大阪外国語大学
テンプレート:大学 (廃止) 1921年に大阪市で大阪外国語学校として創立、1949年に大阪外国語大学として大阪市天王寺区上本町において設立され、1979年に箕面市へ移転、2007年10月に大阪大学に統合された。
目次
概要
日本には2007年9月30日まで、外国語学部のみを置く国立大学が二校存在したが、大阪外国語大学はその一つであった(もう一つは東京外国語大学)。2007年に大阪大学に統合された結果、現在は大阪大学外国語学部となっている。
多岐にわたる言語・地域文化の専攻があり、他に例の少ない北欧やアフリカの言語まで幅広く扱っていること(テンプレート:要出典範囲)、また地域文化学科ではそのように多岐にわたる地域研究を専門とした点が特徴であった。
同時に、この大学は外国語教育を主体とする人文・社会科学の国立大学であるというスタンスもとっていた。外国語学部国際文化学科においては、一、二年次には週5時間専攻語を主に学び、その言語教育を基盤にしたうえで、三、四年次では各自の専門分野を主に学ぶという形をとることで、言語、情報、文化、政治・経済、資源・環境などに対する専門性を同時に身につけることを目標としていた。
東京外国語大学とは姉妹関係にあり、運動会所属団体(体育・運動系部活動)による東西外国語大学対抗定期戦が毎年行われていた。
1991年には外国人留学生のためのコースを改組した留学生日本語教育センター(現・日本語日本文化教育センター)を大学に併設した。主に(日本国の)国費留学生を受け入れており、特に、文部科学省の国費学部留学生(日本の大学学部へ入学するコース)の日本語教育は、旧・大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)以外では東京外国語大学(留学生日本語教育センター)でしか行われていない。そのほか、国費の研究留学生、日本語日本文化研修生等の日本語教育、交流協定校との交換留学生の日本語教育も行われた。
25の専攻語以外にも、研究外国語科目という形で多くの外国語の授業が開講されており、その数は100を超える。具体的には、広東語、満州語、アイヌ語、ウイグル語、ソグド語、チベット語、カレン語、オセアニア諸語中の一トク・ピシン語、シャン語、モン・クメール語派の諸言語、サンスクリット語、パーリ語、ネパール語、ヘブライ語、西部非バントゥ諸語のハウサ語、西部バントゥ諸語のリンガラ語、チェコ語、ポーランド語、古代教会スラブ語、リトアニア語、オランダ語、ケルト諸語のウェールズ語、カタルーニャ語、ルーマニア語、ラテン語、古典ギリシア語、計画言語エスペラント(語)などがあった。これらの授業のうち、多くのものが毎年、その他は隔年、あるいは数年に一年というような形で、毎週開講されていた。(一部短期集中講義形式あり)
テンプレート:要出典範囲。また、関西大学の河田悌一前学長や滋賀大学の成瀬龍夫前学長、神戸市外国語大学の東谷穎人元学長など、近隣の国公私立大学でも出身者が学長を経験しているほか、司馬遼太郎、陳舜臣、赤尾兜子など文学界へも人材を輩出している。
国立大学法人大阪大学への統合
2007年6月12日に成立した改正国立大学法人法の施行に伴い、同年10月1日付で国立大学法人大阪大学へ統合された。
2006年3月23日、両大学学長が2007年10月の統合、2008年4月の新規学生受入れを目標として統合推進合意書を締結した。旧大阪外国語大学のキャンパスは大阪大学箕面キャンパスとなった。統合に際して、大阪外国語大学外国語学部国際文化学科及び地域文化学科、夜間主コースの新規学生募集を停止の上、新たに大阪大学外国語学部外国語学科となった。
2008年度以降入学の学部生は、新課程外国語学部外国語学科の講義を、1年次に豊中キャンパス、2年次以降は箕面キャンパスにおいて履修する。
統合後には豊中・吹田・箕面の各キャンパス間にシャトルバスが設置された。
ちなみに大阪外大正門にある校名を記したプレートは、2007年9月28日に撤去され、10月1日には大阪大学のプレートが除幕された。
沿革
年表
- 1920年3月 海運業者林竹三郎の遺志により、妻林蝶子が新設費100万円を寄付、9月に大阪市東区(現天王寺区)上本町8丁目187番地で校舎建設が始まる。
- 1921年12月 勅令第456号により大阪外国語学校の設置が公布され、正式に成立。
- 1922年4月 大阪外国語学校第1回入学式挙行。
- 1944年4月 大阪外事専門学校に改称。
- 1949年5月 新制大阪外国語大学として発足。
- 1954年4月 留学生別科設置。
- 1956年4月 専攻科設置。
- 1958年 短期大学部が併設される。
- 1969年4月 大学院外国語学研究科(修士課程)設置。
- 1979年9月 箕面市粟生間谷に移転。(上本町の跡地は後に大阪国際交流センターとなる。)
- 1993年4月 学科改組により、大講座制と昼夜開講制を導入。
- 1998年4月 大学院言語社会研究科(博士課程設置)。
- 2004年4月 国立大学法人大阪外国語大学となる。
- 2005年11月1日 箕面市と包括協定を締結。
- 2007年10月1日 国立大学法人大阪大学と統合し、大阪大学外国語学部となる。
歴代校長・学長
- 初代校長 : 中目覺(なかのめあきら)
- 2代目校長 : 葉山萬次郎
- 3代目校長 : 横山俊平
- 4代目校長 : 尾崎卓郎
- 5代目校長、初代学長 : 平澤俊雄
- 2代目学長 : 森澤三郎
- 3代目学長 : 金子二郎
- 4代目学長 : 牧祥三
- 5代目学長 : 伊地智善継
- 6代目学長 : 林榮一
- 7代目学長 : 山田善郎
- 8代目学長 : 池田修
- 9代目学長 : 赤木攻(あかぎおさむ)
- 10代目学長 : 是永駿
大阪外国語大学歌
- 松永信成作詞、永井幸次作曲
教育および研究組織
組織
学部
- 地域文化学科
- 昼間主コース
- 夜間主コース
- 地域文化学科
専攻語
- 日本語
- 中国語
- 朝鮮語
- 英語
- モンゴル語
- インドネシア語
- フィリピン語
- タイ語
- ベトナム語
- ビルマ語
- ヒンディー語
- ウルドゥー語
- アラビア語
- ペルシア語
- トルコ語
- スワヒリ語
- ロシア語
- ハンガリー語
- デンマーク語
- スウェーデン語
- ドイツ語
- フランス語
- イタリア語
- スペイン語
- ポルトガル語
大学院
- 言語社会研究科
- 地域言語社会専攻<博士前期課程>
- 東アジアコース
- 東南アジア・オセアニアコース
- アジア・アフリカコース
- ロシア・東欧コース
- 中・北欧コース
- 南欧コース
- アメリカコース
- 通訳翻訳学専修コース
- 日本語・日本文化特別コース
- 国際言語社会専攻<博士前期課程>
- 国際コース
- 日本コース
- 言語社会専攻<博士後期課程>
- 言語社会専攻
- 地域言語社会専攻<博士前期課程>
附属機関
- 日本語日本文化教育センター(旧:留学生日本語教育センター)
教育
- 公開講座
学生生活
間谷祭
大阪外大公認の学園祭。11月上旬に3日間にわたり開催された。外国語劇、模擬店、展示、学生によるコンサートなどが催される。中でも外国語劇は、外大ならではの目玉イベント。各国語科の有志が日夜練習に励み、その成果を公にする場でもある。 また、2005年度には「笑い飯」「ザ・プラン9」「ケンドーコバヤシ」が来場、公演した。
なお、大阪大学との統合後に開かれ、最後の間谷祭となった2007年度には、大阪大学との統合にともなう規模の縮小という観点から2日間に短縮され、10月27日・28日に開かれた。2008年度以降は実行委員会も解散済みであり開催される予定もないが、外国語劇のみ独立した形で「語劇祭」として2008年から開催されている。
夏まつり
7月上旬に開催。 多くの模擬店が出店し、民族料理などを販売する他、各サークルによるパフォーマンスや展示も、校舎内外を問わず活発に行われる。最大の見所は盆踊り。学生・留学生・地域住民がグラウンドに集い、「外大音頭」を延々と踊った。ただし、間谷祭で催される語劇については、夏まつりでは催されない。
2007年度の夏まつりは大阪外大最後の夏まつりと題して開催され、2008年には非公式行事として開催された。その後夏まつり実行委員会は大阪大学公認団体となり、夏まつりはその後も毎年開催されている。
なお、よく「夏祭り」とする表記が見受けられるが、正式には「夏まつり」である。
スポーツ
- 東外大戦(東西外国語大学対抗戦) - 10月。体育会系部活ごとに行われる。毎年主催校を交代して行う。2007年度は大阪主催。大阪大学との統合に伴い、2007年10月18日の第59回大会をもって「東京外国語大学・大阪外国語大学定期競技大会」は幕を閉じた(なお、この59回大会は僅差で大阪側が勝利を収めた。)。なお、各部活間の非公式の交流の継続を求める声は強く、部によっては2008年度以降の交流戦の継続を協議しているところもある。
- 全学駅伝大会 - 12月
大学関係者と組織
大学関係者組織
大学関係者、著名人一覧
参考文献
- 大阪外国語大学70年史編集委員会編、『大阪外国語大学70年史』、1992年、大阪外国語大学70年史刊行会、箕面
外部リンク
- 大阪大学外国語学部
- 咲耶会(同窓会)
- 大阪大学夏まつりHP
関連項目
- 外国語大学
- 外国語学校 (旧制)
- 花園中央公園 - 花園ラグビー場に隣接する大阪外大運動場跡地。箕面キャンパス移転に伴い東大阪市に払い下げられ公園として整備された。
- 西日本の大学一覧