大阪拘置所

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大阪拘置所(おおさかこうちしょ)とは、法務省矯正局大阪矯正管区に属する拘置所。通称「大拘(だいこう)」。

全国に8箇所(東京立川名古屋京都・大阪・神戸広島福岡)ある拘置所の一つで、東京拘置所に次ぐ規模である。

平成25年5月から尼崎拘置支所を所管している。

所在地

収容分類級

定員

  • 2500名

組織

所長の下に4部を置く。

  • 総務部(庶務・会計・用度)
  • 処遇部(処遇・作業・教育)
  • 分類部(考査・審査・保護)
  • 医務部(医療・保健)

外観・設備

  • 完成後数十年経ち、施設全体的に老朽化が進んでおり、現在改築工事中ある。
  • 所内に刑場を持っており、大阪矯正管区及び高松矯正管区内の死刑確定者を収容している。
  • 受刑者収容施設はいくつかの棟に分かれており、それぞれの棟(○舎と呼ぶ)を中央の大廊下が連結する構造である。さらに中央の大廊下と平行な東廊下と西廊下で連結している。
  • 基本的に1舎から9舎の受刑者・事件被告人収容棟があり、1~4舎が入り口から見て右側(東側)・5~9舎(西側)が左側となる。棟によって高さは異なり3階~5階建。通例7舎3階なら7-3と呼ばれる。各フロアによって雑居と独居がある。
  • 1舎3階・6舎2階・8舎2階は当所執行受刑者、7舎2階は医務棟、7舎4階が病舎、4舎1・2階・9舎1階は移送待ち受刑者や労役・受刑被告などが収容される。
  • 男女は区分され、5舎1・2階が女区。
  • 面会所や職員の施設が入る棟は入口に一番近いところ(1舎の西側)にある。
  • 刑場は敷地北西端にある8舎地下に存在する。その建物の地下室に車で横付け出来るスロープもある。その出入り口は建物の外から当然解る。北西角の職員用通用門横である。
  • 大廊下の南端3階(1舎3階の近辺)には講堂があり、慰問会やその他の行事に使用する。

その他、未決収容者が主に使用する囲い付きの運動場(大きくても10m四方程度)・当所執行受刑者用の運動場・経理工場・営繕工場(施設の修繕、工事を行う)・炊事工場(収容者の食事を作る)・運搬・収理(収容者理髪係)・第一内掃・第二内掃・当所執行受刑者用の食堂(経理工場に隣接)・女子用運動場などがある。

  • 高所階の収容者は夏の天神祭の花火を見る事が出来る。
  • 未決収容者が当所において何らかの要望を要求する場合は必ず「願箋(がんせん)」と呼ばれるマークシート式用紙に内容を記入して提出する必要がある。
  • 曜日ごとに願箋が決まっており、例えば月曜日の願箋はシャンプー石鹸などの日用雑貨用で、雑誌カップ麺などの嗜好用品の願箋は火曜日[1]
  • 2005年末頃から「白色スクールソックスは禁止」というドレスコードができた。
  • 運動場では「テニポン」と呼ばれる小型のテニス(卓球のラケットとゴムボールを使用)ができる。
  • 未決収容者が願箋(がんせん)で購入できる商品に、「珍味するめ」という辛味料がたっぷりと付いた「するめ」がある。

収監中の確定死刑囚

面会・差入れ

面会は1人の被収容者に対して1日1回(10分)までで1回の面会に3人1組までが規則で、面会者はその日のうちに別の被収容者への面会はできない。

食物(菓子、弁当、その他)については未決囚に限り、拘置所隣の差入店から食物・日用品等を差し入れることができる。(受刑者の差し入れについては日用品に限り可能)衣類、書籍、現金に関してはほぼ差し入れることができる。差入れ受付時間は8:30~11:30、13:00~15:30(2007年4月9日現在)。

不祥事

  • 同拘置所の男性の看守2人が、30歳代の男性被告人が収容されている保護室で、2008年11月29日夕方から翌30日未明にかけ、室内のトイレの水を、44回に亘り繰り返し流し、受刑者の睡眠を妨害していたことが判明し、同拘置所は2009年7月10日に、この2人の看守を、特別公務員暴行陵虐罪で書類送検するとともに、減給処分とした[2]
  • 同拘置所に拘留されていた、聴覚障害を持つ男性被告に面会に来た女性に対し、立ち会った同拘置所の職員が、手話での会話を認めず、40回近くに渡り筆談での会話を強制していたことが判明した。手話の禁止には法的根拠が無いにもかかわらず、筆談を強制したため、女性の知り合いらが抗議。同拘置所は大阪矯正管区から改善指導を受けた[3]

脚注

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  1. 小室哲哉著『罪と音楽』幻冬舎刊2009年9月15日発行(10ページ)
  2. 大阪拘置所:看守がトイレの水44回流し被告の睡眠妨害 毎日新聞 2009年7月10日。便所の水流し続けて睡眠妨げた疑い 看守2人書類送検 朝日新聞 2009年7月10日。
  3. 被告の面会、手話認めず筆談強いる…大阪拘置所 読売新聞 2011年9月17日