少年アシベ

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テンプレート:複数の問題 テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer少年アシベ』(しょうねんアシベ)は森下裕美による日本漫画作品、および、それを原作としたアニメ作品。

1988年から1994年まで『週刊ヤングジャンプ』(集英社)に連載、単行本全8巻。1990年にはOVAが製作、1991年にはテレビアニメ『少年アシベ』、1992年には『少年アシベ2』が放送。2000年から2004年にかけて、続編に当たる『COMAGOMA』(コマゴマ)が連載。2011年から2012年まんがタウン』(双葉社)にて、『少年アシベセレクション』刊行に合わせた『少年アシベ』より抜き再掲が、4色カラーに改稿したうえで行なわれた。

概要

ゴマフアザラシの赤ちゃんであるゴマちゃんと小学1年生の芦屋アシベあしや あしべ)達の交流を描いたギャグ漫画。それまでの4コマ漫画とは異なり、ストーリー展開が豊富で異なるキャラクターのドラマが同時に進行していくという、4コマ漫画の新たな活用が見られる作品。

あらすじ

アシベは近所に住んでいた同級生の阿南スガオあなん すがお)ととても仲が良かったが、小学1年のある時、大工職人であるアシベの父ちゃんが、建築中の家を火の不始末で燃やしてしまうという事件を起こしたため、それまで住んでいた一軒家を引き払い、父ちゃんの実家付近である目黒区のアパートに転居。同時にアシベも転校することとなる。

アパートに転居して間もない頃、道路を歩いていたアシベの目の前を通りかかったトラックから白い物体が落下。魚だと思ったアシベは夕飯として食べるつもりで家まで連れ帰った。父ちゃんが台所で切りさばこうとするが、魚ではなさそうだとして動物図鑑で調べてみると、ゴマフアザラシの赤ちゃんだとのこと。父ちゃんが「食って食えないことはないが(アザラシの赤ん坊が)かわいそうじゃないか」と言った直後、アシベの「じゃあ、こいつ飼おうぜ!」という一言で、アシベが『ゴマちゃん』と名付けて芦屋家の家族の一員として飼うこととなる。

一方、アシベと離ればなれになったスガオは悲しみに暮れる毎日。その上、父の転勤に伴いネパールへ一家転住。山から下りて来たイエティ、学校に行けないスガオの家庭教師として依頼を請けた元修行僧などが家に居座ったり、フランス領コラコラ島(架空)に配転になるなど問題が多発。

しかし、阿南家は日本に戻ってくることになり、アシベとスガオの2人は、クリスマスの日に無事再会を果たす。

登場人物

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COMAGOMA

『少年アシベ』の続編として『週刊ヤングジャンプ』に連載、単行本全6巻。前作から以下の変更点などがある。

  • 『少年アシベ』では小学1年生であったアシベは、『COMAGOMA』では小学2年生に進級している。
  • 芦屋家には、『少年アシベ』の時にはなかった浴室と、コードレスホンが備えられている。
  • 芦屋家の住むアパートには駐車場が備えられ、『少年アシベ』の時には所有してなかったマイカーを所有しており、アシベの父ちゃんが自ら運転している。
  • アシベの父ちゃんが担いでいる道具入れは、道具箱から道具袋に変わっており、時代背景の変化からか携帯電話を所持している。
  • 父の転勤で外国に移住していた阿南スガオの一家は『少年アシベ』のラストシーンでアシベ達が出迎えに行くところで終わっている事をうけ、日本に帰国している。
  • 『少年アシベ』の時は、当時のバブル景気を反映してか、大豪邸を所有し大手企業の社長を務める大金持ちの父方のじいちゃんが登場していたが、『COMAGOMA』以降は、一般的に多く見られる庶民派の生活をしている母方のじいちゃんと、ばあちゃんが共に登場している。父方のじいちゃんやその部下たちは一切登場しない。
  • 『少年アシベ』に登場していた、ゆうま、ゆうまのママ、まおちゃん、まおちゃんのパパ、まおちゃんのママ、サカタ、サカタの兄など、アシベの学校の友達関係の人物は『COMAGOMA』の初期の巻では登場していなかったが、ファンからの要望もあってか途中の巻から登場するようになった。
  • 豪華客船の船長であったまおちゃんのパパは、長女の真子ちゃんの出生に立会うために辞職して突然帰国、後にアシベの父ちゃんに弟子入りして大工に転職している。
  • 隣町に住んでいる友達のマコトと犬(ゴロー)も登場している。『COMAGOMA』の初期から登場しているマコトはゆうまと同じ髪型であったことから、『COMAGOMA』の途中の巻から登場しているゆうまの髪型が急遽変更されている。
  • 『COMAGOMA』以降はサカタの父と母も登場し、まおちゃんのパパとサカタの父と母の3人が共に同級生仲間である。小学生時代、まおちゃんのパパはサカタの母によくいじめられていたために、まおちゃんのパパとサカタの母との2人の仲は今でも良くない(実際は『COMAGOMA』以前にもサカタ父母は登場している)。
  • 『少年アシベ』では少々ブラックなギャグやナンセンスを取り入れた描写も散見されたが、『COMAGOMA』では緩和され、ほのぼのギャグ漫画に路線を変更している。
  • 通常の、雑誌掲載4コマ漫画(1ページに2本掲載される)と異なり、1ページ全体を4分割したパノラミックなコマ割りになっている。当初は、全話(全頁)にゴマちゃんが登場していたが、後半は前作同様、脇役たちを平行して描くモジュラー型の展開も見られるようになった。

アニメ

1990年ポニーキャニオンよりOVAとして先行制作され、発売後にテレビアニメ化されている。

1991年4月4日12月28日(少年アシベ)、1992年10月3日1993年3月27日(少年アシベ2)の2期にわたってTBS系で放送。1週に3話が放映される形式。アシベ1・全37回(計111話)、アシベ2・全25回(計75話)。なお、アシベ1の途中までは木曜19:00からのJNN全国ネット枠での放送であったが、後にローカルセールス枠に移動されて番組が打ち切りとなった地域も多かった[1]。『JNN報道特集』の枠を移動[2]した上で、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)にぶつける事も検討されたというが、アニメーション制作を請け負っていたライフワークが、当時『ちびまる子ちゃん』の制作を請け負っていた事や、原作の連載媒体である「週刊ヤングジャンプ」の発行元が『ちびまる子ちゃん』の「りぼん」と同じ集英社である事などの諸事情により実現せず、上記の枠となった[3]テンプレート:出典無効[4]

アシベ役は、OVAでは高山みなみが、テレビアニメでは坂本千夏が演じた。また、アシベの父ちゃん役は、OVA初期版では石丸博也が演じていた。

ナレーション中西妙子(少年アシベ初期のみ)→堀内賢雄(少年アシベ)→鈴木勝美(少年アシベ2)。中西は丁寧語でのナレーションだったが堀内・鈴木は比較的シリアスな口調だった。

初期の原作は、青年誌掲載であるために森下の作風である大人向けの漫画だったが、テレビアニメはゴールデンタイムの放送であり、玩具メーカーのタカラ(現・タカラトミー)が番組スポンサーに入りぬいぐるみなどのキャラクター商品が展開されたこともあって比較的子供向けを重視した内容で作られ、原作の少々ブラックなギャグや描写は放送コードの関係上割愛されていた。

アニメ版の次回予告は一応各回で用意されていたがプレゼントの告知がある場合、次回予告が全く行われなかった(時間の関係上)。その予告は、アシベ1では(アシベ)「ゴマちゃーん、予告だよ、早く早く!」(ゴマ)「キュー!」、アシベ2では(アシベの母ちゃん)「アシベー、遊んでばかりいないで、予告やりなさーい!」(アシベ)「はーい!」(ゴマ)「キュー!」と、それぞれ言ってから始まった。なおアシベ1の木曜最後の放送となる第24回は、通常の予告は行われず、本作の一場面と放送枠変更のテロップで構成されたブルーバック映像を映し、局アナが放送枠変更のコメントを読み上げた[5]

スタッフ

  • プロデューサー:瀬島光雄
  • 企画:中村俊安、井上博(アシベ1)
  • 原作:森下裕美
  • 監督:石崎すすむ
  • シリーズ構成:東多江子(アシベ1)→丸尾みほ(アシベ2)
  • 音楽:荒川敏行
  • キャラクターデザイン:進藤満尾、柴田則子(アシベ1)
  • 美術監督:宮前光春、東篠俊寿(アシベ1)
  • アニメーション制作協力:日本アニメーション
  • アニメーション制作:ライフワーク
  • 原画:アニメ・スポット、V.A.P
  • 動画:進藤プロダクション、ラジカルパーティー、金星スタジオ、ダイゾウプロダクション、スタジオムサシ、スタジオたくらんけ、スタジオMIKE、じゃんぐるじむ、アニメ・スポット
  • 背景:スタジオテイクワン(アシベ1)、獏プロダクション
  • 仕上:スタジオM(アシベ1)→スタジオキリー(アシベ2)
  • 色指定:鈴城るみ子、渡辺芙美子、松浦恵理子、黒木幸恵
  • 特殊効果:鈴城るみ子、牟田努、森千草、橋爪朋二
  • 撮影監督:金子仁(アシベ1)→鳥越一志(アシベ2)
  • 撮影:アニメフィルム(アシベ1)→旭プロダクション(アシベ2)、トランス・アーツ
  • 編集:鶴淵友彰、片石文栄(アシベ1)
  • タイトル:マキ・プロ
  • 音響監督:早瀬博雪
  • 音響制作:音響映像システム(現・サンオンキョー)(アシベ2)
  • 整音:佐藤千明・久保田耕司(アシベ1)→大石幸平(アシベ2)
  • 効果:新井秀徳(フィズサウンドクリエイション
  • スタジオ:アバコスタジオ(アシベ1)、タクトスタジオ
  • 現像:東京現像所
  • 制作担当:河野英一・川合弘子・白石忠一(アシベ1)→安部正次郎(アシベ2)、真田久美子(アシベ2、1回のみ)
  • 制作デスク:村竹保則(アシベ1)
  • 制作進行:佐藤和治、村上杉郎、大西景介、広川隆志、関裕幸、大原昌典、増原重徳、藤田規靖
  • 製作:日本映像、日映エージェンシー(アシベ1)、TBS

主題歌

オープニングテーマ
『リトル・ダーリン』(アシベ1、#1 - #5)
作詞 - 松本隆 / 作曲 - 平井夏美 / 編曲 - 井上鑑 / 歌 - 田村英里子東芝EMI(現・ユニバーサル ミュージック EMI R / EMI RECORDS) / イーストワールド)
『まかせて! チン・トン・シャン』(アシベ1、#6 - #37)
作詞 - 中田有博 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 田村英里子(東芝EMI / イーストワールド)
『愛にSUNキュー』(アシベ2、#1 - #25)
作詞 - 大沢直行 / 作曲・編曲 - 平井光一 / 歌 - 日下ひかる(東芝EMI / TMファクトリー)
エンディングテーマ
『愛のナイチンゲール』(アシベ1、#1 - #5)
作詞 - 松本隆 / 作曲 - 山口美央子 / 編曲 - 井上鑑 / 歌 - 田村英里子(東芝EMI / イーストワールド)
※シングル『リトル・ダーリン』C/W曲。
『リトル・ダーリン』(アシベ1、#6 - #37)
作詞 - 松本隆 / 作曲 - 平井夏美 / 編曲 - 井上鑑 / 歌 - 田村英里子(東芝EMI / イーストワールド)
『まかせて!チン・トン・シャン '93』(アシベ2、#1 - #25)
作詞 - 中田有博 / 作曲 - 馬飼野康二 / 編曲 - 平井光一 / 歌 - ACB(アシベ)ファミリーバンド(東芝EMI / TMファクトリー)

放映リスト

タイアップ

ガーデックス(横浜ゴム)
本作がテレビ放映されていた1990年代前半、主人公のアシベとゴマちゃんが横浜ゴム(YOKOHAMAブランド)のスタッドレスタイヤ「ガーデックス」(現・アイスガード)のCMキャラクターに起用され、顧客向けの販促品「ゴマちゃんグッズ」や、横浜ゴムのタイヤを取扱っているカー用品店、タイヤショップ、ガソリンスタンドなどの店員が着用していた「ガーデックス」の販促用ジャンパーが存在していた。
赤い生地の「ガーデックス」の販促用ジャンパーの背中部分には、「スタッドレスはガーデックス」のキャッチコピーと、アシベとゴマちゃんが仲良く手をつないでいるイラストが描かれており、本作とのタイアップ効果とアシベとゴマちゃんの愛らしさもあって、仕事時のみならずプライベート時にも「ガーデックス」の販促用ジャンパーを着用していた業界関係者も当時は多数存在していた程だった。
大阪市交通局・大阪市営地下鉄中央線
大阪港トランスポートシステム(のちの大阪市交通局OTSテクノポート線(のちの地下鉄中央線)開業時には同車両(OTS系・のちの24系谷町線22系)にゴマちゃんのシールが貼られていた。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

テンプレート:前後番組

テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
  1. 毎日放送では時差ネットで継続されたが、アシベ2になってからは放送枠不定となり、番組の最後にその都度次回の放送時間を告知していた
  2. 2008年4月に『報道特集NEXT』→『報道特集』として土曜日17:30-18:50に枠移動している。
  3. 開始時の「ザテレビジョン」の記事より
  4. 実際のTBS系列での日曜夕方へのアニメ枠はMBS制作にはなるが、2008年4月にそれまでの土6枠から日5枠に枠移動している。
  5. このやり方は、後に『まんが日本昔ばなし(第2期)』(毎日放送制作)でも行われる。