南極星
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南極星(なんきょくせい)とは、その天体の天の南極に最も近い輝星を意味する。
また、カノープス(りゅうこつ座α星)の漢名「南極老人星」の略でもある。
ここでは、地球における天の南極に最も近い輝星について詳述する。
現在の南極星
21世紀現在、天の南極に最も近いバイエル天体は、赤緯-88°、5.47等級のはちぶんぎ座σ星(ポラリス・アウストラリス)であり、この星が南極星とされることがある。しかし、5.47等級は天測に使えるほど明るくはなく、南極星と呼ぶに値しないとされることもある。
はちぶんぎ座に明るい星はなく、最輝星であるはちぶんぎ座ν星でも3.76等級しかないうえ、赤緯は-77°で天の南極からは大きく離れている。これらのことから、「21世紀現在、南極星に該当する天体は無い」という見解もある。
過去・未来の南極星
ファイル:Precession S.gif
天の南極の経年変化、数字は年代をしめす。
地球の歳差運動により、2万6000年周期で南極星は入れ替わる。
関連項目
- みなみじゅうじ座(南十字星) - 天の南極を調べる目安に使われる星座
- 天の北極
- 北極星en:South Star