可変戦闘機 (マクロスシリーズ)

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テンプレート:Pathnav 可変戦闘機(かへんせんとうき、Variable Fighter、ヴァリアブル・ファイター)とは、テレビアニメ超時空要塞マクロス』を始めとするマクロスシリーズ作品に登場する架空の兵器。通常の戦闘機形態「ファイター」、そこから手足を展開した中間形態「ガウォーク」、人型ロボット形態「バトロイド」への3段変形機構を有する機動兵器群を指す。

代表的な機体VF-1の愛称にちなみ、マクロスシリーズではその他のバリエーションも含め、総称として「バルキリー」と呼ぶことが多い。以下、本文中では区別のため型式番号+愛称の形で表記する。

概要

アニメ・玩具関連の「乗り物がロボットに変形する」メカの中でも、マクロスシリーズの可変戦闘機はリアルロボット的な解釈の最右翼にあり、リアリティーを感じさせるデザインや設定が根強い支持を得ている。また、『ガンダムシリーズ』のモビルスーツ、『装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパー、『機動警察パトレイバー』のレイバーといった他の代表的なリアルロボットと比較して、航空兵器的性格が強いのも特徴である(ガウォーク・バトロイド形態でも地上を歩行するシーンは少なく、ほとんどの場合は飛行しているテンプレート:要出典)。メカデザイナーはマクロスシリーズの中心人物でもある河森正治。一部の機種はスタジオぬえの先輩宮武一貴が手がけている。

第1作『超時空要塞マクロス』に登場したVF-1 バルキリーは、アメリカ軍F-14 トムキャットに酷似した極めて現実的なデザインの戦闘機が一瞬で人型に変形するというそれまでに無かったメカ設定で[1]、後の変形リアルロボットに影響を与え、1980年代のアニメに変形ロボが乱立する原因となった。番組の制作発表当初、アニメ誌ではファイター形態とバトロイド形態が変形する設定を伏せてテンプレート:要出典掲載され、放送直前に中間形態であるガウォークが公表され、これが可変メカであることが知らされた。

また、戦闘シーンでは無数のミサイルが乱舞する中、激しく空間を飛び回る演出が「板野サーカス」という俗称で評判となった。

後のマクロスシリーズ作品には様々な後継機が登場し、ステルス機など現実世界の航空機開発史を反映したようなバリエーションを展開していく。実在の航空機のフォルムをベースにロボットへの変形機構を考案する方式を採り[2]、愛称(ペットネーム)も過去の名機から引用するなど、SFミリタリーセンスの融合を図っている。詳細はモチーフとなった実在する航空機の節を参照。

機体のサイズはファイター形態で実在の戦闘機と同様か小さいくらい(全長12mから22m)で、バトロイド形態でおよそ全高12mから15mほどに設定されている。局地戦用の可変爆撃機(ヴァリアブルボマー)の中には全長30mを超える設定のものもある。

デザイン

1980年にデザインされた初代VF-1 バルキリーから、シリーズ30周年記念の2013年のYF-30 クロノスまで殆どの機種を河森正治が手掛けている。河森はデザインの際にいくつかの決めごとをしている。

  • 航空機の形態から人型ロボット形態に矛盾なく完全変形すること。立体化(玩具)した際にも差し替え無しで変形するようにデザインする。
  • 変形のためだけの関節はなるべく設けず、その関節は可動にも使用できるように設定する。
  • 飛行形態では空力を考慮し、ちゃんと飛べるようなデザインにすること。
  • 新型をデザインするときは変形機構を新しくすること。

実際に変形する模型を作製して変形に矛盾がないか確認する。VF-1など初期の機種ではバルサ材や紙、発砲スチロール、金属ヒンジなどを使っていた。しかし金属ヒンジを使うと試作の段階では上手く行っても玩具化した際に再現できなかったり、ロックがきかなかったりした。1990年代のVF-19からはレゴブロックによる試作を行い、それを元にクリンナップを行うようになった。このため、一機種のデザインには短くても数カ月[3]、長いものになると数年がかりになるときもある[4]

河森以外にもデザイナーが参加することもあり、劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』においてのディティールアップ画稿や各種コクピットの画稿、『マクロス7』の敵VFは宮武一貴によるものである。また、『超時空要塞マクロスII』は河森がノータッチのため藤田一己大畑晃一が行った。『マクロス・ザ・ライド』では天神英貴が既存の機体にスタイルアレンジを行っている。

派生種別

運用用途に応じて様々なバリエーション(派生種別)の機体が開発されている。統合軍の主力戦闘機として量産配備されたのは、VF-1バルキリーやVF-11 サンダーボルトVF-171 ナイトメアプラスなど、平均レベルの性能で操縦者の技量や使用環境を問わず、機体設計の自由度が高く汎用性に優れた多目的戦闘機である。

その他、大気圏外での活動に適した宇宙機、ステルス性を重視した特殊任務機、ハイ・ロー・ミックス構想に基づく低コストの軽戦闘機など目的別に特化した機体も開発されている。また、攻撃力を強化した可変攻撃機や拠点攻略戦用の可変爆撃機といった派生種もある。他には実験機や試作機、個人用のカスタム機、民間用レジャー機なども登場する。

可変戦闘機というコンセプトは地球で生まれたが、地球人類とゼントラーディ人が共存する時代になると、相互の技術を取り入れた「ハイブリッド機が誕生することになる。さらに別の異星人勢力(バロータ軍)により改造されるなど、星間文明の交雑とともに一層バリエーションが拡がり、作品世界の中では可変戦闘機同士の戦闘が一般化している。

名称

アメリカ軍用機の命名法をモチーフにして、各機体には型式名とペットネームが付けられている。表記は任務記号/-(ハイフン)/設計番号/シリーズ記号/ペットネームの順となる。

任務記号
任務の種別をあらわす英字。統合軍の記号ではVFは可変戦闘機 (Variable Fighter) 、VA は可変攻撃機 (Variable Attacker) 、VBは可変爆撃機 (Variable Bomber) 、VTは可変練習機(Variable Trainer)、VEは可変早期警戒機(Variable Elint)、VF-Xは実験機 (Variable Fighter eXperiment) 、YFは試作可変戦闘機をあらわす。
なお、『マクロス VF-X2』などのゲーム作品ではVF-Xは統合軍の可変戦闘機特務部隊を示す。
設計番号
何番目のモデルかをあらわす数字。統合軍可変戦闘機では2008年から2060年の間にVF-0からYF-30までナンバーが進んでいるが、欠番や記述設定のみという機体もある。VF-3000やVF-5000に付けられた四桁の数字は軍事メーカー内で開発セクションが異なるというイメージ。
シリーズ記号
仕様や生産区分をあらわす英字。機体ごとに差異はあるが、おおむねA・B・C型が量産機、S型が指揮官機、D・T型が複座練習機といったパターンがある。
ペットネーム
制式採用機に付ける公式の愛称。マクロスシリーズではVF-1の愛称「バルキリー」が有名だが、機体によっては設定のないものや後付けで決まったものもある。
(例)VF-1Sバルキリーは「可変戦闘機1番目のモデルの指揮官用タイプ、愛称はバルキリー」となる。

また、作中では一般的な通称も用いている。『マクロス7』の主人公熱気バサラが乗る機体の正式名称は「VF-19改エクスカリバー・熱気バサラスペシャル」だが、劇中、脚本上ではもっぱら「ファイアーバルキリー」と呼ばれる。また、機種を特定せず、可変戦闘機ならば単純に「バルキリー」と呼ぶケースも多い。

変形機構

戦闘機形態のファイター(Fighter)、巨大人型ロボット形態のバトロイド(Battroid)、両者の中間形態のガウォーク(Gerwalk)の3モードを状況に応じて選択し、数秒以内に高速変形することが可能である。航空機と人型ロボットの利点を兼ね備えており、陸戦兵器であるデストロイドシリーズと比べて地上から空中(宇宙)まで極めて広い活動領域を備えている。

ファイターからガウォーク、バトロイドへの変形システムは以下の通り。ここでは可変戦闘機の代名詞VF-1の可変システムを取り上げている。

  1. ファイターモードからエンジンブロックが下垂し、膝部分で折れて逆関節の脚部となる。ベクターノズルが前後に開いてそれぞれ爪先と踵になる。
  2. 垂直尾翼が内側に倒れてたたまれ、さらにその基部である補助エンジンユニット全体が前方に180度裏返りたたまれる。
  3. 両脚の内側にたたまれていた腕が、脚部の下垂により障害物の無くなった機体側面へと移動、展開され、ガウォークモードになる。
  4. 補助エンジンユニットが背面前方にたたまれ障害物が無くなったことで、可変後退翼である主翼が飛行用の最後退角をさらに越えて後退、互いの後縁が密着する形でたたまれる。
  5. 胴体が前後に屈折し、胸部と背部を形成。機首を覆ってコクピットを保護する。
  6. 腹面側にあったモニターブロック兼レーザー銃座が中央の開口部から背面に回り込み露出、頭部となる。
  7. 逆に屈曲していた膝が伸び、バトロイドモードになる。

以降の可変戦闘機は、これを基本としつつも機体ごとにパーツの配置や変形パターン、変形用アクチュエーター等に改良を加え、所要時間の短縮や変形限界速度の向上などを図っている。

ファイター、ガウォーク、バトロイドの3形態が基本だが、VAはファイターの代わりにアタッカー、VB-6はシャトル、ガウォーク、デストロイドの3形態など、呼称が異なる。また、YF-21のリミッター解除やVA-1SSのガンドロイドなど第4の形態を持つ機種もある。

動力

航空用ターボファンエンジンの発展形、熱核反応タービンエンジン原子力エンジンの一種)を通常2基搭載する。核融合の熱エネルギーで吸入した外気を加速噴射する事で強大な推力を発生し、大気圏内ではほぼ無制限の航続距離を得ると共に、外気の代わりに水素などのプロペラントを燃焼、加速噴射する事で宇宙空間でも活動が可能となっている(ただしプロペラント容量により活動時間が制限されるため、宇宙ではスーパーパックなどの増加装備が使用される)。ほとんどの機体ではエンジンはバトロイド/ガウォーク形態時の脚部ブロックに搭載されており、排気ノズルは足部可動機構を兼ねた推力偏向ノズルとなっているため、変形機構と併せて推力ベクトルを大きく偏向させる事でV/STOLや従来の概念を超えた空戦機動が可能となっている。

さらにタービンにより発電された電力でレーザー機銃や変形機構などのモーターを駆動する。例えば、VF-1バルキリーの機体質量とエンジン推力の比(出力荷重比)は同時代のデストロイドで最も高出力の反応炉を持つスパルタンの4倍にあたる。このためバトロイドモードでも運動性能は高く、その余剰推力により空中移動や発電を介して、機体の装甲強度を向上させるエネルギー変換装甲(機体の分子構造そのものを強化する)を可能としている。AVFに搭載された次世代型のエンジンではブースター無しでの大気圏単独突破が可能になり、バトロイド時には余剰出力でピンポイントバリアを展開できる。

マクロスシリーズの宇宙艦艇などには重力制御装置が装備されているが、出力は装置のサイズに比例する。可変戦闘機のような小型兵器では効率が悪いため補助的な利用に限られ[5]、依然として航空力学的設計(翼による揚力の獲得)が重視されている。多くの機体は形態変形機構を兼ねた可変翼を採用している。

武装

レーザー機関砲
バトロイド時の頭部モニターユニットに搭載され、砲門数は型式により異なる。ファイター、ガウォーク時にも対空機銃、または対地銃撃用として使われ、モニターユニットそのものが砲塔として旋回、俯仰し、進行方向と異なる標的を狙うことも可能。VF-11 サンダーボルト以降の機体では、ドッグファイトで背後についた敵機を狙えるよう、機体背面斜め後方向きに配置している。
ガンポッド
口径30 - 55mm、多銃身(3〜6連)のガトリング砲をフェアリングで包んだ大型携帯銃器。ガウォーク、バトロイドでは通常右手で保持される。弾丸はフェアリング内に弾帯を装填する方式だったが、後にマガジン交換式に変更され、予備マガジンの携帯により継戦力の向上が図られた。また、格闘戦や治安活動中に鈍器として使用される場合もある。
ビームガンポッド
2050年代以降の一部の機種には、実体弾ではなくビーム砲仕様のガンポッドを装備しているものもある。
ガンポッドや頭部レーザー砲は自動照準で複数目標を同時射撃できるため、ミサイルを迎撃する防衛行動にも有用である。
ミサイル
中射程の対空・対地ミサイルや短射程のマイクロミサイルなど。2040年代には機動性を高めたハイマニューバ・ミサイルが登場する。
反応弾
艦隊・拠点攻略兵器。第一次星間大戦において多大な戦果を挙げたが、戦後は人道的見地から銀河条約で使用が制限され、地球にある新統合軍総司令部の許可なしには使用できないことになっている。
ディメンション・イーター
反応弾すら無効化するバジュラに対抗するために、2059年から実戦に投入された新兵器。標的に命中し、起爆の際に威力圏内の物質を強制フォールドさせる特性を持つ。小型化したマイクロ・ディメンション・イーター(MDE)はマイクロミサイルの弾頭に使用されたり、マイクロブラックホールをビーム状に発射するビーム兵器に使用され、対バジュラに戦果を上げた。生産にはフォールド・クォーツが必要なため大量生産は難しい。
フォールドブースター
超空間を移動するフォールドシステムの小型版。開発された当初は性能が片道20光年分しか保証されていなかったが、2059年(マクロスFの時代)になると技術も成熟され往復使用可能になっている他、フォールド断層への問題を解消したスーパーフォールドブースターが開発されている。

これらは機体下面や主翼のハードポイントに搭載され、変形形態により使用が制限されないよう考慮されている。一時期の機種ではステルス性を重視し、武装の機体内蔵化が進められた(このため機体も次第に大型化している)が、アクティブステルスの発展により、この傾向は緩和されつつある。基本形態が戦闘機という制約上、総合火力ではデストロイドに見劣りするが、選択・着脱可能なオプション装備でハンディを補っている。

防御兵装

SWAG エネルギー転換装甲
エネルギーを流すことで、強度が上昇する装甲。マクロス由来のオーバーテクノロジーを応用している。VF-0、VF-1など2000年代の機体はバトロイド形態でしか稼働できなかったが、2050年代のVF-25やVF-27はファイター形態でも稼働可能となっている。『マクロス ゼロ』では「SWAG」をそのまま「エスダブリュエージー」と呼んでいる。『マクロス・ザ・ライド』のスペック表では「SWGA」と表記している。
アクティブ・ステルス
機体形状によらずレーダーを欺瞞する技術。消費電力が大きいため、常にフル稼働させられるわけではない。『マクロス ゼロ』のSV-51やVF-0の時点で存在した技術だが、レーダー技術・ステルス技術の双方が発展しているため、いたちごっこが続いており『マクロスプラス』のYF-21では第三世代型アクティブ・ステルスが搭載されている。
ピンポイント・バリア
OTMの一つでPPBと略される。範囲は非常に狭いが、エネルギー転換装甲を上回る高い防御力を得る。当初は艦艇にしか搭載できなかったが、2040年にはAVF計画のYF-19・YF-21にて可変戦闘機にも搭載されるようになる。消費エネルギーの大きさから使用時間には制限があり、常時展開できるわけではない。
チャフ / フレア / スモーク
精密誘導兵器の欺瞞、敵の視界攪乱を目的とするソフトキル。現用機のそれと基本的に同じ機能である。
シールド
VF-11で初めて標準装備された防御装備。ファイター形態時は装甲の一部だが、バトロイド形態では左腕に装備され、エネルギー転換装甲が起動し攻撃を防ぐことができる。AVF以降ではピンポイントバリアを盾面に展開することで防御力を向上させることも可能になっている。
対光学兵器用気化装甲
VF-19、VF-25、VF-171に使用されている特殊装甲。機体の装甲表面に特殊な塗料が塗布されており、レーザーなどの光学兵器によるダメージを抑える。皮膜が気化することでエネルギーを減衰させるため、同じ箇所に連続して照射されると、効果が失われる[6]

追加装備(オプションパック)

大気圏外における航続距離の延長、装甲・武装の強化、偵察能力の付与など任務に応じた追加装備も用意されている。背部、腕部、脚部など複数のパーツを装備するため、まとめて~パックと呼ばれる。

アーマードパック
全身を多数のミサイルポッドを内蔵した装甲で覆うことで装甲と火力を強化した追加装備。重量の増加による運動性の低下を抑えるために補助バーニアも増設される。VF-1用は陸戦兵器として紹介されることもあるが、宇宙空間でも使用される。VF-0、VF-1、VF-11用の装備は装着がバトロイドモードに限られ、変形する場合は強制分離しなければならない。VF-25用やVF-171EX用のアーマードパックはこの点が是正され、装備したままでの他モードへの変形が可能になった。VF-0、VF-1、VF-11、VF-25、VF-171EX用が存在する。
スーパーパック(ファストパック)
大型ブースターと増槽、ミサイルランチャーを統合した追加装備で、機動性・運動性・航続距離・攻撃力などを総合的に向上させる。追加装備としては最もポピュラーでVF-1、VF-11、VF-17、YF-19、YF-21、VF-25、VF-27、YF-29用と機種に応じて様々な形態の装備が開発されている。初期のVF-1用のものは大気圏外用とされていたが、機種によっては大気圏内用、大気圏内外兼用などのバリエーションもある。VF-1においてはブースター+ミサイルランチャーユニットは機体背面に2基取り付けられる。増槽は両脚エンジンナセル側面に取り付けられ、ミサイルランチャーを兼ねる場合もある。訓練機のVT-1用のものは増槽の大きな非武装タイプとなっている。
劇中および設定資料では「スーパーパック」と呼ばれるが、「ファストパック」を正式名称とする資料もある。FAST Packとは現用戦闘機F-15コンフォーマル式燃料タンク(Confomal Fuel Tank)の別名で、FASTとは『燃料、及び戦術センサー』を意味する英語 " Fuel And Sensor Tactical " の略。従来型航空機の燃料を、宇宙空間で必要となる推進剤(プロペラント / propellant )に置き換えた上で、引用している。
イージスパック
背部レドーム、底部(バトロイド時は左腕シールド裏)スタビライザーフィンで構成される電子戦装備のパックである。索敵活動やミサイルなどの攻撃兵器を誘導可能である。RVF-171RVF-171EXRVF-25が装備する。

この他、機種ごとの専用装備として二連装ビーム砲を装備したVF-1S用の装備であるストライクパック、YF-25用の騎士型装備であるパラディンパック、VF-25用の大気圏内用装備であるトルネードパックなどが存在する。アーマードパックを装備したVF-1バルキリーは「アーマードバルキリー」、スーパーパックを装備したVF-11サンダーボルトは「スーパーサンダーボルト」、トルネードパックを装備したVF-25メサイアは「トルネードメサイア」・・・という風に呼称される。

サウンド関連装備

ゼントラーディとの戦いでリン・ミンメイの歌が戦争終結に貢献したことから、 真空の宇宙空間で歌を伝えるための装備も開発されている。ガジェット・M・千葉のサウンドエナジー理論に基づきマクロス7船団のFire Bomber(サウンドフォース)などが使用している。

ランチャーポッド
スピーカーを内蔵した弾丸(スピーカー・ポッド)を発射し、命中した対象に歌を聴かせる特殊ガンポッド。VF-19改(ファイアーバルキリー)などが装備している。さらに大型の対艦用のガンポッドΓという装備もある。
サウンドブースター
物理的な破壊力は皆無であるが、敵兵の戦意喪失や洗脳の解除など精神に対する効果により「戦わずして勝つ」ことを目的にする。『マクロス7』ではサウンドフォースならびにジャミングバーズが装備し、搭乗者の歌エネルギーを増幅・具現化して放出する。追加ブースター付きなのでスーパーパックの様に機動性も向上させる。装着する機体近くまで自律航行も可能。
時空共振スピーカーユニット
『マクロス ダイナマイト7』に登場。惑星ゾラの銀河パトロール隊に配備されたVF-5000やVF-19Pに搭載された。
フォールドスピーカー
主翼パイロンに装備されるスピーカーユニット。音声をフォールド波に変換し到達距離を延長させる。『マクロスF』ではガリア4での暴動鎮圧とミニコンサートのためにVF-25G(ミハエル・ブラン機)が装備する。

開発と運用

可変戦闘機は地球統合軍の主力兵器、或いは異星人の謎の兵器として様々なバリエーションの機体が存在する。偶然の発見や見込み違い、現場(実戦)の要請や政治的背景など、幾多の要因により独自の進化系統を成している。

(注)以下の記事中の西暦年数は作品中における架空の表記である。

誕生期 (西暦2001 - 2008年)

1999年、地球に墜落した異星人の戦艦(後のSDF-1マクロス)から得られたオーバー・テクノロジーにより、巨大異星人との格闘戦用巨大歩行兵器の研究が始まった。ロボット研究で実績のある陸軍は、陸戦機動兵器を開発の基礎においた重装型のデストロイド開発を提案。これに対し、海軍・空軍・海兵隊は航空機とロボットを融合させた、機動力・展開力に優れる全領域可変戦闘システムという大胆な計画提案で対抗した。ただし、初期の発想はあくまで「飛行形態を採れるロボット兵器」であり、飛行能力は移動手段という副次的なものであった。航空用エンジンの大出力を活かした格闘能力が期待され、オプションのアーマードパックの開発も検討された。

基礎研究は2001年2月に始動したが、初の量産機[7]VF-1バルキリーがロールアウトしたのは2008年11月だった。実用化の難航と共に、開発コンセプトも予想されたロボット兵器とは違うものへ変化した。まず、異星人墜落艦の調査で高機動兵器が発見されたため、対抗して高度な空戦能力が必要と判断された。主に大気圏内での空力的要求から、現用戦闘機に近い形態ファイターモードが生まれ、当初のロボット(バトロイド)中心から空陸両用思想へ転じた。さらに、開発上最も重要な転換点はガウォークモードの「発見」であった。VF-1の試作機 VF-X1 の試験飛行中、ファイターから両手足を伸ばした変形の途中段階が、低空低速ホバリング時に極めて有用であることが判明。操縦安定性に優れ、空陸の戦場を立体的に移動できるガウォークは独立した運用形態として採用された。これらの結果、可変戦闘機は3つの形態を持つ多用途機動兵器として成功することになる。

運用に関しては、異星人勢力の太陽系侵攻を阻止する迎撃戦闘がシミュレートされていた。現代戦の「制空権の確保→地上制圧」という展開に沿い…

  1. ファイターモードで敵航空兵力を退け制空権を確保。敵地上侵攻部隊へ上空から対地攻撃を行う。
  2. ガウォークモードに変形し、低空ホバリング飛行でより密な掃討を行う。
  3. バトロイドモードで着地し、接近戦にて制圧(ただし格闘戦(殴り合い)はやむを得ない場合の最終手段)。巨人族兵士の拘束や交渉も行う。

また、宇宙艦隊戦においてはバトロイドモードで敵戦艦内に強行突入し、抵抗を排除しつつ司令室を占拠するという海兵隊的な特殊作戦も計画されていた。敵軍と同等の大型戦艦(但しゼントラーディ側基準では 1,200 m 級は「小~中型艦級」扱い )がマクロス一隻のみという状況から、可変戦闘機部隊による白兵戦術も有効とみなされた。

地球を一つの政体に統一する統合戦争の末期には統合軍はVF-0 フェニックスを、反統合同盟はSV-51を実戦投入した。反応エンジンの搭載が間に合わず両者ともにジェットエンジンを搭載した試作機ではあるが、従来のジェット戦闘機を上回る機動性を発揮し、十分に実戦可能な兵器として完成する。

第一次星間大戦 (西暦2009 - 2010年)

しかし、いざゼントラーディ軍との戦闘(第一次星間大戦)が始まってみると地上戦を交える局面はほとんどなく、圧倒的な艦隊規模の差に白兵戦も無意味であった。VF-1部隊はおもにマクロス艦直掩機として活躍し、最終決戦の「ミンメイ・アタック」では反応弾を抱え戦闘攻撃機としても出撃した。本来、これらは無人戦闘機ゴーストや宇宙戦闘機ランサーIIの任務であったが、VF-1は期待以上の汎用性を発揮し、宇宙用追加装備(スーパーパック)も性能向上に大きく貢献した。また、パイロット達の創意工夫で変形を駆使した空中戦技が編み出され、ロイ・フォッカーマクシミリアン・ジーナスらエースパイロットは空中戦でもバトロイドモードが有効であることを証明した。可変戦闘機はマルチロール機として総合性能評価でデストロイドシリーズを凌駕し、戦後も統合軍の主力兵器として更に開発が進められることになった。

宇宙移民時代 (西暦2011 - 2040年)

戦後の2010年代から2020年代にかけては宇宙移民船団の護衛や移民星系の治安維持が主任務となった。この時代は名機VF-1の機体設計をベースに様々な「亜種」が生まれた。使用環境に応じて宇宙用、大気圏内用、ローコストの機体などを使い分ける専用機思想が主流となり、技術面では変形システムの見直し、機体の大型化、ステルス技術の導入などが行われた。地球再生計画が一段落して余裕が生まれてくると新たな可変戦闘機の可能性を模索する「アドバンスド・バルキリー計画」により「可変爆撃機」「可変攻撃機」などの新しいカテゴリーの可変機が生まれてくるようになる。また、開発メーカーの統合再編が進んだ結果、新星インダストリー社ゼネラル・ギャラクシー社が2大メーカーとなり、ゼントラーディ技術の融合も積極的に行われた。

その後、移民星系の拡大と共に紛争や内乱が続発し、広域治安維持活動のため使いまわしやすい万能機の価値が見直されるようになった。2030年、新統合軍はVF-1の正統な後継機VF-11サンダーボルトを次期主力機として採用。VF-11は新たなスタンダードとなり、それ以前の旧型機は退役や配置転換などの世代交代を強いられた。

AVF(西暦2041年 - 2050年)

移民惑星間の政治関係やテロリスト組織の活発化など、複雑化した治安問題に通常部隊では対処できないケースが増えたため、精鋭部隊を編成し、敵拠点をピンポイントで攻略する特務作戦が重要になった。新統合軍は最適な機体を求め、2034年からVF-11をはるかに凌駕する次期主力可変戦闘機(Advanced Variable Fighter : AVF)の開発計画に着手した。過酷な任務に就くため、AVFには以下のような基本性能が要求された。

  • 有事において迅速に出撃できるよう、ブースター装備なしでも大気圏内外を連続長距離飛行できる。
  • 敵警戒圏に縦深侵入するため、単独でのフォールド能力と高度な隠密性(ステルス性)を備える。
  • 防空網を突破するため大気圏内での高度な空戦能力を必要とする。
  • 施設内での鎮圧行動のため、バトロイドモードでの格闘戦闘力と防御力を強化する。

これらの実現のため、新開発の熱核タービンエンジン、フォールドブースター、第三世代型アクティブステルス、空力制御装置、AI操縦サポートシステム(BDIシステム)、ピンポイントバリアなどの最新技術が意欲的に投入された。

2039年から惑星エデンのニューエドワーズ基地で行われた競争試作プロジェクト、通称「スーパーノヴァ計画」では、新星インダストリー社のYF-19 とゼネラル・ギャラクシー社のYF-21が制式採用をかけて優劣を競った。一時は無人戦闘機ゴーストX-9の開発により有人戦闘機不要論が強まる時もあったが、2040年の「シャロン・アップル事件」で人工知能の脆弱性が露呈し、無人戦闘機採用は一時凍結、両機共に制式採用されることとなった。YF-19はVF-19エクスカリバーとして特殊任務用から一般兵用の量産機までバリエーションを展開し、YF-21は不安定な脳波コントロールから通常のコクピットに変更され、特殊任務機VF-22SシュトゥルムフォーゲルIIとして精鋭部隊に配備された。

これらAVFは2045年のバロータ戦役、2047年のミルキードールズ誘拐事件、2050年のラクテンス蜂起といった移民船団や移民惑星での紛争時に活躍した。

無人戦闘機の時代とGへの挑戦(西暦2051年-)

高性能のAVF・VF-19とVF-22は正式採用されたものの新統合軍の主力としての大量配備は見送られ、生産数は少数に止まった。理由はコスト問題の他に性能が高すぎてパイロットが技量的・肉体的に耐えられなかったためである。技量に関しては、AIや脳波コントロールによるサポートがAVFの時点で行われてきたが、肉体の限界は当時どうにもならない問題として有人戦闘機の性能向上に重く圧し掛かった。そんな中、X-9の諸問題をクリアしたゴーストAIF-7Sが実用化され、大抵の任務がゴーストで済むようになった事から有人戦闘機に高い性能が求められなくなる。その結果AVFの前世代機の中で最も高い性能を有したVF-17を改良し、良好な操縦性と高い汎用性を備えたVF-171ナイトメアプラスが新統合軍の主力可変戦闘機となった。

このゴースト実用化からの一連の流れで、戦闘による人的消耗と死亡した際の遺族への補償金問題、及びパイロットの徴兵・教育と練度向上などにかかるコストの大幅削減には繋がったものの、相反して兵員の士気・練度が低下する。2048年、第117次大規模調査船団が謎の生命体バジュラの攻撃を受けた際、戦闘技術の低下した兵員と限界性能の低いVF-171ではバジュラには全く歯が立たず船団が壊滅したことにより、改めて機動力の高い戦闘機開発が求められた。なおこの船団壊滅は軍の上層部により極秘事項とされ、表向きは「フォールド断層に巻き込まれた遭難事故」と発表された。

このバジュラの脅威に対し、軍部は極秘裏に高機動時のGを緩和するシステムと、それを搭載した無人戦闘機に匹敵する性能を有する次期有人可変戦闘機を開発していく。その結果、バジュラとの遭遇以前に一度は中止されていた計画を再始動する形でISC(慣性制御システム:Inertia Store Converter)を備え誕生したのが試作機YF-24であり、この設計データが各移民星・船団に送られ、各々の仕様に沿った変更が行われた後、実戦機として製造された。フロンティア船団のL.A.I.社はEX-ギアと呼ばれる耐G装備を備えたVF-25を、ギャラクシー船団はパイロットの身体そのものを機械化する事で耐Gや操縦インターフェースの物理的限界を払拭したVF-27を開発した。また新星インダストリー社MF(マクロス・フロンティア)工廠とL.A.I社により、YF-24 エボリューションの開発再開時に設定された対バジュラ戦用の要求仕様を満たす機体として、YF-29 デュランダルが開発された。これらYF-24から発展した機体はバジュラ戦役にて活躍し、戦争終結に貢献した。

『超時空要塞マクロスII』に繋がる設定における開発史

2054年、地球人類はログェス基幹艦隊の自動兵器工廠衛星をほぼ無傷で入手したことで、新たな軍事技術を入手する。これによりVFシリーズは従来の3倍もの出力を実現することになる。これによって生まれた次世代のVF-2シリーズは2091年のマルドゥーク軍との戦闘に投入される。

機種一覧

本節では、各作品に登場する機体をカテゴリーごとに分けて紹介する。各機種の詳細はリンクを参照。

反統合同盟軍

統合軍に反発しロシアを中心として2001年に組織された反統合同盟の可変戦闘機。スホーイ設計局、イスラエル・エアクラフト・インダストリー、ドルニエなどが開発・製造に協力している[8]。統合軍よりも先に可変戦闘機を完成させているが、統合戦争に敗れ2008年12月には統合軍に編入された。その後、開発者は主にゼネラル・ギャラクシー社で可変戦闘機を開発する。

SV-51
VF-0より先に実戦投入された史上初の可変戦闘機。反応エンジンの開発が間に合わずジェットエンジンを搭載する。反統合同盟の陣営だった自治区テンプレート:要出典ではVF-11の本格採用までSV-51が生産されたテンプレート:要出典。『マクロス ゼロ』に登場。
(開発:スホーイ/イスラエル航空工廠/ドルニエ 生産:2008年-2030年代 型式:α、γ)
SV-52
SV-51の後継機で熱核タービンエンジンを搭載している機体。第一次星間大戦にて実戦投入されたが、殆どが失われたとされている。『マクロス・ザ・ライド』には2050年代の技術でレストアされた「SV-52γ オリョール」が登場する。
(開発:スホーイ/イスラエル航空工廠/ドルニエ)

地球統合軍・新統合軍

2001年に成立した地球統合軍および、それを再編した新統合軍の機体。統合軍の主力兵器であり、最も種類が多い。ストンウェル、ベルコム、新中州重工、新星インダストリー、ゼネラル・ギャラクシー、L.A.I、タチカホフなど多数の企業が開発に参加している。

試作可変戦闘機

可変戦闘機の試作機・実験機をここでは紹介する。中には試作のみに終わったもの、ペーパープランのみの機体もある。

VF-X1
F-14の流れを汲む可変後退翼が特徴の試作機。熱核タービンエンジンを搭載するが、変形はガウォーク形態までで腕部は付いていない。後にVF-1 バルキリーとして制式採用される。『超時空要塞マクロス』第33話に登場。
海外版「ロボテック」のWildstorm社版コミックのオリジナルストーリーでは、非武装での飛行試験中に反統合軍機に遭遇し、接近した敵機の翼を腕で払って撃墜する。
(開発:ストンウェル/ベルコム/新中州重工/センチネル、試作開始:2006年)
VF-X-2
VF-1の対抗機種。OTMを意欲的に取り入れていたものの、そのため開発が遅れ、ボドル基幹艦隊の軌道爆撃によって地球が全滅したため開発は中止された[9]。別の資料によるとVF-2とされており、2003年頃から開発が開始されたが、2008年頃には試作段階で開発は中止されている[10]
(開発:2003年 - 2008年)
VF-X-3 スター・クルセイダー (Star Crusader)
2005年頃からVF-4の競作機として開発が開始されたが、2010年のボドルザー艦隊の爆撃によって生産システムが壊滅した[9]。別の資料ではVF-3とされている[10]。『超時空要塞マクロス リメンバー・ミー』では統合軍の要請でマクロス艦内で試作された完全宇宙戦闘用要撃機。試作段階で開発は中断された。別名メデューサ
(開発:2003年 - 2010年)
VF-X-4
VF-1の次世代機としてVF-X-3と同時期に開発された三胴型の機体。『超時空要塞マクロス』の最終話にて模型が登場。後に改良を加えVF-4 ライトニングIIIとして制式採用される。
VF-X-7 ゴーストバルキリー (Ghost Valkyrie)
無人機ゴーストをベースに設計された試作型の可変戦闘機。細長いボディを持つ。「アドバンスド・バルキリー」の機体。
VF-X-10
VF-9の原形になったと言われる前進翼の試作機。ファイター形態の画稿しか発表されていないため非可変の機体という説もある[11]。「アドバンスド・バルキリー」の機体。
(開発:ストンウェル/ベルコム)
VF-X-11
ブレインデッドウィングアンドボディの試作機。「アドバンスド・バルキリー」の機体。後にVFX-11へ発展しVF-11 サンダーボルトとして制式採用される。
YF-14
非公式本の『VFマスターファイル VF-19エクスカリバー 聖剣の軌跡』に型番のみ登場するVF-14 バンパイアの試作型。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー)
YF-19
新星インダストリーがスーパー・ノヴァ計画で開発した試作機。前進翼が特徴で高い機動性を持つが、操縦が難しいとされる。シャロン・アップル事件後も試作機が作られ、VF-19 エクスカリバーとして制式化された。『マクロスプラス』に登場。
(開発:新星インダストリー 開発開始:2034年)
YF-21 シュトゥルムフォーゲル (Sturmvögel)
ゼネラル・ギャラクシー社がスーパー・ノヴァ計画で開発した試作機。ゼントラーディ系の技術を積極的に取り込み、BDI(頭脳直結インターフェース)操縦システムや可塑性マテリアルなどの画期的なシステムが盛り込まれている。後にVF-22 シュトゥルムフォーゲルIIとして制式採用される。『マクロスプラス』に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー 開発開始:2034年)
YF-24 エボリューション (Evolution)
新星インダストリーとゼネラル・ギャラクシーが共同開発した試作機。慣性蓄積コンバータ(ISC)を搭載し、より高い機動性を実現する。主翼は前縁にドックトゥースを持ち、後縁はW状に屈曲したデルタ翼。移民船団はこの機体データを元にVF-25・VF-27・YF-29を開発する。『マクロスF』第15話で二面図が登場する。
(開発:新星インダストリー/ゼネラル・ギャラクシー 開発計画開始:2040年)
YF-25 プロフェシー (Prophecy)
YF-24を元にマクロス・フロンティア船団で開発された試作機。EXギアと言う操縦システムを兼ねる耐Gスーツが特徴。コクピットは複座。頭部左側面に小口径レーザーガン、右側面に通信アンテナを装備し、カメラアイは複合センサーを大型のバイザーが覆う形になっている。後にVF-25 メサイアとして制式採用される。初出はプラモデル。
(開発:新星インダストリー/L.A.I)
YF-26
非公式設定本の『VFマスターファイル VF-25メサイア 新たなる救世主』の「VF-25 メサイア開発史」に型式番号のみ登場する。2053年に新統合政府から与えられたYF-24の技術情報を元にマクロス・オリンピア船団で開発が開始された。しかし、オリンピア船団はフロンティア船団とYF-25を共同開発することを発表し、開発は中止された。
YF-27 シャヘル (Shaher)
YF-24を元にマクロス・ギャラクシー船団で開発された試作機。サイボーグ兵士と接続することで思考による直接操縦が可能。後にVF-27 ルシファーとして完成する。小説『マクロスF フロンティア・メモリーズ』『マクロス・ザ・ライド』に登場。
(開発:マクロス・ギャラクシー可変戦闘機開発工廠「ガルド・ワークス」)
YF-29 デュランダル (Durandal)
新星インダストリーとL.A.I社がフロンティア船団で開発した超可変戦闘機。前進翼で4発のエンジンを搭載する。機体の設計はYF-24の流れを汲み、VF-25とは姉妹機にあたるが、フォールド・ウェーブシステムを搭載し、より高性能となっている。『劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜』に登場。
マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』では地球本国生産仕様のYF-29B パーツィバルが登場。
(開発:新星インダストリー、L.A.I 完成:2059年)
YF-30 クロノス (Chronus)
S.M.S惑星ウロボロス支社が開発した最新鋭の可変戦闘機。フォールド断層を突破できる能力を持ち、作戦によって換装可能なコンテナウェポンユニットを持つ。YF-29のフォールド・ウェーブシステムの発展型のフォールド・ディメンショナル・レゾナンスシステムを搭載する。『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』に登場。
(開発:新星インダストリー、L.A.I、S.M.S惑星ウロボロス支社 完成:2060年)

可変戦闘機

可変戦闘機(Variable Fighter : VF)をここでは紹介する。試作機が統合軍の承認を受けるとVF-**の型番が与えられ制式採用される。

VF-0 フェニックス (Phoenix)
ターボファンジエットエンジンを搭載する、VF-1の試作型を実戦仕様とした先行量産型。一時は公式記録から消された幻の機体。『マクロス ゼロ』に登場。
(開発:ノースロップ・グラマン/ストンウェル/新星 計画開始:2002年 1号機完成:2004年 型式:A、B、C、D、S)
VF-1 バルキリー (Valkyrie)
初代主力機。優れた汎用機として、可変戦闘機の代名詞的存在となる。宇宙空間では航続距離が短いためスーパーパックを装備する。『超時空要塞マクロス』などに登場。
(開発:ストンウェル/ベルコム他 生産:2008 - 2015年 型式:A、B、D、J、S、X-plus)
VF-3000 クルセイダー (Crusader)
VF-1をベースに、機体の大型化と変形機構の改良を試みた機種。通称「ストレッチバルキリー」。少数生産に止まったが、コンセプトはVF-5000に継承された。初出は「アドバンスド・バルキリー」でゲーム『マクロスM3』にも登場する。派生機として可変爆撃機タイプのVF-3000B(通称「ボンバーバルキリー」)も存在する。
(開発:ストンウェル・ベルコム/新中州 生産: - 型式: - )
VF-4 ライトニングIII (Lightning III)
VF-1の後継主力機。VF-1で不足していた宇宙戦能力を強化した機種。ただし、大気圏内性能では逆に劣っていたため、完全代替とまでは至らなかった。主に宇宙移民船団の護衛機として配備された。『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』に登場。
(開発:ストンウェル・ベルコム 生産:2012 - 2022年 型式:A、B、C、D、S、SL、G)
VF-5
移民惑星で使用された低コスト宇宙機[9]。設定のみでデザインは存在しない。
(開発: - 生産:2015 - 2023年 型式: - )
VF-5000 スターミラージュ (Star Mirage)
大気圏内での空戦能力と、ステルス性向上を目的に開発された機種。生産及び運用コストの低さから、VF-4に代わる主力機として配備された。OVAマクロス ダイナマイト7』に登場するG型、T-G型は、第一線を退き、辺境惑星の警備隊へ回された機体である。
(開発:新星インダストリー 生産:2020 - 2029年 型式:B、G、T-G)
VF-9 カットラス (Cutlass)
VF-X-10の流れを汲む移民惑星用の軽戦闘機。大気圏内での運動性に優れる前進翼は、後のVF-19のコンセプトへと繋がる。『マクロスM3』に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー 生産:2023 - 2029年 型式: - )
VF-11 サンダーボルト (Thunderbolt)
VF-1以来の汎用機。主力機として多数配備され、多くのバリエーションを生んだ。『マクロスプラス』『マクロス7』などに登場。
(開発:新星インダストリー 生産:2030年 - 型式:A、B、C、D、D改、MAXL、MAXL改)
VF-14 バンパイア (Vampire)
VF-4の後継機で三胴型の機体。VF-11との主力機争いに敗れたが、機体強度の高さと長距離航宙能力から、宇宙移民船団や調査隊で使用された。『マクロスM3』に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー/メッシー 生産:2028年 - 型式: - )
VF-16
『マクロス7』ではVF-16の次世代型熱核バーストタービンエンジンがVF-11MAXL(MAXL改)に流用されたという記述でのみ登場。マクロスF公式同人誌『娘○秘(にゃんクレっと)File3』に収録されている小太刀右京の小説「ゴールデン・ハーベスト」には武井宏之によってデザインされたVF-16XL ファルシオンが登場する。これによると2030年台後半[12]にマクロス・フロンティア船団のL.A.I社が開発したとされ、2059年のバジュラ本星決戦にも参加している。
(開発:L.A.I 生産:2030年代後半 型式: XL)
VF-17 ナイトメア (Nightmare)
ゼネラル・ギャラクシー社が開発した特殊作戦機。通称「ステルスバルキリー」。パッシブステルス性、エンジン出力、装甲の厚さから来る耐久力、そして火力に優れている。航空力学的に難のある機体形状だが、主に大気圏外で運用されるために問題視されない。大気圏外では高い機動性を発揮する。『マクロス7』に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー 生産:2037年 - 型式:A、C、D、S、T、T改)
VF-171 ナイトメアプラス (Nightmare Plus)
VF-17をベースに、コスト削減、操縦性・生産性・大気圏内運用能力の向上を実現した改良機。ゼネラル・ギャラクシーとしては初の統合軍主力可変戦闘機の座に就いた。『マクロスF』に登場。
(開発:ゼネラルギャラクシー 生産:2046年 - 型式:一般機(型番不明)、スナイパー仕様(型番不明)、RVF、EX、RVF-171EX)
VF-19 エクスカリバー (Excalibur)
VF-11に次ぐ主力機として配備された機体。試作機YF-19は前進翼による高い運動性能が売りだったが、量産型では一般兵が扱えるよう機体が大幅に改修された。『マクロス7』などに登場。
(開発:新星インダストリー 生産:2041年 - 型式:A、C、改、E、EF、F、P、S)
VF-22 シュトゥルムフォーゲルII (Sturmvögel II)
YF-21の正式採用型で、少数生産の特務機。ゼントラーディ(メルトランディ)の婦人用バトルスーツクァドランシリーズの流れを汲むバトロイド形態が特徴。『マクロス7』に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー 生産:2042年 - 型式:S、HG)
VF-24 エボリューション (Evolution)
非公式本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-25メサイア』ではYF-24の制式採用型を「VF-24 エボリューション」としている。文章の記述のみで画稿は無し。
VF-25 メサイア (Messiah)
試作機YF-24及びYF-25をベースに、マクロス・フロンティア船団で開発された機体。VFシリーズで初めて近接格闘用の手持ちナイフを装備した他、アーマードパック装備状態での変形を可能とした。新統合軍内での正式な形式番号はフロンティア船団開発であることを示す「VF-25/MF25」。『マクロスF』に登場。
(開発:新星インダストリーマクロス・フロンティア工廠(LAI社支援) 生産:2057年 - 型式:A、F、G、R、S)
VF-27 ルシファー (Lucifer)
マクロス・ギャラクシー船団で開発された機体。VF-25と同じくYF-24の発展型だが、パイロットを身体を機械化したサイボーグ兵に限定することで、更なる高機動性を実現している。新統合軍はギャラクシー船団が技術情報の開示を行わない為、試作機ナンバーであるYF-27として扱っている。『マクロスF』に登場。
(開発:マクロス・ギャラクシー可変戦闘機開発工廠「ガルド・ワークス」 生産:2057年 - 型式:β、γ)
VF-XX ゼントラーディアン・バルキリー (Zentradian Valkyrie)
ゼントラーディ系の技術を取り入れたバルキリー。統合軍のゼントラーディ部隊によって運用される。『マクロスII』に登場。
(生産:2060年代)
VF-2SS バルキリーII (Valkyrie II)
2081年に制式採用されたVF-2の宇宙仕様。スクアイアーという遠隔操作型のレーザー砲台を使用する。スーパーアームドパックというオプションパックを使用可能。『マクロスII』に登場。
(1号機ロールアウト:2072年)
VF-2JA イカロス (Icarus)
VF-2の大気圏内仕様。地球の技術のみで完成されており、VF-2SSより一回り大きい。『マクロスII』に登場。
(採用:2086年)

可変攻撃機

可変攻撃機(Variable Atacker : VA)をここでは紹介する。

VA-X-3
全翼可変攻撃機。「アドバンスド・バルキリー」の機体。
VA-3 インベーダー (Invader)
爆弾搭載量を重視した全領域攻撃機。水中活動も可能で、バトロイド形態では半魚人の様な特異なスタイルとなる。『マクロス ダイナマイト7』、『マクロス VF-X2』に登場。
(開発:ノースロム・グラマン 生産: - 型式:A、B、C、M)
VA-14 ハンター (Hunter)
ゼントラーディ兵士用にVF-14を改良し、機体の大型化と火力・装甲の強化が施されている。マクロス5艦隊の主力機と設定されている。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー/ミコヤン 生産: - 型式: - )
VAB-2
熱核反応エンジン4基を搭載する大型可変攻撃爆撃機。FBz-99Gザウバーゲランの原型になったとされる機体。
(開発:ノースロム・グラマン/ミコヤン 生産: - 型式:D )
VA-1SS メタルサイレーン (Metal Siren)
VF-2SSをベースに2091年に開発された最新鋭の機体。バトロイドからガンドロイドと呼ばれる純攻撃型の第4形態に変形できる。『マクロスII』に登場。

可変爆撃機

可変爆撃機(Variable Bomber : VB)をここでは紹介する。

V-BR-2
「アドバンスド・バルキリー」計画の超音速偵察爆撃機。三胴型で機首に4枚のカナードがある。
VB-X-2 スピリット・オブ・ギャラクシー (Spirit of Galaxy)
アドバンスド・バルキリー開発計画の試作機。ゼントラーディが巨人のまま操縦できる翼長75mにも達する大型可変爆撃機。マクロスエースに連載された「非公式×機メカトロニクス」に登場。
(開発:ゼネラル・ギャラクシー)
VB-4
詳細不明。VF-17をやや上回る程度の武装だったとされている[13]
VB-5
詳細不明。VF-17をやや上回る程度の武装だったとされている[13]
VB-6 ケーニッヒモンスター (König Monster)
デストロイド・モンスターをベースに、拠点攻略兵器として誕生した。飛行形態をシャトル、砲撃形態をデストロイドと呼ぶ。『マクロス VF-X2』、『マクロスF』に登場する。
(開発:新中州/ノースロム・グラマン 開発開始:2030年 生産: -)
VB-171
VF-171を改修し可変爆撃機とした機体[13]。設定のみ。

可変練習機

可変練習機(Variable Trainer : VT)をここでは紹介する。

VT-1 オストリッチ (Ostrich)
VF-1の訓練用の機体。可変翼にセンサーが増設されている。非武装のスーパーパックを装備した状態はスーパーオストリッチと呼ばれる。『愛・おぼえていますか』『マクロス ダイナマイト7』に登場。
VT-11
マクロス・ザ・ライド』の主人公ハクナ・青葉が初めて乗ったと言う初等訓練用のVT[14]。画稿等は発表されていない。
VT-171改
VF-171を改造したイベント用の機体。サウンドエナジーシステムを搭載している。小説『マクロスF フロンティアメモリーズ』に登場。

可変早期警戒機

可変早期警戒機(Variable Erint : VE)をここでは紹介する。専用機ではなく、VFの改修や専用のオプションパックを装備することで電子戦や偵察任務に対応している。

VE-1 エリントシーカー (Erint Seeker)
VF-1の早期警戒仕様。頭部がセンサーになっている。大型レドームのオプションパックを装備。『愛・おぼえていますか』に登場。
VE-11 サンダーシーカー (Thunder Seeker)
VF-11の早期警戒型。大型レドームを装備している。『マクロス7』に登場。
RVF-171
VF-171にイージスパックを装備した機体。『マクロスF』に登場。
RVF-19EF ウォーニング・カリバーン (Warning Caliburn)
航空管制用のVF-19EF。『マクロス・ザ・ライド』に登場。
RVF-25
VF-25にイージスパックを装備した機体。『マクロスF』に登場。

可変飛行機

可変飛行機(Variable Craft : VC)をここでは紹介する。可変戦闘機を元に開発されているが、非戦闘用のため主にクラフト形態で使用されバトロイド形態が存在しない。

VC-19V VIPカリバー (VIP-Calibur)
非公式設定本の『VFマスターファイル VF-19 エクスカリバー』に登場する要人護送用の機体。変形機構の殆どと固定武装を廃している。
VC-25V VIPメサイア (VIP-Messiah)
非公式設定本の『VFマスターファイル VF-25 メサイア』に登場する要人護送用の機体。変形機構が無く、防御機構を充実させている。
VC-051
救助・防災用の機体。『ビークラブ』79号に設定のみ記載がある。
VC-079 SNNバルキリー (SNN Valkyrie)
SNN社の報道用の複座型バルキリー。非武装でバトロイド形態は無い。ブースターを装備することで大気圏脱出も可能。『マクロスII』に登場。

ゼントラーディ系

ゼントラーディ軍には可変戦闘機という概念はなかったが、第一次星間大戦後に地球に帰化したゼントラーディが地球の可変戦闘機の技術を利用して独自の機体を開発している。中には統合軍に鹵獲され使用された機体もある。

バリアブル・グラージ (Variable Grarg)
ゼントラーディ軍のバトルポッド・グラージの発展型で三段変形可能な可変戦闘機。ゲーム『マクロスM3』で惑星クリストラニアの反統合軍反動勢力のモアラミア・ジフォンが搭乗していた。統合軍に鹵獲された後にマイクローン用の透過型コクピットに改造された。
VBP-1/VA-110 ネオ・グラージ (Neo Grarg)
グラージをベースに開発された可変戦闘ポッド。バリアブル・グラージと異なり、バトロイド形態が存在しない。ゲーム『マクロスプラス GAME EDITION』に登場。
マクロス・ザ・ライド』には改良型のネオ・グラージBisが登場し、ゼントラーディ用のVBP-1(Variable Battle Pod/可変戦闘ポッド)とマイクローン用のVA-110(可変攻撃機)がある。
フェイオス・バルキリー (Feious Valkyrie)
マクロスシティでの生活に順応できなかったゼントラーディが、当時の新鋭機VFX-11を奪い第63254109ゼントラーディ外宇宙方面へ逃走。後にその技術を応用して独自開発された可変戦闘攻撃機。エネミーバルキリー(Enemy VAlkyrie、略してEVA〈イーヴァ〉)とも呼ばれる。ガウォーク形態は存在しないが、AVFと比肩する高性能機。『マクロス DIGITAL MISSION VF-X』、『マクロス VF-X2』に登場。

バロータ軍

バロータ3198XE第4惑星の軍隊が使用していた可変戦闘機。統合軍の機体を改造したものと推測されている。いずれも『マクロス7』に登場する。『マクロス・ザ・ライド』ではファスケス艦隊によっても使用されている。

Fz-109 エルガーゾルン (Ergazorn)
バロータ軍の主力可変戦闘機。バロータ星調査隊所属のVF-14を改造したものと推測される。一般兵タイプのA型と、プロトデビルンギギルが搭乗する指揮官タイプのF型がある。
Az-130 パンツァーゾルン (Panzerzorn)
マクロス5航空部隊のVA-14を改造したものと推測される可変攻撃機。
FBz-99 ザウバーゲラン (Zaubergern)
マクロス5航空部隊のVAB-2Dを改造したものと推測される可変戦闘爆撃機。プロトデビルンのガビルが搭乗する。

その他の可変戦闘機の機種一覧

海外ロボテック版の機体

ハーモニーゴールド USA社(Harmony Gold USA)が竜の子プロダクションよりライセンスを取得、同一世界の異なる時代と世代を描いた、連続する1つの大河ストーリーとして翻案、再編集された作品である『ロボテック』(Robotech)の第三シーズン(日本版では『機甲創世記モスピーダ』に当たる時代)は、マクロス世界の後の時代という設定となっている。

このため、この作品のアーモファイター・AFC-01 レギオスVFA-6 Alpha Fighterの名で、バルキリーの後継機という位置づけになっている。また、可変機動兵器は可変戦闘機航空機ではない地上戦闘車輌艦艇にも定義を拡張した「ベリテック」(Veritech)と総称され、そのガウォーク形態は「Guardian Mode(ガーディアン・モード)」と呼ばれている。

海外オリジナルOVA「センチネルズ」や、DCコミックを始めとする複数の出版社から発行された多数の漫画版では、『マクロス』や『超時空騎団サザンクロス』の登場人物がこれらの機体に搭乗したこともある。

2007年2月にOVAの形で公開された海外オリジナルの新作『シャドウ・クロニクルRobotech: The Shadow Chronicles)』においてもこの概念を受け継いだ機体が活躍するなど、国際的にも認知度が高い。

また、海外独自制作作品においては、腕なしのいわゆる「ガウォーク・ファイター」までの二形態のみの可変をする機体が各種二次的連続性作品に登場する。

雑誌企画の機体

模型誌『キャラクターモデル』のマクロス連載企画「VFエクスペリメント」で発表されたオリジナルモデル。河森正治デザインだが、シリーズ中では非公式扱いとなる。愛称(ペットネーム)は公募により決定された。

SW-XAI シュメーブルーメ
VF-1をベースに、ステルス技術検証のため試作された制空戦闘機。
SW-XAII シュニーガン
VF-1をベースに、ステルス技術検証のため試作された防空戦闘機。前進翼を採用。

モチーフとなった実在する航空機

型式番号 愛称(通称・ペットネーム) 愛称のモチーフ デザインのモチーフ
VF-0 フェニックス AIM-54 F-14
VF-1 バルキリー XB-70 F-14
VF-4 ライトニングIII P-38 またはライトニング SR-71
VF-5 設定愛称なし 設定愛称なし 設定デザインなし
VF-9 カットラス F7U X-29
VF-11 サンダーボルト P-47またはA-10 Su-27
VF-11MAXL / VF-11MAXL改 MAXL / ミレーヌバルキリー F-16XL / - 設定デザインなし/ F-16XL
VF-14 バンパイア バンパイア SR-71
VF-16 ファルシオン - -
VF-17 ナイトメア - F-117
YF-19 - - X-29かつSu-27[15]
VF-19 エクスカリバー - X-29
YF-21 シュトゥルムフォーゲル - YF-23
VF-22 シュトゥルムフォーゲルII Me262A-2a YF-23
YF-24 エボリューション - F-22
YF-25 プロフェシー - F-14かつSu-27
VF-25 メサイア - F-14かつSu-27
VF-27 ルシファー - F-14かつSu-27かつSR-71
YF-29 デュランダル - X-29
VF-3000[16] クルセイダー F8 -
VF-5000[16] スターミラージュ ダッソー・ミラージュシリーズ F-16XL
VA-3 インベーダー A-26 A-6
VA-14 ハンター ホーカー ハンター SR-71
VAB-2 - - B-2
VB-6 ケーニッヒ・モンスター M103[17]およびティーガーII スペースシャトル
M50オントス自走無反動砲[18]
SV-51 - - Su-27
SV-52 オリョール - Su-27

商品化

イマイアリイタカトクニチモバンダイハセガワやまとウェーブといった模型・玩具メーカーからプラモデル、玩具として商品化されている。プロポーションを重視した比較的安価な非可変のモデルと、高価だが3段変形可能な可変タイプがある。

デザイナーの河森正治は商品化の際にも協力を惜しまず、商品開発用に新たに画稿を起こすこともある。

また、オリジナル商品として俗に痛バルキリー(いたバルキリー)と呼ばれるペイントパターンの機体もある。痛車の様に女性キャラクターのイラストをマーキングしたバルキリー(可変戦闘機)のことを指す。VF-25のデカルチャー・デカールが代表的だが、そのほかゲームオリジナルの痛バルキリーも存在する。

脚注

テンプレート:Reflist

参考書籍

関連項目

外部リンク

テンプレート:マクロスシリーズ
  1. 従来のロボットアニメにおける合体・変形シーンは一つの見せ場であり、じっくり描写したものを毎回使いまわすことが通例であった。
  2. ただし、最初にデザインされたVF-1はロボットのデザインが先行し、変形機構を編み出す上でF-14に似た戦闘機形態にたどり着いており、ガウォーク形態も変形玩具の開発過程で偶然見出された経緯を持つ。なおVF-22やVF-17をデザインした際に河森は「現実の航空機がステルス化に伴う装備内蔵により肥大化したのでデザインが楽になった」とコメントしている。
  3. 「マクロスアルティメットフロンティア 超時空娘々パック」によるとVF-25のデザイン期間は3ヶ月
  4. 「河森正治デザインワークス」 155頁によるとVB-6 ケーニッヒモンスターは1994年のラフスケッチから完成の1998年まで4年かかっている
  5. ゼントラーディ軍のバトルスーツ、クァドラン・ローが搭載するイナーシャ=ベクトルコントロールシステムを、YF-21やVF-22S シュトゥルムフォーゲルIIが導入している。
  6. マクロス・クロニクル No.36
  7. マクロス ゼロ』に登場するVF-0フェニックスSV-51は試作戦闘機を実戦投入したという設定で、生産数も少ない。
  8. 『マクロス・クロニクル No.48』 18頁
  9. 9.0 9.1 9.2 『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロスプラス』 小学館、1995年
  10. 10.0 10.1 『マクロスデジタルミッションVF-X 最強攻略ガイド』小学館、1997年、81頁。
  11. 「マクロスエース」 8号268頁
  12. バジュラ本星決戦時において「今から20年ほど前に初めて独自開発した」と記述されている。
  13. 13.0 13.1 13.2 「マクロス・クロニクル」第46号 28頁。
  14. マクロス・ザ・ライド 下 214頁
  15. デザイン発表後により形状が似たSu-47(S-37)が公表された。存在を知った河森は「カナード翼の位置がYF-19の没案にそっくりでびっくりした」とコメントしている(『フィギュア王 No.77』ワールドフォトプレス刊より)。
  16. 16.0 16.1 型式番号が4桁台なのは「開発メーカー内で担当チームが異なる」イメージから。
  17. 正確には原型であるデストロイド・モンスターの愛称の元になったものである。
  18. ガウォーク形態の原型であるデストロイド・モンスターの形状が酷似。