周辺事態

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テンプレート:出典の明記 周辺事態(しゅうへんじたい、テンプレート:Lang-en-short)は、日本平和と安全に重要な影響を与える日本周辺の地域における事態のことである。日本は日本国憲法第9条により戦争武力行使が出来ないため考案された発想で、日本独自の法規定。

概説

周辺事態は明瞭な地理的区分に基づいた概念ではなく、その情勢の性質に基づいたものである。従って周辺事態は日本の平和と安全に重大な影響を与える実力行使を伴う武力紛争が生じる情勢だと定義できる。つまり、周辺事態には外敵による大規模な直接侵略だけではなく、土台人工作員によるテロリズム等、間接侵略が想定される。他方、膨大な難民の発生なども含まれる。日本にやってくる難民としては、朝鮮半島有事における脱北者が想定される。難民対策は、自衛隊が検討している。

周辺事態の発生においては、日本政府アメリカ政府と共に事態に処置するための協議を行う。そして状況悪化を抑制するために外交的・軍事的な手段を準備して実施するように努めることとされている。ただしこのアメリカ軍部隊と連携した自衛隊の出動は、政府違憲としている集団的自衛権の行使につながるという議論もある。

類型

具体的には、日本周辺で起こる以下のような事態が周辺事態の例である。

  1. 武力紛争が発生している場合
  2. 武力紛争の発生が差し迫っている場合
  3. 武力紛争は停止したが、秩序が回復していない場合
  4. ある国の政治体制の混乱で大量の難民が発生し、日本への流入の可能性が高い場合
  5. ある国の行為が国連安保理で平和への脅威と決定され、経済制裁の対象となる場合
  6. ある国で内戦が発生し、国際的に拡大する可能性が高い場合

関連項目