連項目

外部リンク

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