大垂水峠

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テンプレート:Ja Route Sign テンプレート:Infobox 峠 大垂水峠(おおたるみとうげ[1])は東京都八王子市神奈川県相模原市緑区の間にある高尾山の南側の山麓を貫く。現在の国道20号甲州街道)のルートに指定され、片側1車線の自動車通行可能な峠である。

沿革

1869年(明治2年)の太政官布告により小仏峠小仏関所は廃止され、甲州街道は車両が通れる道路規格であることが望まれたため、1888年(明治21年)に小仏峠を通るルートから、現在の大垂水峠を越える道へ路線変更された。現在の峠は、数度の変遷を経て国道20号に指定されている。

また、この峠はしばしば「おおだるみとうげ」とも呼ばれるが正式名称は「おおたるみとうげ」であり、通常は山梨県山梨市と長野県南佐久郡川上村の境にある大弛峠を「おおだるみとうげ」と呼ぶ。

峠の様子

区域内の制限速度は30km/hないし40km/hである。平日や夜間は大型のトラックトレーラーの通行もあり、しばし流れが滞る。高速道路を通行できない超ロングのトレーラーも通行することがあるが、ヘアピンコーナーの連続する区間やタイトコーナーでは、被牽引車が対向車線ギリギリに接近して走行するケースも多い。大垂水峠の東京側は、勾配がきつく30km/hで走行できない車両が多い一方、速度超過等で取り締まりにあう車両もある。

中央自動車道が完成する以前は、街道沿いには商業施設が立ち並んでいたが徐々に衰退。1980年代までは、2箇所存在した峠のドライブインは1箇所を残すのみとなった。その1軒も夜間は暴走抑止の為、自動販売機の為の駐車スペースのみを残して閉鎖される。東京側には、少数の飲食店とラブホテルが点在する。

暴走車両と通行規制

山梨方面行き道路の東京側には、トレーラーやトラックが一時停車して後続車を先行させるだけの余裕がある区間が2箇所あるが、その逆方向及び神奈川側には退避帯となる区間が一切なく、峠自体は全区間が「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」及び転回禁止区間に指定されている。カーブが連続する神奈川県側の道路は、1980年代から1990年代までのローリング族と呼ばれる違法競走型暴走族による死亡事故が続出した。さらに漫画バリバリ伝説の影響もあり、状況は悪化する一方であった。それに対応する形で神奈川県側のおよそ3.5km(クリックで地図表示)神奈川県警察により1987年に125cc以下の原動機付自転車は終日通行禁止とされた。その後、オートバイブームの沈静化や、反対車線を使用した運転を抑止するチャッターバーなどの施設が整備されたことにより、禁止日が土・休日と祝日に変更になり今日に至る。なお、東京都側では通行規制は行われておらず、さらに自転車は土・休日でも通行可能である。

脚注

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関連項目

テンプレート:国道20号
  1. テンプレート:PDFlink - 記事内に、「おおたるみとうげ」とふりがなが記載されている。国土交通省関東地方整備局相武国道事務所 2011年12月9日