安倍川

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安倍川と静岡市街
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上流方向を望む。手前は藁科川との合流地点

安倍川(あべかわ)は、静岡県静岡市葵区および駿河区を流れる河川一級水系安倍川の本流である。清流としても有名で[1]、その伏流水は静岡市の水道水にも使われている。大河川でありながら本流・支流にひとつもダムが無い珍しい川である[2]

よく見聞きする表記として「安川」や「あべわ」があるが、これらは誤りである。

安倍川のたもとで売られている名物に「安倍川もち」があるが、地元以外では餅に黄な粉をまぶして食べる食べ方を「安倍川」と呼ぶことがある。

地理

静岡県と山梨県の境にある、大谷嶺・八紘嶺・安倍峠に源を発する。源流の大谷嶺(標高約2,000m)の斜面は「大谷崩れ(おおやくずれ)」とよばれ、長野県の稗田山崩れ、富山県の鳶山崩れとともに日本三大崩とされている。流域のすべてが静岡市内であり、下流部の藁科川と合流する付近では「舟山」という川中島が見られ、市街地の西側を流れて駿河湾に注ぐ。

糸魚川静岡構造線の南端でもあり、安倍川を境に、東西の地質構造が大きく異なる。

歴史

  • 1335年南北朝時代足利尊氏新田義貞が争った手越河原の戦いが起きる。
  • 江戸時代初頭:徳川家康によって天下普請として大規模な治水工事が行なわれ、現在の流れとなる。それ以前は、藁科川とは別の流れで複数の川筋となって駿河湾に注いでいたが、大規模な治水工事によって、藁科川と合流するようになった。現在の合流地点より下流は藁科川の川筋だったと言われている。特に薩摩藩によって安倍川左岸に築かれた堤防は薩摩土手とよばれ、現在でも一部残存している(新しい堤防がより内側に築かれたことにより、現在は、旧薩摩土手のほとんどは道路になり「さつま通り」と呼ばれている[3])。
  • 2008年:環境省から「平成の名水百選」に選定される。

主な支流

主な橋梁

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安倍川橋(右岸側)

脚注

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関連項目

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外部リンク

テンプレート:一級水系
  1. テンプレート:PDF (安倍川の水質結果は23ページに掲載)
  2. 長良川がダムの無い川として有名だが、長良川の支流には高さ100mを超える巨大な堰堤を持つ川浦ダムがある
  3. 静岡県道354号静岡環状線の一部区間