日産・エルグランド

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エルグランドELGRAND )は、日産自動車販売するワンボックス型のミニバン。製造は初代と2代目が日産車体湘南工場、3代目は日産車体九州

日本国内での販売のほか、E51・E52型は香港シンガポールにも輸出される。E52型から前後意匠を刷新、また全長・全幅を拡大し2011年からクエスト(R42H型)として米国に輸出開始。

歴史

初代 (E50型 1997年-2002年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 グレードは最上級から7人乗り「X」、8人乗り「V」、最廉価「J」という構成。「X」のみ本革・サプラーレコンビシート、オートスライドドア、電子制御サスペンション「アクティブダンパーサスペンション」がオプション設定され、「J」を除いた全グレードにはツインモニターTV・ナビゲーションシステムがオプション設定された。「V」はミドルグレード、最廉価「J」にはオートクロージャードア、電動格納式ドアミラーなどが装備されていない。スピーカー数も2つである。前後席のウォークスルーを可能にする「スーパーマルチシート」を採用する(その使い勝手の良さは、現在販売されているミニバンへ影響を与えたともいわれている)。

当初は、モーター系(ローレル販売会社)が「キャラバン・エルグランド」(CARAVAN ELGRAND)、プリンス系(スカイライン販売会社)が「ホーミー・エルグランド」(HOMY ELGRAND)と車名が分けられており、エルグランドのエンブレムは、「キャラバン~」が赤、「ホーミー~」が青となっていた。

  • 1997年5月 - キャラバンホーミーミニバンタイプとして登場した。
  • 1998年1月 - ラルゴセレナで人気を博したスポーティーグレード「ハイウェイスター」が設定される。「V」をベースにし、専用メッキグリルやエアロパーツ、本革/サプラーレ/トリコット地の専用シートなどを装備していた。
    同時にオーテックジャパンから、当時の日産の社長車として話題となった「ロイヤルライン」がエルグランドをベースとして発売された(4人乗り、新車価格695万円)。
    • 5月15日 - オーテックジャパン扱いの高規格救急車パラメディックがフルモデルチェンジにより本モデルベースとなった。本モデルのフロントと、E24型キャラバンのリアを流用してつくられているが、ただ単にキャラバンのボディを流用するだけでなく、フロントドアより後ろをエルグランド比で125mm、キャラバン比で210㎜拡幅した専用ボディとなっている。このボディは後述の「ジャンボタクシー」や前席以外のシートがすべて取り払われてキャンピングカーのベース車として一時期に大量に供されたこともある「エルグランド特装車」のベースにもなった。2011年現在はパラメディック以外は生産中止になっている。後にパラメディックは「スーパーメディックII」という名でいすゞ自動車にOEM供給されたが、2002年で販売終了になった。
    • 10月5日 - 「X」・「V」・「ハイウェイスター」の3グレードに、「ラウンジパッケージ」を設定した。「ラウンジパッケージ」は、パックオプションとしてフロント回転対座シート、リッド付のカップホルダーを備えたセカンドシートバックテーブル、セカンド回転横向きシート、電動ピュアクリーンカーテンなどを装備した。また、同時に「X」に8人乗り仕様が追加され、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダー」が発売された。
    • 11月18日 - 1997年4月の生産開始より約19か月で国内生産累計が10万台を突破。
  • 1999年8月30日 - マイナーチェンジ。ディーゼル車はエンジンをZD30DDTi(直4DOHC・170PS・3,000cc直噴インタークーラー付ターボ)に変更し、約25%の燃費向上と、静粛性の向上が図られた(同時に車両型式をATE50/ATWE50型に変更)。外装については、バックドアフィニッシャーを透明アクリル化し、リヤコンビランプ周辺を黒色化した。同時に車名を「エルグランド」に統一し、エルグランドのエンブレムはこれを機に赤と青から白に変更された。
    オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「ロイヤルライン」も併せてマイナーチェンジされた。
    • 12月24日 - 「V」をベースに、本革・サプラーレコンビシート、木目・本革巻コンビステアリング、エルグランドスーパーサウンドシステム、ファインビジョンメーター、ボディサイドストライプ、CDチェンジャーを装備し、「ホワイトパール3コートパール」の専用ボディカラーを設定した特別仕様車「スペシャルエディション」を発売(2000年3月31日までの期間限定販売)。
  • 2000年4月3日 - 特別仕様車「プライムエディション」を発売。特別装備の主要内容は直前まで販売されていた「スペシャルエディション」とほぼ同等だが、ボディカラーは2トーンカラー2色を含む4色を設定した。
    • 4月6日 - オーテックジャパン扱いの「ジャンボタクシー」を発売。10人乗りで、ガソリン車とディーゼル車が設定される(ディーゼル車は遅れて同年5月25日より販売開始)。
    • 8月23日 - 2度目のマイナーチェンジ。ガソリン車はエンジンを旧態依然となったVG33EからVQ35DEに変更(車両型式をAPE50/APWE50型に変更)。さらに、サスペンション取付部にクロスバーを設定し、剛性アップを図ったことで乗り心地と操舵安定性を高めた。フロント周りのデザインを一新し、高級感やワイド感を高め、「ハイウェイスター」を除く全グレードでフロント&リヤラウンドソナーを標準装備した。「X」はフードマスコット、メッキドアミラー、アルミロードホイール(クロームカラーコート)を採用した。グレード体系を一部変更し、最廉価グレードの「J」を廃止する代わりに、本革・サプラーレコンビシート、木目・本革巻コンビステアリングを採用し、セカンドシートに中折れ機構を装備したコンフォタブルキャプテンシートに変更した最上級グレードの「X-リミテッド」を新設(「X-リミテッド」は「X」の変更内容も併せて適用されている、ガソリン車・7人乗り仕様のみの設定)。
    • 10月24日 - オーテックジャパン扱いの「Kid'sバージョン」を発売。「V」をベースにセカンドキャプテンシート、専用シート生地(カブロン/パートナーコンビ)、トラッシュボックス、ラゲッジトレイ、ラゲッジネット、電源コンセント(100V-100W)等を装備した。
    • 12月25日 - 「V」をベースに、「ハイウェイスター」用のエアロパーツ、プライバシーガラス、本革巻ステアリング、専用シート地などを採用し、キセノンヘッドランプを標準装備した特別仕様車「リミテッドエディション」を発売(2001年3月末までの期間限定販売)。
  • 2001年5月8日 - 「V」をベースに、エアロパーツやプライバシーガラス(セカンド・サード・バックドア)、CD・MD一体AM/FMチューナーラジオ、本革巻4本スポーツステアリング、専用シート地を採用した特別仕様車「S-エディション」を発売。同時に、「ハイウェイスター」にはキャプテンシートを採用した7人乗り仕様を新設した。
    • 5月8日 - 期間限定車「コールマンバージョン」を発売(同年8月末までの期間限定販売)。アウトドア用品メーカーのコールマン社との協力により開発された仕様で、「V」の「ラウンジパッケージ」装着車をベースに、専用シート・ドアトリム地、電源コンセント(100V・100W)、ラゲッジスポットランプ(光軸調整式)、リモートコントロールエントリーシステム(2個、バックドア連動、作動確認機能付) 、サードシートバックネット、寒冷地仕様(ヒーター付ドアミラー、ワイパーデアイサー、大型バッテリー)などを装備した。
    • 8月29日 - 国内登録累計20万台を記念した特別仕様車「メモリアルセレクション」を発売。「V」をベースにCD・MD一体AM/FM電子チューナーラジオ、プライバシーガラス(UVカット断熱機能付き)、電動格納式リモコンメッキドアミラー、メッキドアハンドルを装備。同時に同仕様の「ラウンジパッケージ」装着車をベースに、専用シート&ドアトリム地、電源コンセント(100V・100W)、寒冷地仕様(ヒーター付ドアミラー、ワイパーデアイサー、大型バッテリー)等を装備したサロモン&テーラーメイド社の協力により開発した期間限定車「バージョン-S」を発売。後者は2001年12月末までの期間限定販売である。

2代目 (E51型 2002年-2010年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 初代同様にテラノ系のプラットフォームを流用しているが、後輪のサスペンションがマルチリンク式の独立懸架に変更され、PCDが139.7の6穴から114.3の5穴に変更され、先代は当時日産のRV車に多く採用されていた後輪ドラムブレーキであったが2代目からは全車4輪ディスクブレーキを採用するなど変更箇所は多く、運動性能を向上させている。改良したプラットフォームはエルグランド専用に使われることになった。また、スライドドアは両側スライドドアとなった(「VG」は助手席スライドドアのみの4ドア仕様を設定)。同クラスのライバル車とは異なりエンジンが縦置きとなっているが、リア周りの重量が増しがちなこの手の車の場合は後輪駆動ベースのほうが加速時や旋回時に駆動力がかかりやすく、大きなメリットとなる。しかし、後輪駆動のデメリットの一つであるフロア高の高さや、経済面で有利な排気量2.5L未満クラスのエンジンが無い事が仇となり2.5L車が設定されるまで競合車種(特に、偶然にも発売翌日に発売されたトヨタ自動車アルファード)に差をつけられてしまう。エンジンは先代の後期型同様、VQ35DE型を搭載するが、環境性能の向上により「超-低排出ガス車(★★★)」認定を取得。トランスミッションも先代同様オートマチックであるが、初代の4速から5速に変更した。グレード体系は「V」・「VG」・「ハイウェイスター」・「X」・「XL」の5グレード体系となった。

次期型(E52型)はFF化が最大の壁となって開発が難航したため、8年にわたって販売され、国産乗用車の中ではロングセラーモデルとなった。

  • 2002年5月21日 - E51型にモデルチェンジ。
    • 10月2日 - 先代でも発売されていたオーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダー(Rider)」をフルモデルチェンジにより再発売。ベース車両は「VG」の5ドア仕様となる。
    • 12月19日 - オーテックジャパン扱いの「VIP仕様車」を発売。最上級グレードの「XL」をベースに、乗員人数を4人に減らし、後席にセンターアームレスト付専用本革シート、電動式スライドステップ、専用パーティションボード付トランクボード、専用セカンドシートロングスライドレール、後席専用読書灯+ルームランプを装備。受注生産で個別仕様が設定できるオーダーメード車で、後席専用オーディオシステム(VHS+CD+DVD)や専用オットマンなど豊富なオプションも用意されている。
    • 12月24日 - 国内販売累計25万台達成記念車「VG バージョンL」、「ハイウェイスター バージョンL」を発売。カーウイングス対応TV/ナビゲーションシステム(DVD方式)、インテリジェントキー(キー2本付)、バックビューモニター、エルグランドスーパーサウンドシステム&6スピーカー、ステアリングスイッチを特別装備した。
  • 2003年5月8日 - 70周年記念特別仕様車「V 70th」を発売。「V」をベースに、CD一体AM/FM電子チューナーラジオとETCユニットを特別装備し、カーウイングス対応TV/ナビゲーションシステム(DVD方式)と助手席側リモコンオートスライドドア(挟み込み防止機構付)をオプション設定に追加。併せて、一部改良も行い、ボディカラーはブラック(「ハイウェイスター」専用色)とダイヤモンドシルバーメタリック(「ハイウェイスター」を除く)を追加し、「VG」と「ハイウェイスター」にカーウイングス対応TV/ナビゲーションシステム(DVD方式)のオプション設定を追加した。
    • 8月27日 - 「ハイウェイスター」を一部改良。フロントグリルのフルメッキ化、アルミロードホイールのクロームカラーコート化、フォグランプまわりの車体色化を行い、内装についてはステアリングのブラック化、ジャガード織物のシートの採用、シフトノブの本革部分ブラック化、インストルメントパネル中央部の操作パネルのダークグレー化を行った。
    • 10月22日 - オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダーS(Rider S)」追加。既存の「ライダー」に対し、内装色を黒にコーディネートしている。
  • 2004年4月7日 - カーウイングス対応TV/ナビゲーションシステム(DVD方式)、バックビューモニター、ステアリングスイッチなどを装備した特別仕様車「V NAVIエディション」・「ハイウェイスター NAVIエディション」を発売。
    • 8月25日 - マイナーチェンジ。フロントデザイン、リアバンパー、ランプ類等のデザインを変更。リアコンビネーションランプはテールランプとブレーキランプが分離され、ブレーキランプはLED化された。インテリアはインパネ及びダッシュボードの形状変更、各部木目調パネルの採用、照明リング付きファインビジョンメーター、スイッチ類のメッキ処理等により高級感を演出している。また、シート位置を48mm後方化したことでドライビングポジションを改善し、「X」・「XL」にはセカンドシートオットマンを採用。全車に全席アクティブヘッドレストとターンランプ内蔵ドアミラーを標準装備し、「XL」にはBOSEサウンドシステム、サイドブラインドモニター、アクティブAFSも標準装備された(アクティブAFSは「ハイウェイスター」にも標準装備。その他のグレードにもオプションにより装備可能)。環境性能も向上し、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得するとともに、車両重量が2,020kg以上の2WD車は「平成22年度燃費基準+5%」も同時に達成した。なお、グレード体系を整理し、「V」を廃止、「VG」の4ドア車も廃止となったことで全車5ドアとなった。併せて、オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「ライダーS」もマイナーチェンジを行い、フロントデザインの変更と専用リアバンパーの追加、専用フィニッシャーのデザイン変更・採用部位拡大を行った。
    • 12月22日 - ライバル車種のトヨタ・アルファードが車両価格、燃費、税制面で有利な4気筒・2.4Lエンジンの設定が功を奏したため、ミニバン2.5Lクラスでは唯一となるV6仕様のVQ25DE型を搭載した2.5L車を追加。グレード体系は3.5L車のマイナーチェンジ時に廃止となっていた「V」と「ハイウェイスター」の2グレードを設定している。併せて、既存の3.5L車を含む全車にDVDオーディオ&ビデオ再生ができる5.1chサラウンド・カーシアターシステムのオプション設定を追加した。
  • 2005年4月28日 - 「V(2.5L車)」・「VG(3.5L車)」をベースに、アクティブAFSと6スピーカーを装備し、「ハイウェイスター」用のエアロパーツを採用した特別仕様車「Vエアロ」・「VGエアロ」と、オーテックジャパン扱いの「ライダーS」をベースにアクティブAFS、インテリジェントキー(2.5L車のみ、3.5L車はベース車に標準装備)、専用アルミペダル、専用スポーティーフロアカーペット、キッキングプレートを装備した特別仕様車「ライダーアルファ」の3グレードを発売。
    • 12月26日 - 「ハイウェイスター」をベースに、カーウイングスナビゲーション(DVD方式)&ツインモニターシステム、リモコンオートスライドドア(運転席側)、インテリジェントキー(2.5L車のみ)を装備した特別仕様車「ハイウェイスター プレミアムナビエディション」を発売。
  • 2006年5月30日 - 「ハイウェイスター」をベースに、地上デジタルテレビ放送用チューナー、カーウイングスナビゲーション(DVD方式)&ツインモニターシステム、リモコンオートスライドドア(運転席側)、インテリジェントキー(2.5L車のみ)、パーキングサポートシステム(ベーシック カーアラームタイプ)等の装備やイルミネーション・ドレスアップ系アイテムを装備した特別仕様車「ハイウェイスター アーバンセレクション」を発売。
    • 8月30日 - オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ライダーアルファII」と「ハイウェイスター アーバンセレクション Jパッケージ」を発売(「ライダーアルファII」は2007年3月末までの期間限定販売)。前者は2005年4月に発売した「ライダーアルファ」のバージョンアップ仕様で、新たにインテリジェントキー(2.5L車のみ、3.5L車はベース車に標準装備)とマジカルイルミネーションを追加。後者は同年5月に発売された「ハイウェイスター アーバンセレクション」から特別装備の一部を省いたことでより購入しやすい価格に設定した仕様である。
    • 12月19日 - 「3.5L ハイウェイスター」をベースに、黒本革シート、運転席オートスライドドア、ステアリング/シフトノブ木目調加飾等を装備した10周年記念特別仕様車「3.5L ハイウェイスター ブラックレザーリミテッド」を発売。併せて全グレード(オーテックジャパン扱いのグレードを含む)にカラードフロントサイドアンダーミラーを標準装備し、木目調加飾の追加(「V」を除く)、インテリジェントキーをはじめとする人気装備を追加して利便性を高めた。なお、この一部改良に伴い「VG」を廃止した。
  • 2007年6月20日 - 「3.5L ハイウェイスター」をベースに、グレー本革シート(一部合成皮革使用)、専用ブラッククオーツ調パネル、カーウイングスナビゲーション(DVD方式)&ツインモニターシステム等を装備した10周年記念特別仕様車第2弾「3.5L ハイウェイスター スタイリッシュシルバーレザー」を発売(2007年8月末までの期間限定販売)。
    • 10月23日 - マイナーチェンジ。「ハイウェイスター」のフロントグリルはセンターにボディ同色のラインを配した2段構造のデザインとなり、市販車初となるアラウンドビューモニターを同日発売の特別仕様車「350ハイウェイスター レッドレザープレミアムセレクション」に標準装備、「ライダー」を除くその他のグレードにオプション設定。カーウイングスナビゲーションシステムはHDD方式に変更した。また、グレード体系の見直しを行い、2.5L車は「250ハイウェイスター ブラックレザーエディション」を追加した3グレードに、3.5L車は5グレードとなり、グレード名に排気量を示す"250"や"350"を追加した。オーテックジャパン扱いの「ライダー」シリーズはラインナップを再編し、既存の「ライダー」とボディ剛性の向上やサスペンションチューニングを施した2.5L車の「ライダー パフォーマンススペック」と専用エンジンチューニングも同時に施した3.5L車の「ライダー ハイパフォーマンススペック」を追加した3グレードとなった。
    • 11月10日 - 特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザーナビセレクション」、「350ハイウェイスター エスプレッソレザープレミアムセレクション」を発売。前者は「ハイウェイスター」をベースに、カーウイングスナビゲーションシステム&ツインモニターシステム(ツインモニターシステムは350のみ)、アラウンドビューモニター(350のみ)、ブラックの専用本革・サプラーレシート(ダークシルバーエッジ付)等を装備しつつ、購入しやすい価格設定にした仕様。後者は「350ハイウェイスター」をベースに、ブラウンの本革シート、ブラッククオーツ調パネル、電動カーテン、地上デジタルテレビ放送用チューナーなどを装備(シート表皮の仕様を除くその他の特別装備は「350ハイウェイスター ブラックレザー アーバンセレクション」と同等)した特別なエルグランドを演出した仕様である。なお、本仕様車の発売に伴い、「ハイウェイスター ブラックレザーエディション」と「350ハイウェイスター レッドレザープレミアムセレクション」を廃止し、装備内容も一部見直した。併せて、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション」を発売。同日発売された「ハイウェイスター ブラックレザーナビセレクション」をベースに、地上デジタルテレビ放送用チューナー、フロントプロテクター、スポーツマフラー、クリヤリヤコンビランプ(アッパー&ロア)、専用エンブレムを追加装備し、「250ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション」にはベース車には非装備のツインモニターシステムも追加装備している。
  • 2009年7月7日 - オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション」の高性能仕様として、ボディチューンを行い、専用タイヤなどを装備した「250ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション パフォーマンススペック」とエンジンチューン等も行い、低排圧マフラーを装備した「350ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション ハイパフォーマンススペック」を発売。元々「パフォーマンススペック」と「ハイパフォーマンススペック」はライダーシリーズやアクシスシリーズに展開されていたが、それ以外のモデルに用意されたのはこれが初めてである。
    • 10月26日 - 特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザーナビエディションV」を発売。従来の「ハイウェイスター ブラックレザーナビエディション」のシートを専用ギャザーと専用ダブルステッチをあしらったブラックの専用本革・サプラーレシート「スペシャルレザーシート」に変更。併せて「250V」にフロントフォグランプを標準装備化し、「250V」・「350X」・「350XL」のヘッドランプインナーレンズの色味を変更するなど、全グレードで仕様装備の見直しを行った。併せて、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクション」シリーズはベース車両の変更に伴い、「ハイウェイスター ブラックレザーアーバンセレクションV」シリーズに改名した(11月2日販売開始)。

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3代目 (E52型 2010年-)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 北米向けのクエストとの統合により、駆動方式がFRからDプラットフォームを用いたFFと4WD(オールモード4X4)になることで低床化と全高の抑制が図られた。ボディサイズは先代と比べ、全長と全幅が80mmと35mmそれぞれ拡大され、全高とフロア高は、95mm、129mmと、それぞれ低められた。エンジンはV6・2.5L(VQ25DE)を廃止し、新たに直4・2.5LのQR25DEとV6・3.5LのVQ35DEの2本立てで、いずれにもエクストロニックCVTが組み合わされる。3.5L車は国産のハイブリッドを除くCVT車としては初の280馬力の大台を達成した。なお、本モデルより生産が日産車体から、その子会社日産車体九州に移管され、クエストとともに混産される。 外観は2005年の第39回東京モーターショーで出品されたコンセプトカー「アメニオ」がルーツである。低床化によって(2009年8月に廃止された)プレサージュに近いプロポーションへと変化しつつも、2段式ヘッドランプや大型フロントグリル、横一文字のリアコンビランプとガーニッシュなどに代表されるように、一目で「エルグランド」とわかるスタイリングとなっている。ボディカラーは「250XG」と「ハイウェイスター」系で設定できるボディカラーが異なり、フルモデルチェンジ当初は5色のうち、全グレードで選択できる共通カラーが3色(うち、オプションカラー2色)、シエルブロンドメタリックは「250XG」専用色、オーロラモーヴマルチフレックスカラー(オプションカラー)が「ハイウェイスター」系専用色であった。

装備についてはいずれも世界初となる中折れ機能つきキャプテンコンフォータブルシート(7人乗り・2列目)、11インチワイドリヤモニター、ドアノブ上のボタンに軽く触れるだけで開閉可能なワンタッチオートスライドドア(3.5Lは両側電動、2.5Lは助手席側のみ電動で運転席側はメーカーオプション)を採用する一方、サイド&カーテンエアバッグ、フロント遮音ガラスやブザー機能つきタイヤ空気圧警報システムや定員分のヘッドレスト・3点式シートベルトを全車に標準装備とし、「ハイウェイスタープレミアム」は3列目シートを電動格納式にするなどにより、快適性能や利便性、安全性を大きく向上させている。上述のとおり、フロアにはDプラットフォームを採用するが、同じDプラットフォーム採用車のティアナムラーノと比べるとホイールベースやパッケージングが大幅に異なるため、フロアパネルに「フロアビード形状」を採用し、静粛性と剛性を向上。また、リヤの剛性を高めるためにスペアタイヤを廃し(代わりにパンク修理キットを装備)、その空間を生かしてリヤクロスメンバーをストレート形状とした(室内側にはラゲッジアンダーボックスを設置している)。先代後期より採用されたメーカーオプションのアラウンドビューモニターはスカイラインクロスオーバー同様、「駐車ガイド機能」、「フロント/リヤワイドビュー機能」、「ナビ連動フロントワイドビュー機能」を付加したものに進化している。オーテック特装車については先に発表された「ライダー」に加え、「VIP」も発表された(「VIP」は同年11月より販売開始)。「VIP」は最上級グレード「350ハイウェイスタープレミアム」をベースに、内装に黒本革仕様を採用すると共に、後席用読書灯、後席用100V電源、乗降用補助ステップ等を追加装備し、本グレード専用のタイヤを装備した「エグゼクティブのために走る執務室」をコンセプトにした仕様である。また、後席を2人乗り(乗車定員4人)にするなどの個別注文にも対応する。2011年9月には既存の3列仕様(7人乗り)に加え、2列仕様(4人乗り)を追加発売した。

環境性能については、全車でJC08コールドモード対応の「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得すると共に、2.5L車は「平成22年度燃費基準+25%」、3.5L・4WD車は「平成22年度燃費基準+15%」、3.5L・2WD車は「平成22年度燃費基準+10%(「350ハイウェイスタープレミアム」及びオプション装着により車両重量が2,000kgを超えた場合は平成22年度燃費基準+20%)」をそれぞれ達成。なお、前期型ではリアに「XTRONIC CVT」エンブレムが装着されていたが、2014年1月のマイナーチェンジ以降は装着されなくなった。サードシートはミニバンでは一般的な跳ね上げ格納シートから、背が高いミニバンとしては珍しいダイブダウン式格納へ変更された。給油口も右から左に変更された。そして、セカンドシート、サードシートの中央座席のシートベルトが2点式から3点式に変更された。

  • 2010年5月13日 - およそ8年ぶりとなるフルモデルチェンジを前に、ティーザーサイトを公開。ノーマルならびにハイウェイスターの外観と内装の画像のみならず、オーテックジャパン扱いの「ライダー」の画像も公開された。
    • 6月21日 - ティーザーサイトにて外観や内装の写真、主要諸元などを公開。尚、この時点で車両型式には「E52」と記載され、同時にグレード体系が「350ハイウェイスタープレミアム(3.5L・7人乗りのみ)」、「350/250ハイウェイスター(3.5L/2.5L・7/8人乗りの選択可能)」、「250XG(2.5L・8人乗りのみ)」の3グレードに先述のオーテックジャパン取り扱いの「ライダー(「ハイウェイスター」がベースで選択肢も同じ。本皮革シートはアイボリーとブラックから選択可能。また、2.5L車は本皮革に加えてブラックファブリックも選択可能)」を加えた計4グレードで、それぞれにFFと4WDの選択が可能であることも明らかになった。
    • 6月29日 - 日産グローバル本社内のグローバル本社ギャラリーにてファントムブラックパールの「350ハイウェイスタープレミアム」とブリリアントホワイトパールの「ライダー」計2台を先行展示。ファントムブラックパールの「350ハイウェイスタープレミアム」は7月2日からは名古屋ギャラリーに、7月15日からは札幌ギャラリーにも先行展示された。福岡ギャラリーは7月2日からオーロラモーヴマルチフレックスカラーの「250ハイウェイスター」を先行展示した(いずれの会場も7月31日で終了)。
    • 8月4日 - 正式にフルモデルチェンジを発表。発売は同年8月18日からである。月間目標販売台数は1,900台。
  • 2011年10月5日 - 先代では2007年10月の一部改良より発売されていたオーテックジャパン扱いの「ライダー ハイパフォーマンススペック」がE52型仕様となって再登場。先代同様、エンジンの排気系とコンピューターのチューンにより最高出力・最大トルクを向上した専用エンジンとボディチューン、専用チューンドサスペンションを採用し、スポーティーで安定感の高いハンドリングと爽快な加速性能を実現した。さらに、東京オートサロン2011に参考出品された「ライダー プレミアムコンセプト」で好評を博した専用ダーククロムのパーツを採用し、カーウイングスナビゲーションシステム+専用アラウンドビューモニター+ETCユニットと両側ワンタッチオートスライドドア(2.5L車のみ、3.5L車はベース車に標準装備)を装備した特別仕様車「ライダー ブラックライン」・「ライダー ハイパフォーマンススペック ブラックライン」を同時に発表した。これら3グレードは標準車の一部仕様向上に合わせて販売を開始する。
    • 11月10日 - 一部仕様向上。アラウンドビューモニターが改良され、世界初となる「移動物検知」機能を追加。これは、車両周辺に歩行者や買い物カート等の移動物を検知するとモニター画面表示と音でドライバーに通知する機能で、駐車スペースから発車する際の安心感を高めている。また、「駐車ガイド機能」もクルマが自動で駐車スペースの白線を認識して設定する機能を加え、トップビュー画面にはタイヤの切れ角や予想進路線を表示したことでよりスムーズな駐車を可能にした。併せて、要望が高かったリモコンオートバックドアを「350ハイウェイスター」には標準装備、2.5L車にもオプション設定で追加され、アクティブAFSは2.5L車全車にも拡大適応したことで全車標準装備となった。
    一部仕様向上と同時に、特別仕様車「ハイウェイスター アーバンクロム」を発売。「250/350ハイウェイスター」をベースに、ダーククローム色のフロントグリルとフォグランプフィニッシャーを採用するとともに、フロントプロテクター、グラファイトフィニッシュ18インチアルミホイール、クリアリアコンビランプ、クリアタイプのLED式ハイマウントストップランプを装備し、迫力のあるスタイルに。また、「250ハイウェイスター アーバンクロム」では「350ハイウェイスター」に標準装備されている運転席ワンタッチオートスライドドアも装備された。
    また、オーテックジャパン扱いの「ライダー」・「VIP」もベース車に準じた一部仕様変更を受け、同年10月5日に発表済みの「ライダー ハイパフォーマンススペック」・「ライダー ブラックライン」・「ライダー ハイパフォーマンススペック ブラックライン」の3グレードの販売を開始した。
  • 2012年11月22日 - 一部仕様向上。アラウンドビューモニターのカメラと超音波ソナーを利用した世界初の「踏み間違い衝突防止アシスト(駐車枠検知機能付)」を採用(「350ハイウェイスター プレミアム」に標準装備、その他の3.5L車はメーカーオプション)。これは駐車操作時にドライバーが誤ってアクセルを踏んでしまったときにソナーが壁・ガラス窓・他の車両などの障害物を検知することで自動的に加速を抑制するとともに衝突前にブレーキが作動して衝突回避又は軽減をアシスト。併せて、駐車場の白線をカメラが検知することで自動的に加速を抑制して過度な加速を防止する。さらに、ソナーが前方のクルマなどの車両周囲の障害物を検知し、渋滞や駐車操作などの低速走行時に脇見などの不注意でブレーキ操作が遅れて障害物に衝突しそうになると衝突の直前にブレーキが作動し、衝突回避又は軽減をアシストする。
また、3.5L車はエンジン制御の改良により燃費が向上し、平成27年度燃費基準達成車が従来からの「350ハイウェイスター プレミアム」に加え、3.5L・2WDの他のグレードにも拡大した。さらに、「350ハイウェイスター プレミアム」では前述の踏み間違い衝突防止アシスト(駐車枠検知機能付)に加え、カーウイングスナビゲーションシステム、11インチ大型ワイドモニター後席エンターテイメントシステム、アラウンドビューモニター、インテリジェントクルーズコントロール、インテリジェントブレーキアシストも標準装備し、快適性や安全性を一層高めた。ボディカラーは光の当たり方によって表情が変わるマルチフレックスカラー塗装を採用した新色のメタルグレーを「ハイウェイスター」系専用色として追加した一方、「250XG」専用色だったシェルブロンドメタリックを廃止した。
同時に特別仕様車「ハイウェイスター ブラックレザー」・「ハイウェイスター アーバンクロム ブラックレザー」を発表。カタロググレードの「250/350ハイウェイスター」と特別仕様車「250/350ハイウェイスター アーバンクロム」をベースに、シルバーステッチ付の専用ブラック本革シートを採用するとともに、パーソナルドライビングポジションメモリーシステム、運転席&助手席パワーシート、リバース連動下向ドアミラー、クイックコンフォートシートヒーターも装備した(一部仕様向上並びに特別仕様車は12月13日販売開始)。
  • 2014年1月15日 - マイナーチェンジを発表(1月20日販売開始)[1]。「ハイウェイスター」・「ハイウェイスタープレミアム」でフロント周りのデザインが一新され、フロントグリルを大型化(日本国内における乗用車では最大面積)するとともに、全周をクロームメッキで囲むことで押し出し感と高級感を高め、ヘッドランプは目ヂカラを強調したシグネチャーLEDポジションランプを備えた新デザインに変更するとともにヘッドランプそのものもLED化され、18インチアルミホイールは切削処理を施したマルチスポークデザインに変更し、LEDリアコンビネーションランプはインナーレンズにクローム処理を施した新デザインのクリアテールランプを採用。ボディカラーは「ハイウェイスター」系専用色で入れ替えが行われ、オーロラモーヴマルチフレックスカラー(オプションカラー)に替わり、新色として琥珀をイメージしたインペリアルアンバーパール(オプションカラー)を追加した。
インテリアではメーターを大型化し、デザインを変更することで視認性を高めるとともに、中央には5インチカラーディスプレイ「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」を新たに装備。室内高を高くしたことで室内での動きやすさも高めた(サンルーフ装着車を除く)。さらに、「ハイウェイスター」に設定している「ブラック/ダークベイブラウンインテリア」はシート地の質感を向上し、グラデーションブラウンエボニーフィニッシャーを新たに採用。「ハイウェイスタープレミアム」はカラードクロームを配したグラデーションブラックメープルフィニッシャー、アンバーアクセントスペシャルステッチを施したダイヤ型キルティングのブラックメタリックレザー(本革)を採用した「グランドブラックインテリア」に一新された。ラゲッジスペースは3列目シートに前方向240mmのスライド機構を追加し、シートバックの凹凸を低減した形状に変更したことと、後部荷室のラゲッジボードの高さを床面に合わせた高さに変更したことで積載性を向上した。そのほか、クルーズコントロールを全車に標準装備化され、「ハイウェイスタープレミアム」に2.5L車「250ハイウェイスタープレミアム」を追加した。
オーテックジャパン扱いの「ライダー」シリーズもマイナーチェンジされ、フロント周りや専用アルミホイールのデザインを変更したほか、ローダウンサスペンションを新たに採用し、重厚感を更に強調したスタイルとなった。インテリアでは専用フィニッシャーを杢目金(もくめがね)調に変更した。ディーラーオプションで用意されている専用フロントプロテクターのデザインも変更するとともに、新たに専用フロントプロテクターデカールも設定された。

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車名の由来

英語の定冠詞「THE」にあたるスペイン語「EL」に「偉大な」を意味する「GRAND」を組み合わせた造語。 尚、初代で呼称されていた「キャラバン」と「ホーミー」についてはそれぞれの項を参照のこと。

備考

  • 横浜F・マリノスの練習用ユニフォームは日産車体がスポンサーのため、ユニフォームに「ELGRAND」のロゴが表示されている。2010年の同クラブのユニホームでは同様の理由で左袖にロゴが掲示された。
  • ライバル車種であるトヨタ自動車アルファードは2代目エルグランドの販売日の翌日(2002年5月22日)に販売が開始されたが、2代目エルグランドの発売日に合わせたわけではなく、まったくの偶然である。

脚注

  1. 「エルグランド」をビッグマイナーチェンジ - 日産自動車 ニュースリリース 2014年1月15日

関連項目

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外部リンク

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